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平成21年1月7日作成 / 地域振興課


地域づくり最前線リポート
●歴史資源を掘り起こして地域活性化へ
白石市  

 県の最南端,蔵王連峰のふもとに位置し,温麺,弥次郎こけし,温泉などで有名な白石市では,歴史資源を掘り起こして活性化に繋げようと,伊達政宗の家臣で白石城主であった「片倉小十郎」(※1)によるまちづくりが進められている。
 没後,350年を超え,戦国時代の勇敢な武将が再び白石市に舞い戻った。

 
◆ 「片倉小十郎」によるまちづくり



 今,白石市には若い女性を中心に,多くの観光客が訪れている。
 これは,平成19年のNHK大河ドラマ「風林火山」の頃から始まった戦国武将ブームや同じ年の12月に発売されたゲームソフトに片倉小十郎がキャラクターとして登場したことから,白石市に大きなスポットが当たり始めた。


 戦国武将好きの若い女性はゲームやドラマに夢中となり,武将について改めて学ぼうと,実際に武将ゆかりの地を訪れる人が多いと言う。そこで白石市では,これをきっかけに地域の歴史資源である「小十郎」を活かして,市を内外へ広くPRし,まちの活性化を図れないかと考えた。
 平成20年1月,市役所内の若手職員を中心に「小十郎プロジェクトチーム」を結成し,「小十郎」という歴史資源を活かしたまちづくりをどのように進めていくか話し合った。ここでは,ホームページやブログの開設,Tシャツやのぼりのデザインなどを皮切りに,キャラクターを施した「小十郎ラッピングバス」のデザイン,地元の歴史を多くの人に知ってもらおうと「ご当地検定」を企画するなどさまざまな仕掛けづくりを行っている。


 そして,片倉小十郎が没後350年を迎えたことや,多くの方に白石市の魅力を知ってもらうため,平成20年10月4日,戦国時代の合戦シーンの再現をメインとした「鬼小十郎まつり」を開催した。



(※1)仙台藩・伊達政宗の家臣であった白石城主・片倉景綱(かげつな)が「片倉小十郎」と名乗り,以来,片倉小十郎の名が伊達家における片倉家当主の通称となった。初代片倉小十郎・景綱は伊達家の智将として伊達政宗を支え,豊臣秀吉,徳川家康からも高い評価を得ていた。二代目・重長は大坂夏の陣で真田幸村と激闘し,「伊達の先陣」として鬼小十郎の異名で呼ばれた。三代目・景長は仙台藩を揺るがした「伊達騒動」の時に国家老として藩政を仕切り,伊達62万石を救った。


片倉小十郎がキャラクターとして登場するゲームソフト。その男気溢れる人物像が人気となっている。 市役所の若手職員によって結成された「小十郎プロジェクトチーム」がいろいろな活用策を話し合う。 ゲームソフトのキャラクターである片倉小十郎と伊達政宗をラッピングした,市民バスきゃっするくんの「小十郎バス」。

小十郎プラザ外観 小十郎プラザ題字
「小十郎プロジェクトチーム」によってデザインされたTシャツやのぼり。他にホームページやブログの開設を行った。 関連グッズの販売や観光情報発信を行う「小十郎プラザ」。平成20年8月にJR白石駅前にオープンした。(県の市町村振興総合補助金※2を活用して整備) プラザの題字は,北野武監督の映画「座頭市」にも作品を提供した白石市出身の書家佐藤啓幽氏の書によるもの。



(※2)市町村振興総合補助金・みやぎ木のやすらぎ空間確保対策事業
 「市町村振興総合補助金」は,市町村自らが必要な事業を選択し,個性的・重点的な事業を実施できるよう,県が平成17年度に創設。その中のメニュー事業「みやぎ木のやすらぎ空間確保対策事業」は,優良な県産材の利用促進を図るための宮城県推奨材等を活用した公共施設等の内装等木材モデル施行とその普及活動に対する経費を補助するもの。




◆ 「鬼小十郎まつり」開催!



 10月4日,快晴の中,白石城本丸広場で「鬼小十郎まつり」が開催された。会場には若い女性を中心に,およそ3千人もの来場があり,大盛況となった。


 午前中は,参加者それぞれが用意したコスチュームで,片倉小十郎になりきってパフォーマンスをする「小十郎コンテスト」が行われた。参加者は全部で8組で,その演技はかわいらしいものから戦国武将の勇ましさそのものまで各自趣向をこらしたもの。最優秀賞は遠路はるばる東京から来た女性2人組が受賞した。
 午後からは,甲冑を着用した総勢60人の武者による「片倉軍VS真田軍決戦〜大坂夏の陣・道明寺の戦い〜」で合戦シーンの再現が行われた。エキストラ役はインターネットを中心に公募したところ,東京,千葉,長野などの遠方からの参加者もいて,希望者多数のため一部の人が裏方役に回るなどの人気ぶりだったとのこと。火縄銃の実演や白石城からのロープでの降下(仙南広域消防の協力)など迫力のある戦いに,会場は大いに盛り上がった。


