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第三百六十一回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月1日更新

平成29年9月1日

 

 本日ここに第三百六十一回宮城県議会が開会され、平成二十九年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 初めに、七月三十日から八月一日にかけまして、全国高等学校総合文化祭「みやぎ総文二〇一七」の開会式に御臨席いただくため、秋篠宮殿下並びに佳子内親王殿下が本県にお成りになられました。開会式でお言葉をいただきましたほか、震災の復興状況などを御覧になられるとともに、御視察先で大勢の方々にお声掛けをされ、奉迎した県民とも親しく触れ合っていただきました。謹んで御礼を申し上げるものであります。

 総合文化祭の開会式では、大会運営も含め尽力する高校生の姿を目の当たりにし、我が県の将来を担う若い力を大変頼もしく、心強く感じたところであります。大会は大成功をおさめて幕を閉じました。参加した生徒の皆さん、指導された先生方をはじめ関係各位に深く敬意を表します。

 また、七月下旬から先月中旬まで、本県など南東北三県を会場に全国高等学校総合体育大会が開催され、県勢は、陸上、ウエイトリフティングやカヌーの各競技で優勝を果たすなど、持てる力を精一杯発揮されました。選手並びに指導に当たられた関係者の皆様の健闘を心から称えますとともに、今後とも本県スポーツの振興と競技力の向上に力を注いでまいります。

 第十一回全国和牛能力共進会は、来る七日から十一日までの五日間にわたって仙台市の夢メッセみやぎを主会場に開催されます。これまでの間、日本一獲得を目標に掲げ、生産者、農業団体や行政など関係者が努力を積み重ね、また、議員の皆様からも多大なお力添えや御鞭撻を賜ってまいりました。深く感謝を申し上げますとともに、宮城の誇る県産牛の名声が更に高まるよう、目標が達成されることを切に願っております。

 七月の九州北部豪雨では、観測史上最大級の大雨により福岡県と大分県を中心に甚大な被害が発生いたしました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りし、被害を受けた皆様に改めてお見舞いを申し上げます。

 近年、国内各地では雨の降り方が局地化、集中化、激甚化しており、ハードはもとより、防災・減災の取組や緊急時の避難対応などソフト対策の重要性が一段と高まっております。岩手県で開催された全国知事会議におきましては、災害の教訓を次世代に継承し、あらゆる災害に負けない「千年国家の創造」を目指す岩手宣言が採択されました。県といたしましても、一昨年の豪雨災害を踏まえ、浸水被害の再発防止や県内全域における警戒避難体制の強化に向け、平成三十三年度までに総額百五十六億円の「災害に強い川づくり緊急対策事業」を推進しており、県民の皆様の安全安心な暮らしを確保するため、引き続き鋭意努力してまいる所存であります。

 次に、震災復興計画の推進と宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組状況についてであります。

 震災からの復旧・復興に関しましては、各種インフラの復旧も進み、災害公営住宅は石巻市など四市町における整備を残すのみとなっており、県全体では今年度末に九十六パーセントが完成し、平成三十年度末には完了する見通しであります。防災集団移転促進事業などまちづくりも進展しており、来る三日には南三陸町役場の新庁舎が開庁するなど、被災地の生活基盤は着実に整ってまいりました。

 東日本大震災から六年半の歳月が過ぎようとしておりますが、発災当初、多くの困難が高い壁として立ちはだかっていた状況から一歩ずつ歩みを進め、今日に至ったことは、県民の皆様の懸命な努力と国内外からの御支援の賜物であり、改めて敬意を表し、感謝の念に堪えません。しかし、未だ一万二千人余りの方々が仮設住宅に暮らしている上、一人暮らしの高齢者の見守り、心のケアなど対処すべき問題も山積しております。また、復興が進むにつれ、地域によって進捗に差が生じている現状や、コミュニティの再生など対応が必要な課題も顕在化してきております。まだまだ復興したとは言い難い状況の方々もおられますことから、引き続き被災地のニーズに真摯に向き合い、万全の対策を加速度的に講じるよう最大限努力してまいります。

 宮城の将来ビジョン・震災復興計画に掲げた政策を推進するための各種施策につきましては、震災復興計画の発展期に入る来年度を見据えた議論を、今後本格化させます。

 振り返りますと、私が知事に就任して以降、企業誘致の推進により企業立地件数は三百五十件にのぼり、雇用創出数も一万三千人余りに達しております。デスティネーションキャンペーンをはじめとする観光振興や広域道路ネットワークの整備など、富県宮城の実現に向けて地域経済の振興に資する施策も拡充いたしました。東日本大震災の発生後は、復旧に止まらない抜本的な再構築を目指す創造的な復興を掲げ、医学部の新設、仙台空港の民営化や水産業復興特区の創設など、将来を見据えた課題に積極果敢に挑戦し、議員の皆様や県民各位の御理解をいただきながら実現を果たしてまいりました。

