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労働争議の調整

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

労働争議の調整とは,労働委員会が労働者の団体(労働組合,争議団)と使用者との間に起きた紛争について,解決の糸口を見いだすための手助けを行うものです。

調整の対象となる事項

次のような事項が対象となります。    

  • 労働組合に関する事項;組合活動,組合承認など
  • 労働協約に関する事項;労働協約の締結・改定・解釈・実施など
  • 労働条件に関する事項;賃金,退職金,諸手当,労働時間,定年制など
  • 経営・人事に関する事項;事業の休止・廃止,事業縮小,操業短縮,一時帰休,企業合併,営業譲渡,人事考課,昇格,休職など,労働条件に関するものに限られる
  • 福利厚生に関する事項
  • 団体交渉の促進に関する事項

争議の実状が調整に適さないと認められる場合は,調整を行わないこともありますので,調整の対象になるかどうか疑問がありましたら,申請書を提出する前に,事務局に相談してください。                                            

調整の手続き 

労働委員会が行う労働争議の調整には,1あっせん,2調停,3仲裁の三種類があります。

どの方法によって調整を行うかについては,当事者が選択します。このうち,あっせんの方法が最も多く利用されています。

これらの調整の方法の相違点は,概ね次のとおりです。

あっせん・調停・仲裁の相違点の表
区 分あっせん調停仲裁
調整 の主体 あっせん員; 当労働委員会では,通例,公益委員・労働者委員・使用者委員各1名ずつの3名が指名される。調停委員会; 当労働委員会では,通例,公益委員・労働者委員・使用者委員各1名ずつの3名の調停委員から構成される。仲裁委員会;当労働委員会では,通例,公益委員3名の仲裁委員から構成される。
開始要件 
  1. 当事者双方の申請
  2. 当事者一方の申請
  3. 労働委員会の職権

 

  1. 当事者双方の申請
  2. 当事者一方の申請
    • 労働協約に定めがある場合
    • 公益事業の場合
    • 地方公営企業の場合で,労働委員会が開始を決議したとき
  3. 働委員会の職権
    • 公益事業の場合
    • 地方公営企業の場合
  4. 知事の請求
    • 公益事業の場合
    • 公益に著しい影響を及ぼす場合
    • 地方公営企業の場合
  1. 当事者双方の申請
  2. 当事者一方の申請
    • 労働協約に定めがある場合
    • 地方公営企業の場合で,あっせん又は調停開始後2ヶ月を経過しても解決しないとき
  3. 労働委員会の職権;地方公営企業の場合
  4. 知事の請求;地方公営企業の場合
調整の機能・効果
  • 当事者間の自主的な解決を促進する。あっせん案を提示することもあるが,あくまでも任意の措置である。 
  • あっせん案の受諾について,当事者は法的に拘束されない。
  • 調停案を提示して,当事者に受諾を勧告する。
  • 調停案の受諾について,当事者は法的に拘束されない。
  • 仲裁裁定を行う。
  • 当事者は,仲裁裁定に拘束され,その効力は,労働協約と同一である。

労働関係調整法による調整をする場合に,労働者が証拠を提示し,若しくは発言をしたことを理由として,使用者がその労働者を解雇したりその他不利益な取扱いをすることは,不当労働行為として労働組合法第7条第4号によって禁止されています。

あっせんの手続き

最も多く利用されているあっせんの手続きについて,御紹介します。

あっせんは,あっせん員候補者の中から労働委員会の会長によって指名されたあっせん員が,当事者の仲立ちをして双方の主張の要点を確かめ,対立点を明らかにしながら,当事者間の話し合いを取り持ち,あるいは主張を取りなすことにより,争議の解決を図る手続きです。

なお,あっせん員候補者は,労働委員を含め,労働争議の解決に援助を与えることができる学識経験者の中から,あらかじめ労働委員会が委嘱しています。

当労働委員会では,公益委員,労働者委員,使用者委員からそれぞれ1名のあっせん員が指名され,三者構成のあっせん員が手続きに参加します。

労働委員会あっせん員候補者名簿はこちらへ

あっせんの手続き

あっせんの手続きのフローチャートです

労働争議(あっせん)の事例

以下の事例は,宮城県労働委員会で実際に取り扱った労働争議(あっせん)の事例をもとに,個人のプライバシー等に配慮して多少内容を変更しています。
労働争議のご理解のための参考としてください。

事例(組合が団体交渉のルールの明確化を求めた事例)

労働組合Xと食品加工業を営む株式会社Yとの間で,夏季の賞与の額を議題とする団体交渉が行われていました。

2回目の団体交渉が終了した際,まだ,妥結にはいたっていませんでしたが,会社は組合に対して,「団体交渉において,会社が提示した金額を各従業員の口座に振り込む。」と通知しました。

組合員の間では,「妥結をしていないにも関わらず,賞与を一方的に振り込むことは許されない。」との声が上がりました。

また,過去にも,団体交渉の途中で,会社が一方的に賃金を振り込むことがあったため, 組合としては,まず,労使間で団体交渉に関するルールを定める必要があると考え,「団体交渉のルールの明確化」を調整事項とするあっせん申請を行いました。

使用者は,「労働組合とは,お互いに信頼関係ができていない。」と主張していましたが,使用者側のあっせん員の働きかけにより,今後は,団体交渉のルールの締結に向けて協力し,話し合うとの意向を示しました。

その結果,「組合と法人は,真摯に話し合い,労使交渉のルールを確立すること。そのルールは,労使の相互信頼を基調とするものとすること。」とするあっせん案を双方が受諾し,解決しました。