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第三百四十四回宮城県議会提出議案知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年11月22日更新

平成25年11月22日

 本日ここに第三百四十四回宮城県議会が開会され、平成二十五年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 その前に、一言申し述べさせていただきます。
 東北楽天ゴールデンイーグルスが見事、日本シリーズ優勝の栄冠を勝ち取りました。
 思い起こせば平成十六年、文字どおりゼロからの出発でした。この九年間、敗北の試練や、あと一歩優勝に届かなかった悔しさを経験してきました。そして、東日本大震災の発生以降は、被災地のために、被災者を励ますために戦うという、他球団にはない使命と重圧を感じながらの毎日だったでありましょう。今回の優勝は、そうした全ての「思い」を力に変えて、正に宮城、東北、日本中のファンの皆様と一体となって成し遂げた球史に残る快挙であり、復興に向かって進む私たちに限りない勇気と希望を与えてくれました。
 県といたしましては、この顕著な功績を讃え、感謝の意を込めて、楽天野球団と前人未踏の大記録を樹立して優勝に貢献した田中将大投手にそれぞれ県民栄誉賞を贈呈することとし、県民の皆様とともに喜びを分かち合いたいと考えております。
 今度は私たちが「底力」を発揮する番であります。心新たに、身を引き締めて、復興への取組を加速してまいる所存ですので、議員各位の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 初めに、今後の県政運営の基本的な考え方についてであります。
 知事として三期目の県政運営に当たりましては、東日本大震災からの「創造的な復興」を一日も早く成し遂げることを最優先課題として取組を進めるとともに、知事選挙を通じて県民の皆様に約束させていただいた各政策の実現に全力を尽くしながら、宮城の将来への展望を切り拓いてまいります。
 先の県議会予算特別委員会で御説明申し上げましたとおり、具体的な政策展開の方向性については、先月末に「平成二十六年度政策財政運営の基本方針」を策定したところであり、「宮城県震災復興計画」における「再生期」の初年度となる平成二十六年度においては「迅速な震災復興」、「産業経済の安定的な成長」、「安心して暮らせる宮城」、「美しく安全な県土の形成」の四つの「政策推進の基本方向」に則り、「復旧」にとどまらない抜本的な「再構築」に向けた取組を具体化して復興の更なる加速化を推進するとともに、社会経済情勢の変化等にも柔軟に対応しながら、「宮城の将来ビジョン」の将来像の達成に必要なその他の事業についても着実に実施してまいります。
 一方、財政運営についてでありますが、今後も社会保障関係費の増加等に伴い財源不足の拡大が見込まれているなど依然として厳しい状況にあることから、国の財政支援制度を最大限活用するとともに県独自の財源も積極的に活用しながら、震災からの復旧・復興に可能な限り財源を集中いたします。また、震災への対応をはじめ必要な施策に予算を重点化するなどの方針を盛り込んだ財政運営のための戦略的なプログラムを新たに策定し、事務事業の不断の見直しを行いながら予算の効果的・効率的な執行に努めてまいります。

