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第三百三十七回宮城県議会知事説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月15日更新

平成24年6月15日

 本日ここに第三百三十七回宮城県議会が開会され、平成二十四年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。
 その前に、今月六日、寛仁親王殿下におかれましては、にわかに御容体が悪化され、御快癒の祈りもむなしく薨去されました。ここに謹んで哀悼の誠を捧げるものであります。
 寛仁親王殿下には、社会福祉やスポーツ振興など様々な分野にわたり幅広く貢献してこられました。とりわけ、難病の方々の自立や社会参加を促す啓蒙活動等に尽力され、東日本大震災に際しましては温かいお見舞いと激励を賜るなど、宮城県にも幾度となくお成りになられました。県民に親しく接せられた在りし日のお姿をしのび、県民の皆様とともに衷心より御冥福をお祈り申し上げます。
 初めに、東日本大震災からの復旧・復興への取組状況についてであります。
 「復興元年」として、宮城県の新たな歴史を刻むスタートの年と位置づけた今年度に入り、復旧・復興への歩みは確かな足どりで進展しております。
まず、被災者の生活再建と生活環境の確保についてですが、災害廃棄物の処理が県内四ブロック全ての処理区で本格的に始動し、亘理名取ブロックと石巻ブロックでは焼却施設が稼働いたしました。また、国や関係自治体の御理解と御支援の下で広域処理も進展するなど、処理を加速化するための態勢が着実に整ってまいりました。
 県が被災市町から処理を受託する廃棄物量の精査に伴い、相当量が圧縮される見通しとなったことも踏まえ、可能な限り早期に処理を完了できるよう全力を傾注してまいります。
 災害公営住宅については、整備戸数を三千戸増加させて約一万五千戸にするとともに、今月八日には関係自治体と住宅関連企業・団体等で構成する「みやぎ復興住宅整備推進会議」を設置いたしました。  
 恒久的な住宅の早期確保は被災者の生活再建において最も重要な基礎であることから、先進的で魅力あるみやぎの住宅・まちづくりに関する情報を県民や全国に向け発信し、官民の総力を結集して鋭意取組を進めてまいります。
 応急仮設住宅については、居住期間が一年間延長され、お風呂の追い焚き機能と物置の整備が新たに国庫負担の対象とされました。追加整備等に係る資材や人員の確保、更には応急仮設住宅の建設敷地や民間賃貸住宅の借り上げに関する契約更新など課題は多々ございますが、関係機関の理解と協力を得ながら被災者の居住環境の改善に努めてまいります。
 さらに、応急仮設住宅等の周辺環境調査や居住者の健康調査を実施するとともに、みやぎ心のケアセンターの地域センターを石巻市と気仙沼市に設置し、相談支援体制を強化したところであります。今後とも関係市町と連携し、長期化している応急仮設住宅等での生活環境の確保と被災者の心身両面に対するケアの充実に万全を期してまいります。
 次に、東京電力福島第一原子力発電所事故についてであります。
 四月から食品中の放射性物質に関する規制が強化され、従来よりも厳しい基準値が設定されました。これに伴い、本県のみならず全国各地において一部の農林水産物から基準値を超える放射性物質が検出され、出荷停止や自粛を余儀なくされる事態が生じています。
 県といたしましては、昨年度策定した「東京電力福島第一原子力発電所事故被害対策基本方針」等に基づき、放射能の監視・検査体制の強化や除染の計画的推進などの対策を講じているところでありますが、こうした対策はもとより、汚染物の処理や賠償問題、風評被害などへの対策は本来、国や東京電力が全ての責任を負うべきものであります。このため、福島県をはじめ隣県や市町村、関係機関との連携を深めながら、国と東京電力が自らの責任において迅速かつ的確、柔軟に対応するよう強く求めてまいりますので、議員各位におかれましても引き続き御支援・御協力をよろしくお願い申し上げます。
 一方、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギーを最大限に活用することにより「環境と経済の両立する宮城」を実現するため、「宮城県再生可能エネルギー推進本部」を庁内に設置いたしました。また、先端技術を駆使した環境配慮型のまちづくりを目指す「スマートシティ構想」の実現に向け、沿岸部の十五市町とともに「みやぎスマートシティ連絡会議」を発足させました。今後、地域防災拠点や公共施設、住宅への太陽光発電設備の導入、クリーンエネルギー関連産業の誘致などのプロジェクトを明確に位置づけた指針を策定し、市町村や大学等の関連機関と連携しながら再生可能エネルギーを活かした復興の取組を加速化してまいります。
