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第三百五十七回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月14日更新

平成28年9月14日

 本日ここに第三百五十七回宮城県議会が開会され、平成二十八年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 その前に、先月三十日に東北地方を縦断した台風十号は各地に甚大な被害をもたらし、岩手県岩泉町では河川の氾濫によって多くの尊い生命が失われました。不幸にして亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被害を受けられた皆様に改めてお見舞いを申し上げます。

 本県におきましても、農林水産関係施設を中心に被害が多方面に及んでおりますが、市町村や関係機関等と緊密な連携を図りながら適切に対応してまいります。

 先月開催されましたリオデジャネイロオリンピックにおいて、本県ゆかりの選手が大活躍し、特にバドミントン女子ダブルスで聖ウルスラ学院英智高等学校出身の髙橋礼華さん、松友美佐紀さんのペアは、世界ランク一位の実力に相応しい会心のプレーで、見事金メダルを獲得されました。ここ宮城の地でペアを結成以来、日々培った技と絆を存分に発揮され、世界に大きく羽ばたいたお二人の姿は、県民に多くの感動と元気をもたらしてくれました。心からお祝いを申し上げ喜びを分かち合うとともに、この功績をたたえ、県民栄誉賞を授与することといたしました。

 それでは、御説明申し上げます。

 震災から五年半が経過いたしました。県民一丸となって山積する様々な課題をひとつずつ乗り越えながら、復興への歩みは着実に進んでおり、被災した街も少しずつ変貌を遂げております。あの未曾有の事態から今日までの道のりに思いを致す時、胸に熱いものが去来するとともに、一日も早い復興、さらに、単に被災前に戻すのではなく創造的な復興を実現するため、全身全霊を傾けなければならないと決意を新たにしているところであります。

 復旧・復興の主な状況についてですが、まず被災者の生活再建と生活環境の確保についてであります。

 災害公営住宅の整備につきましては、現時点で一万一千戸が完成しており、順次、仮設住宅からの転居が進んでおります。今年度中には計画数の九割に当たる一万四千戸ほどが完成する見通しであり、引き続き着実な事業の推進に力を注いでまいります。

 応急仮設住宅には一万三千戸に約三万人の方々が入居しておられますが、その数はピーク時の四分の一にまで減少しております。入居している皆様が一日も早く自立できるよう、生活再建の基盤となる恒久住宅の確保に向けて、被災者転居支援センターによる各種支援や民間賃貸住宅の情報提供など今後とも最大限のサポートを行うとともに、生活の支援や見守り、地域コミュニティの再構築の促進などに力を注いでまいりたいと考えております。

 なお、転居により役割を終えたプレハブ仮設住宅については、これまでも民間への無償譲渡により診療所や社会福祉施設の倉庫などに活用してまいりましたが、県においても学校の部室や職員の宿舎に転用するなど、利活用の範囲を拡大してまいります。資源の更なる有効活用に加え、県民が日常の様々な場面で復興を実感するとともに、風化防止にも資するものと考えております。

 三陸自動車道ではこの春までに仙塩道路の四車線化が完了し、多賀城インターが開通するとともに、登米東和インターから先の三滝堂インターまで延伸されるなど着実な進展が見られております。沿岸部の活性化や復興の加速化に資するよう、延伸については国と密接に連携協力して事業の推進に努めてまいります。

 また、六月には県道岩沼蔵王線姥ケ懐トンネルの整備に着工いたしました。仙台空港や仙台東部道路と東北自動車道を結び、東北の道路網に繋がる重要路線の通行支障区間が解消され、利便性の向上とともに、災害時に機能する防災道路ネットワークが一段と強化されますことから、鋭意、整備を推進してまいります。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による汚染廃棄物に関しましては、早期の課題解決に向けた重要な足がかりの一つである八千ベクレル以下の廃棄物について、六月末から調査に着手いたしました。今後、早い時期に処理方針を定められるよう、取組を加速してまいります。なお、先日、私から環境大臣に対して、改めて調査に関する国の技術的・財政的支援を要請したところであり、国の協力を得ながら進捗を図ってまいります。

