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宮城県知事記者会見(平成24年12月17日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年12月18日更新

知事記者会見(平成24年12月17日)

本日(17日)のバックボードの表示について

村井知事

記者会見バックボードの写真

 それでは、バックボードの説明をさせていただきます。
 本日は、鉄道の復旧率とコンテナ貨物の取扱量の回復率の2項目を紹介しております。
 まず、鉄道の復旧率ですが、津波により甚大な被害を受けました沿岸部の鉄道は、現在も5つの路線、約96.9キロメートルの区間で運休が続いておりまして、復旧率は79%となっております。運休区間のうち、気仙沼線では、仮復旧ではありますが、柳津駅から気仙沼駅間でBRT(バス高速輸送システム)が運行しております。また、常磐線の亘理駅から浜吉田駅間、石巻線の渡波駅から浦宿駅間につきましては、来年(平成25年)の春ごろに運行が再開される見込みとなっております。県といたしましては、各路線の一日も早い全線運行再開に向けて、引き続き関係機関と連携を図りながら、必要な支援を行ってまいります。
 次に、仙台塩釜港仙台港区のコンテナ貨物取扱量の回復率であります。平成24年10月末現在におけるコンテナ貨物の取扱量は、震災前の平成22年と比べまして76%まで回復しております。コンテナ定期航路につきましては、外貿ダイレクト航路、内航フィーダー航路ともほぼ震災前の状況まで回復をしてきているということであります。県といたしましては、コンテナ貨物取扱量の増加に向けて、引き続き関係機関と連携して、仙台塩釜港の利用促進に努めてまいります。
 以上でございます。

衆議院議員選挙の結果について

Q

 衆議院議員選挙は自民党の圧勝、そして政権交代へ向かうことになるが、この結果についての所感を伺う。

村井知事

 やはり一言で言いまして、今までの民主党政権に対しての厳しい審判が下されたということに尽きると思います。報道でもありますように、やはり自民党、公明党がいいというよりも、ほかの選択肢の中で自民党、公明党のほうがいいのではないかといったような、消極的な支持によってこのような結果になったのではないかと思います。郵政解散選挙(第44回衆議院議員総選挙)のように、圧倒的な支持が自民党や公明党に集まったというような感じはいたしませんでした。これは恐らく皆さん感じていることと思います。従いまして、自民党、公明党といたしましても、国民がそういう思いで投票したということをしっかり受け止めまして、おごることなく、謙虚に地道に政策を具現化していただきたいと思います。やはり何といいましても、国民は経済の再生、これを加速的に進めてほしいという思いを強く持っております。「安倍ノミクス」といった表現もありましたけれども、急に大きく舵を切って、日本経済を誤った方向に導かないように、着実に日本経済を再生させていただきたいと思っております。

Q

 民主党に対しての厳しい審判が、自民党、公明党への支持となったというが、幾つも出た新党に向かわなかったことについては、どう感じているか。

村井知事

 やはりこれは乱立したことによって、皆さんのいろいろな考え方が分散してしまったと私は捉えております。

Q

 新政権に、被災地の県知事として望むことについてはいかがか。

村井知事

 復旧・復興につきましては、自民党、公明党が野党のときから協力はしてくれておりました。今後は相当程度細かい調整等が必要になってまいります。そういったときに、国の形にわれわれを合わせろというのではなくて、われわれの考え方に国のほうが合わせて、柔軟な対応をしていくということがより求められてくると思います。ぜひその点につきましては、民主党の政権とよく引き継ぎを行っていただきまして、被災者目線でしっかりとした対応をしていただきたいと思っております。

Q

 民主党への厳しい審判の中には、震災対応が満足のいくものではないという点もあった。それが選挙に影響を与えたと考えるか。特に、これまでの民主党政権で、震災復興に関して足りなかったと思う点、その分新政権に望みたい点が具体的にあれば伺う。

