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トップページ組織でさがす広報課第三百五十二回宮城県議会提出議案知事説明要旨

第三百五十二回宮城県議会提出議案知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月15日更新

平成27年6月15日

 本日ここに第三百五十二回宮城県議会が開会され、平成二十七年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 説明に先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、今月十七日に我が県に行幸啓になられ、戦後パラオから引き揚げた方々が築いた蔵王町の開拓地などを御覧いただくこととなりました。県民の皆様とともに心からお待ち申し上げる次第であります。

 それでは、御説明申し上げます。

 初めに、平成二十八年度以降の復興事業についてであります。

 平成二十三年度から本年度までの五年間とされる「集中復興期間」後の国の支援のあり方については、早期に方針を示すよう、再三にわたり求めてきたところですが、先月十二日、国は平成二十八年度から三十二年度までの「復興・創生期間」における財政支援の考え方を公表いたしました。

 これによりますと、被災から十年以内での復興事業の完了に向け、現在の取組を着実に進めるとしておりますが、これまでと大きく異なるのは、被災地の自立に繋がる支援とするため自治体負担を導入するとした点であります。国が示した事業区分の考え方は、現在、国の東日本大震災復興特別会計に計上され、実質的に自治体負担無しで実施しているすべての事業について、三つの区分、すなわち、第一には引き続き復興特会に計上して手厚く支援するもの、第二には今後一般会計に計上して全国並みに取り扱うもの、第三には本年度限りで予算措置を終了するものに分類いたしております。ここで被災自治体が第二又は第三に分類された事業を今後も継続していくためには、相当額の一般財源負担をもって実施しなければならなくなります。また、第一の復興特会で継続する事業は、さらに三類型に細分され、基幹的な事業と原発事故由来の事業以外の多数の事業について、自治体負担を新たに求めるとしております。

 これまでどおりの国の財政措置を強く求めてきたにも拘わらず、今般このように、自立の名の下に自治体負担の方針が示されたことは極めて遺憾でありますが、私は、幅広い国民負担を前提に復興のあり方が議論されている側面も率直に受け止めるならば、負担を導入するとしてもなお、県と市町の復興が一歩たりとも遅れることのない制度設計であることが、譲れない一線であると考えたところであります。

 先月国から方針が示されて以降、市町の意見を伺いながら、国との意見交換会や復興推進委員会の場などにおいて、私は従来同様の財政措置の必要性を強く訴えますと同時に、不本意ながら自治体負担が導入されたとしても、その影響が最小限に留まるよう、具体的な事業名などを挙げながら要望を続けてまいりました。

 その後、今月三日に示された国の自治体負担の考え方においては、三陸沿岸道路整備や任期付職員などに要する経費は全額国費で支援することが明記されましたほか、財政基盤の弱い市町に配慮した低い負担水準とされており、復興を推進するための安定した財政基盤の見通しが立ったという点では、我々の要望が相当程度反映されたものと評価しているところであります。

 これまで県議会におかれましても、被災地の実情を踏まえ、特例的な財政支援の継続を一貫して強く国に働きかけてきたことが大きな力になったものでありますので、心からの感謝を申し上げる次第であります。

 残る課題といたしまして、防潮堤の新設や復興支援道路に位置付けられたみやぎ県北高速幹線道路の整備、再建する企業の雇用確保など、復興の中心的な取組について自治体負担導入の影響が生じますことから、事業や地域によって復興の進捗に差異が生じることのないよう、市町とともに要望活動を続けてまいりたいと考えております。

 次に、水素エネルギーの普及促進についてであります。

 私は、創造的な復興に向けた新たな重点施策として、「東北における水素社会先駆けの地」を目指すこととしており、本年四月に官民協働の「みやぎFCV普及促進協議会」を立ち上げ、燃料電池自動車の普及促進等に向けた検討を精力的に重ねているところであります。先月末には、協議会会員からの具体的な御提案に基づき、東北で初めて水素ステーションを整備するとともに、燃料電池自動車を公用車として一台導入することについて、国から補助採択の内示も得られました。

