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宮城県知事記者会見(平成24年9月10日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月25日更新

東日本大震災発生から1年半を迎えて

Q

 明日9月11日で東日本大震災から1年半になる。ここまでの時間の経過に対する所感と、横たわる課題等についての現状の認識を伺う。

村井知事

 明日で(震災発生から)1年半を迎えます。空港、港湾などのインフラにつきましては、ほぼ震災前の状況まで回復いたしました。震災がれきにつきましても、いろいろな課題はございますけれども、気仙沼ブロックを除く仮設プラントが順次稼働を開始いたしまして、おおむね順調に処理が行われていると考えております。本日(10日)から北九州市にがれきも搬出するということで、広域処理も少しずつ進んでいるという状況でございます。
 震災当初からずっと言い続けております課題(が)、三つあります。一つ目は住まいの問題、二つ目は雇用の問題、三つ目は原発の問題でございます。こ(れら)の問題についてはやや時間がかかる部分もございますが、一歩一歩前に進んでいきたいと考えております。

Q

 1年半たち、復興の進み具合をどのように感じているか。また、復興にはまだ少なくとも数年かかると思うが、それに向けての課題となっている部分が、財源や人材等あると思う。どのような部分が今ネックになっていると考えるか。

村井知事

 総じてだいたい考えたとおり、復興計画どおり進んでいると思っております。被災者の側からすると、まだまだ遅いと言われるかもしれませんが、計画上は10年の復興計画、もう1年半過ぎましたからあと8年半ですけれども、8年半で復興を終えると(いう計画です)。当初の3年間、今から考えると1年半以内に復旧は終える、その次に再生させるんだという計画を作っておりますので、だいたいおおむね計画どおり進んでいると思っております。
 ただ、問題は人材不足ですね。それから、資材・機材の不足。これはもうお金がいくらあってもすぐに解決できる問題ではありませんので、これがネックになっております。この人の問題、資材の問題がクリアできなければ、進ちょくに大きな影響を与えることもあり得るだろうと思います。

震災がれきの広域処理について

Q

 今日(10日)から北九州市へのがれきの搬出が始まるが、本日、北九州市の市民団体の方が県庁を訪れ、知事宛て、(中村功)県議会議長宛てに反対の要請文を先ほど出されたかと思う。あらためて広域処理について知事の見解を伺う。

村井知事

 広域処理につきましては、できるところから進めていくという考え方に変わりはございません。特に北九州市におかれましては、議会(説明)、それから住民説明会等も何回も行って、市議会が全会一致でお認めをいただいていると(いうことです)。そして、住民の皆さまもほとんど全ての方が納得していただいた上で搬出を行うことになったということでございますので、これにつきましては住民の一部の方が反対なさったからといって立ち止まることはないということでございます。
 今日もあらためて要望書を(北九州市の住民団体が)お持ちになりました。まだ時間の関係で私は見ておりませんが、後で読ませていただこうと思っております。今日来られた方は恐らく裁判を起こされている方たちだと思います。お互いの主張が平行している中で、司法の場に判断を委ねるという行動をなされたわけでございますので、私どもはしっかりとした弁護士を立てて、司法の場で自分たちの主張をしっかりとお話をし、その場でどちらの主張が正しいのかということを判断していただくことが一番いいのではないかと思っております。

Q

 先ほどの(北九州市の住民団体の)記者レクで、市民団体の方は反対理由として大まかに2点挙げていらっしゃった。1点が広域処理をするほどの量がなくなったにもかかわらず、広域処理をするということは正当性がないのではないかということ。そして、昨年の9月議会でJV(共同企業体)に委託することを決めているにもかかわらず、議会を通す前にこのような形で北九州市との間で契約を結んでしまうことが違法なのではないかという主張をされていた。この点について、司法の場でと知事は言っているが、今の段階で知事として何かコメントすることはあるか。

村井知事

 広域処理する量がないというのは、何を根拠におっしゃっているのかよく分かりません。北九州市だけに広域処理をお願いしているわけではなくて、他の県にも広域処理をお願いしているということでございますので、そのような主張は何を根拠におっしゃっているのかよく理解ができません。
 2点目の昨年9月の、ということにつきましても、今ちょっとおっしゃっていることの意味が分からないのですけれども。