村井知事

 震災の影響はあったと思います。まず、原発に対する対応ですね。これは非常に後手後手に回ってしまいまして、適時適切な情報が必要なタイミングで出されることもありませんでしたし、もう2年近くたっているにもかかわらず、いまだに風評被害対策等がしっかりとなされていないという思いは、特に原発の被害を受けた地域では強く根づいているものと思います。
 その他の部分につきましては、私は個人的にはよくやっていただいたと思っておりますが、衆議院と参議院がねじれている中で、どうしても時間がかかってしまったといったような感は否めませんでした。仮設住宅へのいろいろな附帯設備の追加工事にいたしましても、後手後手に回ってしまいましたし、こういった点を被災者は厳しく受け止めたのではないかと思います。
 足りなかった部分、望む点でございますけれども、やはりわれわれの、被災地の考え方に国の制度を合わせていくといった姿勢はなかったわけではありませんけれども、十分でなかったと思っております。今後細かく制度を変えていかなければいけない点が出てまいります。こういった部分については、柔軟に対応していただきたいと思います。先般(11月27日)の(復興推進会議で)事故繰越につきまして、一歩踏み込んだご発言がございましたが、まだまだわれわれとしては十分だと思っておりませんので、恐らく年度末になりましたならば混乱が生じるだろうという部分もまだございます。そういった部分については、原理原則にこだわらずに、われわれの考え方にオーダーメードで合わせていただきたいと思います。

Q

 宮城県内で今野東復興副大臣、郡和子復興大臣政務官が小選挙区では落選された。その点を民主党の復興政策と絡めて、どのように受け止めているか。

村井知事

 復興副大臣、政務官に限らず、今回民主党の要職につかれている方はかなり厳しい結果になりました。(菅直人)前(内閣)総理(大臣)も(小選挙区は)落選されたということでございますので、特に復興に関わったから厳しい結果になったとは私は受け止めておりません。これは民主党に対する批判を、やはり民主党の代表、顔である人たちに、特に厳しい審判として下されたのだと私は受け止めております。

Q

 復興副大臣、政務官、大臣も自民党に変わると思うが、今までの大臣と何か違ったことを要求していくことはあるか。また期待していることはあるか。

村井知事

 今までお願いしていたことを急にシフトチェンジするということは特にないです。基本的には今までやってきたことを、より詳細に積み上げていくという形になっていくと思います。

Q

 県内の各選挙区で投票率がだいぶ低くなった。沿岸部は特に低いところが多かったが、この原因をどのように捉えているか。

村井知事

 宮城県の投票率は、最終的な確定値は55.24%ということであります。前回の67.35%より(約)12ポイントも低下をしておりまして、戦後の最低であります平成8年の第41回衆議院選挙の57.53%も下回る結果となりました。これにつきましては大変重く受け止めなければならないと思っております。全国的な順位を見ましても、宮城県は44位(とみられ)、前回も41位ということで、構造的に宮城県は投票率が低い地域であるのですが、そうであったとしても全国の本当に最下位(クラス)に位置しているということでございます。先ほど沿岸部がちょっと低いのではないかということでありますが、これは恐らく被災者の皆さんがまだ、なかなか投票に行く環境にまでなっていないという考え方ができるかと思っております。関心がないということはないと思いますが、投票しづらい環境にあると私は受け止めております。こういった点も今後はよく改善していかなければならないと思います。

Q

 投票率を上げるために県としての対策はあるか。

村井知事

 今の時点でこういった対応というものはありませんが、今後は選挙管理委員会のほうで今回の選挙結果をよく分析をいたしまして、投票率を向上させる施策を考えていかなければならないと思います。(選挙に)行かないのも一つの権利ではあるのですけれども、関心がなければ行って白票を投じればいいわけであります。選挙に行かないということは権利を放棄したことになりますし、民主主義の土台を揺るがす問題でございますので、やはり有権者の皆さん全員に投票所に足を運んでいただけるような工夫というものを考えていかなければならないと思います。これは反省をしております。

Q

 自民党、公明党への消極的な支持と言われたが、なぜ消極的な支持となったと見ているのか。また、復旧・復興に関して、原理原則にこだわらずオーダーメードで合わせてほしいということだが、新政権の復興庁のあり方全般について要望することがあれば伺いたい。