 次に、雇用の確保についてであります。
 この春の新規高卒者の就職内定率は九十八・一パーセントという高い水準のものとなり、有効求人倍率も全国平均を大幅に上回るなど、雇用環境には改善の動きが見られます。復興需要の高まりに加え、緊急雇用創出事業や各種助成などこれまで講じてきた対策の効果が現れてきたものと手ごたえを感じておりますが、一方で、地域ごとの実情には依然として差があり、求人ニーズと求職ニーズとの間にも未だ隔たりがございます。また、現在、震災特例により失業給付を受給している被災者については、この九月末までに給付期間が順次終了することもあり、雇用の確保は被災者をはじめとする県民が安定的な生活を営むための喫緊の課題となっております。
 県といたしましては、「事業復興型雇用創出助成金」などの施策により創出された多様な雇用機会と求職者との間で適切なマッチングを行うため、合同就職面接会の開催や職業訓練の実施など、きめの細かい対策に継続して取り組み、一人でも多くの方々が就職できるよう全力で支援してまいります。    
 また、甚大な被害を受けた中小企業等の事業再開や施設・設備の復旧に対する支援、制度融資枠の確保などあらゆる支援策を総動員し、産業政策と一体となった雇用確保策を強力に推進してまいります。
 次に、東日本大震災復興交付金については、先月二十五日に第二回目の交付可能額が配分されました。三月の第一回配分では本県の申請額と配分額が大きくかい離しましたが、今回は国や市町村との緊密な協議・調整に努めた結果、申請額の大半が認められたほか、一部の事業については来年度以降の予定事業費が前倒しで配分されました。改めて国に対し感謝申し上げるとともに、次回以降の交付金配分に向けてもなお一層しっかりと取り組んでまいります。
 また、復興特区制度については、二月の「民間投資促進特区」、四月の「保健・医療・福祉復興特区」に続き、今月、情報関連産業を対象とした民間投資促進特区が国から認定されました。今後は農業などの分野についても特区制度を積極的に活用し、更なる復興の促進を図ってまいります。
 さて、政府の月例経済報告では、我が国の景気は依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として緩やかに回復しつつあるとされております。
 本県におきましても同様に厳しい状況が続いておりますが、復旧・復興に伴う公共投資や住宅投資の増加等に支えられ回復の動きが広がっているほか、先ほど御説明いたしましたとおり雇用にも改善の動きが見られます。
 長引く円高やデフレの影響に加えて、欧州政府の債務危機や原油高のように景気が下押しされるリスクも存在しており、将来への確かな展望が開けない先行き不透明な現状ではありますが、復旧・復興の進展に歩調を合わせるようにして鉱工業生産が着実に回復する傾向を示すなど、これまで注力してきた取組が徐々に結実してまいりました。
 新年度に入り、住宅向け木材加工の国内最大手の会社が加美町に立地を決定したことに引き続き、国内第二位の消火器メーカーが栗原市に新たな工場の開設を決定いたしました。また、東北大学が国内自動車メーカーと共同で次世代自動車技術の実証実験を行う研究開発拠点を多賀城市に新設するとともに、大衡村では既に稼働している自動車生産工場の余熱を利用したパプリカ農場が建設されることになりました。
 これまで蓄積してきた企業誘致の実績が様々な業種に幅広く波及し、産学官連携や農商工連携のモデルとなるような取組が具体化してきたことは、震災からの復興と「富県宮城の実現」を力強くけん引するものと期待しております。
 基盤整備の面では、復興道路として全線が事業化された三陸縦貫自動車道について、仙塩道路の全線四車線化と(仮称)多賀城インターチェンジの整備が着工されたほか、来月には仙台松島道路の利府中インターチェンジから松島海岸インターチェンジまでの四車線化が、八月には春日パーキングエリアが完成する予定となっております。また、JR常磐線と仙石線について、復旧に関する覚書が東日本旅客鉄道株式会社と関係自治体との間で締結されるとともに、JR気仙沼線の一部区間でバス高速輸送システムによる仮復旧工事が着手されるなど、沿岸部の鉄道復旧も動き出しました。
