ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ知事記者会見宮城県知事記者会見(平成23年7月19日)

宮城県知事記者会見(平成23年7月19日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

政府の東日本大震災復興基本方針の原案について

Q

 政府の復興基本方針の原案について、5年間で12兆円の事業費など、ある程度具体的になってきた。それに対しての所感を伺いたい。

村井知事

 先般、平野(復興担当)大臣がお越しになった際にもお話がございまして、どれくらいの財源が必要なのか、早急に提出してほしいというお話がございました。宮城県、そして県内の関係する市、町に照会をかけまして、必要な財源の総額を(国に)報告をいたしました。中にはまだ試算ができないといったような市、町もございましたけれども、宮城県全体で6兆円強の財源が必要であるという報告を上げました。そういったようなことを足し合わせた上で、その12兆円という数字が出てきたものだと考えております。

 今日(19日)も午後1時から、末松現地対策本部長をはじめ政府の方々と、県内の新たな復興計画を作る県、そして市、町の首長が集まりまして意見交換することになっております。特区に関すること、また一括交付金についてといった内容でございますが、しっかりと被災地の要望を受け止めながら基本方針を作り、そして第三次補正予算に間に合わせようというその意気込みが伝わってきております。高く評価したいと思います。

Q

 財源も、月内に税目も含めて明確にしたいと、今日(19日)、財務相がおっしゃっていたが、財源に関して何か思うところがあれば聞かせてほしい。

村井知事

 この財源については、政府のかかわり度合いによって全く規模が変わってくるかと思いますが、今回の被害の大きさから考えますと、県や被災市、町の財政力では、とても復旧も復興もままならないと考えてございます。すべてといっていいくらい国が責任を負っていただきたいと思っております。そういった意味では、12兆円という規模も決して大きな規模ではないと考えております。

放射性セシウムを含む稲わらについて

Q

 宮城県産の稲わらが流通していたようだが、口に入るものがここまで全国的に汚染されていた実態について、国の指導も含めてどう考えるか。

村井知事

 県では牧草の検査をしておりました。今回、(放射性セシウムを含む)稲わらで影響が出たエリアにつきましては、牧草において基準値を下回っておりましたので、県としては安全だと考えていたということでございます。ただ、残念ながら、(稲わらから)高いレベルの放射性セシウムが検出されたということでございます。県、国の考え方にのっとった形でやってまいりましたけれども、今後は、さらに踏み込んだ対策というものが必要だと考えております。今日(19日午後)1時からの会議(震災復興基本方針に係る意見交換会)におきましても、この点についても要望し、言及したいと考えております。

Q

 国では、汚染された稲わらを持っていないかという調査を、期限を区切って調査するよう指示しているようだが、県としては順調に調査が進んでいるという認識か。

村井知事

 もうほぼ調査が終わっているということです。まだ100パーセントではございませんので、すべての肥育農家につきまして調査をしたいと考えております。

Q

 県としては、これまでも屋内で保管していた粗飼料(わらや干し草など繊維が多く、可消化養分が少ない飼料)を与えるようにという要請を各農家にしてきたと思うが、その粗飼料に稲わらが含まれていないと判断した農家もいたと聞いている。それについてはどう考えるか。

村井知事

 農林水産省から来ていた文書が粗飼料という表現でありましたので、県としてはそのままその表現を使わせていただいたということでございます。しかし、粗飼料の中に稲わらが含まれていないと判断された農家がおられたということは事実でございまして、表現がややあいまいであったと反省をしております。今後は、農家の皆さまにそういった文書等でお示しをするときには、できるだけ分かりやすく、判断できやすいような表現に努めてまいりたいと考えております。

Q

 県内のブランド牛に対するイメージの低下も懸念されると思うが、いかがか。

村井知事

 大変大きなダメージを受けました。まずは、出荷された(稲わらが与えられた県内産牛の)肉について、それが安全かどうかということをしっかりと検査したいという考えでございます。その上で、肥育農家で飼われている牛につきまして、今後その肉が安全か安全でないかというチェックをいかようにすればいいのかということを全農(全国農業協同組合連合会)の皆さまとともにこれから早急に検討してまいりたいと思っております。少しお時間をいただければと思っております。

