掲載日:2012年9月10日

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だれもが住みよい福祉のまちづくり条例

平成八年七月十日

宮城県条例第二十二号

目次

高齢者も若者も,障害のある人もない人もすべての人が個人として尊重され,共に支え合いながら安心して生活を営むことのできる社会の実現は,宮城に暮らす私たちすべての願いである。
こうした社会を実現するためには,高齢者,障害者等の日常生活又は社会生活を営む上での様々な障壁を取り除き,高齢者,障害者等が自らの意思で自由に移動し,心豊かに住み慣れた地域に住み続け,及び社会のあらゆる分野の活動に参加することができるだれもが住みよい福祉のまちづくりに取り組むことが必要である。
だれもが住みよい福祉のまちづくりに取り組むことは,福祉とまちづくりとを結び付け,新たな文化を創造することである。私たちは,宮城の地にこの文化を根づかせ,将来の世代に引き継がなければならない。
ここに,私たちは,だれもが高齢者、障害者等となりうることを自覚するとともに,高齢者,障害者等にとって住みよいまちがだれにも住みよいまちであるという認識に立ち,共に力を合わせて住みよい宮城の実現のためにたゆまぬ努力を傾けることを決意し,この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関し,県,市町村,事業者及び県民の責務を明らかにするとともに,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより,高齢者、障害者等を始めすべての県民が安心して生活を営むことのできる住みよい社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 だれもが住みよい福祉のまちづくり 高齢者,障害者等が施設,物品,サービス等を円滑に利用できるようにするためにこれらの整備を行うことその他の高齢者,障害者等の社会のあらゆる分野の活動への参加を促進するために必要な環境の整備を行うことをいう。
二 高齢者,障害者等 高齢者,障害者,妊産婦等で日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいう。
三 公益的施設 病院,劇場,集会場,展示場,百貨店,官公庁の庁舎,公共交通機関の施設,道路,公園その他の不特定かつ多数の者が利用する施設及びこれに準ずる施設で,規則で定めるものをいう。

(県の責務)

第三条 県は,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する総合的な施策を策定し,及びこれを実施する責務を有する。
2 県は,前項のだれもが住みよい福祉のまちづくりに関する総合的な施策の策定及び実施に当たっては,市町村との連絡調整を緊密に行うよう努めるものとする。

(市町村の責務)

第四条 市町村は,当該市町村の区域の実情に応じただれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策を策定し,及びこれを実施するとともに,県が実施するだれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策に協力する責務を有する。

(事業者の責務)

第五条 事業者は,その事業活動に関し,自ら進んでだれもが住みよい福祉のまちづくりに取り組むとともに,県及び市町村が実施するだれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策に協力する責務を有する。

(県民の責務)

第六条 県民は,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関し,理解を深め,自ら進んで取り組むとともに,県及び市町村が実施するだれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策に協力する責務を有する。

第二章 だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する基本的施策

(基本方針等)

第七条 県は,次に掲げる基本方針に基づき,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策を策定し,及びこれを実施するものとする。
一 すべての県民がだれもが住みよい福祉のまちづくりに関する理解を深め,自主的かつ積極的にだれもが住みよい福祉のまちづくりに取り組むよう意識の高揚を図ること。
二 高齢者,障害者等が円滑に利用できるよう公益的施設等の整備を促進すること。
三 高齢者,障害者等が安全かつ快適に生活することができるよう住宅及び住環境の整備を促進すること。
2 知事は,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,前項の基本方針に基づき,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
3 知事は,基本計画を定め,又は変更したときは,遅滞なくこれを公表するものとする。

(情報の提供)

第八条 県は,だれもが住みよい福祉のまちづくりに関し,県民及び事業者の理解を深め,自発的な活動を促進するため,適切な情報の提供を行うものとする。

(福祉教育の充実等)

第九条 県は,高齢者,障害者等に対する県民の理解を深め,思いやりのある心をはぐくむため,高齢者,障害者等の福祉に関する教育の充実及び学習の機会の提供に努めるものとする。

(ボランティア活動の促進)

第十条 県は,県民及び事業者が高齢者,障害者等の福祉に関するボランティア活動を実践できるよう必要な施策の推進に努めるものとする。

(防災上の配慮)