 しかし、目まぐるしく変化する経済環境の下でも揺るぎない経済基盤を構築する取組は道半ばであり、子育てや高齢者介護、特別支援教育の環境整備や学力向上といった福祉、教育の充実も、引き続き県民のニーズに応えていく必要があると考えております。さらに、失った販路の回復や沿岸部への観光誘客とともに、たゆみない取組を続けてまいりました農林水産業の競争力強化や中小企業・小規模事業者の振興、地域振興、安全安心な県土づくりなど、県民生活向上と県勢発展に向け私が取り組みたい事項は枚挙にいとまがありません。県庁の総合力を一段と発揮して創造的な復興を果たし、富県宮城や地方創生の取組をこれまで以上に軌道に乗せることが私に課せられた使命であるとの思いはいや増すばかりであり、ふるさと宮城の輝かしい未来を切り拓くため、全身全霊を傾ける覚悟であります。国、市町村や民間団体、事業者と緊密に連携しながら、これまでにも増して衆知を集める県政運営を図ってまいりたいと考えておりますので、議員各位をはじめ、県民の皆様の御理解と御支援をお願い申し上げます。

 放射性物質による汚染廃棄物に関しましては、七月に開催した市町村長会議において、一般ごみの受入れについて全県で協力しながら、保管自治体が圏域ごとに焼却などの処理を進めることで合意が得られ、年内の試験焼却開始を目指して調整を進めております。長く続いている一時保管状態の解消に向けて大きな一歩を踏み出すことができたと考えており、モニタリングの充実強化など必要な取組を進め、真の復興に向けて、国、市町村と協力しながら取り組んでまいります。

 米の新品種「だて正夢」につきましては、色彩豊かで印象的なデザインのロゴマークを制定したほか、来年度の本格販売に向けて、今年の秋よりプレデビューイベントを開催するなど、高価格帯の銘柄米を目指したブランド化の取組を進めております。

 県内の観光客入込数は五年連続で増加し、昨年は六千八十四万人と震災前と同水準まで回復したものの、沿岸部は依然として立ち遅れが見られます。こうした状況も踏まえ、気仙沼市唐桑で韓国版トレッキングである「オルレ」のコース整備を進めるなど、様々な創意工夫を凝らして観光資源の創出や磨き上げに取り組むとともに、県内外への情報発信の強化を図ってまいりたいと考えております。

 去る七月には、我が県と中国・吉林省の友好県省締結三十周年を記念して、経済界や市町村長、そして県議会の議員の皆様とともに吉林省を訪問し、震災復興への支援に対して謝意を表するとともに、様々な分野で交流が行われていることに感謝を申し上げ、今後更に発展させていくことを確認いたしました。これまで営々と築かれてきた絆を大切にしながら、親善はもとより、観光や経済などの分野で更なる交流拡大を進めてまいります。

 また、昨年の台湾に続き、今年は香港において東北六県及び新潟県合同でのトップセールスを実施し、私からは、我が県の豊富な食材に加え、民営化後、航空路線や二次交通が充実し、利便性が一段と高まった仙台空港をピーアールいたしました。東アジアを重点としつつ欧米に向けてもプロモーションや情報発信をより強化するほか、受入体制の整備などにより、平成三十二年の外国人宿泊者数五十万人泊の目標達成に向け取り組んでまいります。

 交通インフラの面では、東北縦貫自動車道への(仮称)菅生スマートインターチェンジの設置について新規事業化が認められたところであり、大型集客施設や周辺観光地へのアクセスが向上し地域振興の大きな推進力として期待されることから、平成三十四年度の使用開始目標に向け着実に事業を推進してまいりたいと考えております。

 県内の雇用経済情勢については、東北財務局が七月に発表した四半期ごとの経済情勢報告によれば、景気は緩やかな回復基調を維持しております。雇用は、有効求人倍率が昨年度から一・四倍を上回る高水準が継続しておりますが、一部では人手不足が企業経営に影響を及ぼしつつあるとともに、業種や職種によって求人・求職に大きな偏りがあるなど、楽観はできない状況です。

 国の平成三十年度予算概算要求の基本方針では、東日本大震災からの復興対策経費について、復興のステージの進展に応じて既存事業の成果等を検証しつつ効率化を進め、真に必要な事業に重点化するとされており、我が県が必要とする財源が確保されるよう、国の予算編成を注視してまいりたいと考えております。

 地方財政の分野では、平成二十七年に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二○一五」、いわゆる骨太の方針の中で、地方の一般財源総額について平成三十年度までは平成二十七年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされており、この方向で調整が進むものと見込んでおります。

