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第三百三十八回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月15日更新

平成24年9月11日

 本日ここに第三百三十八回宮城県議会が開会され、平成二十四年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

 東日本大震災の発生から一年と半年が経ちました。振り返りますと、圧倒的な自然の猛威に対する畏怖、尊い生命や財産が数多く失われた悲しみなど、様々な思いが改めて胸に込み上げてまいります。
 また、国や関係自治体、各機関・団体をはじめ国内外の皆様から賜りました温かい御芳情と御支援、そして、未曾有の大震災から立ち直り力強く歩みを進める県民の皆様の姿に、身も心も奮い起つ気持ちを日々強くしているところであります。
 さらには、先に開催されたロンドンオリンピック及びパラリンピックにおいて本県ゆかりの選手が大活躍し、私たちに大きな感動と勇気を与えてくれました。
 「ふるさと宮城の再生とさらなる発展」に向けた取組は緒についたばかりでありますが、将来を見据えて前を向き、山積する課題を丁寧に粘り強く解決しながら必ず復興を果たしてまいりますので、議員各位のなお一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。

 復旧・復興の主な状況についてですが、まず、災害廃棄物については、七月末における進捗率が二十五パーセントを超え、八月末には二十八パーセントになるなど処理が加速してまいりました。いち早く広域処理を受け入れていただいた山形県をはじめとする東北各県や東京都、茨城県の各自治体、そして受入れを決定していただいた福岡県北九州市には改めて心より感謝申し上げる次第であります。今後とも、各ブロックの処理施設の本格稼働とともに再生利用の更なる推進を図り、目標である平成二十五年度内の処理完了に向け全力を傾注してまいります。
 災害公営住宅については、被災市町の地域特性や高齢者対応、環境・省エネルギー対策等への配慮を掲げた整備指針を七月に策定いたしました。国、関係市町村、民間事業者等との連携を深めながら、被災者が安心して暮らすことのできる生活環境を早期に確保できるよう整備を進めてまいります。
 また、先の定例会でお認めいただいた応急仮設住宅のお風呂の追い焚き機能と物置の整備については、入居者の希望調査に基づき順次着工し、年内中の完成を目指して鋭意取組を進めているところでございます。
 社会基盤については、漁港や魚市場の復旧に伴いカツオをはじめとする魚類の水揚げやワカメ等の養殖物生産が回復してまいりました。また、沿岸部各地では海岸防災林のほか道路や河川、海岸、港湾、農地、学校等の復旧も着実に進展しております。さらに、先月からはJR気仙沼線の運休区間がバス高速輸送システムにより仮復旧し暫定運行を開始したほか、来月には新たに上海線が仙台空港に就航し、震災前を上回る数の国際航空路線が運航する見込みとなりました。
 このように、公的施設の復旧等には一定の見通しが立ちつつあることから、防災集団移転促進事業や土地区画整理事業など、被災者が将来的にも安定した生活を送るためのまちづくりを引き続き支援していくとともに、そのために必要となる市町村職員等の人材と財源の確保にも一層力を注いでまいります。

 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故についてであります。
 一部の農林水産物等において基準値を超える放射性物質の検出による出荷制限や自粛等の措置が拡大し続けており、これに伴う風評の影響も深刻の度を増しております。
 しかしながら、本県の風評被害に対する損害賠償については、牛肉など一部を除きほとんどの品目が国の定めた指針に明示されていないため、県民は原発事故との相当因果関係の立証に過大な負担を強いられております。こうした状況は極めて遺憾であり、被害者に対する十分かつ確実な賠償が迅速に行われるよう、岩手県等とも協力しながら国及び東京電力に対し強く働きかけてまいります。

