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宮城県知事臨時記者会見(平成24年2月9日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

【発表項目】平成24年度宮城県当初予算案について 

村井知事

 平成24年度当初予算案について、2月16日に招集する(第335回)県議会(平成24年2月定例会)に提案する内容について、その概要を説明いたします。

 東日本大震災発生後、初の当初予算編成となります。平成24年度は、昨年策定した宮城県震災復興計画では、被災者支援を中心に生活基盤や公共施設を復旧させる「復旧期」の2年目に当たるわけでありますが、一日も早い復旧・復興に向けて震災復興計画に掲げた施策を着実に展開できるよう、私が先頭に立って県庁一丸となって取り組んでまいります。

 それでは、記者発表資料に基づき当初予算案の概要についてご説明いたします。

 平成24年度当初予算は、予算編成前に定めた政策財政運営の基本方針と当初予算の編成方針に基づき、国の制度や支援を最大限活用し、独自財源も可能な限り積極的に活用して、震災復興計画に掲げた施策を重点的に予算化しております。また、限られた財源をできるだけ優先的に震災対応に配分するため、通常の事務事業につきましては徹底的に見直しを行い、真に必要かつ適時適切と認められるものや復旧・復興事業の効果を補完、増進するものなどに限って予算化をしております。

 具体的には、震災対応分については、一般会計で9,048億円と例年の当初予算規模を上回る事業費を計上し、震災復興計画の主要政策の推進に必要な予算額を確保する一方、通常分については、マイナスのキャップ・シーリング(要求基準の上限額)を設定し、4年ぶりに8千億円を下回る緊縮型予算となっております。
 また、184億円にも及ぶ県税減収の補てんや独自財源の積極的な活用策として財政調整基金を75億円取り崩すとともに、100億円の退職手当債を発行することとしておりますが、一方で、県債残高の激増を回避するため、震災対応分の地方負担には震災復興特別交付税を積極的に活用し、県債の発行をできる限り抑えました。
  この結果、一般会計当初予算は前年度に比べて約2倍となる1兆6,823億円に達し、当初予算の規模としては過去最高となりました。投資的経費は4,637億円で、前年度に比べて4倍超となっておりますが、県債発行額は国の手厚い措置等により前年度に比べて5%程度の増にとどまっております。また、平成22年度からの震災対応予算の累計は総会計で2兆5,253億円となりました。なお、東日本大震災復興交付金事業については、国や市町村との調整が整い次第、今後追加して予算化することとしております。

 次に、平成24年度の主な事業についてご説明いたします。
 2ページをご覧ください。
 ここでは震災復興計画に基づく7つの主要政策と宮城の将来ビジョンの推進に資する主な施策を掲載しておりますので、これに沿って説明いたします。

 まず、震災復興計画に基づく主要政策ですが、1の被災者の生活再建と生活環境の確保のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1)被災者の生活環境の確保についてですが、地域支え合い体制づくり事業費は仮設住宅入居者の総合相談や交流の場となるサポートセンターの設置運営を支援するもの、被災者住宅確保対策費は民間賃貸住宅を引き続き仮設住宅として借り上げるもので、被災者の生活を支えてまいります。また、仮設住宅後の生活拠点確保のため、災害公営住宅建設支援費を計上し、災害公営住宅の整備を進めてまいります。県産材利用エコ住宅普及促進費は優良みやぎ材等の県産材を一定以上使用する住宅の新築への支援でありますが、被災者にはその要件を緩和するとともに、住宅再建支援費を計上し、新たに借り入れして住宅を再建する場合の既往住宅ローンの利子相当額を支援することで住宅再建を促進してまいります。復興活動支援費は復興応援隊など被災地域における住民主体の復興活動を支援するもの、新しい公共支援基金事業費はNPO等が実施する復興に向けたモデル事業を支援するもので、地域コミュニティーの絆を深めるための幅広い支援を継続してまいります。
 次に、(2)災害廃棄物の適正処理についてであります。災害等廃棄物処理費は、平成25年度末までのがれき処理に向けて2次仮置き場での処理を本格化させるものであります。
 3ページをご覧ください。
 次に、(3)持続可能な社会と環境保全の実現についてであります。住宅用太陽光発電普及促進費は、住宅用太陽光発電システムの設置を支援し、自然エネルギーの導入を促進するものでありますが、住宅再建需要の増加も見込んで件数を今年度の3倍といたしました。3千件に増やしております。