 さらに、震災で休止されていた仙台塩釜港の韓国航路が三月に再開され、先月中旬からは中国・韓国航路が増便されたことにより、国際定期コンテナ航路は四路線・週四便に強化されました。仙台臨海鉄道のコンテナ輸送機能も着実に回復しており、今年度中には仙台港インターチェンジの完成が予定されていることからも、仙台塩釜港とその背後地の物流・集客機能が飛躍的に向上いたします。
 仙台空港については、北京便の再開、ソウル便の毎日運航再開に引き続き、来月下旬には長春便も再開される予定となっております。こうした国際航空路線の整備は、来月から開始される中国人の個人観光客を対象とした数次査証の発給特例措置などと相俟って、外国人観光客の誘致にも大きく弾みがつくものと考えております。特に、今年は中国吉林省との友好締結二十五周年に当たることや、震災を契機とした絆が育まれていることから、海外との一層強固な交流基盤の構築を目指し取組を強化してまいります。
 昨年の観光客入込数は、震災のため前年比で二十九・五パーセントの大幅減となりましたが、先月開催された仙台・青葉まつりが過去最高の人出となるなど観光面の回復も確かなものになってまいりました。震災の記憶や経験を伝える「語り部」やボランティア活動などを組み込んだ「被災地ツーリズム」が定着し、震災の経験から派生した新しい形の観光が被災地の復興を後押ししておりますし、県内各地で様々な国際会議やイベントが開催されるほか、県民会館とみやぎ産業交流センターも近々再開いたします。
 このように国内外から大勢の方々に本県を訪れていただくことは、経済活動を活発化するとともに、宮城の元気な姿と復興への歩み、そして安全・安心を力強くアピールする絶好の機会であることから、私自らが先頭に立って宮城のイメージアップと誘客促進に努めてまいります。
 保健・医療・福祉の面では、三月に「第五期みやぎ高齢者元気プラン」と「第三期宮城県障害福祉計画」を策定いたしました。被災者の健康を守ることを最優先とする一方で、高齢化の急速な進行や人口減少社会の到来など社会情勢の変化に的確に対応していくためにも、介護サービス基盤の整備や保育所入所待機児童の早期解消、地域医療の再生・充実などの取組を着実に推進してまいります。
 今年十月の「ねんりんピック宮城・仙台二〇一二」の開会まで百二十日となり、ボランティアの募集や来県する選手団の宿泊・輸送、式典演技などの準備も熱を帯びてまいりました。震災以降、国内外から賜りました数多くの御支援に対する感謝の気持ちを伝え、「復興元年」にふさわしい心に残る大会となるよう取組を進めてまいります。
 次に、今回の補正予算案の考え方についてであります。
今年度の当初予算は、一般会計で前年度の約二倍と過去最大規模のものとなり、また、先の定例会では六百三十八億円余の追加補正をお認めいただいたところであります。今回御審議をお願いいたします補正予算案は、その後明らかになった国予算の状況や東日本大震災復興交付金の配分などを踏まえ事業財源の調整と計数の整理を行うとともに、水産関係施設等の災害復旧、応急救助、東京電力福島第一原子力発電所事故対策など緊急な対応を要する施策について措置することとして編成したものであります。
(東日本大震災関連事業)
 補正予算案の主な内容ですが、初めに、東日本大震災に関連する施策についてであります。
 まず、震災からの復旧・復興の面では、漁港施設や魚市場、冷凍冷蔵・製氷施設など共同利用施設の復旧と整備を促進し、本県水産業の早期復興を目指した取組を加速化いたします。
 また、国から無償貸与される予定の防災ヘリコプター代替機の運航に必要な装備を整備するとともに、防災用資機材の備蓄、災害初動時において通信手段を確保するための衛星携帯電話の配備、更には災害関連情報を迅速に配信するシステムの構築など、災害に的確に対応するための体制を強化いたします。
 このほか、被災した博物館の収蔵資料等の修理・修復と収蔵場所の整備を推進するとともに、展覧会の開催による積極的活用を図るなど、地域文化の再興にも努めてまいります。
 被災者の居住環境の改善につきましては、応急仮設住宅にお風呂の追い焚き機能や物置を整備するための経費を追加計上するとともに、仮設住宅の居住期間延長に伴う関係契約の円滑な更新を目指し手続きを進めてまいります。
 先ほど御説明いたしました東日本大震災復興交付金については、国から交付される交付金を東日本大震災復興交付金基金に積み立てるとともに、新たに認められた事業等について追加措置を講じております。