Q

 先ほど、北九州市の多くの市民に納得していただいた上で今回のことが決まったということだった。一方で、北九州市の市民の方を含めて明日(11日)追加で提訴もされるということで、総勢240名の原告団による裁判になる。この点について、本当に納得したと言えるのかどうか、あらためて伺う。

村井知事

 北九州市は政令指定都市ですので、正確な数は分かりませんが、100万(人)に近い市民の方がおられる(ということです)。今回(原告となる)240名が全て北九州市民なのかどうかも分かりませんが、仮に全ての方が北九州市民であったとしても、全体からするとごく一部だということになろうかと思います。
 何をやるにしても、当然賛成という方もおられますし、反対という方もおられるわけでありますので、それは反対の声もしっかりと北九州市が聞いた上で、これはそうであった(反対の声があった)としてもやるべきだというご判断をなされたということでございます。従って、安全だということを確認し、そして、より安全性を高めた上で受け入れるということを表明してくれたわけでありますので、決して240名の声を全て最初から無視したわけでは決してないと私は思っております。従って、私は北九州市民の総意としては受け入れを認めていただいたものと理解をしております。

※北九州市の人口 972,713人(平成24年3月31日現在)

Q

 先ほどの2点目について、市民団体の方が言うには、去年の契約で(石巻ブロックの震災がれきの)全量が鹿島JVに委託されているから、今回県が出てきて、県と北九州市で契約を結ぶ権限はないのではないかという主張だったが、その点についてはどうか。

村井知事

 なぜそういう理屈になるのか、なぜそれが違法なのか分からないですね。県が発注するがれきの問題ですので、そのがれきを少しでも少なくすると、なるべく時間を縮めるために県が自ら汗をかくということがなぜ違法なのか、私は分かりません。それも恐らく裁判で争われることになると思います。私は司法の素人ですし、向こうも司法の素人でしょうから、素人同士が口角泡を飛ばして議論し合っても前に進みませんから、それはもう司法の場で粛々と判断をしていただくことが一番望ましいと思います。

民主党の「2030年代原発稼働ゼロ」提言について

Q

 先週末、民主党が2030年代に原発稼働ゼロという提言を出されたが、女川原発を抱える宮城県知事としての所感と今現在の原発についての考えを伺う。

村井知事

 今の政権与党ではありますけれども、民主党という一つの政党がそういう判断を下したというふうに私は受け止めております。民主党が引き続き2030年まで18年間政権を維持し続ければ達成は可能だと思っておりますが、今後どうなるか。選挙も近いというふうに言われておりますので、こういったようなものも一つの争点になるかもしれません。

Q

 今回、原発ゼロという提言が出たことで各自治体からもいろいろな声が出ているが、女川原発を抱える宮城県としては、それについての意思表明というか所感についてはいかがか。

村井知事

 私はいつも言っていますが、このエネルギー政策というのは、国民生活全てに関わる問題でありますので、国が一元的に考えるべきでありますし、安価で安定的で十分な電力が安定的に供給できるようにという前提のもとに、どういうエネルギー政策がいいのかということをよく思慮深くご検討いただきたいと思っております。一時的な感情に流されるといったようなことは、私はあってはならないというふうに思っております。

Q

 そうすると、今回の提言についての評価は。

村井知事

 非常に難しいんですが、前にこの場でお話ししましたけれども、日本だけが原発をなくしても周辺の国は原発を維持しておりますし、やめるということを一言も言っておりません。逆に拡大する傾向にある国もあるわけですね。従って、それらの国で同じような事故があった場合に受ける影響というのは何ら変わりがないということでございます。そういった日本のこの島国の中だけに目を落とすのではなくて、広くグローバルな視点でどうすればいいのかということも非常に重要ではないかと思っております。原発をなくしてしまうと、原発に携わる技術者がこの日本からいなくなってしまうということです。それがこの国にとって国益になるのかどうかという視点も含めてよく考えていただきたい(と思います)。原発が駄目だから、危ないからということだけで、ただ単に感情で流されるというようなことがあってはならないと思っております。
 ただ、これは民主党という一つの大きな公党がいろいろ議論を重ねて出した結論でありますので、私はそれを一人の首長として否定してはならないとも思っております。これは、当然各政党がいろいろな考え方を示した上で国民に信を問うということが望ましいと私は思っております。これは非常に難しい問題です。

