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掲載日:2014年9月17日

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第三百四十九回宮城県議会知事説明要旨

平成26年9月17日

本日ここに第三百四十九回宮城県議会が開会され、平成二十六年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

説明に先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、去る七月二十二日から二十四日まで我が県に行幸啓になられ、東日本大震災からの復興の様子などを御覧いただくとともに、被災された方々や復興に尽力する方々などに温かいお見舞いと激励のお言葉を賜りました。ここに県民を代表して謹んで御礼を申し上げるものであります。

また、平成二十六年八月豪雨では、広島市における土砂災害をはじめ、全国の広い範囲で大変大きな被害が発生いたしました。不幸にして亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げます。

それでは、御説明申し上げます。
初めに、東日本大震災からの復興の取組状況についてであります。
震災から三年半が経過いたしました。復興への歩みは、次々と立ちはだかる課題を一つ一つ乗り越えていくという、大変険しい道のりが依然として続いております。このような状況にあっても、今年度は宮城県震災復興計画に掲げた再生期スタートの年でありますので、創造的な復興に向け、将来豊かな実を結ぶための種まきとなる取組に果敢に挑戦し、各方面の皆様の御協力をいただきながら、あらゆる努力を続けているところであります。

まず、医学部の新設についてでありますが、先月、国の構想審査会による審査の結果が公表され、提出されていた三件の中から、東北薬科大学の構想が選定されました。我が県が提出した構想の実現に期待を寄せていただいた栗原市をはじめ多くの県民の皆様と、これまで御協力を賜りました方々に対しましては、心からお詫びを申し上げる次第であります。
県が提出した構想については、私自ら構想審査会で説明し、県立による医学部設置の意義と優位性を強く訴えましたほか、審査と並行してカリキュラムや教員の確保等に向けた具体的な検討を進めてきたところですが、委員の理解に十分繋がらず、総じて準備不足との評価であったことについては、誠に残念に感じております。
しかしながらその一方で、三十数年ぶりとなる医学部の新設がこの宮城県内に決まったことは大変喜ばしいことであり、県内と東北における震災後の医療ニーズへの対応と、長年の懸案であった医師不足解消に大きく寄与するものと期待するものであります。今後、真に東北の医療の復興に貢献する医学部となるよう、県としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

仙台空港の民営化については、国による空港運営権者の選定手続に先立ち、県が実施する参加資格確認手続に応募のあった十者を対象に確認作業を進めておりますが、応募者はいずれもこれまでの経営実績に優れた企業であり、空港の利便性向上を通じた乗降者数や貨物量の増大及び周辺地域の活性化という民営化の狙いは、十分達成できるものと手応えを感じているところであります。県としましては、資金計画が妥当か、仙台空港ビル及び仙台エアカーゴターミナルの全株式を県が提示した価格で譲り受ける意思があるかなど、確認基準を満たす者を認定して国に報告することとしており、平成二十八年三月の民営化実現に向けて着実に準備を進めてまいります。
宮城野原広域防災拠点の整備については、JR貨物との基本合意に基づき、今年度は仙台貨物ターミナル駅の移転に向けて、調査設計や関係者との協議などを進めているところですが、国の事業採択も得られ、今年度事業分に対する交付金は満額の内示となりました。今後並行して、市町村と十分な協議のもと、災害時における宮城県市町村相互応援協定を基本に、広域防災拠点と連携して各圏域をカバーする防災の拠点となる施設を選定するなど、地域ネットワークの構築に向けた作業も進めてまいります。

次に、指定廃棄物処分場についてであります。
七月に石原前環境大臣から国の詳細調査に対する県内市町村の意見集約を求められ、先月市町村長会議を開いて意見を伺ったところですが、問題解決のためには詳細調査の受入れはやむを得ないとの意見が多数を占めたことから、県内市町村長の総意としてその旨を大臣に報告いたしました。
多くの県民の方々が、指定廃棄物をこのままの状態で一時保管し続けることは限界に近づいていると考えており、この問題は一刻も早い解決が必要であります。国は、今月中にも現地調査に着手し、安全性を科学的に評価するなどとしておりますが、地元の不安や要望に丁寧に対応しながら、国の責任で的確に進捗を図っていく必要があると考えております。