 次に、2の保健・医療・福祉提供体制の回復のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1)安心できる地域医療の確保についてであります。医療施設復興支援費は、気仙沼、石巻、仙台の各医療圏の自治体病院の再建を支援し、地域の医療機能の回復を図るとともに、地域医療人材確保費を計上し、医療従事者の流出防止や奨学金制度拡充による人材の確保、養成に努めます。また、ICT活用医療連携構築費は、被災地域での医療機関相互のネットワーク整備を支援し病院等の連携強化と情報共有を図ることで、安心して医療を受けることができる体制を構築するものであります。
 次に、(2)未来を担う子どもたちへの支援についてであります。子どもの心のケア推進費は、子どもの心のケアチームによる相談、援助や、子ども支援センターの児童精神科医による巡回等で被災地の子どもたちの心のケアを進めていくものであります。東日本大震災みやぎ子ども育英基金事業費は、全国のたくさんの皆さまからいただきました寄附金を活用して、震災で保護者を亡くした子供たちの修学等を支援するものであります。
 次に、(3)だれもが住みよい地域社会の構築についてでありますが、心のケアセンター運営支援費は、被災者の心の問題への対応拠点となるみやぎ心のケアセンターの運営を支援し、震災に伴うPTSDなど心の問題に対応していくものであります。
 次に、4 ページをご覧ください。
 社会福祉施設等復旧支援費は、介護施設や保育所、障害福祉施設等の復旧を支援し、サービス提供機能の回復を図るものであります。また、社会福祉施設等復旧特別支援費を計上し、県独自の上乗せ支援等を実施することでさらなる促進を図ります。

 次に、3 の「富県宮城の実現」に向けた経済基盤の再構築のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1 )ものづくり産業の振興についてであります。中小企業施設設備復旧支援費は中小製造業者に対する県独自の支援で、早期の事業再開を促進するものであります。また、中小企業等復旧・復興支援費はいわゆるグループ補助金であります。中小企業グループ等の復興事業計画に基づく復旧を支援してまいります。中小企業経営安定資金等貸付金(震災対応分)につきましては、通常の県の制度融資とは別に、被災中小企業向けに創設したみやぎ復興特別資金により安定的な資金調達を支援するとともに、被災中小企業者対策資金利子補給を計上し、被災した事業者の利子負担の軽減を図ります。また、中小企業等二重債務問題対策費を計上し、中小企業等の既往債務を買い取る宮城産業復興機構への出資で被災中小企業等の円滑な再生を図るとともに、企業立地促進奨励金を計上し、工場新増設の初期投資の負担軽減を図りものづくり産業の復興を促進させてまいります。
 次に、(2)商業・観光の再生についてであります。地域商業等事業再開支援費は商店の復旧に対する県独自の支援で、早期の事業再開を促進するものであります。
 5ページをご覧ください。
 観光施設再生支援費は、観光施設等の復旧に対しても県独自の支援を行い、早期の事業再開を促進するものであります。
 次に、(3)雇用の維持・確保であります。緊急雇用創出事業臨時特例基金事業費は、被災者の雇用確保のため一時的な雇用機会を創出するとともに、産業政策と一体となった安定的な雇用の創出を図るものであります。また、雇用維持対策費は、休業や教育訓練等を実施した事業主への支援により雇用を維持し失業を防止するものであります。