 次に、産業関係の復興状況についてであります。

 被災した農地については、復旧対象面積の九割以上が完成し、園芸施設の回復状況も九割を超えており、引き続き、農地の集積や大区画化による大規模経営体の育成、先進的な施設園芸の取組拡大のほか、六次産業化などに取り組み、収益性の高い先進的で競争力のある農業の実現を図ってまいります。

 漁港施設の復旧については、完成率は五割程度に止まっているものの、主要魚市場の水揚金額はほぼ震災前の水準まで回復しているところであり、漁業経営体の協業化や担い手の育成などに取り組むほか、水産物のブランド化や販路拡大に向けた取組により水産加工業者等の経営体質強化を図ってまいります。なお、六月には南三陸町地方卸売市場が志津川漁港に完成しており、復興と南三陸の食のブランド向上に大いに期待が寄せられております。

 商工業については、グループ補助金などによる支援に取り組み、商工会議所と商工会の会員である被災商工業者のおよそ九割が営業を再開しております。今後も被災された事業者の経営安定に向け、補助や制度融資等による支援を行うとともに、販路開拓と取引拡大のための各種商談会の開催や技術力向上等を支援するほか、国の立地補助制度等を活用した企業誘致の強化や創業支援にも取り組んでまいります。

 観光の面では、原発事故の風評などにより、特に外国人観光客が伸び悩んでいることから、七月に「仙台・宮城インバウンド懇話会」を設置し、関係機関と意見交換を図っているほか、先月下旬には新潟を含む東北七県の知事や仙台市長とともに台湾を訪問し、時間の許す限り積極的に宮城・東北のピーアールをしてまいりました。現地の皆様の反応は大変良好で、しっかりとした手応えを感じたところであります。

 交流人口を拡大し地域の活力を増進するためにも、観光振興は復興と地方創生の切り札として極めて重要であります。七月には、今年度の国の目玉事業でもあります東北観光復興対策交付金の内示があり、本県の申請は全て認められましたことから、東北連携による外国人観光客の誘客促進などの事業について、速やかに着手をしたところであり、早期の効果発現を期してまいります。さらに、今回の補正予算案には位置情報ゲームアプリ「ポケモンGO」と連動した周遊ルートマップの作成のほか、イベントの開催などにより沿岸部への誘客を促進する経費を計上しており、より多くの方々に被災地の今を実際に肌で感じていただき、震災の風化防止と宮城の魅力に触れる機会の創出を図ることとしております。今後も私が先頭に立ち、着眼点やスピード感を重視した積極果敢な施策立案と展開を図ってまいりたいと考えております。

 仙台空港については、七月の民営化を契機に、ソウル便のデイリー化や台北便の新規就航など、順調な滑り出しを見せております。今後、民間投資を呼び込むための規制緩和や、東北の農林水産物等の輸出促進に向けた事業協同組合設立への支援などに、県としても最大限の力を注ぎ、東北のグローバルゲートウェイとして民間の創意工夫を活かした新しい空港の実現を図ってまいります。

 広域防災拠点は、大規模災害時に圏域防災拠点と連携し、広域支援部隊の集結や物資の集配など市町村の防災活動を強力に支援する施設であり、本県の防災機能の中核となるものであるため、関係各所の御理解を得られるよう努力しつつ、平成三十二年度の一部供用開始に向けて整備の推進を図ってまいります。今議会には、先月、JR貨物と仮契約を締結した宮城野原地区用地の取得議案を提案しているところでありますが、今後とも、防災拠点の整備をはじめ防災指導員や自主防災組織などの体制強化も図りながら、市町村と共に地域防災力の強化に取り組んでまいりたいと考えております。

 復興事業のピークが続く被災自治体は依然として慢性的な職員不足に直面し、沿岸市町の不足数は約百七十人に達しております。時間の経過とともに、他自治体からの応援派遣が減少しつつあるため、七月の全国知事会の場で私から実情を訴え、支援を強くお願いしたところであり、引き続き、被災三県合同の全国訪問要請をはじめ、市町と連携した任期付職員の採用など、職員の確保に懸命の努力を行ってまいります。

