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掲載日:2016年2月3日

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研究トピックス(H27)/豚の精液性状に及ぼす環境要因の影響

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豚の精液性状に及ぼす環境要因の影響

畜産試験場種豚家きん部

目的

近年,牛のみならず豚においても,人工授精(AI)技術は広く普及しており,AI用精液の需要は年々高まっています。一方,精液性状は,環境要因に大きく影響され,特に夏期の暑熱による精液性状への悪影響が懸念されております。このため,高まる需要に応えるには,精液性状の改善は重要な課題です。そこで,畜産試験場の2007年~2015年までのデュロック種の採精記録を用い,精液性状に及ぼす環境要因の影響を検討した結果,基礎的なデータが得られましたのでご紹介します。

成果

精子活力は,8月に最も低くなり,2月に最も高くなりました(図1)。一方,総精子数も夏に減少しましたが,9月が最も減少していることが分かりました(図1)。

また,精子活力は,若い月齢の方が高く,歳を経るにつれて減少傾向でした(図2)。総精子数は,17ヶ月齢までは増加傾向であり,その後はやや減少傾向でした(図2)。

精子活力と総精子数に及ぼす月の影響
図1 精子活力と総精子数に及ぼす月の影響

精子活力と総精子数に及ぼす月齢の影響
図2 精子活力と総精子数に及ぼす月齢の影響

精液性状からみた雄豚管理

精液性状は,一般的によく言われているとおり夏に大きく悪化することが統計学的にも明らかとなりました。精子活力の低下は,受胎率の低下と直結するため,夏期には本交だけではなく,検査済みのAI用精液を有効に利用することも産子数の確保につながると思います。総精子数については,9月が底となるため,夏の暑さのピーク時に乗が欲の旺盛な豚でも油断せず,暑熱対策を行う必要があります。また,本交(採精)の間隔が短すぎると総精子数のさらなる減少となるので注意が必要です。

精子活力及び総精子数共に月齢を経るにつれて減少傾向であることから,定期的な種豚の更新が必要と思われます。一方,12ヶ月齢を超えた比較的若い雄は,精子活力と総精子数共に良好でした。畜産試験場においても,夏期に一時的に若雄を増やすことで,高まる需要に対応しており,暑熱対策として若雄を積極的に使用することは一つの有効な手段かもしれません。

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農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

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