村井知事

 なぜ消極的だったのかということですが、これは今回どの政党もいろいろなことをおっしゃっていましたけれども、ワンイシュー(ひとつの課題)ではなくて、複数の問題点について賛成、反対、中立と、よく考えてといったような示し方をしておりました。消費税を上げるか上げないかだけ、あるいは原発を再開するか、しないか、そういう問題だけではなくて、いろいろな課題がありましたので、この政党に自分たちの考えを全てまとめて投票できるといったような形ではなかったのではないかと思います。つまり課題があまりにも分散してしまって、そしてなおかつ政党が乱立してしまいましたので、どこに投票していいのかが分からなくなってしまった。その結果、消去法によって自民党と公明党が選ばれたのではないかと考えたということであります。
 それから、復興庁についてでございますが、もうこれは、復興庁ができて動き出しておりますので、ここで大きく舵を切るということは、私はかえって復興の妨げになると思います。現在ある復興庁をよりわれわれに寄り添った復興庁になるように、そうコントロールをしていただきたいと考えております。

Q

 今回の衆院選の結果を受けて、来年の参院選への影響を今の段階でどのようにお考えか。

村井知事

 これはもう現時点では分かりませんけれども、今後の数カ月間のスタートダッシュいかんによるのではないかなと思います。このスタートダッシュにつまずくようなことがあれば、恐らく今度は自公政権にまた厳しい審判が下される可能性は十分あると思います。325議席ですので、3分の2以上ありますから、自民党・公明党政権だけで、参議院のことを気にせず思い切ったことをいろいろできる環境を国民は作って与えてくださったのだと思います。どこまで思い切ったことをやり、半年間で国民が少なくとも安心できるような政権運営ができるのかどうか、ここにかかっているのではないでしょうか。

Q

 自民党の安倍総裁は、デフレ脱却を掲げて大型補正に着手するとされているが、被災地として求める経済対策があれば伺う。

村井知事

 既にいろいろな復興事業をしておりますので、復興事業は復興事業でやりながら、現在優先順位を下げて、少し立ち止まっている事業もございますので、こういった事業について政府のほうからヒアリングがあればメニュー化をして、提唱しようと思っております。例えば県北の幹線道路(の整備)、こういった事業について、われわれは優先順位が非常に高いと思っておりますが、まずは復興事業を優先しなければいけないところでちょっと今足踏みをしております。こういったものが認められれば、復興事業と並行しながら進めてまいりたいと考えております。

Q

 先ほど復興庁がここで大きく舵を切るのはあまりよくないという話だったが、自民党の候補者の多くが、被災地に復興庁本庁を持ってくるとしばしば訴えてきた。その点についてはどう思われるか。

村井知事

 これは自民党政権がどう考えているのかよく聞いてから言わないといけませんけれども、私個人的には、もう既に東京に復興庁があって、大臣が常駐しておりまして、復興大臣になりますと当然国会にたびたび出ていろいろ答弁をしなければいけませんし、本庁の職員は各省庁ともいろいろ調整しなければいけません。そういった意味では、ヘッドクオーター(本庁)は東京に置いておくというのは、一つのやり方ではないかなと思っておりました。こちらのほうに持ってきたほうがいい(という)メリットもあろうと思いますので、そういった面をよく聞きながら、考え方を聞かれたならば、私の意見を述べたいと思っております。
 ただ、現実的にはもうかなり進んでおりますので、ここでまたそういった議論で立ち止まるというのは得策でないような気はいたします。

トヨタ自動車東日本のエンジン工場稼働開始について

Q

 先週(14日)、宮城県大衡村のトヨタ自動車東日本のエンジン工場が稼働し、当初計画していた投資がほぼ完了したイメージがある。県内の自動車産業にとって非常に大きなインパクトを与える工場だと思うが、あらためて知事の所感を伺う。また、このエンジン工場ができたメリットを踏まえ、これからの県内の産業の課題をどのように捉えているか。

