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令和元年度第1回管内協働教育研修会【北部】

令和元年8月8日(木曜日)に栗原合同庁舎において,「第1回北部管内協働教育研修会」を実施しました。
北部管内の小・中学校職員や各市町教育委員会職員等,70名が参加し,『学校・家庭・地域が相互に教育力を活用して,地域の子供を地域全体で育む』ということについて理解を図るため,聴講やグループ協議を通じて研修しました。

【講師】国立大学法人宮城教育大学教職大学院 教授 梨本 雄太郎 氏

講義『これからの学校と地域の連携・協働の在り方』

梨本氏は,新学習指導要領が“これからの時代に求められる教育を実現していくためには,社会との連携及び協働という,社会に開かれた教育課程の実現が重要”と述べていることと,第2期宮城県教育振興基本計画が目標の一つとして「学校・家庭・地域の教育力の充実と連携・協働の強化を図り,社会全体で子供を守り育てる環境をつくる」と掲げていることを示し,『協働教育』に対する社会的要請が一層高まっていることを教示しました。
多様な調査データを示しながら講義する中で,お茶の水女子大学の調査研究データを引用し,“地域には,ボランティアで学校を支援するなど,地域の子供たちの教育に関わってくれる人が多いと思うか”という質問に肯定的に回答する子供たちは,全国学力・学習状況調査の正答率が高いということを説明しました。これにより,協働教育は思想的な教育手段ではなく,今日的な教育課題を解決するために有効な方法であることが強調され,ほとんどの参加者が納得した様子でした。
協働教育の更なる推進に向けては,「今日的社会背景を踏まえ,次代を担う人材の育成のために,“学び方の変換”が求められる」ということについて教授しました。氏は,教育課程における地域連携の在り方と,“学校以外でもできること”という視点での課外活動との関連・接続性について,詳しく説明しました。
研修の様子1 研修の様子2 研修の様子3

グループ協議『地域学校協働活動の評価と今後の推進に向けて

グループ協議を行う前に,「自分が・自分の所属機関が目指していること」の妥当性を確認し,今年度この時期・段階で,“できていること・できていないこと”を整理しました。
グループ協議では,ワールドカフェ・ファシリテーションを通じて情報を共有し,新たな活動内容・方法を具体化できるように展開しました。活発に意見や情報を交換することによって,多くの参加者が“これからの進展”のためのヒントを得ることができた一方で,“所属機関での実践が希薄なので確実に改善したい”とする参加者もいました。
研修の様子4 研修の様子5 研修の様子6
研修の様子7 研究データ8 研修の様子9

