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平成27年度宮城県後発医薬品安心使用連絡会議について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年4月8日更新

宮城県後発医薬品安心使用連絡会議(移動研修会)を実施しました

1 はじめに

  •  厚生労働省では平成25年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロー ドマップ」を策定し,平成30年3月末までに後発品の数量シェアを60%にするという目標を掲げてきましたが,この度,平成27年6月24日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」において,そのシェアの目標を前倒しし,平成29年半ばに70%以上とするとともに,平成30年度から平成32年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする新たな目標を定めました。この新たな目標を達成するためには,後発医薬品使用控えの背景にある品質や情報提供あるいは安定供給に対する不安を徹底的に払拭することが必要不可欠です。
  •  本連絡会議は,厚生労働省の後発医薬品安心使用促進事業実施要綱に基づく事業の一環として平成25年度から立ち上げており,県内の医薬 関係者にお集まり頂いて議論することにより,後発医薬品の理解向上を図ることを目的としております。
  •  本年度は移動研修会という形式で,ジェネリック医薬品の製造現場における製造管理,品質管理及び物流管理についての水準を直に触れてもらうため,平成28年2月4日に東和薬品株式会社山形工場(所在地:山形県上山市金瓶字湯坂山17-8)を視察しましたので,概要について報告します。

2 会社概要(オリエンテーション)

  •  東和薬品は1951年の創業で,製造品目は692品目にのぼり,平成26年度の売上高は714億円,総従業員約2000人のジェネリック医薬品メーカー。
  •  山形工場は,上山市旧工場から同市蔵王フロンティア工業団地(競馬場跡地)に移転。2011年8月に竣工し,2012年3月から稼働した同社の基幹工場で,固形製剤棟,無菌製剤棟,管理試験棟,原材料製品倉庫棟,ユーテリティ棟から成り,東日本物流センターを併設している。
  •  本工場は,日米欧の3極GMPに対応し,現PIC/S GMPにも準拠している。製造品目は,固形製剤(抗がん剤等の高活性剤含む),注射剤の175品目で,従業員数は381人。内服剤25億錠/年を生産しているが,骨太の基本方針をうけ,30億錠に増産予定。更に製造棟を増設し(本年6月から着工), 65億錠を生産する計画。
  •  同社は,山形・大阪・岡山の3工場でバックアップ体制を構築し,現在75億錠/年を生産している。 

3 工場視察

 1) 無菌製剤棟

  •  注射用のアンプル,シリンジ,バイアルを製造。免震構造3階建てで,3階は薬液の秤量・調製,2階は充填,1階は包装施設となっている。3階では,作業が容易なように,3000L容量をはじめとした調合タンクが床面に埋め 込まれており,薬液調製後,無菌ろ過を行い2階へと送液する。2階では,充填ラインすべてがアイソレーター化(閉鎖系)され,リアルタイムで無菌性を確認していた。また,製造ラインだけでなく室内も陽圧管理されていた。

 2) 固形製剤棟

  •  制震構造5階建てで,通路をはさんで,一般製剤エリアと高活性製剤(抗ガン剤及び微量で薬理活性のある製剤)エリアに分離されている。生産ラインは重力落下を利用したグラビティー方式を採用し,原料の飛散や送液ロスを軽減。
  •  5階では秤量・原料投入,4階は造粒(水をスプレーし,粒子を大きくし,打錠し易くする),3階はコーティング,2階は検査,1階はPTP包装施設となっている。
  •  高活性製剤製造においては,三重の封じ込めとして,エリアを明確に分け, 更に室内及び製造機器内を陰圧で管理し,作業員への暴露防止や室外への飛散防止対策をとっていた。         
  •  無菌及び固形製剤製造ラインとも,工程管理が徹底されており,また原料受入れ試験→中間製 品試験→最終製品試験→本社での出荷判定→物流センターへの移管という流れの中で,設定規格に合格しない限り,次のステップへ物が移動できないシステム が構築されていた。 

 3) 使用水製造室

  •  原料水供給のリスク対策として水道水と地下水を併用し,活性炭,RO膜(逆浸透),イオン交換を通し固形製剤用水とする。更にUF膜を通し(パイロジェン及びエンドトキシンフリー),加熱後注射用水とする。各製造ラインの洗浄はUF膜を通した後,121℃でスチーム化したものを用いる。

 4) 東日本物流センター

  •  東日本の物流拠点。ピッキングの際,カート上の端末に必要な製品の配置箇所が表示される。また,個包装単位でバーコード管理がされており,出荷の際の誤発送を防ぐシステムが構築されていた。    

4 質疑応答

  • Q1: 医療機関のジェネリックに対する不安視の背景に情報不足がある。今日の工場見学を通して,徹底した品質管理や物流管理が理解できた。トレーサビリティーの観点からも,個包装箱一つずつに識別バーコードを印字し ているのは素晴らしいことだと思う。もっとPRすべき。工場の方とかが訪問して説明などはしないのか。
  • A1: 工場従事者までは訪問していないが,当社の良いところをPRするよう努力していきたい。

 

  • Q2: 安定供給の問題の一つに原薬調達のトラブルがある。原薬選定のポイントは。また,原薬供給元をダブルソースあるいは3社,4社にしてリスクを分散しているところもあると聞くが。
  • A2: 海外から調達している物もあるが,事前に査察に行ったり,実スケールで生産された先行サンプルを取り寄せ,品質の確認を行ったりしている。また,複数のメーカーから調達する取り組みを進めたり,原薬メーカーの大地化成の子会社化も行った。系列化したことにより,当社の要望が通りやすくなった。

 

  • Q3: 先発品と比べ,製剤上工夫されているところは。また,安定供給の体制についても伺いたい。
  • A3: 製剤工夫については,当社独自のRACTAB技術を利用したOD錠(口腔内崩壊錠),マスキング技術を利用した味の工夫,錠剤へのカタカナ印字などがある。安定供給については,季節性のものは事前に増産計画を立てて対応しているし,山形・大阪・岡山の3工場間で製造をシフトできるようなバック アップ体制をとっている。

質疑応答

5 おわりに

 視察を終えて感じたことは,工場の基本設計に1年以上を要したことからも分かるように随所に工夫がなされていた。安定供給を確保するために,災害時に対応した建屋の免震化・制震化や非常用発電機の設置及び地下水の利用,また高品質を確保するために,製造品目でのエリア分けや人・物の導線の明確な分離,できるだけ人の手が触れることのないようにした閉鎖系のラインなど目を見張る施設であっ た。
 参加者の感想も一様に好評であり,従来のジェネリック医薬品に抱いていた安かろう悪かろうというイメージを払拭するには十分な視察となった。
 最後に,業務多忙の中,快く視察を受け入れ,丁寧にご説明いただいた東和薬品株式会社山形工場の皆様に感謝申し上げます。

集合写真