 しかし、昨年度の国と地方の税収はいずれも七年ぶりの減収となり、憂慮される状況にあります。地方交付税の原資となる所得税が前年度を下回り、法人税も頭打ち傾向を見せていることから、臨時財政対策債の増加など好ましくない影響が懸念されます。さらに、一般財源を同水準とする措置が切れる平成三十一年度以降について、国の財政健全化の動向にも留意が必要であり、地方財政を取り巻く環境は一段と厳しさを増すことが予想されます。

 なお、国の経済財政諮問会議などにおいて、全国の地方自治体で一定の基金残高が確保されている状況を取り上げ、地方財政計画への反映など改善方策を講じるべきといった議論がありましたが、基金残高が各団体の懸命な努力によって確保されていることや、地方交付税は地方固有の財源であることなどを十分踏まえるべきであります。本県をはじめとする各自治体は、社会保障関係経費の増加等による厳しい財政状況の中にあって、不断の経費節減に取り組み、時には給与の削減措置に迫られながら、景気変動等による税収減や災害対応などに備えて一定残高を確保しているものであり、しっかりと実態調査を行い背景や要因の把握を行うよう、全国知事会などと連携しながら国に対し求めてまいりたいと考えております。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。

 今年度の歳入見通しは、普通交付税が当初予算計上額を上回ることとなったものの、臨時財政対策債や地方特例交付金は計上額を割り込みました。国税及び地方税の減収傾向について先ほど述べましたが、本県も例外ではなく、今年度の県税収入は昨年度決算額を相当程度下回るものと見込まれる上、近年、財源調整のための基金の残高が減少傾向をたどっていることから、来年度以降の財源不足に対応するため、可能な限り財源を確保していく財政運営が求められております。

 このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、復旧・復興を促進する事業とともに、震災対応以外の各分野において緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)

 補正予算案の主な内容ですが、まず、震災関連としましては、国の交付金の内示等に伴い、被災したオフサイトセンターの復旧費や気仙沼市の一般県道大島浪板線の整備費を増額するほか、復興交付金の効果促進事業を活用して道路案内標識の設置を進めてまいります。さらに、石巻南浜津波復興祈念公園の用地造成や松島自然の家本館の再建に向けた用地取得を行います。また、沿岸部の産業再生では、本県が国内外に誇る水産物であるカキについて、ノロウイルスの不活化試験に取り組み、付加価値の向上を図ってまいります。

 

(その他の主な事業)

 次に、震災関連以外の事業としては、国の交付金の内示に伴い、地域医療介護総合確保基金への積立てを行うとともに、この基金を原資として、在宅医療の提供に向けた体制整備のほか、医療従事者の確保、育成支援を実施してまいります。また、循環器・呼吸器病センターの医療機能の移管について、栗原中央病院敷地内に整備する結核病棟整備事業の進捗を踏まえて工事費を追加し、平成三十一年度の供用開始に向けて準備を加速してまいります。さらに、整備が急務となっている第一種感染症病床に関して、東北大学病院の設備整備に対して助成し、指定医療機関の指定に向けた支援を行います。

 平成三十二年以降のサン・ファン・バウティスタのあり方につきましては、先月設置した「慶長使節船ミュージアムの今後のあり方検討委員会」において、今後、具体的な検討を行うこととしており、今回の補正予算案には、再現手法の実現可能性や経費見込み等に係る調査委託費を追加しております。

 このほか、一昨年の関東・東北豪雨被害に係る災害復旧費を増額したほか、(仮称)菅生スマートインターチェンジの整備に係る債務負担行為を設定しております。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計、総会計ともに六十六億七千二百余万円となります。財源としては、地方交付税二十四億余万円、国庫支出金二十二億八千四百余万円、県債十一億四千余万円などを追加しております。

 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千三百四十二億九千八百余万円、総計で一兆五千百七十一億百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案八件、条例外議案十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第百七十八号議案は、旅行サービス手配業の登録などに係る手数料を新設等しようとするもの、議第百七十九号議案及び議第百八十号議案は、法人事業税の超過課税である「みやぎ発展税」の適用期間を延長し、併せて、法人事業税等の課税免除等の適用期間を延長しようとするもの、議第百八十二号議案は、閖上漁港の船舶保管施設等の利用料金を指定管理者の収入にしようとするもの、議第百八十四号議案は、気仙沼高等学校と気仙沼西高等学校を統合しようとするもの、議第百八十五号議案は、ストーカー行為等の規制等に関する法律の改正に準じ、迷惑行為として規制の対象となる嫌がらせ行為の類型を追加しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第百八十六号議案は、土地改良事業の実施に伴う市町の境界変更について、議第百八十七号議案及び議第百八十八号議案は、交通事故の損害賠償請求に係るあっせんの申立てについて、議第百八十九号議案は、財産の取得について、議第百九十号議案は、工事委託契約の締結について、議第百九十一号議案ないし議第百九十三号議案は、工事請負契約の締結について、議第百九十四号議案ないし議第二百号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。