 さて、七月一日、世界トップクラスの国内自動車メーカーの東日本における生産拠点となる子会社が大衡村に発足し、これまで心血を注いできた自動車関連産業誘致の一つの理想型として結実いたしました。企業誘致は様々な業種で好調に進展しているとともに、地元企業の取引拡大も見られるなど「富県宮城」の実現に向けた取組は確かな足取りで歩みを進めております。今後は沿岸部の産業再生と併せて、引き続き企業誘致や地元企業の育成に努め、本県の更なる産業集積に全力で取り組んでまいります。
 また、先月上旬、私は、運航が再開された仙台・長春線に搭乗して友好提携二十五周年を迎えた中国吉林省を訪問し、震災への温かい支援に対する感謝の意をお伝えするとともに、観光客誘致や県産品の販路開拓など経済交流の活発化と教育・文化交流の強化を目指し精力的に活動を展開してまいりました。
 七月には仙台空港と仙台塩釜港の周辺地域を対象とした「みやぎ国際ビジネス・観光拠点化プラン」を策定しましたが、復興のシンボルとなる拠点の整備と適時・的確な情報発信は、本県の知名度向上等を促し、将来的な発展への礎にもなることから、今後とも様々な機会を捉え積極的に取り組んでまいります。
 なお、これまで多くの県民の皆様の御協力をいただきながら準備を進めてまいりました「ねんりんピック宮城・仙台二〇一二」の開会まで一か月余りとなりました。「伊達の地に 実れ!ねんりん いきいきと」のテーマを体現し、理想的な長寿社会の在り方を発信する大会として、選手・役員と応援の方々を心からのおもてなしでお迎えするとともに、宮城・仙台の元気な姿と復興への確かな歩みを全国の皆様に御覧いただき、感謝の気持ちをお伝えできる大会とするよう万全を期してまいります。
 次に、県の行財政を取り巻く状況についてであります。
 消費税法の改正をはじめとする社会保障と税の一体改革法が先月成立いたしました。国・地方を通じて多額の借入金に依存している現在の財政状況の下で、私は、「財政の健全化」と「社会保障の機能強化」のための安定的な財源の確保が必要不可欠であると主張してまいりましたが、今後は品目ごとの軽減税率の適用などの低所得者対策や被災地の実情に配慮した措置を適切に講じるよう求めながら、すべての人が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な社会の実現に向け努力を積み重ねてまいります。
 七月には「フロンティアを拓き、『共創の国』へ」を理念に掲げた「日本再生戦略」が閣議決定されました。東日本大震災からの復興を最重要かつ最優先課題として、引き続き全力で対応すると明記したほか、エネルギー・環境、医療・福祉、農林漁業等を重点分野と位置づけた戦略の方向性は、正に「宮城県震災復興計画」と軌を一にするとともに、「富県共創!活力とやすらぎの邦づくり」を県政運営の理念とする「宮城の将来ビジョン」と「共に創る」姿勢を同じくするものであり、大変心強く思っております。
 一方、先月決定された国の平成二十五年度予算の概算要求基準では、「日本再生戦略」を踏まえた予算配分の重点化が掲げられたほか、東日本大震災からの復興対策経費については特に要求上限が設定されないこととなりましたが、地方財政計画をはじめ個別施策については今後の予算編成過程を通じ決定されるなど、復旧・復興事業等に関する具体的な方向性が現時点では明らかになっておりません。
 したがいまして、県といたしましては今後の動向を注視し、的確な財政措置が継続して講じられるよう、市町村や他県等とも連携協力しながら引き続き国に対し働きかけてまいります。

 次に、「みやぎ発展税」についてであります。
 法人事業税の超過課税制度として平成二十年三月に導入した「みやぎ発展税」は来年二月で終期を迎えますが、長引く景気低迷など税収を取り巻く情勢が厳しく推移する中で、産業振興と震災対策を強化するための貴重な財源として大きく貢献してきました。
 産業振興関係では、裾野の広い波及効果が期待される数々の企業集積をはじめ中小企業の技術高度化や人材育成等の分野にも幅広く活用し、「富県宮城」の実現に道筋をつけることができました。また、震災対策関係では、緊急輸送道路の橋梁や県有施設の耐震化等に活用した結果、岩手・宮城内陸地震と東日本大震災という大地震に見舞われても地震動による倒壊等の被害を軽減することができました。
 東日本大震災からの復旧・復興に要する予算は未曾有の規模に上り、国に対し必要な財政措置を継続するよう求めながら可能な限りの自助努力を講じてまいりますが、復旧・復興の取組と並行して将来的にも安定した経済基盤の構築と大震災の教訓を踏まえた真に災害に強い県土づくりを推進していくためには、これら施策の継続強化に要する財源の確保を図ることが極めて重要です。
 こうした状況を慎重かつ総合的に勘案した結果、「みやぎ発展税」の課税実施期間を更に五年間延長することとし、今議会に関係条例案を提出させていただくことを決断したものであります。
 次の課税実施期間においても、使途の明確化と「選択と集中」による効果的な財源配分を強化し、今期を上回る成果の実現を目指し全力で取り組んでまいりますので、議員各位はもとより県民の皆様方の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

