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掲載日:2012年9月10日

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農業早期復興プロジェクト/現場に適した技術開発による産地の復興支援/ハマボウフウの地域特産化に向けた安定生産技術の確立

(農園研 バイオテクノロジー開発部)

ハマボウフウは国内の海岸地帯に広く分布し,古くから食用として利用されていますが,近年の乱獲により個体数が激減しています。一方,津波被災農地においても作付は可能と考えられ,品質を生かした地域特産品として新規に需要を生み出す可能性があります。
名取市閖上では平成13年より民間組織が独自にハマボウフウの増殖に取り組んできました。これまでに経済栽培の試作も行っていますが,栽培体系の確立までには至っていません。また,今回の大震災で増殖ほ場が壊滅的な被害を受け,新規の増殖ほ場を設置することになりましたが,効率的な増殖方法は明らかではありません。
そこで,栽培技術を確立させることによって津波被災地への作付を広め,農地再生の足がかりにするとともに,地域特産品として新しい商品性を備えた農産物を育成します。
本年度は,ハマボウフウの県内自生地での採種,効率的な播種・育苗方法について検討します。

ハマボウフウの写真 ハマボウフウ保護区の写真 ハマボウフウの写真

試験・調査概要

  1. 県内自生地での採種
    • 1)対象地域:名取市,山元町等
    • 2)採種時期:7~8月
  2. 効率的な播種・育苗方法の検討
    • 1)試験区構成(6区:育苗方法2区×播種後低温処理3区)
      1. 育苗方法:種子を低温処理後,セルトレイ128穴または育苗バットに播種
      2. 播種後低温処理:セルトレイに播種後,冷蔵処理または屋外据置
    • 2)休眠打破方法
      1. 低温処理:一晩水に浸漬した種子とバーミキュライトを混合し,水分を含ませてポリ袋に密閉して,4℃・暗黒条件に2か月冷蔵します。
      2. 播種後低温処理:一晩水に浸漬した種子を育苗培土を充填したセルトレイに播種し,水分を含ませます。この状態で4℃・暗黒条件で2か月冷蔵,またはビニールシート等を被せて屋外に置きます。
    • 3)播種育苗方法,播種日
      1. セルトレイ128穴には1セル1粒まき。育苗バットは条まき。セルトレイ播種には,果皮除去区と無除去区を設ける。播種は3月15日,4月1日。バット播種は,3.5号ポリポットに仮植します。
      2. 播種日は1月15日。セルトレイ128穴に1セル1粒まき。果皮除去区と無除去区を設ける。2か月後にパイプハウス内に搬入します。
    • 4)調査項目
  3. 試験区ごとの発芽率,生育状況

 

試験・調査状況(結果)

  1. 県内の津波被害地3か所(名取市,山元町,七ヶ浜町)で今年開花,結実した種子を採取しました。
  2. 名取市で栽培していたハマボウフウの根株(栽培期間1~3年)を譲渡していただきました。

(平成24年1月13日掲載)

種子(名取・山元・七ヶ浜)

種子の写真
種子

種皮除去後の写真
種皮除去後

→発芽特性把握,効率的な播種・育苗法の検討
1~3年生根株(名取産)
1~3年生根株の写真
→軟白処理,伏せ込み条件・時期の検討

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所野菜部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8131

ファックス番号:022-383-9907

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