第十一条 県は,防災に関し,高齢者,障害者等に配慮した情報の提供,避難のための施設の確保等の施策の推進に努めるものとする。

(福祉用具等の研究等の促進等)

第十二条 県は,福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(平成五年法律第三十八号)第二条に規定する福祉用具等に関する研究及び技術開発を促進し,並びにこれらの成果の普及を図るものとする。

(保健福祉サービスの効果的提供)

第十三条 県は,高齢者,障害者等が住み慣れた地域において安心して日常生活を営むために必要な保健福祉に関するサービスが効果的に提供されるよう必要な施策の推進に努めるものとする。

(推進体制の整備)

第十四条 県は,県,市町村,事業者及び県民が一体となってだれもが住みよい福祉のまちづくりを推進する体制を整備するものとする。

(表彰)

第十五条 知事は,だれもが住みよい福祉のまちづくりの推進に関して著しい功績があると認められる者に対し,表彰を行うことができる。

(財政上の措置)

第十六条 県は,だれもが住みよい福祉のまちづくりを推進するため,必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第三章 公益的施設の整備

(整備基準)

第十七条 知事は,公益的施設の構造及び設備の整備に関し,高齢者,障害者等が円滑に利用できるようにするために必要な基準(以下「整備基準」という。)を定めるものとする。
2 整備基準は,出入口,廊下,階段,昇降機,便所,駐車場その他の知事が必要と認めるものについて,公益的施設の区分に応じて規則で定める。

(整備基準の遵守)

第十八条 公益的施設の新築,新設,増築,改築,移転,建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替(以下「新築等」という。)をしようとする者(施設の用途を変更して公益的施設としようとする者を含む。)は,整備基準を遵守しなければならない。
2 公益的施設を所有し,又は管理する者は,当該公益的施設について整備基準に適合するよう整備に努めなければならない。

(維持保全)

第十九条 公益的施設を所有し,管理し,又は占有する者は,整備基準に適合している部分の機能を維持するよう努めなければならない。

(適合証の交付等)

第二十条 公益的施設を所有し,又は管理する者は,当該公益的施設を整備基準に適合させているときは,規則で定めるところにより,知事に対し,整備基準に適合していることを証する証票(以下「適合証」という。)の交付を請求することができる。
2 知事は,前項の規定による請求があった場合において,当該公益的施設が整備基準に適合していると認めるときは,規則で定めるところにより,当該請求をした者に対し,適合証を交付するものとする。
3 知事は,適合証の交付を受けている者の同意を得て,当該適合証に係る公益的施設が整備基準に適合している旨を公表することができる。

第四章 指定施設の整備

(新築等の届出等)

第二十一条 公益的施設のうち規則で定める規模のもの(以下「指定施設」という。)の新築等をしようとする者(施設の用途を変更して指定施設としようとする者を含む。以下同じ。)は,規則で定めるところにより,あらかじめ,その旨を知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は,当該届出の内容の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは,あらかじめ,規則で定めるところにより,その旨を知事に届け出なければならない。

(指導及び助言)

第二十二条 知事は,前条の規定による届出があった場合において,当該届出に係る指定施設が整備基準に適合しないと認めるときは,当該届出をした者に対し,必要な指導及び助言を行うことができる。

(工事の完了の届出)

第二十三条 第二十一条の規定による届出をした者は,当該届出に係る工事を完了したときは,規則で定めるところにより,速やかにその旨を知事に届け出なければならない。

(検査等)

第二十四条 知事は,前条の規定による届出があったときは,当該届出に係る指定施設の整備基準への適合の状況について検査を行うものとする。
2 知事は,前項の検査を行った場合において,当該指定施設が第二十一条の規定による届出の内容と異なると認めるときは,当該届出をした者に対し,必要な指導及び助言を行うことができる。
3 知事は,第一項の検査を行った後において,特に必要があると認めるときは,第二十一条の規定による届出に係る指定施設の整備基準への適合の状況について検査を行い,その結果,当該指定施設が整備基準に適合しないと認めるときは,当該指定施設を所有し,又は管理する者に対し,必要な指導及び助言を行うことができる。