 水素エネルギーは、利用段階で二酸化炭素を排出しないエネルギーとして、燃料電池自動車の販売開始を機に全国的に普及への気運が高まっております。今後、啓発活動などで幅広く活用し、本県はもとより東北全体における普及拡大の足がかりにしてまいりたいと考えております。

 次に、このほかの震災復興の状況についてであります。

 プレハブや民間賃貸の応急仮設住宅については、先月末現在で二万六千戸余りに約六万人が入居されており、最大時の半分程度に減少しております。被災者の生活再建が本格化する一方で、再建先への円滑な転居をはじめ、入居者の高齢化や一人暮らし世帯増加などへの対応が重要な課題となっておりますので、見守り活動や心のケア、生活相談などを充実させ、一人ひとりにきめ細かく対応してまいりたいと考えております。

 災害公営住宅は、約一万六千戸としている整備計画のうち、先月までに約一万四千戸に着手し、五千五百戸余りが完成しております。高台移転などの防災集団移転促進事業は百九十五の計画地区すべてで造成に着手しており、九十七地区において住宅等の建築が可能な状態となっています。

 震災で被災し、新たな適地の選定を進めてまいりました防災ヘリコプター活動拠点については、仙台空港に隣接する岩沼市下野郷中坪地区において再建を図ることといたしました。県民の安全・安心のため、一刻も早い復旧が求められておりますので、関係機関と調整を進め、平成二十九年度の復旧整備を目指してまいりたいと考えております。

 石巻市立病院及び気仙沼市立病院の移転新築については、建設費の高騰などによる財源不足が課題となっておりましたが、地元の要望を踏まえて国から追加交付が得られました。被災地における地域医療機能の十分な回復を図る観点から、いずれも早期の供用開始に向け、県として引き続き支援をしてまいります。

 復興を担う職員の確保については、今年度も全国から応援派遣を二百四十三人受け入れているほか、市町への派遣を含め任期付職員を三百五十一人配置しているところですが、震災の影響により、土木職などの技術職員の不足が続いており、採用活動の強化が喫緊の課題となっております。このため、今月、被災三県が初めて合同で任期付職員の募集説明会を東京で開催したほか、今月末には全職種にわたる大学卒業程度の採用第一次試験を九年ぶりに東京会場でも実施することとしております。これらの対応を通じて確実に人材を確保し、復興を加速させてまいりたいと考えております。

 先月は、JR仙石線が全線で復旧し、これに合わせて仙石東北ラインが開通したほか、県内に立地した太陽光パネルメーカーの新工場が竣工するなど、待ちに待った大きな動きもありました。今後も県民の皆様が実感できますよう、復興の歩みをさらに前進させてまいります。

 次に、蔵王山についてでありますが、御釜周辺で小規模な噴火のおそれがあるとして、四月十三日に発令された警報を受けて、想定火口域から概ね一・二キロメートルの範囲内で立入規制が行われたところであります。県では、今春に山形県と共同で設置した蔵王山火山防災協議会において避難計画の作成などを急ぐとともに、地元の市町や関係機関と緊密に連携しながら、住民や登山客などの安全確保には引き続き万全を期してまいります。また、温泉を含めた観光地を訪れることは全く心配する状況にないことから、今後も県内外への積極的な情報提供により不安や風評の払拭に努めるとともに、観光キャンペーンや宿泊費の助成、制度融資など、県としてできる限りの対応をしてまいりたいと考えております。

 さて、このところの経済情勢については、一月から三月期の国内総生産が年率換算で実質三・九パーセント増と、二期連続のプラス成長となり、消費税率引上げで落ち込んだ個人消費が三期連続で上昇したほか、企業の設備投資は税率引上げ後初めてプラスに転じました。東証一部上場企業の三月期決算は、純利益の合計が二十六兆円を超えて二年連続で過去最高を更新する見通しであり、この春の就職率は大学卒が九十六・七パーセント、高校卒は九十八・八パーセントといずれも高水準が続くなど、全国的に景気は上向いているものと受け止めております。

