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第三百六十回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月16日更新

平成29年6月16日

 

 本日、ここに第三百六十回宮城県議会が開会され、平成二十九年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 その前に、去る六月七日に急逝されました故石川利一議員の御霊に対しまして、謹んで哀悼の意を表し、生前の御功績を称えますとともに、御遺族の皆様方に衷心よりお悔やみを申し上げます。
 それでは、御説明いたします。
 初めに、高病原性鳥インフルエンザへの対応についてであります。栗原市内の養鶏場において三月二十三日に異状を示す鶏が確認され、遺伝子検査により翌日の未明に疑似患畜と判定されました。即刻、私を本部長とする対策本部会議を招集し、特定家畜伝染病防疫指針に基づく制限区域の設置や当該農場の鶏の殺処分等の防疫措置に着手するとともに、自衛隊に対して災害派遣要請をいたしました。
 本県での防疫措置の実施は初めてである上、処分数が二十二万羽もの大規模に及び、難航が想定されたことから、職員延べ千八百人を投入したほか、自衛隊からも同規模の人員派遣をいただき作業に当たりました。加えて、国や栗原市、さらには建設業協会や高圧ガス保安協会など協定を締結していた事業者にも多大なる尽力をいただき、総力を挙げて対処した結果、国の殺処分の目安である七十二時間以内に全ての処理を終えることができました。
 その後の経過観察で異状は見受けられず、四月半ばには制限区域による規制の解除に至っております。今後、県内の養鶏場に対し、管理体制等の確認調査や立入指導を行うとともに、今回の対応で明らかとなった課題などを整理し改善に活かしてまいりたいと考えております。
 岩手・宮城内陸地震の発生から九年の歳月が流れ、この間、東日本大震災の未曾有の被害をはじめとして、本県は大小様々な災害に見舞われております。今回の鳥インフルエンザの発生事案も含め、非常事態は時と場所を選ばず突如襲ってくることから、私以下、職員一丸となって、あらゆる災害や有事への意識を高め、危機管理の対応に常日頃から万全を期してまいる所存であります。
 次に、震災復興計画の推進と宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組状況についてであります。
 被災地では各地でまちびらきや本設商店街のオープンが進んでおり、道路や鉄道といったインフラの復旧、三陸縦貫自動車道の延伸や気仙沼大島大橋の架設、災害公営住宅の整備の進展など、ハード面の復興は着実に進んでおります。
 また、東北初の商用水素ステーションが仙台市宮城野区に開所したほか、燃料電池自動車の一般向けレンタル事業がスタートするなど、これまで創造的な復興を目指して取り組んできた新たな挑戦が実を結び、目に見える形となってまいりました。
 しかし、未だ一万五千人の方々が仮設住宅に暮らしており、生業や雇用の面で困難に直面している方も多いのが実情であります。さらに、被災地で復興の進捗状況に差が生じている状況を見聞きするにつけ、私は、自らに課せられた使命と責任の重さを改めて実感し、様々な課題に立ち向かって復興を早期に成し遂げるのみならず、我が県の将来を見据えた創造的な復興を是が非でも実現しなければならないとの熱い思いが心にみなぎっております。震災復興計画の再生期の総仕上げに向け、被災地を元気にする取組に力を尽くしながら、市町村や国と十分に連携し、着実に復興を推し進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 なお、放射性物質による汚染廃棄物につきましては、明後日に開催する市町村長会議において地域の状況を踏まえた提案を行い、各市町村において処理が進められるよう取り組んでまいります。