 次に、4の農林水産業の早期復興のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1)魅力ある農業・農村の再興についてであります。東日本大震災農業生産対策費は、生産者の農業用施設等の復旧を支援し、早期の営農再開を促進するものであります。また、農業生産早期再興対策費を計上し、県独自の上乗せ支援を実施することでさらなる促進を図ってまいります。草地土壌放射性物質低減対策費は、牧草が暫定許容値を超えないよう草地の反転耕等を支援し、牧草の安全性を確保するものであります。また、地域農業経営再開復興支援費を計上し、被災地域の農業復興に向けた経営再開マスタープランの作成等を支援してまいります。
 次に、(2)活力ある林業の再生についてであります。6ページをご覧ください。
 新しい植林対策費は、低コストの植林技術の導入や塩害被害地・伐採跡地への植栽等を推進していくものであります。
 次に、(3)新たな水産業の創造についてであります。水産物加工流通施設復旧支援費は、水産加工業協同組合等における水産物の加工流通のための共同利用施設の整備を支援し、早期の機能回復を図るものであります。養殖施設復旧支援費は、養殖施設の復旧を支援し、早期の養殖再開を促進するものであります。また、養殖業再生費を計上し、県独自の上乗せ支援や養殖用種苗確保に対する支援を実施することでさらなる促進を図ってまいります。
 次に、(4)一次産業をけん引する食産業の振興についてであります。加工原料等安定確保支援費は調達先の変更でコスト増となる水産加工業協同組合に対する支援、食品加工原材料調達支援費は同じくコスト増となる水産加工業者に対する支援で、原材料の安定確保等を図るものであります。みやぎの食ブランド再生支援費は、津波被害を受けたイチゴやギンザケ、カキなどの県産ブランド食材の再生を支援し、ブランド価値と販売力の向上に努めるものであります。
 7ページをご覧ください。

 次に、5の公共土木施設の早期復旧のため特に力を入れる施策について説明いたします。
 始めに、(1)道路、港湾、空港などの交通基盤の確保・整備促進についてでありますが、高規格幹線道路整備費は三陸縦貫自動車道の整備の推進、県北高速幹線道路整備費はみやぎ県北高速幹線道路の整備を推進するものであります。また、復興関連道路整備費を計上し、大島架橋や石巻バイパス等の整備を推進するとともに、港湾建設復興費を計上し、仙台塩釜港仙台港区と石巻港の防潮堤の新設工事を推進してまいります。
 次に、(2)海岸、河川などの県土保全についてでありますが、河川改良復興費は河川堤防のかさ上げや排水対策等を実施するもの、砂防事業復興費は急傾斜地の崩壊対策等を実施するものであります。
 次に、(3)上下水道などのライフラインの復旧についてでありますが、流域下水道施設等災害復旧費は、仙塩、阿武隈川下流、北上川下流東部の流域下水道施設の復旧工事であります。
 次に、8ページをご覧ください。
(4)沿岸市町をはじめとするまちの再構築についてであります。被災市町復興まちづくりフォローアップ事業費は沿岸市町の復興まちづくり計画の作成を支援するもの、組合区画整理施設等復旧支援費は、組合土地区画整理事業の復旧支援により事業者負担の軽減を図り、新たなまちづくりを促進するものであります。

 次に、6の安心して学べる教育環境の確保のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1)安全・安心な学校教育の確保についてであります。教育施設等災害復旧費は、気仙沼向洋高校、農業高校、水産高校の仮設校舎を整備するものであります。また、私立学校施設設備復旧特別支援費を計上し、私立学校の施設設備等の復旧を支援し教育環境を確保してまいります。被災児童生徒等就学支援費は、入学金や授業料の助成、高校の奨学金貸付等により被災児童生徒や保護者を支援するものであります。
 次に、(2)家庭・地域の教育力の再構築についてであります。学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援費は、被災地での地域連携によって放課後や長期休業期間における学習・活動を支援するものであります。
 次に、(3)生涯学習・文化・スポーツ活動の充実についてでありますが、指定文化財等復旧支援費は震災で被害を受けた貴重な文化財の修理修復を支援するものであります。

 次に、7の防災機能・治安体制の回復のため特に力を入れる施策についてご説明いたします。
 始めに、(1)防災機能の再構築についてであります。防災ヘリコプター防災基地整備費は、防災ヘリコプターヘリポートの移転候補地の調査をするものであります。
 9ページをご覧ください。
 情報伝達システム再構築費は、今回の震災で流失、損壊した防災行政無線や震度計を復旧するものであります。また、地域防災事業費を計上し、今回の震災を踏まえて県地域防災計画の地震・津波対策を根本的に見直し、次の災害に備えてまいります。食の安全確保対策費は、原子力災害への対策として、肉用牛全頭をはじめ野菜、米などの農産物や水産物、原乳、粗飼料等についても放射能検査を行い、食の安全・安心を確保してまいります。
 次に、(2)大津波等への備えについてであります。大震災検証記録作成・普及啓発費は、東日本大震災を後世へ語り継いでいくため発生後の記録集を作成するものであります。
 次に、(3)自助・共助による市民レベルの防災体制の強化についてでありますが、防災指導員養成費は地域や企業において防災活動の中心となる防災リーダーの養成を支援するものであります。
 次に、(4)安全・安心な地域社会の構築についてであります。警察施設機能強化費は、気仙沼警察署や塩釜警察署の庁舎機能の回復により、治安、防災体制を回復させるものであります。

