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掲載日:2023年5月2日

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場報告第9号 宮城県のダイズ主要病害虫のIPM体系に関する研究(1)

宮城県のダイズ主要病害虫のIPM体系に関する研究

1.近年の病害虫発生の特徴と防除対策

抄録

近年の宮城県北部におけるダイズ子実害虫を調査したところ、主要種はフタスジヒメハムシとマメシンクイガであった。従来、宮城県における子実害虫として、吸実性カメムシ類、ダイズサヤタマバエおよびマメシンクイガが問題視されてきたが、ダイズの栽培環境の変化に伴い、害虫相が変化したものと考えられた。フタスジヒメハムシの被害はダイズの作付初年目から多く、マメシンクイガの被害はダイズの作付4年目以降に多いことが明らかになった。そこで、主要な子実害虫2種と重要病害である紫斑病を対象にした防除体系の開発を試みたところ、フタスジヒメハムシに対してはチアメトキサム水和剤の種子塗沫処理とシペルメトリン乳剤の茎葉散布の体系防除が効果的であり、マメシンクイガに対してはダイズ作付1~3年目であれば殺虫剤散布を省略し、作付4年目以降の場合はシペルメトリン乳剤の茎葉散布によりマメシンクイガとフタスジヒメハムシの同時防除を実施するのが効率的と考えられた。紫斑病に対しては、抵抗性の強い品種「ミヤギシロメ」の選定が最も有効であるが、「タンレイ」など抵抗性の弱い品種の場合は、作付初年目の圃場の選定が有効と考えられた。次に、近年問題となっているジャガイモヒゲナガアブラムシの後期多発型発生に対する被害解析を行ったところ、葉の被害面積率と落葉率は発生ピーク時の密度に比例して増加し、密度と子実重の間には負の比例関係が認められた。また、本種の後期多発型発生に対する茎葉散布剤として、アセフェート水和剤、アセフェート水溶剤、ビフェントリン水和剤、クロチアニジン水溶剤およびペルメトリン乳剤が、効果が高く速効性があることが明らかになった。以上の結果から、ダイズの主要な病害虫に対するIPM(Integrated Pest Management:総合的有害生物管理)体系を提言する。

キーワード

IPM、総合的有害生物管理、ダイズ、フタスジヒメハムシ、マメシンクイガ、紫斑病、ジャガイモヒゲナガアブラムシ

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1.近年の病害虫発生の特徴と防除対策(PDF:596KB)

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