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掲載日:2014年3月14日

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トピックス(H25)/逆浸透膜浄水器を利用した塩水化した地下水の除塩における留意事項

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(農園研 情報経営部)

塩水化した地下水の除塩対策として,逆浸透膜浄水器を利用した手法が,イチゴ生産現場で利用可能であったことから,普及に移す技術の参考資料(第88号)として提案しました。

現地試験の結果では,ECが2~3.3dS/m程度の塩水化した地下水では,ECは0.1~0.2dS/m,ナトリウムイオン濃度は9~50ppmに,塩化物イオン濃度は20~50ppmに低下し,十分潅水に使用できる水質を確保しました。また,浄水量は,水温20℃で1台当たり1立方メートル/日得られました。

現在,栽培用水確保の負担が軽減できるよう,効率的な浄水量の確保や逆浸透膜のメンテナンス方法等について引き続き試験を実施し,逆浸透膜を利用した塩水化した地下水の除塩マニュアルを作成する方向で試験を進めています。

ここでは,逆浸透膜の原理と現地試験の結果から,いくつかの留意事項についてお示しします。

[除塩効果及び造水量]

  • 除塩効果及び造水量については,地下水の塩分濃度,逆浸透膜への水圧に加え,水温にも大きく影響を受けます(図1)。
  • 塩分濃度が高く,水圧及び水温が低ければ,同じ装置であっても,除塩効果及び造水量は低下します。
  • 特に,農業現場において計画的に用水を確保するには,季節変化に伴う水温の変化による造水量の増減に留意して下さい。

[設置方法]

  • 逆浸透膜装置に必要な部材であるタンクやカートリッジフィルター,配管などは,光が透過するような素材の場合には,夏場に藻類等が発生し,逆浸透膜の目詰まり等が懸念されます。部材に遮光性素材のものを利用したり,装置全体を覆うなどの対策が必要です(写真1)。
  • また,冬場は,特に装置が停止している場合に,配管や装置が凍結してしまうので,設置場所に留意し,保温対策を十分に行う必要があります(写真2)。

(平成26年3月14日掲載)

図1水温と造水量の関係
図1 水温と造水量の関係

図2逆浸透膜への藻類の付着状況
写真1 逆浸透膜への藻類の付着状況

図3排水管からの凍結状況
写真2 排水管からの凍結状況

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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