 次に、県政を取り巻く動きと東日本大震災からの復旧・復興の状況についてであります。
 まず、災害廃棄物については、大半の地域で焼却処理が終了するなど今年度中の処理完了に向け鋭意取組を進めているところでありますが、今後は仮置き場や処理プラント跡地の利活用等の課題についても的確な対策を講じてまいります。また、処理作業従事者の再就職など被災者等の安定的な雇用機会の確保も重要になりますことから、国と県の企業立地奨励制度や復興特区等を活用した企業誘致と関連産業の集積を推進するとともに、被災事業所等の再開やコミュニティビジネス等を含めた新規起業の支援、更には雇用のミスマッチの解消など、産業政策と雇用対策を両輪とした施策を総動員して対応してまいります。
 災害公営住宅については、十月末における事業着手率が五十六・五パーセントまで進捗するなど整備が本格化していることに加え、県内全市町村と共同で申請していた入居要件と譲渡制限期間に関する緩和等の特例措置を盛り込んだ復興推進計画が先月、国から認定されました。被災者の皆様が一日も早く安心して暮らすことができるよう引き続き全力を挙げてまいります。
 また、議員各位の御理解と御協力の下、関係機関と連携して取り組んでまいりました東北地方への医学部設置については、これまでの活動が実を結び、安倍首相自らが強いリーダーシップを発揮して検討を指示するなど動きが具体化してまいりました。医学部の新設は、被災地医療の再生にとって避けることのできない課題である医師不足と偏在の解消を図るとともに、新たなまちづくりに向けた希望の光となるものであり、「創造的な復興」の象徴として大きな効果が期待されることからも、専任教員の確保に当たっては、医療現場で医師不足等を助長することのないよう配慮しながら、東北各県や関係機関等との連携協力を一層密にして早期実現に向けた活動を展開してまいります。
 なお、復旧・復興関連工事の進捗に大きな影響を及ぼしていた入札不調の問題については、積算単価の見直しや入札参加条件の緩和など国と一体となって取り組んできた対策による改善傾向が見られるものの、依然として高水準で推移しておりますし、工事執行の迅速化も大きな課題となっております。先の定例会におきましては、議員提案により工事請負契約の変更に係る専決処分の範囲を拡大していただきましたが、今後とも入札・契約事務手続の更なる改善に努めるとともに、生コンクリートの仮設プラント建設など資材や人手の確保も併せた対策を講じることにより、復旧・復興の加速化に全力を尽くしてまいります。
 本年産米の作柄は四年連続で「やや良」と豊作に恵まれ、サンマ、サケをはじめとする水揚げも力強く回復してまいりました。また、亘理・山元両町のイチゴ団地で栽培が開始されたほか、県産リンゴの新品種である「サワールージュ」、更には「三陸塩竈ひがしもの」や「仙台牛」、誕生から五十年を迎えた「ササニシキ」などの宮城ブランドが秋の食卓を彩っております。しかしながら、震災で失われた販路の回復と新規開拓、依然として残る風評の払拭、そして何よりも、「食材王国みやぎ」が誇る品々の素晴らしさを国内外にPRしていくための取組に「これで十分」という限度はないものと考えております。そのためにも、私自らが先頭に立ち、宮城のトップセールスマンとして県産品の普及広報・販売促進活動等を牽引してまいりますとともに、県民の皆様に宮城の美味しい食材を味わっていただく「地産地消」を促進するなど、魅力にあふれた本県農林水産業の再構築と発展に向けた取組を展開してまいります。
 全国的に深刻化している「いじめ」等の問題については、今年九月にいじめ防止対策推進法が施行されたことに伴い、同法に基づいて実施する施策や学校の取組等に関する「宮城県いじめ防止基本方針」の年内策定に向けて、先月、策定委員会を設置いたしました。県では、これまでも学校現場における対応マニュアルの作成や小中学生を対象としたフォーラムの開催等を通じ、いじめの未然防止と適切な対応のための体制づくりに努めてまいりましたが、今後とも市町村や関係機関との連携を強化するとともに、子どもの「人とかかわる力」や基本的生活習慣を身に付けるための「学ぶ土台づくり」、心のケアの充実等の施策を総合的に展開し、教育環境の更なる充実を図りながら、いじめ問題の解決に鋭意取り組んでまいります。

 さて、来年四月から消費税率及び地方消費税率が合計で八パーセントに引き上げられることが閣議決定されました。私はかねてから、社会保障の機能強化と財政健全化を両立するための安定的な財源確保が不可欠であるとして「社会保障と税の一体改革」に期待を寄せてまいりましたが、今回、長年の懸案解決に道筋を付けたことは、我が国の財政状況に対する国際的信用を維持する意味でも妥当な判断であったと評価しております。しかし、一方では、住宅再建など今後本格化する被災地の復興に影響を及ぼさないよう十分な配慮の下で的確な支援策を講じていただかなければなりませんし、特に、低所得者の救済策や中小企業・下請け対策等については早急な対応が求められます。また、需要を喚起して経済全般を下支えするための対策と将来を見据えた成長戦略についても速やかに具体化する必要がありますことから、大規模な補正予算措置を含めた実効性ある経済対策を早期に取りまとめ、的確に実行していただきたいと考えております。
 また、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPについては、年内の妥結を目指した各国間の交渉が大詰めを迎えております。私は、TPPに当たっては、国全体の利益につながるような交渉の展開と国民理解を得るための努力が不可欠であり、そのための情報開示と農林水産業を中心に競争力強化を進めることが重要であること、そしてTPPが被災地の復旧・復興の妨げにならないよう配慮することを訴えてまいりました。交渉の先行きについては、「聖域」と位置付けた農業分野の重要五品目の関税の取扱いをはじめ、今後の動向によっては本県農林水産業への深刻な影響が懸念されるなど、依然不透明な状況にありますことから、国に対しましては、TPPがもたらす影響と対応策、そして、そのための財源等を具体的に示すことにより国民の不安を払拭するとともに、「日本再興戦略」に掲げた農林水産業の成長産業化と所得倍増戦略を強力に推進することを引き続き要請してまいります。

 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故についてであります。
 汚染稲わら等の一時的な保管期間の目途としてきた二年間を超えて保管をお願いせざるを得なくなったことについては、私といたしましても大変心苦しく思っております。現在、国において指定廃棄物最終処分場の候補地選定作業が進められておりますが、このまま一時保管が長引けば、農家や市町村に更なる負担が掛かるとともに、風評の拡大等も懸念されます。また、福島第一原発における汚染水の漏えいや海洋流出についても、対応が常に後手に回っておりますし、作業上の人為的ミスが続発している現状に強い苛立ちと憤りを感じております。汚染水問題の根本的対策については、東京電力だけに任せることなく、国が前面に立ってあらゆる知見と技術を結集し、迅速かつ的確に事態の収拾に当たるべきであり、損害賠償への対応も含め、国に対し責任ある対応を求めているところではありますが、今後の動向等を注視しながら、引き続き的確に対策を講じるよう強く申し入れてまいりたいと考えております。