 震災復興新ステージ予算と銘打ち、ソフト面の施策を重視した今年度の当初予算につきましては、特に意を用いた子育てや高齢者介護の新規事業、さらには被災者の心の復興など震災対応の施策をはじめ、先の定例会で改定を認めていただいた宮城の将来ビジョンや、地方創生総合戦略に基づく各種事業の円滑な執行を図り、所期の効果を得られるよう力を注いでまいります。
 昨今の景気動向につきましては、政府の月例経済報告によれば、一部に改善の遅れもみられるものの、緩やかな回復基調にあります。また、国内総生産の四半期速報値は五期連続のプラス成長を示し、個人消費には持ち直しの兆しも見受けられており、為替動向や不安定さを増す国際情勢には留意が必要ですが、全体的には堅調に推移しているものと認識しております。
 本県におきましても、復興需要は落ち着きをみせているものの、緩やかな回復基調となっており、産業の再生や伸長も総じて着実な進展が見られます。
 東日本大震災による被害を受けて七ヶ浜町に移転再建した水産技術総合センターの種苗生産施設では、施設稼働後初めて生産されたアワビの稚貝の配布が始まり、水産資源の回復に一段と弾みがつく見通しであります。
 米の新品種「だて正夢」は、今年秋の試験販売に向けて県内各地で作付が行われました。来年の本格デビューに向け、生産拡大のための栽培技術研修会の開催や、販売力強化に向けたブランドロゴの作成などに取り組んでまいります。
 全国和牛能力共進会の開催を九月に控え、既に県内では日本一を目指し手塩にかけて育てた和牛の地区選抜会が終了し、最終選考会が目前に迫るなど、いよいよ機運が高まってまいりました。
 さらに、昨年の製造業等の工場立地面積は全国四位となるなど、産業構造の変革も確かな足取りで進んでおります。また、平成二十七年度の実質県内総生産は速報値で九兆五千億円余り、県民所得は六兆六千億円余りとなり、いずれも四年連続の増加となりました。
 しかし、雇用情勢が改善する一方で人手不足が拡大の様相を見せ、沿岸部を中心に依然として雇用のミスマッチが生じているなど、課題は山積している状況にあります。加えて、復興需要が落ち着いた後の景気動向が大いに懸念されますことから、農林水産業の体質強化や県内企業の競争力の底上げ、更なる企業誘致による産業集積の促進などに引き続き注力し、また、中小企業・小規模事業者の経営支援や人材の確保・育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、こうした状況も踏まえ、現行の課税期間が来年二月までとなっております「みやぎ発展税」について、課税期間を五年間延長し、各種取組に活用する財源を確保することが必要と判断いたしました。現在、関係各方面への説明など手続きを進めており、次期定例会に条例改正案を提案する予定であります。
 観光面では、来月から九月まで開催する仙台・宮城伊達な旅夏キャンペーンに加え、新たに冬のキャンペーンを展開し、通年での誘客促進を図るほか、クルーズ船の誘致を進めるなど更なる交流人口の拡大に取り組んでまいります。また、民営化から一年が経過する仙台空港につきましては、国際線の利用者数が大きく伸びるなど順調に推移している上、九月には格安航空会社のピーチ・アビエーションが、仙台空港を拠点として台北線と札幌線を新設する予定であり、空港利用者の一層の増加が期待されております。先月には私も韓国を訪れ、航空路線の安定的な運航や本県への誘客促進に係る連携強化について現地関係者と会談し、確かな手応えを得てまいりました。また、来月には香港で東北六県合同の観光プロモーションを実施することとしており、地方創生にも資する観光産業の振興につきまして、取組を更に推進してまいりたいと考えております。
 開会が来月に迫った全国高等学校総合体育大会と全国高等学校総合文化祭は、全国から関係者の皆様をお迎えする準備が万端整いつつあります。また、石巻市の市街地や牡鹿半島を中心に、芸術、音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル」も来月から五十一日間にわたって開催されます。宮城の地がスポーツや文化の祭典で彩られ、全国から訪れる方々で大いに賑わうものと期待は膨らむ一方であります。自然や食材など本県の魅力を堪能いただくとともに、復興へと努力する元気な姿を御覧いただき、支援への感謝を伝える好機であることから、万全の体制を整え、また、最大限の支援を行ってまいります。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、あらゆる世代がスポーツに親しむ契機となり、スポーツ振興に大きく寄与することが期待されるほか、国際交流や観光推進にまたとない機会であります。先月には、運営に係る役割分担と費用負担に関し、国、東京都、大会組織委員会及び関係自治体の四者で基本的な方向を確認し、合意いたしました。本県が担うべき業務等の詳細については、今後、その内容を更に精査していく必要がありますが、「復興五輪」であるこの大会の成功に向けて、競技開催自治体としての役割をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。今年度は官民が一体となった推進会議を設置し、本県の優れた地域資源や復興状況を強力に発信していく体制を整備するとともに、事前合宿の誘致支援や各種イベントなどにおける機運の盛り上げを図ってまいります。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。
 今回御審議をお願いいたします補正予算案は、東日本大震災復興交付金の基金造成費を追加するとともに、地方創生やオリンピックに向けた施設改修など、早急に対応すべき施策について編成したものであります。
 主な内容ですが、復興交付金につきましては、先月国に提出した十八回目となる申請の全額を基金に積み立てる費用を追加しております。また、太陽光発電による電気と水で水素を製造し、貯蔵した上、発電を行う自立型の水素エネルギー供給システムの導入に係る経費を予算化しております。
 さらに、宮城スタジアムの芝生の張り替え工事費用を計上したほか、地方創生拠点整備交付金を活用し、総合運動公園のテニスコート、矢本海浜緑地のパークゴルフ場や東北歴史博物館の来館者用施設の整備に係る経費を追加しております。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計、総会計ともに二十六億一千九百余万円となります。財源としては、国庫支出金二十四億五百余万円、県債一億六千三百万円などを追加しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆二千二百七十六億二千六百余万円、総計で一兆五千百四億二千九百余万円となります。
 次に、予算外議案については、条例議案十三件、条例外議案二十件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第百四十一号議案は、地方税法の改正に伴い仙台市における個人県民税の税率を改定するなど県税条例等の一部を改正しようとするもの、議第百四十二号議案ないし議第百四十五号議案は、過疎地域、離島振興対策実施地域、原子力発電施設等立地地域及び復興産業集積区域における県税の課税免除等の適用期間を延長しようとするもの、議第百四十八号議案、議第百四十九号議案及び議第百五十二号議案は、東日本大震災により被害を受けた者が職業能力開発校、農業大学校及び県立学校に入学する際の入学金等の免除の期間を延長しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第百五十三号議案は、宮城県と岩手県の境界にわたる市の境界変更に係る総務大臣への申請について、議第百五十五号議案は、県営住宅の排水設備の毀損に係る和解について、議第百五十六号議案は、行政指導上の瑕疵により生じた損害に関する和解及び損害賠償の額の決定について、議第百五十七号議案は、東京電力ホールディングス株式会社への損害賠償請求に係る原子力損害賠償紛争解決センターへのあっせんの申立てについて、議第百五十九号議案ないし議第百六十二号議案は、工事請負契約の締結について、議第百六十三号議案ないし議第百六十九号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第百七十号議案は、地方税法の改正に伴う県税条例の一部改正について、議第百七十一号議案は、平成二十八年度宮城県一般会計予算の補正について、議第百七十二号議案は、県議会議員補欠選挙の執行に係る平成二十九年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。