Q

 否定はしないけれども、やや拙速の感があることは否めないということか。

村井知事

 そうですね。その程度にさせていただきたいと思います。

民主党の政権公約に道州制推進が盛り込まれたことについて及び東日本大震災の風化対策について

Q

 民主党の政権公約に道州制の推進が盛り込まれたとの報道があったが、それについての知事の所感を伺う。また、次の選挙が近いと言われているが、震災の風化というものに対して、知事の今の所感と風化対策を含めてこれから知事としてやっていこうという具体的なものがあれば教えてほしい。

村井知事

 先般、道州制首長連合(道州制推進知事・指定都市市長連合)の石井(正弘共同)代表(岡山県知事)、川崎(市)の(阿部孝夫)市長と各政党に要望に回った際には、私が会っていただいた民主党の窓口の国会議員の方は、まだはっきりと道州制を(政権公約に)盛り込むということまでは明言されませんでした。非常に心配をしておりましたが、今回、道州制という文言はマニフェスト(政権公約)に入れるということでございます。道州制にもいろいろな考え方がありまして、私が考えている究極の道州制と、単なる都道府県の合併で終わってしまう道州制と、いろいろあると思うんです。従って、よく中身を見てみたいと思います。
 しかし、民主党が道州制という言葉を書き込む決断をしたということは大きな前進だと思います。自民党も民主党も公明党もみんなの党も、そして日本維新の会も、道州制ということをはっきりとうたっていくということでありますので、恐らく次の選挙後はどこが政権を担っても恐らく道州制の推進法または基本法、そういったようなものの制定までは前に進むのではないかと思っております。
 宮城県という名前が消えてしまうわけですから、それに対するいろいろな賛否はございますし、県内の市町村の考え方というのもありましょうが、私は大局的な視点からこれは日本のためになることだと思っておりますので、できる限り前に向かって進めるように努力をしていきたいと思っております。
 それから、震災の風化ですが、これは非常に深刻な問題だと思っています。やはりだんだん被災地の復興よりも、いずれ近いうちに来るであろうと言われております西側の大きな震災(東海地震など)、津波対策の方に目が向けられていっているような気がいたします。もちろんそれも非常に重要ですけれども、まずは被災地の復興というものを成し遂げた上で次のステップに進んでいくということが大切でございます。これにつきまして、できることは引き続きいろいろなところでメディアの協力も得ながら発信し続けていくということが大切だと思っております。
 これから非常に忙しい時期なんですが、あちらこちらで講演の要望等、あるいは取材の要望等ありましたら、できる限り応えるようにしているということです。この狙いはやはり風化対策ということでございまして、一番発信力のある私が、自らいろいろなところに出向いていって話をすることが風化を防ぐ方法だと考えているわけであります。

福島第一原発事故による風評被害の補償について

Q

 先日(7日)、東京電力と東北5県の旅館組合が風評被害の件で合意したが、組合の方は去年7月から交渉を始めてやっと合意に至ったことの所感は。

村井知事

 もちろん組合の皆さんとわれわれもタイアップ(協力)しまして、いろいろ要望活動を続けてまいりました。それが大きな力になったものと思っております。東京電力も重い腰を上げてくれまして、50%でありますけれども認めるというところを示し、合意に至ったということであります。
 旅館組合の皆さんは大変大きなストレスを感じておられました。私もいろいろな方に会うたびに、「なぜわれわれは蚊帳の外なんだ」ということを言われ続けておりましたので、大変うれしく思っております。十分な額ではないでしょうけれども、少しは留飲が下がったのではないかと思います。

Q

 ほかの産業に関しても、県として風評被害についてこれからどういうふうにしていこうという考えはあるか。

村井知事

 今週、東電の方と政府の方に行きまして、具体的な客観的な数字を持って要望活動を行おうと思っております。その際は、宮城県だけではなくて、岩手県の(達増拓也)県知事と町村会・市長会の代表、宮城県の私と町村会・市長会の代表で要望活動に行こうと思っております。この風評被害は宮城と岩手、共通する課題でありますので、両県力を合わせてやっていこうということで考えております。