 このうち、津波により全壊した水産技術総合センターの種苗生産施設については、施設を七ヶ浜町に移転するための設計・工事に着手いたします。また、漁港施設用地の嵩上げや排水対策など災害復旧事業と一体となった機能強化を図るとともに、認定農業者等への農用地の利用集積を促進するための支援を拡充し、農林水産業の生産基盤整備を進めてまいります。さらに、山元町の通所介護施設の再建を支援し、日常生活圏で医療・介護等のサービスを一体的・継続的に行う地域包括ケア体制の整備を図ってまいります。
 このほか、東日本大震災復興基金を活用し、海底の災害廃棄物を底びき網漁船により回収するための装置整備に対して助成するなど、地域の実情やニーズにきめ細かく対応するための支援を充実してまいります。
 原子力発電所事故による放射能問題への対応については、まず、農林水産物の放射性物質検査の充実を図るため、農協への検査機器導入や性能強化を支援するとともに、食肉衛生検査所や水産技術総合センター及び県内各地の水産加工組合などに検査機器を新たに導入いたします。また、仙台市中央卸売市場食肉市場における肉用牛の全頭検査体制を強化するほか、安全な肉用牛を出荷するために必要となる飼養管理の取組を支援いたします。さらに、汚染された稲わらの一時的な保管施設を整備し、適切な管理を進めてまいります。
 併せて、学校給食については、既に実施している給食用食材の事前サンプル測定に加え、実際に提供した給食の事後検査を実施いたします。
 放射線量の低減対策については、汚染状況重点調査地域に指定された九市町の除染実施計画に基づき県立学校と県営住宅の除染を行うとともに、森林の汚染状況の把握や除染に関する実証を行います。
 また、牧草地については、反転耕などによる除染を進めるとともに、種子や肥料などの資材確保に向けた取組に対し支援してまいります。
(その他の主な施策)
 次に、その他の事業としましては、地域医療再生基金を活用して革新的な医療機器の開発や治験の取組に対し支援するほか、森林整備加速化・林業再生基金を活用して木材の安定的な供給を進めるための高性能林業機械導入や県産材の流通促進のための支援を拡充いたします。
 また、国管理空港の民間への運営委託に関する動きに合わせて、県といたしましても、仙台空港の官民連携による活性化と空港周辺の地域開発に関し幅広く調査検討を行ってまいります。
 このほか、今冬の異常低温による凍上災被害を受けた道路舗装の復旧や、先月の低気圧に伴う豪雨により被災した施設の復旧等に適切に対処するため、災害復旧事業費の増額を計上しております。
 以上、補正予算案の主な内容を御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で五百九十二億五千百余万円、総計で五百九十四億三百余万円となります。財源としては、国庫支出金四百四十四億八千二百余万円のほか、地方交付税六十六億二千二百余万円、諸収入四十億三千余万円、繰入金三十四億二千九百余万円などを追加しております。
 この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆八千五十三億九千三百余万円、総計で二兆一千九十一億五千五百余万円となります。
 次に、予算外議案については、条例議案七件、条例外議案八件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。
 まず、条例議案でありますが、議第百三十八号議案は、職員の特殊勤務手当の支給要件等について所要の改正を行おうとするもの、議第百三十九号議案は、自動車税の課税区分の改定など、所要の改正を行おうとするもの、議第百四十号議案は、地方税法の改正に伴い、不動産取得税の減免措置に関する規定を整理しようとするもの、議第百四十一号議案は、地方拠点都市地域の拠点地区における不動産取得税の不均一課税の特例措置に係る適用期間を延長しようとするもの、議第百四十二号議案は、事務処理の特例に関し、土地区画整理事業における建築行為等の制限に対する許可等に関する事務を市が処理することなどについて所要の改正を行おうとするものであります。
 次に条例外議案でありますが、議第百四十五号議案は、県道の路線認定について、議第百四十六号議案は、和解及び損害賠償の額の決定について、議第百四十七号議案は、財産の取得について、議第百四十八号議案ないし議第百五十二号議案は、工事請負契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。
 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。