 10ページをご覧ください。
 ここからはビジョンの推進に資する主な施策についてご説明いたします。
 ねんりんピック宮城・仙台大会開催費は、今年10月13日から16日まで本県で開催されます全国健康福祉祭でございますが、これの大会実行委員会への事業費負担金等であります。
 特別養護老人ホーム建設費は、優先的入所待機者の解消を図るため、今年度のほぼ倍増となる15億円を計上しております。来年度の特別養護老人ホームの整備は、小規模と合わせまして566床程度を見込んでおります。
 続いて、50ページをご覧ください。
 被災地復興支援として、クウェート政府から原油500万バレル、約400億円相当が寄贈され、日本赤十字社を通じた被災3県への配分で本県には161億8,549万8,518円が配分されました。ここに深く感謝を申し上げたいと思います。この支援金につきましては、後日追加提案いたします平成23年度2月補正予算で東日本大震災復興基金に積み立てを行い、来年度以降の被災者支援に活用してまいりますが、24年度につきましては、事業名の欄にクウェート寄附金充当と記載のある6事業、これに計73億4,139万2,000円を活用してまいります。

 以上、平成24年度当初予算案の概要について簡単にご説明させていただきました。予算の詳細につきましては、後ほど総務部長から説明をさせていただきたいと思います。 なお、恒例でございますが、「来年度の当初予算に名前をつけるとしたら」と聞かれるかと思って準備をしてまいりました。来年度は「復興元年スタートダッシュ予算」とさせていただきたいと考えております。震災から間もなく1年がたちますが、(平成)24年度はまさに復興元年のスタートとなりますので、スタートダッシュをスムーズに行えるようにしてまいりたいと思っております。通常の事業費をかなり厳しく査定をいたしました。少しでも余裕を生み出しまして、その分をすべて震災(復興)分に振り向けたということでございます。スタートダッシュをスムーズにして被災者の皆さまに一日でも早く安心した生活を取り戻していただけるように、最大限努力してまいりたいと思います。以上でございます。

Q

 歳入で県税収入が約1割減ったことについてどのように考えるか。

村井知事

 これは、このような震災の後でございますのでいたし方ないと、このように思っております。まずは企業がしっかりと再開できるように、特に沿岸部の会社や商店が再開できるように支援をすることによって、この減収分が後年度になって少しずつ回復し、震災前よりも税収が上がるような形に持っていければと考えております。そのためにも来年度は特に重要な年になるだろうと考えております。

Q

 今回は異例の予算編成だったと思うが、知事査定の中で、例年とは違うなど印象深かったもの、もしくは、知事としてどうしても入れたかった予算、あるいはこだわりで削った部分、そのようなものがあれば伺いたい。

村井知事

 予算の額自体が(例年の)倍ですから、例年と全く違うということは一見してすぐ分かることでありました。その中で例えば1つ、2つ挙げるとすると、(住宅用)太陽光(発電)の普及を図るために(宮城県住宅用太陽光発電普及促進事業補助金の申請受付枠の)件数を3倍にいたしました。今年度は上限10万円で千件だったんですが、上限額を8 万円にして3千件にしたいということで、その予算額は1億円から2億4千万円と2.4倍になるわけです。また、特別養護老人ホームの事業費は一般財源を使わなければいけないのですが、非常に財政が厳しい状況で、相当財政課と担当課でせめぎ合いがありました。最後は私のところに上がってきたんですけれども、高齢者のうち、家で待機をされて(入所を待って)いる方がたくさんおられるということでありますので、やはり震災でより大変な状況に置かれている方もおられますので、思い切って増床しようということで566床見込んだといったようなこともいたしました。従って、相当めりはりをつけたつもりであります。

