◆ ふゆみずたんぼ
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| 田尻町・雁と作るふゆみずたんぼ米 |
◆ 自然力を利用した古くて新しい農法
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蕪栗沼周辺の水田には雁たちが集う。冬の「ふゆみずたんぼ」
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自然のサイクルを利用し,田んぼの生き物の力を利用して米づくりを行う「ふゆみずたんぼ」(冬期湛水水田)は,環境問題に関心が高まる昨今,全国各地で注目され取り組みが広がっています。
農業技術の発展により,広く浸透し発展してきた慣行農法に対し,無農薬,無化学肥料で栽培を行う「ふゆみずたんぼ」は,300年も昔から存在した古くて新しい農法なのです。
◆ ふゆみずたんぼとは?
「ふゆみずたんぼ」(冬期湛水水田)は,名前のとおり,冬の田んぼに水を張り,抑草効果や施肥効果を得て,稲を育てる農法のことです。
稲刈り終了後,田んぼに水を張り,春まで水を貯めておきます。稲の切り株やワラなどの有機物が水中で分解され,微生物や藻が発生し,それを餌とするさまざまな生物たちが田んぼに集まってきます。冬期間における生物の活動が「トロトロ層」と言う抑草効果のある層を作り出し,無農薬,無化学肥料で稲を育てていきます。
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冬の田んぼは生物たちの楽園 |
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イトミミズとトロトロ層の働き |
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稲の害虫を食べるカエルとクモ |
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●冬の田んぼに水を張ることにより,そこは菌類やイトミミズ,水鳥など多くの生物で賑わいます。
●特に水鳥の糞はリンを多く含み,養分が豊富で肥沃な土をつくり出します。また,,稲の切り株やワラなどの有機物が発生した菌類によって分解され,肥料となり,春には藻類が発生するようになります。 |
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●水を貯めることにより,イトミミズが多く発生します。田んぼの有機物を分解しながら自らのエネルギーとして活動し,泥の表面に糞を排出します。
●菌類と糞が適度に混ざり合った泥の細かな粒子は肥沃なトロトロ層を形成していきます。一年で10センチ近く推積するため,雑草の種の埋め込み現象が起き,抑草効果が得られるのです。
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●冬の間に水を張っておくことにより蛙の産卵を助け,カエルが春の早い時期から活動をはじめることが出来ます。
●害虫が発生する頃にはカエル,クモが大いに活躍し,農薬を使わずとも害虫を駆除してくれます。生物の生態系を維持しながら生き物の力を借りた害虫駆除,管理の方法が注目されています。 |
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| ふゆみずたんぼ(左)絶えず生物が動いているため水が濁っている。 |
慣行農法水田(右)生物の動きが低いため水面が澄んでいる。 |
ふゆ水にすることで抑草効果のあるトロトロ層が作られる。 |
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◆ 雁と育む米づくり田尻町のふゆみずたんぼ
宮城県北に位置する遠田郡田尻町。蕪栗沼は全国でも有数のマガンの飛来地です。冬の安全なねぐらと採食地を求めて飛来する雁たちにとって,蕪栗沼とその周辺地域は格好の停泊地であり,この町はまさにマガンに選ばれた土地なのです。かつて雁たちは,稲に食害をもたらす害鳥と考えられ,この土地に暮らし,農業を営む者たちにとっては嫌われ者でした。しかし,田尻町では蕪栗沼を中心に「人間と雁の共生」というテーマを据え,これからの農業と,町に飛来する雁の未来を考えた新しい取り組みを始めています。
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水を張った水田にはさまざまな生物たちが集う。餌(カエル)を探すサギ(左)田んぼで落穂を拾う雁だち(右上)
害虫を餌とするカエル(中央)クモ(右下)
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◆ ふゆみずたんぼと渡り鳥たち
蕪栗沼周辺は,沼地を開墾して開かれた田んぼが広がっていいます。冬の間田んぼに水を張ることで,沼地などの浅瀬を好む真雁や,白鳥などの渡り鳥がやって来ます。渡り鳥たちのねぐらを増やし,越冬しやすい環境を作りながら,自然のサイクルを利用した無農薬,無化学肥料で米づくりが行える土壌を作る。田尻町では人と鳥が上手く共存し,「ふゆみずたんぼ」が成り立っています。田尻町の取り組みに全国から関心が寄せられています。
● ふゆみずたんぼと季節の移り変わり ●
◆ 蕪栗沼とラムサール条約
雁が集まる蕪栗沼は,ラムサール条約の指定湿地登録地となっています。この条約は重要な湿地,湿原,沼地,干潟等を保護し開発による破壊を食い止め,そこに生息する動植物の保全を促す目的のために指定される登録地です。第9回を迎えたラムサール条約締約国会議は2005年11月8日からアフリカのウガンダ共和国で開催され,蕪栗沼だけではなく「ふゆみずたんぼ」を行う沼周辺の水田も一緒に登録されました。田尻町の官民一体となった取り組みが評価された結果ではないでしょうか。今後の蕪栗沼に注目です。
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| 蕪栗沼に集う渡り鳥たち。冬の蕪栗沼は多くの生物で賑わいを見せる。 |
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