 次に、宮城県住宅供給公社についてであります。
 県住宅供給公社は、昭和四十一年の設立以来、良質で低廉な住宅・宅地を供給し、県民生活の安定と社会福祉の増進に寄与してきましたが、長年にわたる地価下落や分譲事業の不振等により経営が悪化し、この四月には債務整理と経営再建を目的とした特定調停が申し立てられました。県は利害関係人として調停に参加し、県議会の県出資団体等調査特別委員会からの提言も踏まえながら公社の公共性・公益性、更には災害公営住宅の管理など震災以降に生じた状況変化等の諸条件について慎重に検討、協議を重ねてまいりました。その結果、七月には仙台簡易裁判所から調停案が提示され、特例的な地方債である「第三セクター等改革推進債」を財源として活用できる目途も立ったことから、金融機関による債務の一部免除など関係者の意向を基にした調停案を受諾し、損失補償を実行することにしたものであります。
 今後、公社は分譲事業を廃止し、賃貸住宅管理事業を中心とした形での経営再建を目指すことになりますが、県に多額の財政負担が生じる事実を重く受け止め、更に厳しく公社の経営指導に当たってまいります。

 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。
 今年度の財政状況については、普通交付税及び臨時財政対策債が当初予算計上額を下回る一方、復興の進展等に伴う県税収入の増額が見込まれますが、経済情勢や来年度の地方財政対策は依然不透明な状況が続いていることから、更なる財源確保と震災対応への重点化など一層効率的な財政運営が求められております。
 このため、今回御審議をお願いいたします補正予算案は、復旧・復興を加速するなど緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。

(東日本大震災関連事業)
 補正予算案の主な内容ですが、初めに、東日本大震災に関連する施策についてであります。
 まず、被災者支援の面では、復旧・復興の進展に伴い多様化するニーズの把握と課題の共有を図るため、被災地で活動している支援団体や有識者等で構成する会議を開催するなど、きめ細かな支援策を的確に講じるための検討を進めてまいります。また、応急仮設住宅入居者のリハビリテーション相談等に対する支援を拡充し、被災者の健康の維持確保についても積極的に推進してまいります。
 雇用対策の面では、被災三県の沿岸地域等で再延長されていた雇用保険の給付が今月末日をもって終了することから、被災者の雇用確保を図るため緊急雇用創出事業に要する経費を追加し、市町村が行う地域の実情に即した施策の展開と膨大な事務処理を補完する職員確保の取組を支援いたします。
 水産業の面では、漁船や漁具等の取得や資源量が激減したシジミの種苗確保等に対する支援を拡充し、漁獲高の回復を本格化してまいります。
保健・医療・福祉の面では、社会福祉施設の復旧に要する経費に助成し早期の事業再開を促進するとともに、被災した自治体病院の人材確保・養成の取組を支援してまいります。
 教育の面では、農業高等学校、水産高等学校及び気仙沼向洋高等学校の仮設校舎の教育用備品等を整備するとともに、移転候補用地の測量調査等を実施いたします。また、東日本大震災みやぎこども育英基金を活用して奨学金を給付する事業について、対象者の拡大や入学一時金の創設など内容を拡充するほか、産業人材の育成や生徒指導等の取組を強化し、子どもたちの教育環境の整備を進めてまいります。
 東日本大震災復興交付金については、第三回目の交付可能額の配分に伴い石巻市の認定こども園や農地、漁港、気仙沼水産試験場の復旧・整備等に関する経費を追加しております。
 また、東日本大震災復興調整費の配分を受け、県産品の風評払拭のための取組を拡充するほか、被災者や県外避難者に対する支援の強化、国内外から観光客や投資を呼び込むためのプロモーション活動、供給不足が想定される建設資材等の効率的・効果的な調達方法の調査等について追加措置を講じております。
 さらに、東日本大震災復興基金を活用し、製造・加工・流通・販売に関わる事業者が六次産業化を促進するための物流拠点機能の強化、漁業者等が協働して行う養殖生産設備や水産加工施設の整備のほか、畜舎や仙台空港国際貨物取扱施設の復旧に対し助成してまいります。
 次に、原子力発電所事故による放射能問題への対応については、平成二十四年産米について国の方針よりも厳格な県独自基準の下で放射性物質検査を実施するとともに、森林における汚染状況の調査区域を拡大いたします。また、古川農業試験場への検査機器の導入に加え、市町村と農協等の検査・相談体制の整備や給食事後検査に対する支援を保育所等にも拡充するなど、食の安全・安心の確保に向けた取組を強化いたします。さらに、原木シイタケの汚染ほだ木の撤去等を新たに支援するほか、漁業調査指導船による魚類モニタリング調査の強化により水揚げ自粛等が早期に解消できるよう取り組んでまいります。併せて、市町の除染実施計画に基づき県立学校等の除染を追加して実施いたします。
 このほか、東北電力女川原子力発電所に関する原子力防災対策を重点的に充実する地域の拡大に伴い、通信連絡網や防災資機材等の整備、更には避難誘導等に関する調査検討を進めてまいります。