(勧告)

第二十五条 知事は,指定施設の新築等をしようとする者が第二十一条の規定による届出を行わずに当該指定施設の新築等の工事に着手し,又は施設の用途を変更して指定施設としたと認めるときは,その者に対し,当該届出を行うべきことその他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
2 知事は、第二十一条の規定による届出をした者(第二十三条の規定による届出をした者を除く。)が第二十一条の規定による届出の内容と異なる工事を行ったときは,その者に対し,当該届出の内容に従った工事を行うべきことその他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
3 知事は,第二十二条又は前条第二項若しくは第三項の規定による指導及び助言を受けた者が正当な理由がなく当該指導及び助言に従わなかったときは,その者に対し,当該指導及び助言に従うべきことを勧告することができる。

(適合状況の報告等)

第二十六条 知事は,この章の規定の施行の際現に存する指定施設(新築等の工事中のものを含む。以下「既存指定施設」という。)を所有し,又は管理する者に対し,特に必要があると認めるときは,当該既存指定施設の整備基準への適合の状況の報告を求め,又は必要な指導及び助言を行うことができる。

(報告の徴収及び立入調査)

第二十七条 知事は,この章の規定の施行に必要な限度において,指定施設を所有し,又は管理する者に対し,当該指定施設の整備基準への適合の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 知事は,この章の規定の施行に必要な限度において,その職員に,指定施設に立ち入り,当該指定施設の整備基準への適合の状況について調査させ,又は関係者に質問させることができる。
3 前項の規定により立入調査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。

第五章 公共車両等及び公共工作物の整備

(公共車両等及び公共工作物の整備)

第二十八条 鉄道の車両,自動車その他の旅客の運送の用に供する車両等で規則で定めるもの(以下「公共車両等」という。)又は案内標識,公衆電話所その他の公共の用に供する工作物で規則で定めるもの(以下「公共工作物」という。)を所有し,又は管理する者は,当該公共車両等又は当該公共工作物について,高齢者,障害者等が円滑に利用できるよう整備に努めなければならない。
2 知事は,公共車両等及び公共工作物の整備を促進するため特に必要があると認めるときは,公共車両等又は公共工作物を所有し,又は管理する者に対し,整備の状況その他必要な事項について報告を求め,又は必要な指導及び助言を行うことができる。

第六章 住宅及び住環境の整備

(住宅及び住環境の整備等)

第二十九条 県民は,その所有する住宅について,居住する者が身体の機能の状況に応じて安全かつ快適に生活できるよう整備に努めなければならない。
2 県民は,その居住する地域において,高齢者,障害者等に配慮した住環境の整備及び維持に努めなければならない。
3 住宅を供給する事業者は,高齢者,障害者等が安全かつ快適に生活できるよう配慮された住宅,高齢者,障害者等に配慮した住環境が整備された住宅団地等の供給に努めなければならない。

(技術的支援等)

第三十条 県は,高齢者,障害者等が安全かつ快適に生活できるよう配慮された住宅を普及させるため,技術的支援,情報の提供その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第七章 雑則

(国等に関する適用除外等)

第三十一条 第四章及び第二十八条第二項の規定は,国,市町村その他規則で定める者(以下「国等」という。)及び県については,適用しない。
2 知事は,国等に対し,指定施設,公共車両等及び公共工作物の整備の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

第三十二条 公益的施設の整備に関し,市町村の条例によりこの条例の規定による整備と同等以上の整備が図られると知事が認めるときは,当該市町村の区域における公益的施設の整備については,規則で定めるところにより,第三章及び第四章の規定の全部又は一部を適用しないことができる。

(委任)

第三十三条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

附則

この条例は,公布の日(平成八年七月十日)から施行する。ただし,第三章から第六章まで,第三十一条及び第三十二条の規定は,平成九年四月一日から施行する。
附則(平成十八年条例第八十五号)

この条例は,平成十九年一月一日から施行する。

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社会福祉課地域福祉推進班

宮城県仙台市青葉区本町三丁目8番1号(7階北側)

電話番号:022-211-2519

ファックス番号:022-211-2594

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