 その他には白石城本丸の一階に特設ブースを設けた「戦国武将ゲーム体験会」や片倉小十郎の縁の地「山形県米沢物産展」が開催されるなど,多くの人が白石の歴史資源である「片倉小十郎」にふれる機会となったまつりであった。


片倉小十郎になりきる「小十郎コンテスト」。自前の甲冑で参加する方も。 片倉甲冑塾による甲冑の試着コーナー(ダンボール制)。作り方を学ぼうと首都圏から通う人もいるそうだ。 会場には若い女性を中心に,およそ3千人もの観客が訪れた。

甲冑を身につけた黒い装束の片倉軍と、赤い装束の真田軍が登場すると、片倉鉄砲隊による火縄銃の演技が披露された。 今から約400年前の2代目小十郎と真田幸村が争った「道明寺の戦い」が、リアルに演じられた。迫力ある合戦シーンに観客からは大きな拍手が。 地元の新体操クラブが演じた猿飛佐助軍団のアクロバティックな演技に,会場からは大きな歓声があがった。




◆ みんなで創り上げた「まつり」



 そんな大盛況に終わったまつりは,多くの市民が参加した実行委員会によって考えたられたものであった。地域づくり団体,病院,住民,学生,市役所などいろいろな分野の方が知恵を出し合ってできたまつりなのである。その中でも中心となって活躍された「白石市中心市街地のにぎわいづくり研究会」の森会長と佐藤副会長にお話を伺った。



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 「まつりをしてみての感想は?」


佐藤副会長

 
裏方役としても活躍された佐藤由佳さん(白石市中心市街地のにぎわいづくり研究会 副会長)

 「エキストラ役として参加した人たちが,とても楽しんでいたのが印象的でした。あんなに大勢の人が来るなんて,正直思っていなくて,びっくりしたと同時にうれしかった。今度は白石城の中だけでなく,街中も取り入れた仕掛け作りをするなど,徐々にこのまつりを大きくしていき,白石市の魅力をアピールしていきたいと思っています。今回のまつりは小十郎という資源を見直すきっかけになったと感じています」



編集
 「市民の反応は?」


佐藤副会長
 『「すごかった」,「あそこまでの大きい祭りだとは思わなかった」,「評判を聞いたけど,見に行けばよかった」という声がありました。来年も是非,開催できたらと思っておりますし,地元の人がまた違った形で参加していただけるのではないかと期待しています』



編集
 「まつりをする上で苦労したことは?」


森会長
 
武者役としても活躍された森建人さん(白石市中心市街地のにぎわいづくり研究会 会長)

 「苦労したことはない。多くの人が関わって,協力し合って,いいまつりができたと思っている。白石にはこういう歴史や観光資源が多くあるのに,今までは活かしきれてなかった。今回,白石が頑張っている姿をアピールできたのではないかと感じている。私たちはまちを活性化させようと行ったが,参加した周りの方に大変盛り上げていただき,とても感謝している」


編集
 「来年度の抱負は?」



森会長


 「今年経験したことを活かし,来年もまた盛り上がるまつりにしようと思っている。多くの市民に見に来てもらい楽しんでほしいし,また,スタッフとしても今年以上に市民が参加してくれることを期待している。白石の歴史資源である片倉小十郎をみんなで活用してまちの活性化を図っていきたい」




◆ まちの将来像



 
「鬼小十郎まつり」の総合プロデュースをした橋谷田孝治さん(白石市企画情報課)

 白石市企画情報課の橋谷田さんは『この事業等を通じて,「片倉小十郎のまち」としてイメージづくりをしていきたい。今までの白石のイメージはいろんな特色があったが,なにかはっきりしない色だった。今後は,市民が白石をなんとなくいいまちではなく,こういうまちだと言えるようにしていきたい。市役所は今までバラバラにあった資源を結合する接着剤のような役割になれればと思っている。そして,それぞれを結合する材料として片倉小十郎を活用していきたい』と語る。
 また,「今年は地域活性化センターの助成(※3)をいただき,開催することができた。しかし,来年度以降も継続して開催していくためには,地元の企業の協賛をいただくなどの方法も考えて,徐々に市民のまつりとして定着させていきたい」と語っていた。


 「片倉小十郎によるまちづくり」はまだ始まったばかりだが,近い将来,全国にその名が知れ渡って,市民が胸を張り,「片倉小十郎のまち白石市」と言えるまちになっていることだろう。


(※3)コミュニティが主体となって行い,創意と工夫に富み,地域の活性化に貢献すると認められるイベントとして,財団法人地域活性化センターの「地域イベント助成事業」に採択された。


 ★リンク 


  白石市


  小十郎プロジェクト


  財団法人地域活性化センター


(記事 : 佐藤 剛)



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