掲載日:2014年10月20日

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トピックス(H26)/新しい飼料作物奨励品種の紹介

選択 前のトピックスへ 一覧へ戻る 次のトピックスへ(畜産試験場)

畜産試験場では,県内に適した飼料作物の選定を行うため,栽培試験を実施し品種の生育特性や生産性を調査しています。

今回は,新しく飼料作物奨励品種になったオーチャードグラス1品種及び飼料用トウモロコシ1品種について紹介します。

(1)オーチャードグラス「ベンチマーク」

ベンチマーク(図1)は米国インディアナ州で個体選抜と後代検定によって選抜され,当試験場を含む各地での栽培試験を経て,カネコ種苗(株)から流通しております。

ベンチマークはオーチャードグラスの早生品種で,採草・放牧兼用に適しています。また,標準品種のアキミドリ2(現奨励品種)と比較して,越夏性や秋の草勢,年間乾物収量が同等で,年次・季節による収量の変化が少なく,永続性に優れている品種です。

オーチャードグラスの極早生種(例:アキミドリ2)と中生種(例:まきばたろう)等を組み合わせ,圃場を別に作付することにより,収穫適期を広げることが可能になります。

表1 オーチャードグラス「ベンチマーク」の生育特性及び収量性(kg/a)

表1 オーチャードグラス「ベンチマーク」の生育特性及び収量性(kg/a)表

 

出穂始

(3年目)

年次別合計乾物収量

季節別乾物収量(3年間平均)

1年目

2年目

3年目

3年目/1年目

春期

夏期

秋期

ベンチマーク

(対標準品種比)

5月11日

147.4

(94)

196.8

(97)

164.0

(100)

508.2

(97)

111.2

(106)

63.3

(95)

52.2

(100)

32.4

(101)

アキミドリ2(標準品種)

5月9日

156.7

201.4

163.4

521.5

104.2

66.2

52.0

31.9

  • H22秋播種でH23~H25年の3年間の収穫調査結果。※( )内は標準品種(アキミドリ2)を100とした値。
  • 刈取回数:H23年5月19日~10月25日に4回,H24年5月16日~10月24日に4回,H25年5月23日~10月24日に4回

値はカンパーランドバレー分析研究所にて分析した

(2)飼料用トウモコロシ「NS110」

NS110(系統名KE0604)(図2)は前述の「ベンチマーク」と同様に,当試験場を含む各地での栽培試験を経た上で,カネコ種苗(株)から流通しております。

NS110はメーカーRMが「110日」で,生育特性は34B39(現奨励品種,RM115)と比較して,生育特性や収量性,TDN収量は同等ですが,耐倒伏性やすす紋病,根腐れに対する抵抗性が優れています。

栽培上の留意点は栽植本数を7,000~7,500本/10aとし,1本仕立てとすることに心掛けて下さい。

表2 飼料用トウモロコシ「NS110」の生育特性及び収量性(kg/10a)

表2 飼料用トウモロコシ「NS110」の生育特性及び収量性(kg/10a)表
 

発芽良否

(3年平均)

初期

生育

乾物収量(kg/10a)

罹病個体の全体に対する割合(%)

茎葉

雌穂

全体

耐倒伏性

すす紋病

根腐れ病

黒穂病

NS110

(対標準品種比)

8.1

6.9

986

(102)

861

(78)

1,847

(89)

0.3

1.3

0.8

0

34B39(標準品種)

9.0

6.5

968

1,094

2,063

1.0

2.6

4.5

0

  • NS110はH23~H25年の3年間,34B39はH23~H24年の2年間の収量調査結果。※発芽の良否は極良を9,極不良を1とする評点法,※( )内は標準品種(現奨励品種34B39(RM115))を100とした値。

ベンチマーク畑の様子
図1 ベンチマーク(撮影 カネコ種苗(株))

NS110畑の様子
図2 NS110(撮影 カネコ種苗(株))

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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