参加者の事後アンケート

<原文のまま ※一部抜粋 ※研修内容に関すること>

  • 協働教育を進めていく上で,学校,地域ともに,考え方を変えていく必要があると感じました。相互の理解を得るための時間が大切だと思いますが,その時間をどのように作っていくかも課題があると感じました。
  • 昨年度から地域コーディネーターの方と協力して地域連携活動に取り組んでいます。校内の組織が確立せず,担任の私と地域コーディネーターの2人で進めている状況です。今後,学校全体で組織づくりをする上での情報があると助かります。
  • 校内体制をやりくりして,協働教育担当以外の先生にも参加していただきたい内容でした。教育課程内で行う活動の参考になると思います。
  • 本日の研修をもとに,まずは全体計画,年間計画の作成に取りかかりたい。
  • 地域のニーズ,学校のニーズを相互にすり合わせることが自分の仕事だということを感じた研修となった。
  • 各校の取組や課題がよく分かりました。地域連携については,末端の教員までなかなか主旨が徹底しない状況になりがちなので,改めて校内で共通理解を図っていきたいと思います。
  • 地域連携の充実の大切を改めて感じました。話し合いの中で学校再編と地域連携についても考えなければならないと感じました。継続・深化する部分とスリム化する部分等,検討するところはたくさんあるとも感じました。
  • 来年度からの時数の増加を考えると,新しいことを行うのにはかなり抵抗があります。これまで実施してきたことや,これから新しく行わなければならないこと(プログラミング学習など)に,学校外の方に協力していただく,という方向では考えていきたいと思います。
  • 今回の研修から「見直し」の必要性を強く感じた。協働教育だけではないが,何ができて何ができないのかを計画的に見直す時間を設定したい。
  • 学校側の協働教育推進は勿論のこと,地域をつなぐ核となるべき社会教育組織(例えば,公民館など)との円滑な連携が機能することで,より充実した協働教育が実現するものと思います。
  • 地域コーディネーターのいる学校,地域がある一方,そうでない地域・学校との格差が大きい。各学校とはなかなかいかないだろうから,せめて中学校区毎に地域コーディネーターを配置できるようにしてほしい。
  • 地域連携として,様々な講義を聞き,担当としての立ち位置や心構えなど深められ,なおかつ,学校現場で,他の先生方への共通理解にも力を入れていきたいと思っています。しかし,いつも感じているのは,地域の方々の意識向上はやはり学校スタートなのか。他から刺激や情報はないのか…ということです。温度差を常に感じているので,私たち教員(学校)のはたらきかけがたりないからなのか?…と思ってしまいます。
  • 自分があまりかかわることができていないと,あらためて感じました。色んな人に相談したいと思います。
  • あまり,これをしましょう,あれをしましょうなどは地域の特性があるので,逆に自主性がなくなったりして良くないと思うが,「教育計画に協働教育の年間計画を入れましょう」など,最低限進めておくことなどの具体を今回のように示していただけると,ゴールや目安が見通せるのでありがたい。(市として,北部管内として何をめざしていくかなど。)今回,教育計画の協働教育100%をめざすなどと示しいただけたことはありがたかった。
  • 本校でも協働教育に取り組んでいますが,地域に任せる,協力をいただくためには,今取り組んでいることを,保護者や地域発信していくことが大切だなと感じました。また,教科との関りで,年間の計画を整理する必要性も感じました。
  • 梨本先生の話はとても納得できました。今あるものでマネジメントしたいと思います。
  • 地域でしか学べないこと,地域だからこそできることがあるのは理解できるが,運動会や参観日でさえスポ少の活動で欠席する子たちがいる中で,放課後や休日に催しものを行い,一部の子たちしか参加できない状況が,地域協働教育なのか?企画は誰がして,その成果は誰が評価するとか,何かの評価に反映するべきなのかとか,理解できないことが多く,悩んでしまいました。横浜のようには(大崎市はわかりませんが)栗原ではできないと思われます。(講義をお聞きして感じたところです。)
  • 地域と学校のつながり,人と人とのつながりが大切だと思っています。まず,自分が生まれた地域を知り,愛せるような子供を育てなければならないのではないでしょうか。※教育計画にどの程度,協働教育について入れればよいのでしょうか。
  • 今日のような情報交換の場があると自校に生かせるヒントが見つかりありがたいです。
  • 学校でできること,学校外でもできること,この見直しと,活動を考えていくことが大切だと思いました。グループ協議では,いろいろな先生方のお話を聞き,大変参考になりました。
  • まだまだ勉強不足のため,本日の研修は私個人としては大変参考になりました。ただ,学校で実際に取り組んでいくうえでは,さらに研修に励まなければと感じました。
  • 学校毎の課題が多く話題となり,行政で支援すべきことが見えたので参考になった。
  • これまでの取り組みを見直し,意図的に協働教育を実践できるよう年間計画の作成とカリ・マネを行う必要性を感じました。
  • 協働教育P.17資料が分かりやすく,見える化,「放すことも大切」→安心しました。それぞれの方々が引率を負担に感じられていたので,自分だけじゃないと思い,ほっとしました。
  • 本校及び本校所在地域の実態の応じた協働活動の推進や地域連携の充実を図っていきたい。そして,子どもたち,地域のために積極的な取組を行っていきたい。
  • 所属校の課題をより深く考える機会となりました。他校の先生方の意見や講師の先生から学んだことを生かしてこれからの教育課程の見直しに取り組んでいきたい。
  • 現在,地域コーディネーターがいないため,地区館の活用を進め連携の充実を図っていきたい。
  • 協働教育推進のためには,予算等も重要な要素なので,各市町村(教育委員会)がリーダーシップをとってほしい。

お問い合わせ先

北部教育事務所教育学事班(生涯学習)

大崎市古川旭四丁目1-1

電話番号:0229-87-3612

ファックス番号:0229-22-7589

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