(その他の主な施策)
 次に、その他の事業についてですが、産業振興関係では、産学官金が協働して実施する研究開発プログラムを推進するほか、活発な企業立地の需要に的確に対応するため宮城県土地開発公社が行う用地造成事業資金の債務保証を行うなど、将来的な産業基盤の整備も進めてまいります。
 環境関係では、地球温暖化対策推進法に基づく県の実行計画と自然エネルギーの導入促進等に関する基本計画の策定に着手するとともに、農業水利施設を活用した小水力発電の導入可能性調査を行うなど再生可能エネルギーの導入推進に関する取組を積極的に展開してまいります。
 保健・医療・福祉関係では、特別養護老人ホーム等の施設開設準備経費に対する助成を増額いたします。また、国の補助採択を受け医師確保の取組を強化するほか、拓桃医療療育センター及び拓桃支援学校の移転整備に要する経費を追加しております。
 公共土木施設関係では、海岸や港湾等の整備事業費の追加に加え、四月以降の豪雨や台風四号により被災した林道、河川、公園等の施設について災害復旧事業費等の増額を計上しております。
 このほか、先ほど御説明申し上げましたとおり、宮城県住宅供給公社に関する損失補償の実行等に要する経費を計上しております。

 以上、補正予算案の主な内容を御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で百八十八億二千五百余万円、総計で百九十三億五千三百余万円となります。財源としては、県税九十億円のほか、基金繰入金八十億五千七百余万円、県債七十八億四千五百余万円などを追加する一方、地方交付税三十五億六千二百余万円、国庫支出金二十七億三千八百余万円などを減額しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆八千四百七億一千八百余万円、総計で二兆一千四百五十億九百余万円となります。

 次に、予算外議案については、条例議案九件、条例外議案二十五件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

 まず、条例議案でありますが、議第百七十七号議案は、法人事業税の超過課税の適用期間を延長しようとするもの、議第百七十九号議案は、企業立地促進のための法人事業税等の課税免除等の適用期間を延長しようとするもの、議第百八十号議案は、災害対策基本法の改正に伴い、宮城県防災会議の委員の対象を追加しようとするもの、議第百八十三号議案は、介護職員処遇改善等臨時特例基金の失効期日を延長しようとするもの、議第百八十四号議案は、国民健康保険法の規定による都道府県調整交付金の割合を改定しようとするものであります。

 次に条例外議案でありますが、議第百八十七号議案及び議第百八十八号議案は、災害弔慰金等の支給に係る審査会の設置運営等の事務の受託について、議第百八十九号議案は、県道の路線変更について、議第百九十号議案は、和解について、議第百九十一号議案は、宮城県住宅供給公社に係る調停案の受諾について、議第百九十二号議案及び議第百九十三号議案は、財産の取得について、議第百九十四号議案は、財産の処分について、議第百九十五号議案及び議第百九十六号議案は、災害廃棄物の処理に係る工事委託変更契約の締結について、議第百九十七号議案ないし議第二百七号議案は、工事請負契約の締結について、議第二百八号議案及び議第二百九号議案は、権利の放棄について、議第二百十号議案は、宮城県住宅供給公社に関する損失補償の実行に伴う第三セクター等改革推進債の起債に係る許可の申請について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。