研究トピックス(H29)/小麦の新規採用奨励品種「夏黄金（なつこがね）」デビューまであと少し

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小麦の新規採用奨励品種「夏黄金（なつこがね）」デビューまであと少し

農業・園芸総合研究所 バイオテクノロジー開発部

平成29年度に小麦「夏黄金（なつこがね）」が本県奨励品種に採用されました。「夏黄金」は,農研機構東北農業研究センターにおいて平成12年度に人工交配され,その後,数年かけて育成された品種で,東北・北陸地域向けのパン用小麦です。
「夏黄金」は平成31年産から一般作付けが開始されますが,バイオテクノロジー開発部品種管理チームでは,その為の準備として平成28年度から種子の生産を開始しています。
一般作付けで必要とされる種子は大量であるため,一度に生産することは出来ません。そのため種子生産は,原原種生産→原種生産→一般種子生産という流れで行われており,一般種子生産の種子が一般作付けに使用されます。
品種管理チームでは,原原種生産,原種生産を行っており,その過程で,品種が混ざらないよう機械の掃除を徹底して行ったり,病気や虫が発生しないように計画的な防除を実施したりしています。また,品種特性とは異なる形質の株の抜き取り（異株抜き）を複数回行い,その後,異常な株がないかを確認（ほ場審査）して合格したものを種子とすることで,品種の特性と種子の品質を保っています。
小麦の新品種「夏黄金」デビューまであと少し！
より優良な原原種,原種を生産できるよう日々心がけています。

写真1　青々と稔る「夏黄金」

写真2　収穫風景