国が平成二十七年度までとする集中復興期間の後の財源確保は、復興に取り組む自治体共通の重要課題であります。我が県では、復旧及び復興事業費の総額を現時点で県と市町村を合わせて約九兆五千億円と見込んでおり、そのうち約二兆五千億円は平成二十八年度以降に執行する見通しとなっております。仮に国の特別措置が平成二十七年度で打ち切られた場合には、地方債の増発などに伴い将来の実負担が県で約二千九百五十億円、市町村で約二千三百三十億円も増加すると推計されることから、県・市町村ともに財政運営が困難な状況に陥ることは火を見るよりも明らかであります。
国の来年度予算の概算要求を前に、私自ら関係大臣にこうした実情を説明し理解を求めてまいりましたほか、被災四県合同で国に支援の継続を働きかけてまいりましたが、国から明確な方針は未だ示されておりません。今月上旬に内閣改造がありましたので、改めて関係閣僚に対する要望活動を行ってまいりますが、今後も他の被災自治体と連携しながら、長期にわたる確かな財源確保について強く訴え続けてまいりたいと考えております。

災害公営住宅については、市町の整備計画がまとまり、県全体の整備戸数は一万五千五百戸余りとなりました。このうち約一万二千三百戸は既に事業に着手しており、一万一千五百戸ほどが来年度までに完成する予定ですが、残る約四千戸については、用地の取得や造成に時間を要したことに加え、資材や技術者の不足などにより、やむを得ず完成が平成二十八年度以降になる見通しであります。県としては、被災された方々の思いを胸に刻みながら、九市町から受託した二千五百戸余りの完成を急ぐとともに、支援チームによる市町への支援をさらに強化し、一日も早い事業の進捗を図ってまいります。また、県内の災害公営住宅約五百四十棟分の屋根を太陽光発電事業者に貸し出し、再生可能エネルギーの導入を推進するとともに、停電時には入居者に無償で電気を供給できるように配慮してまいります。
高台移転等の復興まちづくり事業については、移転先用地の取得が計画の約九割に達しました。宅地の引渡しは三十五地区で進められており、住宅建設も本格化してきております。
その他、生コンクリートの供給確保のために設置した仮設プラントが稼働を始め、沿岸部における復興事業を後押ししているほか、JR石巻線は来年春、仙石線は来年六月までにそれぞれ全線運行再開の見通しとなるなど、各地で進捗が図られているところであります。

次に、震災復興以外の県政の状況と主な動きについてであります。
このところの経済情勢については、四月から六月期の国内総生産が年率換算で実質七・一パーセントのマイナス成長となるなど、消費増税による駆込需要からの反動減により、震災直後以来の大きな下げ幅を記録しました。一方で、先月公表された政府の月例経済報告では、駆込需要の反動は和らぎつつあるとされ、国内主要企業でも年末に向けて景気は緩やかに回復するとの見方が多いようであります。
県内では、七月の有効求人倍率が一・二五倍と二十八か月連続で一倍を超え、全国平均を上回る水準が続いているほか、日本政策投資銀行のまとめによれば、県内製造業の今年度の設備投資計画は昨年度実績に比べ六十七パーセント増と大幅な伸びを示すなど、復興需要の堅調な推移とともに、企業投資を誘導してきた政策効果が表れてきているものと考えております。この夏には大手自動車部品メーカーが県内で新工場の建設に着手したほか、既存の自動車関連企業が工場の増設を発表するなどうれしいニュースもありました。今後も、企業マインドが向上しつつあるこの好機を捉え、各種支援制度を十分に活用しながら、産業の再生と富県宮城の実現を図ってまいりたいと考えております。

国の平成二十七年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針では、東日本大震災からの復興対策に係る経費については、これまでどおり上限を設けずに所要額を要求できることとされております。来年度も復興が進むものと期待するところではありますが、被災自治体の度重なる要望にもかかわらず、平成二十八年度以降の複数年度にまたがる事業の財源手当に不安を残したままであることは遺憾であります。また、地方活性化などに重点配分する四兆円規模の「新しい日本のための優先課題推進枠」や社会保障四経費の充実等については、消費税増収分など税収や歳出の動向等を踏まえて予算編成過程で検討するとされており、今後の推移を注意深く見守る必要があると考えております。
また、政府の経済財政諮問会議が取りまとめた「平成二十七年度予算の全体像」では、アベノミクスの成果を地方に波及させることを重要な柱に据えており、社会資本整備についてはインフラの長寿命化やストックマネジメントを重視し、地方財政についてはリーマンショック後の危機対応を平時モードに切り替えて歳出の重点化・効率化を図るなどと記されております。政府を挙げて地方を応援する姿勢が示される一方、地方交付税の別枠加算や歳出特別枠の削減を示唆しているとも解されることから、今後の動向を注視し、全国知事会等と連携しながら、的確な地方財政措置が講じられるよう国に強力に働きかけてまいります。

