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第三百五十六回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年6月15日更新

平成28年6月15日

 本日、ここに第三百五十六回宮城県議会が開会され、平成二十八年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 説明に先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、去る三月十六日から十八日まで我が県に行幸啓になられ、東日本大震災からの復興の様子などを御覧いただき、被災された方々や復興に尽力する方々などに温かいお見舞いと激励の言葉を賜りました。ここに、県民を代表して、謹んで御礼を申し上げるものであります。

 それでは、御説明いたします。

 初めに、熊本地震についてであります。四月十四日と十六日、最大震度七を観測する地震に相次いで襲われた熊本県では、家屋倒壊や土砂崩れにより多数の尊い人命が奪われるとともに、地域生活や産業基盤に甚大な被害が発生いたしました。不幸にして亡くなられた方の御冥福を心からお祈りしますとともに、被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災を経験した我が県としては、このような時こそ我々が有する震災対応の知見を最大限に生かし、迅速な復旧活動を率先して支援すべきであることから、発災後、直ちに災害派遣医療チームを現地に向かわせるとともに、情報収集と支援物資の流通支援に当たる職員を熊本県災害対策本部に常駐させることといたしました。

 その後も被災地のニーズに対応し、順次、精神医療、公衆衛生、被災建築物の応急危険度判定、仮設住宅の建設や災害廃棄物処理の支援チーム、更には児童生徒の心のケアに携わる教育職員などを派遣したところであり、私自身も現地を訪れ、蒲島熊本県知事に直接お見舞いを申し上げました。加えて、避難所など不自由な環境で過ごしている方々が、仮設住宅等が整うまでの間、少しでも心身のリフレッシュになるよう、宮城に滞在していただくプランを私から提案いたしました。既に県内の旅館やホテルでの宿泊が始まっているところであります。

 我が県も未だ震災からの復興途上ではありますが、今後も、熊本県の一日も早い復興に向けて、県内市町村とも連携しながら様々な支援を行ってまいりたいと考えております。

 次に、東日本大震災からの復興についてであります。

 あの未曾有の大震災から五年余りの月日が経過し、今年度は、「宮城県震災復興計画」十年間の計画期間における六年目、そして四年間と定めた再生期の三年目という、折返しの年であります。国内外からの手厚い御支援と県民一丸の取組により、復興の歩みは着実に進んでおりますが、今なお多くの方々が仮設住宅で不自由な暮らしを余儀なくされていることは、忸怩たる思いであります。

 復旧・復興のステージは、これまでのハード整備を中心とした取組に加え、きめ細かな被災者支援などのソフト対策がより重要になる局面にさしかかっております。被災された方々が活気に満ちた本来の暮らしを取り戻せるよう、生活再建や地域経済の再生などに加え、コミュニティづくりなどの支援も加速してまいります。

 主な復興状況ですが、まず、被災者の暮らしの再建についてであります。

 災害公営住宅につきましては、約一万六千戸の計画のうち、先月末までに約一万五千戸に着手し、このうち一万戸余りが完成しております。防災集団移転促進事業は、計画された百九十五地区のうち、百六十三地区において住宅等の建築が可能な段階に進んでおります。依然として、応急仮設住宅には約一万六千戸に三万五千人余の方が入居されておりますが、入居期間の長期化や集約化など、変化する課題に的確に対応するため、適切な点検や修繕を実施するほか、恒久的な住居の確保に向け、引き続き転居支援を行ってまいります。また、新たなまちづくりに伴う地域のコミュニティ活動を継続して支援するなど、早期の生活再建に向け、各種の施策に取り組んでまいりたいと考えております。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による汚染廃棄物については、一時保管をされている地域の方々が長期間にわたって負担を強いられていることから、国には未指定廃棄物の放射能濃度測定の早期実施や、八千ベクレル以下の廃棄物処理に関する十分な財政支援を強く申し入れたところであります。私といたしましては、国の方針を踏まえつつ、一日も早い解決に向けて関係機関と協力しながら対応してまいる覚悟であり、県が主体となって八千ベクレル以下の廃棄物について量や濃度を調査することといたしました。今年の秋までに処理方針を定められるよう、早急に着手したいと考えております。

 次に、地域経済と産業の立て直しについてであります。

 被災者の生活安定を図るためには雇用の確保が重要であることから、事業復興型雇用創出助成金による安定的な雇用機会の創出のほか、沿岸部の就職サポートセンターの機能を強化するなど雇用のミスマッチの解消に向けた対策を講じてまいります。さらに、地域経済の再生に向けて企業誘致の強化や創業支援、新たなまちづくりに対応した商業機能の再構築に係る取組を進めてまいります。

 農林水産業については、被災した生産基盤の早期復旧を図り、経営の多角化や高度化を推進し、生産性の向上と担い手の育成に努めますとともに、付加価値の高い商品開発や販路の拡大などの取組を加速してまいります。