Q

 そのチェックは全頭検査なども含めて考えているのか。

村井知事

 それ(全頭検査)も含めて、今、検討を始めているということでございます。ただ、BSE(牛海綿状脳症)と違いまして、検査するのにかなり時間がかかり、また、検査機関の数も限られているということでございますので、BSEのように全頭検査をするのは非常に難しいという意見もございます。どうすれば安全だということを証明できるのかという観点で、できる範囲内で、できる限り努力をしていくということでございます。

Q

 今回の放射性セシウムが検出された牛の問題は、宮城県としては想定し得なかった事態なのか、想定していた事態が起きたのか。その辺についての認識はいかがか。

村井知事

 想定できませんでした。正直申し上げて、強い憤りを感じております。肥育農家の皆さまには何の責任もない問題でございまして、こういったことに対して、早め早めの対応をとれなかったということに対して、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいでございます。早く宮城の牛は安全だと、このお肉は安全だということを証明できるように努力をしてまいりたいと思います。

Q

 宮城県産の稲わらが県外に流通し、それで各都道府県産の肉牛についても同様の被害につながる実態になっている。他県に影響を及ぼしてしまった事態については、知事としてはどのように考えるか。

村井知事

 こういった影響が出るということは想定できませんでしたが、結果として他県産牛にも影響を及ぼしてしまったということに対しては、非常に残念でなりません。こういったようなものの補償も含めて、今後しっかりと考えていかなければならないと思っております。補償の責任はあくまでも東京電力また国の方にあると私どもは考えております。こういったようなことも、しっかりと国、東電の方に要求をしていきたいと思っております。

Q

 先ほど、損害賠償請求について将来的に考えられることとして調査、検査に対する請求という部分も言っていたと理解したが、それ以外で今考え得る請求の対象はどういうものがあるか。

村井知事

 これは経営に及ぼす影響というのは甚大でございますので、被害額がどういうふうにどの程度になるのか分かりませんが、農家が受けた被害についてはしっかりと責任を負っていただきたいと思います。この点についても、今日(19日)できました(東京電力福島第一原子力発電所事故)対策本部で、早急に検討を進めまして、請求をしていく準備を整えていきたいと思っております。

Q

 先ほど知事の言っていた強い憤りというのは、稲わらに関して想定外だったと言っている国に対してということか。

村井知事

 東電、そして政府に対してということでございます。

Q

 鹿野(農林水産)大臣は「稲わらは春にとるとあまり聞いていない。今の時期にはとっていないんじゃないか」という話をされていたと聞いているが、いかがか。

村井知事

 通常は秋に収穫して回収するんですけれども、東北特有の回収の仕方ということで、冬を通して乾燥するまでその場に置いておいて回収するということもあり得るということでございます。その点につきましては、やや認識が甘かったと言わざるを得ないと思います。

 なお、乳牛、牛乳につきましては、秋に収穫したホールクロップサイレージ(注)、それから穀物しか与えておりませんので、乳牛、牛乳については全く何も問題ございません。原乳は直接調査もしており、牛乳については何の心配もございませんので、ぜひ安心をしていただきたいと(思います)。今回問題になっているのは肉用牛、肉だということでございます。

 (注)ホールクロップサイレージとは、とうもろこしや稲などの作物を繊維の多い茎葉部分と栄養価の高い子実部分を一緒に収穫して貯蔵したもの。

Q

 今、東北特有の収集の仕方があって、そのことは認識が甘かったと言っていたが、どなたの認識が甘いと感じているのか。

村井知事

 これはやはり国ということでよろしくお願いします。あまり固有名詞は言わない方がいいと思います。

Q

 情報収集がなかったのか、それとも意見交換が足りなかったのか、どこに問題があると思うか。

村井知事

 ヒアリング(意見聴取)は特になかったということですね。

Q

 知事はいろいろ国の責任について言及しているが、質問の中で、早め早めの対応がとれなかったことを申し訳ないというのは、とれなかった政府の対応を言っているのか。それとも県の対応が早め早めでなかったということか。