 復興の道のりには困難な課題も多く、果敢な挑戦を行わなければ切り拓けない道もありますが、県民の皆様が一段と復興を実感し、宮城で生まれ暮らす喜びを深く感じていただけるよう、今後とも、私が陣頭指揮を執り県庁一丸となって復旧・復興の加速化と創造的な復興の推進に全力を傾けてまいりたいと考えておりますので、議員各位のより一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。

 次に、震災復興以外の県政の状況と主な動きについてであります。

 地方創生は、本県にとりまして喫緊かつ重要な課題であり、昨年度策定した宮城県地方創生総合戦略では、二〇六〇年の遠方目標を見据えた今後五年間の戦略として、安定雇用の創出、県外からの移住・定住促進、結婚から出産、子育てまでの総合支援、持続可能な地域づくりという四つの基本目標を柱に、それぞれ数値目標と重要業績評価指標を掲げ、達成に向けた取組を鋭意進めているところであります。先月には、国から地方創生推進交付金の第一回の交付決定があり、移住・定住推進、障害者雇用アシスト、企業的園芸等モデル整備といった本県申請の事業について概ね認められたところであります。今後、国において経済対策に伴う交付金の拡充などが予定されていることから、更なる活用を検討し取組をより一層前へ進めてまいります。

 また、今年度までを計画期間としている宮城の将来ビジョンについては、震災からの復興を県政の最優先課題としていることを踏まえ、宮城県震災復興計画の終期に合わせて平成三十二年度まで期間を延長するとともに、必要な見直しとして、地方創生の施策に加え、貧困、障害などの困難を抱えている方々への支援や、災害に強い県土づくりなど、本県を取り巻く諸課題に対応するための取組を盛り込むこととしております。現在、県民の皆様や市町村等を対象に中間案に対する意見を募集しており、今後、計画案に適切に反映させてまいりたいと考えております。

 このところの経済情勢に関してですが、県内では、七月の有効求人倍率が一・四七倍と全国平均を上回る水準が続くなど、復興需要等に伴い総じて堅調に推移しているものと認識しておりますが、個人消費には弱い動きが見受けられるほか、一部の中小企業では人手不足が経営の重しになっているとも伺っております。全国的には、先月公表された政府の月例経済報告では景気は緩やかな回復基調とされており、七月の有効求人倍率も一・三七倍と前月に続き平成三年八月以来の高水準となっております。しかしながら、昨年度の国税収入の伸びは鈍化傾向が見られたうえ、円高基調から企業の業況判断には慎重さが増しております。さらに、新興国経済の減速や英国のEU離脱問題など、世界経済の不確実性の高まりにも留意する必要があり、景気の先行きは慎重な見通しが必要と認識しております。

 このような状況に鑑み、国では「未来への投資を実現する経済対策」を打ち出しており、観光や農業などに関するインフラ整備、地方創生の推進、保育・介護の受け皿整備や東日本大震災の復興加速化などが盛り込まれております。本県が必要としている施策分野にも合致するものであることから、今後国会で審議される補正予算を最大限に活用し、地域経済の持続的成長に向け積極的に対応してまいりたいと考えております。

 国の平成二十九年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針では、東日本大震災からの復興対策について、引き続き、復興のステージの進展に応じて既存の事業の成果等を検証しながら効率化を進め、真に必要な事業に重点化するとされておりますが、被災自治体の意向を十分踏まえ、万が一にも効率化が行き過ぎることのないよう注視しなければならないと認識しております。

 また、地方財政に関しましては、消費税率の引上げが延期された中でも、地方自治体の社会保障関係施策の実施に支障を来さぬよう必要な財源の確保が課題であることから、国の動向には注意が必要であると考えており、的確な地方財政措置が講じられるよう全国知事会等と連携しながら強力に働きかけてまいります。

 先に拡充の方針をお示しいたしました乳幼児医療費の助成につきましては、全国的な状況などを総合的に勘案し、来年度から、通院に係る助成対象年齢を現行の三歳未満から義務教育就学前まで引き上げることといたしました。必要となる財源につきましては、来年度の予算編成過程において事務事業の見直しを含めた歳出抑制策や歳入確保策を講じることで対応してまいりたいと考えております。