Q

 その中で全般的に見て、主にどういうところが震災ということで見直しや削減の対象になったのか。

財政課長

 全体的にシーリングですとかキャップで抑えて予算をつくりました。全体として各部で努力していただいて、圧縮したということです。

村井知事

 そうですね。この事業を削ったというよりも、各部局にシーリングをかけて全体として(事業費を)下げましたので、その中で各部局がかなり工夫し、努力し、やりくりをしてくれたということです。従って、見て分かると思いますけれども、ほとんど政策的な新規事業というものはないんですよね。これはもういたし方ないと思います。

Q

 この莫大な予算を執行して、被災地の復興につなげていくためにはどういうところが課題で、県庁や被災市町に問われていると考えるか。

村井知事

 これだけの予算を使うということになりますと、やはり仕事を受けていただく、あるいは補助金を受け取る側の協力というものなしには前に進めることができないと思っています。従って、最大の課題は、いくらわれわれ県庁が踊っても、県民の皆さま、企業の皆さま、市町村の皆さんが一緒になって手をつないで前へ進んでいただかなければ事業が何もできないわけでございますので、これだけ大変な事業であるがゆえに、より一層県民の皆さま、市町村の協力というものが必要になってくるのではないかと思います。特に働いてくださる方の数が足りないという問題が今後出てくると思いますので、人材の確保が非常に重要になってくるんじゃないでしょうか。

Q

 来年度予算についてはかなり手厚い国の支援があったが、これも震災特例ということで、再来年度以降どういう形になるか分からない。これだけ大きな予算については翌年の財政が非常に難しいと思うがいかがか。

村井知事

 先ほどもお話ししたように、震災分での起債は非常に低く抑えることができました。「5%程度」と先ほど説明いたしましたが、その程度に抑えられました。これは、とりもなおさず今回の国の手厚い支援があったからです。今おっしゃったように、われわれが一番心配しておりますのは、再来年度、さらにその先の話でありまして、これが継続されることを前提にわれわれはいろいろ計画を立てておりますので、これがパタッと止められるとまさに息の根を止められるといったようなことになります。従って、引き続き(平成)25年度以降も同じような支援をしていただけるように要望を続けていこうと思っております。これは、被災3県、被災した市町村すべてに同じことが言えると思います。

Q

 今回の膨大な震災関連費の中で、特に知事が予算配分で重視した分野があれば教えてほしい。

村井知事

 どれも非常に自分としては重視したつもりなんですけれども、特に、被災者の皆さまの側に立って考えますと、災害公営住宅の建設を早く進めてほしいという思いがあろうかと思いますので、すべて来年度のうちにつくることは不可能でありますけれども、県としてもできるだけのサポートをしたいと思って予算計上いたしました。また、自分で家を建てる人の場合には、できる限り県産材を使っていただきたいといったような思いで県産材の(利用)促進費を計上しております。また、がれきの処理は早くしなければ次のステップに進めませんので、これもできるだけ前に進めたいという思いを込めております。あとは、先ほど言った(住宅用)太陽光(発電)と特(別)養(護老人)施設(の事業費)、こういったようなものも当然あります。
 それからもう一つ、雇用の回復というのが重要でございますので、中小企業の施設設備(の復旧支援)あるいは中小企業の経営安定資金の貸し付けといったようなものにも相当強い思いを込めています。要は「住まい」と「雇用」に力を注いだつもりであります。

Q

 来年度当初予算について「復興元年スタートダッシュ予算」とネーミングしたが、特に「スタートダッシュ」というところに込めた思いをあらためて聞かせてほしい。

村井知事

 「スタートダッシュ」という言葉でございますが、やはりここ2、3年というのが非常に重要だと思っております。よく「ボタンのかけ違い」と言われますけれども、最初のボタンをかけ間違えると最後の下の方までかけ間違えてしまいますので、最初のボタンをきちっとまずかける、そして、次のボタンに移っていくというその作業がスムーズに行きますと、恐らく1日でも2日でも早く復興というものをなし遂げることにつながるのではないかと思っておりました。最初が非常に肝心だと感じたということであります。ここ1、2年うまくいきますと、財源さえしっかり確保されればスムーズにいくと思いますので、スタートダッシュを極めて重要視しているということであります。

Q

 (宮城県震災)復興計画では、復旧期の3年間はその後の再生・発展期の種をまく時期だということだったが、今回の予算の中で知事が種をまいたとすればどういった事業を挙げるか。