 しかしながら、好調な統計数値とは裏腹に、景気回復の恩恵が県内隅々にまで浸透しているとは言い難く、県民一人ひとりが豊かさを実感できるよう、経済成長をより確かなものにしていくことが重要であります。現在、県としての地方創生に関する総合戦略の策定に向けて、我が県の目指すべき方向性や具体策を取りまとめているところですが、復興への取組はもとより、景気回復の動きとも連動させながら、相乗効果を追求してまいります。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。

 今回御審議をお願いいたします補正予算案は、東日本大震災復興交付金などの震災関連事業費を追加しますとともに、蔵王山の防災及び風評対策など、早急に対応すべき施策を措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)

 補正予算案の主な内容ですが、震災関連事業のうち復興交付金については、先月国に提出した第十二回申請分の全額を基金に積み立てるとともに、これを財源として被災農業者に貸与する施設や機械の整備費等を追加するほか、石巻市南浜地区に整備する復興祈念公園の基本設計、国道三百九十八号の道路改良、岩沼海浜緑地の整備を進めてまいります。

 復興交付金以外では、水素エネルギーの利活用促進に向けて水素ステーションを整備し、燃料電池自動車を導入するほか、防災ヘリコプター活動拠点の復旧整備に係る実施設計を行います。また、国から追加交付された地域医療再生臨時特例交付金を基金に積み立てるとともに、これを活用して石巻市立病院への補助を増額いたします。さらに、閖上漁港フィッシャリーナの復旧について国や関係者との協議が整いましたので、所要の予算措置を講じております。

(その他の主な事業)

 次に、震災関連以外の事業についてですが、蔵王レストハウスにサイレン及び拡声器設備を整備するほか、蔵王ハイラインを一定期間無料化するとともに、宿泊キャンペーンなどを効果的に実施し誘客の促進を図ってまいります。

 また、農畜産業関係の施設整備への補助を追加するほか、消費税増収分が充てられる地域医療介護総合確保基金に介護分の所要額を積み立て、これを活用して施設整備や介護人材の確保を進めてまいります。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計、総会計ともに二百五十四億八千四百余万円であり、財源としては、国庫支出金百三十五億九千八百余万円、繰入金百二億九千五百余万円などを追加する一方、県債六億五千七百万円を減額しております。

 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆四千五百十四億二千二百余万円、総計で一兆八千百億三千三百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案十五件、条例外議案二十六件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第百六十八号議案は、子どもを犯罪の被害から守るため、子どもの生命又は身体に危害を及ぼすおそれのある行為を規制しようとするものであります。また、議第百七十一号議案は、地方税法の改正に伴い、法人事業税について外形標準課税を拡大するなど所要の改正を行おうとするもの、議第百七十二号議案ないし議第百七十四号議案は、過疎地域等における県税の課税免除等の適用期間を延長しようとするもの、議第百八十二号議案は、基金の失効期日を延長しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第百八十三号議案は、災害等廃棄物処理の事務の受託の廃止について、議第百八十四号議案及び議第百八十五号議案は、仙台塩釜港石巻港区における工業用地の処分について、議第百八十八号議案及び議第百八十九号議案は、工事請負契約の締結について、議第百九十号議案ないし議第二百三号議案は、工事請負変更契約の締結について、議第二百四号議案は、宮城県ベンチャー育成ファンド出資金貸付事業貸付金に係る債権の放棄について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第二百五号議案は、地方税法の改正に伴う県税条例等の一部改正について、議第二百六号議案及び議第二百七号議案は、医療法施行令等の改正に伴う事務処理の特例に関する条例及び申請等の受理の特例に関する条例の一部改正について、議第二百八号議案は、平成二十六年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。