村井知事

 私どもは、どうしても独自でやれることというのは限られておりまして、やはり政府の統一した考え方というものにのっとって、決められた最低限のことをしつつ、その上で、県で独自でやれることというものを上乗せして考えていくべきだと考えております。今回は、やはり最低限やるべきことということをクリアしていなかったと考えておりまして、これについては日本の畜産ということを管理する国の方で、しっかりとした方針なり考え方を早め早めに示すべきではなかったかと思っております。

Q

 現時点で、県としての対応について問題はなかったという認識か。

村井知事

 牧草が大丈夫でしたので、稲わらについて大丈夫だったろうと考えたということで、考え方のプロセスとしては間違っていなかったと思いますが、そうであったとしても、先ほどあったように国から来た粗飼料という言葉をそのまま使ってしまったと(いうことでございます)。表現としてもっと分かりやすい表現をすればよかったといったような反省や、あるいは稲わらについて、放射性セシウムが含まれているかどうかという検査を一度、二度やっておけば、こういうことになっていなかったかもしれないということで、すべて国の責任にすべきではないと考えてはおります。

 ただ、そもそも今回のこの原因は東京電力の福島原発から来ている問題でございますので、これを県の責任だと言われても、われわれとしては責任のとり方がないということでございます。

 政府も福島県に対しては、この原発問題(に対して)、非常にしっかりとした手当てをしようという意気込みが伝わってまいりますが、残念ながら近県に対してそのようなアプローチが全くございません。しかし、今回このような問題が出たということでありますので、福島県だけの問題ではないと(考えております)。近県にも大きな影響を及ぼしているというとらえ方をぜひしていただきたいと考えておりまして、そうしたことを要望書にまとめて、早急に、できれば週明けにでも、政府の方に提出したいと考えております。

Q

 稲わらに放射性セシウム、放射性物質が落ちてきたことを考えると、土壌の検査も今後必要になるのではないかと感じるが、県としての考え方を伺う。

村井知事

 これだけ広い県土ですから、ありとあらゆるところというわけにいきませんので、やはり子どもに影響のある学校あるいは保育所、幼稚園といったところに対しては、今も空気中の調査はしておりますけれども、様子を見ながら検討していかなければならないと思います。

 しかし、今のところ、空気中の濃度を調べているところでは状況が安定して、逆に良い傾向に進んでおりますので、ヒステリックになる必要はないと思っております。様子を見ながら検討していきたいと思っております。

Q

 他県の市場もしくは卸業者を仲介して、県内に(汚染された)牛肉が入ってくるケースもあると思うが、その対応はどう考えているか。

食と暮らしの安全推進課

 そういう牛については各自治体から連絡が来まして、あと県の方で捜索(流通状況の調査)を行っております。

菅総理の「脱原発依存」の表明について

Q

 先週、菅総理が「脱原発依存」を記者会見で表明し、翌日にそれは個人的な考えだと修正された。首相の「脱原発依存」の表明について知事の考え方と、それは個人的考えであるという(首相の)対応についての所見を伺う。

村井知事

 原発に大きく依存すべきでないというのは、恐らく国民の多くの皆さまの考え方だと思います。従って、方向性を示されたという意味では、一つの考え方としてとらえていいかと思っております。

 しかし、総理が記者会見の場で個人的な考え方を述べるというのはいかがかと思います。いろいろなテーマをお話しになる中で、その中で個人的な考え方として一つの問題について言及したというなら分かるんですけれども、あの場は記者会見をするからということで多くの記者を集めて、ワン・イシュー(一つの問題)だけで記者会見をされたと(いうことでございます)。それが個人的な意見だというのは、いささか総理の対応としては問題があるのではないかと私はとらえます。

Q

 この考え方の表明によって、宮城県の復興計画の構成などに影響は出てくるか。

村井知事

 政府のエネルギー政策が、復興計画が策定されるまでに定まって、国としてこうするんだということが明らかになれば、復興計画に反映されることもあろうかと思いますが、現状では大きな変化はないととらえております。従って、県の復興計画に影響を及ぼすことはないということでございます。

Q

 そうすると、総理の記者会見はあったが、宮城県としては、国の方針が示されたという記者会見の内容ではないととらえているのか。

村井知事

 そうです。