村井知事

 太陽光、再生可能エネルギー事業はやはり進めていかなければならないと思っています。もう報道にありましたように、幸い、太陽光のパネルを造る工場の進出も今検討していただいているということでございますので、機運が盛り上がっているこの時期にこういった事業は前に進めていきたいと思っております。

Q

 震災対応分以外を抑えた中で廃棄物の処理費がかなり莫大な額に及んでいる。その費用を使って処理が迅速に進むかというのもいろいろな課題があると思うがどうお考えか。

村井知事

 いつも話していることですが、石巻(ブロック)が特に多いんです。石巻の分だけで福島(県)と岩手(県)の分を全部足したより多いわけです。これから5基プラントを建てるんですが、その5基の(焼却)プラントを建てて稼働したとしても、この2年ちょっとで(焼却)処理できる量は石巻分の(可燃物全体の)3割にしかなりません。7割分は石巻以外で処理をしなければならないということでありますので、県内でできるだけ石巻の分についてもいろいろなところで負担を分け合っていこうとは思いますが、恐らくこれだけの量でございますから宮城県内だけで処理はしきれないと思います。従って、2年ちょっとの間にすべてのものを処理するためには、やはり域外、県外において受け入れをしていただかなければならないということでございます。それが一番の大きな課題です。

Q

 予算にも関連するので伺うが、予定では(本日9日)10時に復興特区(法に基づく復興推進計画)の認定がされることになっているので、認定されたことを受けての所感と、来年度当初予算と特区をどのように活用していくのか、考えを聞かせてほしい。

村井知事

 私の方には認定されたという報告は上がってきておりませんが、認定されたという前提にお話しさせていただこうと思います。
 (認定されるまでには)かなり時間がかかるのではないかと身構えておりましたが、非常にスピーディーに、(通常では)考えられないようなスピードで認定をしていただけたということであります。政府に心より感謝を申し上げたいと思います。
 今回、宮城県が特区申請したのは、ものづくりに限って税の優遇を受けるものでございます。いわば一番難しいものでございまして、当然財務省の厳しいチェックも入ったかと思います。その一番難しい特区を認めていただいたということでありますので、大変うれしく思います。ツールは与えられたわけでございますので、それを最大限活用して1社でも2社でも雇用に結びつく企業を誘致したいと考えております。
 また、併せて、ものづくりだけではなくて、商業、農業、観光業といったものについても同じように特区申請をするように、職員に指示をしているということでございます。一番難しいと思っています税の(優遇に関する)ことをまず最優先にやっておりますが、それ以外のものについても逐次特区申請をしていこうと思っております。

Q

 予算の中で企業立地奨励金を大幅に増額したが、これは特区の活用も視野に入れてのことか。

村井知事

 これは既に宮城県に来ている企業に払う奨励金ということです。今後来るであろう企業の分を見込んでということでは決してありません。これはみやぎ発展税(通称)の中でもう使い道を決めているものであります。

Q

 ビジョンの推進に資する施策の中で若林警察署新設のための土地の費用が入っているが、新設場所はもう県では決まっているのか。

村井知事

 これは警察に聞いていただくと大変ありがたいです。警察でまずいくつかの案を出していただいて、それをわれわれの方で適切かどうかというのをさらにチェックするということになりますが、。まだ警察の方から上がってきておりません。

Q

 特区の考えだが、岩手県は相当スピーディーに準備しており、福島県は特措法(福島復興再生特別措置法案)が通るということで、被災地の中でも企業誘致などでは競争になってくると思う。そのあたりどのようにこれからやっていこうと考えているか。

村井知事

 私は宮城県だけがよくなればいいということでは決してなくて、岩手(県)にも福島(県)にもいろいろな企業、立派な企業がたくさん来る方がいいと思います。結果として東北全体として地域経済の底上げになることが望ましいことだと思います。岩手県で(トヨタが)「アクア」という車を造るようになって、その関係で宮城県の企業が相当仕事の受注量が増えているという話も聞いております。やはり相関関係にございますので、東北全体として企業誘致ができればと思っています。当然、私は宮城県知事でございますので、宮城県に1社でも(多く誘致する)という努力はします。そういったいい意味での競争原理が働くというのが望ましいことだと思っています。結果、総体として東北全体の経済が底上げになる、これがそこに住んでいる人たちにとって必ずプラスになるということです。頑張ります。