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小村崎地区には、桑畑が数多くあります。当然ながら、昔養蚕をしていたからですが、今ではほとんど蚕を飼っている農家は見られません。桑の木も人が入りにくくなった畑では、伸び放題のところもあります。
桑は、クワ科の植物で、蚕を育てるために栽培されているものです。もともと日本在来のものをヤマグワ、中国からの渡来種をマグワ、カラグワといいます。日本での栽培はとても古く、文献には「日本書紀」の仁徳天皇の項目に記載されています。また、「魏志倭人伝」にも養蚕が行われたという記録があり、卑弥呼は絹織物を着ていた可能性があるようです。持統天皇の時代にはクワの栽培を奨励し、荘園の課税対象にもなっていました。
葉を取るだけでなく、木そのものも珍重されていたようです。木目が美しく家具や器などに古くから用いられ、その樹皮も剥いで繊維として利用できます。果実は、6月末から7月頃に房状の実を結び、果実の色は赤から黒に変化します。真っ黒になった時が食べごろで、学校帰りの子供たちのおやつがわりでした。昔は、よく口の周りを紫色にした子供たちが桑畑の周辺を走りまわっていました。
最近、桑は健康食品として注目を浴びるようになり、桑の葉のてんぷら、サラダ、果実のジャム、焼酎づけ、葉を粉末にして桑茶などいろいろな利用法が考えられています。幹も「すりこぎ」などに簡単に加工できます。特に粉末にしたものは、お茶にして飲むだけでなく、色々な食品に混ぜ合わせることができるので、利用の範囲が広がりました。
兵糧舘へ向かう途中の桑畑
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