村井知事

 エンジン工場ができましたので、トヨタ本体の大型の投資は一段落というふうに捉えております。エンジン部品は、ねじ一つまで入れると、部品が600ぐらいあるそうです。その中で、ある程度三河(愛知県)のほうで組み立てて持ってくるものがありますので、宮城県で組み立てるのは150程度とおっしゃっていました。しかも、できるだけ現地の調達率を上げたいということでございます。今のところは年間(生産)10万基程度と伺っておりますけれども、一つでも部品が納入できれば10万個の納入ができるということになりますので、私は東北の経済にとりまして非常に大きな波及効果が生まれてくるものと思っております。私もたびたびトヨタの幹部の方とお話ししまして、トヨタの幹部も同じ考え方なのですが、これはもう宮城県だけで支えられる規模ではありませんので、東北全体でこの自動車産業を支える。特に、エンジンという部品は心臓部品でありますので、1個でも不良品がありましたならばもう車は動かなくなってしまいます。相当高い技術力を必要といたしますので、この機会に技術力を向上させて、そしていい人材を育てて、1社でも2社でも参入できるような応援をしてまいりたいと思っております。
 産業の課題ですが、自動車につきましてはおかげさまで相当程度うまくいっていると思います。高度電子機械もあります。食品加工業もあります。そういった基軸となる産業は宮城県にでき上がっておりますが、その産業だけによって立つというのも、私はリスクがあると思っておりまして、伸びしろのあるような環境関連、あるいは医療関係、福祉関係といった他の産業にもやはり手を広げていきたいなと思っております。基幹となる技術はそんなに差はないと思いますので、中小企業の皆さんの持っている特異性を生かして、いろいろな産業に参入できるように、選択肢を増やしていくということが重要だと思います。もちろん自動車は引き続き頑張ります。

Q

 環境、医療といったほかの産業も一部挙げられたが、これらの産業を振興していく上で、現在、復興特区制度があるが、県としてものづくり等と同様に、各市町と合同で特区申請をしていくことは考えているか。

村井知事

 これは必要なものがありましたならば、どんどん手を挙げていこうと思っております。これについては、今までも復興庁はその方向で考えてくれておりますので、新しい政権のもとで動き出す復興庁についても、当然その方向で足並みをそろえてくれるものだと信じております。

Q

 現状では、具体的にはまだないということか。

村井知事

 そうですね。具体的にはありません。

復興の進捗について

Q

 今年のここまでの復興の進捗についての全体の手応え、感触及び次のステップとしての課題はどんなものか伺う。

村井知事

 皆さんご承知のとおり、住宅の整備ですね、こういったようなものも進み出しておりますし、グループ補助金等を活用して会社を新たに立ち上げてというような動きも出てまいりました。そういった意味では、昨年(平成23年)と今を比較しますと、この1年間でもう比べ物にならないくらい県民、被災者の皆さまの目の色、輝きが変わってきたと思っております。少なくとも将来に向けて希望を持ちながら生きておられるな、というのを感じるようになってきたということでございます。しかし、一方で、ずっと仮設住宅あるいは民間のアパート等にこもりきりになっているという方も増えてきているという話もございますので、光の当たらない方たちにどうやって光を当てていくのかということが、今後の大きな課題になっていくのではないかと思っております。心のケアとよく言われますけれども、一人一人持っております個人の差がいろいろあるでしょうから、一人一人に寄り添いながら、その個人差を見極めていくような、そういった施策をしていかなければならないと思っております。

Q

 今年、防災集団移転を進める上で、建築土木などの専門職の職員を中心に人手不足が各自治体で深刻になっていて、当初から比べるとだいぶ減っているが、来年(平成25年)の4月1日に、年度替わりをめどに派遣をいただいている他県の自治体が引き上げるのではないかという話も聞いている。こちらについて今後県としてどのような対応を考えているか。

村井知事

 ちょうどこの時期から来年(度)(平成25年度)の人事がいろいろ検討に入っていくということになりますので、県の総務部長、担当課が手分けし、また市町村とも協力しながら、他県の自治体のほうを回りまして、協力のお願いをしているということであります。私も県内の首長さん方、いろいろ回ってお話を聞いておりますと、やはり4月に一斉に代わってしまうというのは非常に大変だと。一遍に人がいなくなってしまうので、またゼロからスタートしなければいけないという話がありまして、できれば前半後半ぐらいに分けてもらえないかというような声も聞いておりますので、そういった要望を他県の自治体のほうにお伝えをいたしまして、できるだけ引き続き協力をしていただけるようにしてまいりたいと思います。今直ちにみんな引き上げるといったようなところはないのですが、どの(県内の)自治体も人手不足で、今結構大変な状況で頑張っていますので、もう少し軌道に乗るまで協力をお願いしていかなければならないと思います。