 観光振興につきましては、三月に「明日の日本を支える観光ビジョン」が国において策定され、今年が「東北観光復興元年」と位置付けられるとともに、平成三十二年には東北六県の外国人宿泊者を現在の三倍に当たる百五十万人とする目標が掲げられたところであります。これに呼応し、我が県も外国人宿泊者五十万人を目標と定め、その実現に向けて関係者の英知を集約するほか、国が創設した東北観光復興対策交付金を最大限活用するなど、外国人観光客の誘致に積極果敢に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、創造的な復興に関する動きについてであります。

 国内で三十七年ぶりの医学部設置となった東北医科薬科大学が、四月に新たなスタートを切りました。深刻化する東北の医師不足解消に向けた極めて大きな一歩であり、地域医療への意欲と情熱あふれる人材の育成に向け、県としても最大限の支援を行い、地域医療の復興と一層の充実に取り組んでまいります。

 今月三日には、東北初となる商用水素ステーションの起工式が、仙台市宮城野区で行われました。整備に対する助成と併せ、隣接地に水素を利活用する集客施設を誘致するなど、周辺一帯を水素エネルギー普及の拠点エリアと位置付け、「東北における水素社会先駆けの地」を確かなものとすべく、積極的に施策を展開してまいります。

 仙台空港民営化は来月に迫っておりますが、これに先立ち、今月中にはソウル線が三年ぶりに毎日運航となるほか、東北初の国際線格安航空会社が就航し台北線が大幅に拡充され、国際線が一段と充実いたします。宮城・東北の発展を牽引する魅力ある空港として一層の交流人口拡大や物流増加につながるよう、民営化後も運営権者や関係団体と連携し、各種の活性化策を推進してまいりたいと考えております。

 宮城県広域防災拠点の整備につきましては、用地取得や移転補償などについてJR貨物と協議を重ねてまいりましたが、一昨日、防災拠点の整備及び貨物ターミナル駅の移転に関する基本合意書を締結したところであります。自然災害と常に隣り合わせと言っても過言ではない我々の暮らしにおいて、大規模災害時における救援活動や後方支援の拠点は極めて重要度が高いことから、今後とも必要な機能や施設等について具体的に御説明しながら事業を進めてまいりますので、議員各位の御理解を賜りますようお願いを申し上げます。

 復興への足取りは着実に進んでおり、先月開催されたG7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議では、私からも参加各国に震災支援への感謝と復興の状況を発信したところであります。その一方で、直面する人口減少問題は地域の存立に関わる根本的な課題であります。特に壊滅的な被害を受けた沿岸市町を中心に、厳しい状況が想定されることから、改めて、創造的な復興を果たし、震災以前よりも活力に満ちた宮城をつくり上げなければならないと、意を強くしているところであります。折しも、改正地域再生法が四月に成立し、地方創生の取組が本格化いたしました。自治体間の切磋琢磨がこれまで以上に求められることから、復旧・復興を最優先としつつ、昨年十月に策定した「宮城県地方創生総合戦略」を踏まえ、人口減少対策や地域活性化策など地方創生の取組も推進し、地域の力を着実に高めてまいりますので、議員各位の御理解とお力添えをお願い申し上げる次第であります。

 次に、このほかの県政の動きについてであります。

 県内の四月の有効求人倍率は四か月連続で上昇し、一・四七倍と全国平均の一・三四倍を大きく上回り、バブル期だった平成三年八月以来の高水準となったほか、新規高卒者の就職率は九十九・〇パーセントと、前年に比べ〇・一ポイントの増加となりました。また、昨年度の県税収入は法人事業税や地方消費税で伸びを示しており、依然として復興需要に支えられ高い水準で推移しております。

 しかしながら、県民の皆様にお話を伺いますと、震災からの再建をはじめ、収益の確保や人手不足への対応、更には原発事故の風評などで厳しい状況に直面する方々が多数おられるのが実情です。また、国内を見ますと、景気の基調判断は足踏みを示し、今年三月期の上場企業の純利益は四年ぶりに減益となるなど、業績の拡大傾向に陰りも見受けられます。先月下旬の伊勢志摩サミットでは、世界経済の見通しは下方リスクが高まっているとされ、新たな危機の回避に向け経済政策による対応を協力して強化することなどが首脳宣言に盛り込まれたところであり、国における景気の下振れ対策を期待する声も大きいところであります。

 私といたしましても、経済の好循環を創り出して得られる富によって福祉や教育を充実させ、県民の皆様に真の豊かさを実感していただく富県宮城の考え方が一段と重要性を増していると認識しており、産業振興策を一層推進しながら、県民生活の充実を確かなものにしたいとの思いを強くしております。

