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(農業・園芸総合研究所 バイオテクノロジー開発部)
平成25年に大豆品種「あきみやび」が本県奨励品種となりました。「あきみやび」は農研機構東北農業研究センターにおいて,「フクシロメ」を母,「刈系623号」を父として交配・育成された品種で,コンバイン収穫に向き,ダイズモザイク病などの病害に強く,豆腐加工に適しています。県の調査では,主力品種「タンレイ」よりも紫斑病にやや強い傾向がみられるため,「タンレイ」の作付地帯での普及が期待されています。平成30年には県内で約1,000haの作付けを見込んでおり,そのためには50tの種子が必要となります。
さて,この種子はどうやって確保されるのでしょうか?
バイオテクノロジー開発部品種管理チームでは,本県主要農作物(水稲、大豆、麦類)奨励品種の原原種・原種生産を担当しています。「あきみやび」の場合は,平成25年に東北農業研究センターから取寄せた「育種家種子」を使って栽培し,「原原種」を採種しました。さらに,平成26年は「原原種」を使って栽培し,「原種」を採種しました。この「原種」が県内の種子生産者の方々に届き,「一般種子」が生産されます。つまり,当研究所が2年間,種子生産者の方々が1年間,合計3年間の増殖の後,一般生産者の方々が栽培できるようになります。また,これら増殖の過程では,おかしな姿形をした株(異株)や病害に感染した株を手作業で取除き,審査に合格したものだけを種子(原原種、原種、一般種子)とすることで,品種の特性と種子の安全を保っています。
そのような丁寧な管理と厳しい審査を経た大豆新品種「あきみやび」種子をぜひ手に取ってみてください。
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