次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。
今年度の財政状況については、復興需要や好調な企業業績にも支えられ、当初予算で見込んでいた所要の財源は概ね確保できるものと考えておりますが、消費税率引上げ後の消費の落込みや、建設現場において依然として続く資材や労務費の高騰など、今後の税収や建設費の推移には十分注意を払う必要があると考えております。
このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、復旧や復興を加速するための事業や国の制度改正に伴うものなど、緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)
補正予算案の主な内容ですが、震災関連としましては、国からの交付金を消費者行政活性化基金及び介護基盤緊急整備等臨時特例基金に積み増すとともに、西日本の消費者に対する県産品への信頼回復に取り組むほか、市町村が行う食品等の放射性物質検査などに補助してまいります。また、公共土木施設の復旧や補修、災害公営住宅や被災地の農業基盤整備、被災した医療機関などへの復旧支援を充実させるほか、仙石線野蒜駅の移設に伴うエレベーター設置についても支援をいたします。さらに、国の内示を受けて、宮城野原広域防災拠点整備に伴う貨物ターミナル駅の設計等に係る事業費を増額するほか、放射性物質で汚染されたきのこ生産用原木林の再生に向けた実証事業を新たに行ってまいります。

(その他の主な施策)
震災関連以外の事業としては、国の制度改正等に伴い、特定疾患及び小児慢性特定疾患の医療費助成を拡充するほか、特別養護老人ホーム等の開設経費に対する補助や低所得世帯の高校生を対象にした奨学給付金などを増額いたします。また、女川原子力発電所二号機の安全性に関する検討会の設置、東京アンテナショップのリニューアル、我が県にふるさと納税をした県外在住者に対する特産品の贈呈などに要する経費を新たに盛り込んだほか、道路管理施設の点検が義務化されたことを受けて、橋りょう等の点検を充実させてまいります。

以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で二十一億三千余万円、総計で十五億三千五百余万円となります。財源としては、繰入金二十七億四千六百余万円、地方交付税十四億二千六百余万円などを追加する一方、県債二十二億八千四百余万円、国庫支出金九億一千八百余万円などを減額しております。
この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆四千六百九十九億一千九百余万円、総計で一兆八千五百八億六千四百余万円となります。

次に、予算外議案については、条例議案十一件、条例外議案五十六件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

まず、条例議案でありますが、議第二百四十一号議案は、幼保連携型認定こども園の設置認可等に関する事項を調査審議するため、審議会を設置しようとするものであります。また、議第二百四十四号議案及び議第二百四十五号議案は、介護基盤緊急整備等臨時特例基金及び介護職員処遇改善等臨時特例基金の失効期日を延長しようとするもの、議第二百四十六号議案は、難病の患者に対する医療等に関する法律の制定及び児童福祉法の改正に伴い、条例の名称等を変更しようとするもの、議第二百四十七号議案は、認定こども園法の改正に伴い、認定こども園の設備及び運営等に係る基準を改定しようとするもの、議第二百四十八号議案は、薬事法の改正に伴い、条例の名称を変更するとともに医薬品製造販売業等に係る手数料を改定しようとするもの、議第二百四十九号議案は、道路法施行令の改正に準じ、道路占用料を改定しようとするもの、議第二百五十号議案は、換地処分に伴う清算金を分割徴収する場合の利子の利率を定めようとするもの、議第二百五十一号議案は、水道用水供給料金を改定しようとするものであります。

次に、条例外議案でありますが、議第二百五十二号議案は、水産業の振興に関する基本的な計画の策定について、議第二百五十三号議案は、県道の路線変更について、議第二百五十四号議案は、県営住宅の明渡し等を求める訴えの提起について、議第二百五十五号議案は、県立高等学校における部活動中の事故に係る和解及び損害賠償について、議第二百五十六号議案は、財産の処分について、議第二百五十九号議案ないし議第二百八十九号議案は、工事請負契約の締結について、議第二百九十号議案ないし議第三百七号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

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ファックス番号:022-263-3780

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