 今回御審議をお願いいたします補正予算案ですが、まず、東日本大震災に関連する施策として、国から交付される補助金を地域環境保全特別基金に積み立てるとともに、これを活用して市町村の災害廃棄物処理に係る経費の一部を補助することにより処理を確実に推進いたします。また、社会福祉施設の送迎用車両や農業用共同利用施設の復旧等に要する経費に対し助成を行うほか、被災世帯に対し市町村が行う幼稚園の就園奨励支援費の増額や松島自然の家の再建に向けた野外活動フィールド用地の取得費を計上するなど、生活・産業・教育分野の環境整備についても鋭意取組を進めてまいります。
 東日本大震災復興交付金については、第七回目の交付申請に係る農業用施設や農地、道路の整備と埋蔵文化財の発掘調査等に要する経費を追加しております。また、東日本大震災復興推進調整費を活用し、風評等の影響によって減少している外国人観光客の誘致促進を図るための経費を新たに計上しております。
 次に、震災対応以外の事業につきましては、まず、子ども・子育て支援新制度の施行に向けた市町村電子システムの導入費や認定こども園への移行を目指す私立幼稚園の運営費等に対し支援するなど、子育て環境の充実強化を一層推進してまいります。
 また、国の補助採択に伴い、農業用の共同利用施設や乾燥調製貯蔵施設、仙台市中央卸売市場の整備に対し支援するなど、収益性の高い農業の実現に向けた環境整備の取組を強化してまいります。
 このほか、除融雪や河川管理、道路区画線など年度末から年度初めにかけて事業実施が必要となる公共工事等に係る債務負担行為、いわゆる「ゼロ県債」を十三億円設定するほか、指定管理者制度による公共施設管理運営業務委託経費に係る債務負担行為を設定しております。また、七月の大雨と九月の台風十八号により被災した畜産試験場や松島公園、街路、林道施設の災害復旧事業費について増額措置を講じております。 
 さらに、平成二十四年度一般会計決算剰余金について、地方財政法に基づき財政調整基金に積立てを行うとともに、昨年度に受け入れた震災復興特別交付税や国庫支出金のうち今後返還等の精算を行わなければならない経費について地域整備推進基金に積立てを行います。
 なお、日本シリーズ初制覇を成し遂げた東北楽天ゴールデンイーグルスについては、今月二十四日に開催される優勝パレードの実行委員会運営に要する経費と宮城球場の仮設観客席設置費に対し、県としても一部負担してまいります。

 以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計、総会計ともに一千九十八億五千八百余万円であり、財源としては、国庫支出金四百九十七億五千二百余万円のほか、繰越金三百四億九千九百余万円、繰入金二百九十七億四千余万円などを追加しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆六千九百五十億二千七百余万円、総計で二兆四百五十億八千百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案二十三件、条例外議案三十件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第二百六十一号議案ないし議第二百六十五号議案は、地方分権一括法の成立に伴い、民生委員及び麻薬中毒審査会、森林審議会、建設工事紛争審査会、建築士審査会の委員の定数を定めるため、新たに条例を制定しようとするもの、議第二百六十六号、二百七十一号、二百七十三号ないし二百七十五号、二百七十七号及び二百八十号議案は、職員の高齢者部分休業や固定資産評価審議会など附属機関の委員等に関する規定について、それぞれ所要の改正を行おうとするものであります。

 また、議第二百六十七号議案は、職員の災害派遣手当に係る規定について、所要の改正を行おうとするもの、議第二百六十八号議案は、特別職等の退職手当の支給時期について、所要の改正を行おうとするもの、議第二百七十号議案は、事務処理の特例に関し、土地に関する権利の移転等の届出の受理等に関する事務を市町村が処理することなどについて、所要の改正を行おうとするもの、議第二百七十六号議案は、介護福祉士等修学資金貸付金に係る違約金の計算方法を変更しようとするもの、議第二百七十八号議案及び議第二百八十二号議案は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の改正に伴い、婦人保護施設の保護及び県営住宅の入居資格に係る特例の対象を拡大しようとするもの、議第二百八十一号議案は、東日本大震災により被害を受けた者が住宅の新築等を行う場合の建築確認申請等に係る手数料の減免期間を延長しようとするもの、議第二百八十三号議案は、「宮城県立小松島支援学校」を新設しようとするものであります。

 次に、条例外議案でありますが、議第二百八十四号議案は、平成二十六年度における自治宝くじの発売限度額について、議第三百一号議案は、胆沢ダムの建設に関する基本計画の変更について、議第三百二号議案は、地方独立行政法人宮城県立こども病院が達成すべき業務運営に関する目標を定めることについて、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。
 なお、議第二百八十五号議案ないし議第二百九十一号議案、議第二百九十三号議案ないし議第三百号議案は、地方自治法の規定に基づき、公の施設の指定管理者を指定することについて、議第三百三号議案ないし議第三百十号議案、議第三百十二号議案及び議第三百十三号議案は、工事請負契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。