 こうした状況を踏まえ、先般、乳幼児医療費助成制度の拡充を決断いたしました。ナショナル・ミニマムとして国の責任において制度を整備すべきという考えは変わっておりませんが、医療費助成の制度拡充に取り組む市町村長の皆様から支援を求める極めて強い声がありましたことから、国の判断を待つことなく、県として可能な限り市町村の要望に応えるべきとの判断に至りました。来年度からの実施が可能となるよう、具体的な拡大幅についてはこの秋までに検討を進めてまいりますが、国においても、「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太の方針において少子高齢化への対応を最重要課題とし、子育て支援の充実に向けた取組が盛り込まれたところでもあり、拡充によって市町村で生み出される財源が更なる子育て支援策の充実に活用されるよう連携を図るなど、今後、市町村、県及び国による相乗効果の発揮を期して一層の施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

 なお、安倍総理大臣は先日、消費税及び地方消費税率の引上げを再延期する方針を表明されましたが、住民サービスの低下を招かぬよう、社会保障関係経費の増加に対応する必要な財源の確保など、確実な地方財政措置が講じられることが極めて重要であり、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。

 地方創生に関連した動きでは、関係市町とともに日本遺産に申請していた「政宗が育んだ「伊達」な文化」が、文化庁から認定されました。連綿と受け継がれ、郷土の発展に大きな影響をもたらした有形無形の宝を更に磨き上げ、魅力を国内外に発信するなど、地域の活性化に向けた取組を進めてまいります。

 また、今議会には、富谷町の市制施行に向けた関連議案を提案しております。行財政基盤の充実による行政サービスの向上が地域活性化にも資するものと期待されており、福祉事務の移譲など、県としても円滑な市制移行を全力で支援いたします。

 このほか、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、県の取組の基本方針を定め、準備チームを庁内に設置いたしました。関係機関や経済界とも連携しながら、「復興五輪」と位置付けられたこの大会を、震災支援への感謝と復興状況、宮城の魅力や元気を発信する機会として最大限に生かせるよう取り組んでまいります。さらに、キャンプ地の誘致に向け本格化する県内市町村の動きも積極的に支援をしてまいります。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。

 今回御審議をお願いいたします補正予算案は、東日本大震災復興交付金事業を追加するとともに、地方創生、熊本地震対応や広域防災拠点の整備など、早急に対応すべき施策を措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)

 補正予算案の主な内容ですが、初めに、復旧・復興関連の事業についてであります。

 復興交付金については、先月国に提出した十五回目となる申請の全額を基金に積み立てるとともに、これを財源として復興関連道路及びほ場整備事業の費用を追加しております。このほか、広域防災拠点整備に係る用地の取得費用を計上したほか、県有化した南三陸町旧防災対策庁舎の一時保存工事費や、国の東北観光復興対策交付金を活用したインバウンド誘致促進費などを計上しております。

(地方創生推進関連)

 次に、地方創生については、国が今年度新設した交付金の概要が示されたことから、これを効果的に活用することとして移住・定住推進費や障害者雇用アシスト費などを計上しており、また、仙台市と山形市を結ぶ林道二口線の改良工事費も計上しております。当初予算でお認めいただいた各種事業と併せて、今後、国に交付金の申請をする予定であります。

(その他の主な施策)

 そのほか、TPP対策として農業担い手確保などの経費を追加しましたほか、熊本地震関係では、被災者の我が県への広域避難対策に要する経費や職員の派遣経費を予算化しております。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で四十一億六千四百余万円、総計で百三十八億一千七百余万円となります。財源としては、繰入金百十一億二千四百万円余、国庫支出金十八億三千九百余万円などを追加しております。

 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆三千七百八十五億二千五百余万円、総計で一兆七千三十二億三千百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案十六件、条例外議案二十一件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第百七十号議案は、東日本大震災の被災市町村から特定の交換により土地を取得した場合に不動産取得税を免除しようとするもの、議第百七十五号議案は、地方税法の改正に伴い法人県民税及び法人事業税の税率を改定するなど県税条例等の一部を改正しようとするもの、議第百七十九号議案は、県が個人番号を独自に利用できる事務を追加しようとするもの、議第百八十号議案は、幼保連携型認定こども園等の職員の資格に係る基準を緩和しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第百八十六号議案は、富谷町を市とすることについて、議第百八十九号議案は、旧米山高等学校の土地を登米市に売却することについて、議第百九十号議案ないし議第百九十九号議案は、工事委託契約や工事請負契約の締結について、議第二百号議案ないし議第二百二号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第二百三号議案は、地方税法の改正に伴う県税条例等の一部改正について、議第二百四号議案は、高等学校における事務処理に係る調停案の受諾及び損害賠償の額の決定について、議第二百五号議案は、学校在学中のいじめに係る調停案の受諾及び損害賠償の額の決定について、議第二百六号議案は、平成二十七年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。