 地域医療に関しましては、来月からドクターヘリの運航がスタートいたします。早期に初期治療に着手でき搬送時間も短縮されることから、救命率の向上や後遺症の軽減に大きく寄与するものであり、県民の皆様の安全安心な暮らしの確保が一段と進むことと期待をしております。現在、各消防本部や病院との連携のもと実機を用いたシミュレーション運航のほか、県内各地のランデブーポイントの環境整備などに取り組んでおり、万全な運用に向けて準備を整えているところであります。

 県立病院である循環器・呼吸器病センターのあり方につきましては、医療関係者等からなる県北地域基幹病院連携会議における検討の中で、県北地域の医療体制を将来にわたって維持・充実していくためには、結核医療を中心とした医療機能を栗原中央病院に移管することが望ましいとの方向性が打ち出されており、今後、関係自治体等と十分に協議した上で、現施設の活用策も含めて対応してまいりたいと考えております。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。

 今年度の財政状況につきましては、復興需要等による堅調な企業業績にも支えられ、当初予算で見込んでいた県税等の財源は概ね確保できるものと考えておりますが、景気は一部に陰りも見受けられ、先行きには様々なリスクが存在することから、今後の景気の動向を注意深く見守る必要があると考えております。

 このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、震災からの復興を促進する事業とともに、震災対応以外の各分野において緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)

 補正予算案の主な内容ですが、まず、震災関連としましては、女川原子力発電所の事故時に応急対策の拠点となるオフサイトセンターの復旧に着手するほか、供与が終了したプレハブ仮設住宅の転用や「ポケモンGO」と連携した被災沿岸市町への誘客促進のための経費を計上しております。さらに、水産加工業の人材確保に要する経費を増額する一方で、三陸自動車道の整備を促進するとともに、女川町の国道三百九十八号崎山工区など復興関連道路の整備も進めてまいります。

(その他の主な事業)

 次に、震災関連以外の事業としては、国の交付金の内示に伴い、地域医療介護総合確保基金への積立てを行うとともに、この基金を原資として病床機能の分化・連携のための医療機関への助成や、中高齢者などの介護業務への就業促進を図ってまいります。また、待機児童の解消を図るため保育所整備に対する支援を拡充するほか、県立障害者支援施設「船形コロニー」の建替に向けた設計等に着手します。さらに、昨年九月の豪雨被害を踏まえた災害に強い川づくり事業については、計画を一部前倒しして県内四か所の河川に監視カメラを設置し、監視体制を強化してまいります。加えて、今後大規模な再生可能エネルギー源として期待される洋上風力発電などの導入に向けた調査経費や、警察官待機宿舎、石巻好文館高等学校の建替に係る設計費などを計上しております。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で百八十二億三千三百余万円、総計で百八十六億四千百余万円となります。財源としては、地方交付税九十一億七千五百余万円、国庫支出金四十四億七千百余万円、繰入金二十四億二千五百余万円などを追加しております。

 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆三千九百六十七億五千八百余万円、総計で一兆七千二百十八億七千二百余万円となります。

 次に、予算外議案について、条例議案五件、条例外議案三十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第二百二十二号議案は、地方税法の改正に伴い宮城県県税条例等の一部を改正しようとするもの、議第二百二十四号議案は、民生委員の定数を改定しようとするもの、議第二百二十五号議案は、宮城テニスコート内の施設に係る利用区分を見直し一部の料金を新設しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第二百二十八号議案及び議第二百三十一号議案は、地方独立行政法人宮城県立こども病院の駐車場用地に関する県の出資と、これに伴う法人の定款変更について、議第二百三十号議案は、広域防災拠点整備事業用地の取得について、議第二百三十三号議案ないし議第二百四十四号議案は、工事請負契約の締結について、議第二百四十五号議案ないし議第二百四十九号議案及び議第二百五十一号議案ないし議第二百六十一号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

(追加説明)

 提出議案の概要を御説明申し上げます。

 議第二百五十号議案は、気仙沼市沖の田地区海岸の災害復旧工事に係る請負変更契約の締結について、議会の議決を受けようとするものであります。

 何とぞ、慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。