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「子育て支援を進める県民運動シンポジウム」開催しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年1月26日更新

 宮城県では,子どもを生み育てたいと思える社会を実現するため,県民みんなで子育てに参加し,子育て支援の輪を広げ,受け継ぐことを目的とした,「子育て支援を進める県民運動」を行っております。このシンポジウムはその一環として開催いたしました。
 当日はたくさんの方に御参加いただき,誠にありがとうございました。

1.開催日

  平成26年11月22日 土曜日 午後1時30分~午後3時00分 (開場 午後1時)

2.開催場所

  TKPガーデンシティ仙台 ホールA
  (アエル 21F)  

3.シンポジウム概要

 1.基調講演 「すこやかで心豊かな みやぎっこを はぐくむために」~子どもと大人の相互的な関わり~
   講師:東北大学加齢医学研究所 川島 隆太氏

 脳トレ・脳体操などで有名なほか,宮城県の「学ぶ土台づくり」推進プログラム策定懇話会座長なども歴任されるなど,企業や行政,教育分野と幅広く連携しながら,子どもたちの発達と生活習慣や学習,親子のコミュニケーションなどの影響について,脳科学の視点から解明されていらっしゃる川島先生に,親と子どもの相互的な関わりについて注意しながら,子育てにとって重要なポイントをお話いただきました。

ポイント1 寝不足はもちろん,寝すぎも成長に悪影響を及ぼします!

 休みの日に,平日と同じ時間に起きられないのは睡眠不足の証拠です。また,8時間以上寝ている子にも,睡眠不足の子と同じ兆候があることが分かりました。
 細胞内のミトコンドリアへの影響によって体力がなくなるほか,睡眠時間と海馬の体積は正相関にあるため,記憶に関する能力が下がってしまいます。
 睡眠のリズムが狂う要因として,寝る場所が大人と同じ空間になってしまっている事のほかに,スマートフォンなどを寝る直前まで使用していることがあります。
 仙台市の子どもを対象に調べた調査では,一日の勉強時間が2時間以上でスマートフォンを3時間以上使用する子より,勉強をしない代わりにスマートフォンも使用しない子の成績の方が良かったという,驚くべき結果も出ています。
 また,調査の結果,スマートフォンやテレビなどのマルチメディアの使用によって,脳の前頭葉に抑制が掛かるというデータもありました。
 家庭で就寝の時間を決めたり,寝室にはスマートフォンを持ち込まないなどのルール作りを行なうようにしましょう!
 もちろん,お子さんだけでなく親御さんも,食事中やお子さんと話しているときにスマートフォンをいじることなど無いようにしてください。

ポイント2 朝ごはんは,家族揃って,おかずも食べましょう!

 多くの御家庭では朝ごはんを召し上がっていると思います。ところが,おにぎりだけなどの主食のみの朝ごはんは,朝ごはんを食べていないときと同じくらい脳が働かないことが分かりました。トーストにジャム,紅茶などの朝ごはんでは,脳を十分に働かすことができないのです。
 朝ごはんのおかずの数と脳の働きには正の相関関係があり,おかずの種類が多ければ多いほど,脳を働かすことができます。朝ごはんを食べていた半数以上の子どもたちが第一志望の大学や企業に就職できていたのに対し,朝ごはんを食べていない子どもたちの約3割は第三志望の大学や企業への就職になったという調査結果もあります。
 家族揃って朝ごはんを毎日食べている子どもたちは,下記ポイント3の「内発的意欲」が高くなる傾向にあるということも分かりました。
 また,幼い頃から親と一緒に調理をしたり,食事の手伝いをしている子は,心の健康度という観点から,成人後も幸福度が明らかに高いことがデータに表れています。
 仕事等で忙しい場合は,休みの日に,お子さんと一緒におかずの作り置きをしておきましょう!

ポイント3 飴とムチは使わない!

 やる気には,大きく分けて「内発的意欲」と「外発的意欲」があります。内発的意欲は,本人が学びたいから学ぶというものです。一方,外発的意欲とはやる気のきっかけが自分以外の外にあるもので,「良い成績を取ったら,おもちゃを買ってあげる!」とか「そんな成績じゃ怒られるよ!」と,報酬と罰でやる気を作り出すものです。ほかにも,「友達にかっこいいと思われたい!」というのも,外発的意欲に分類されます。
 【内発的意欲が高い子どもの学力が高い】ことは,誰もが納得できる結果ですが,驚くべき事に,【外発的意欲が高い子どもは,皆学力が低い】と言うことが分かりました。子どもたちにやる気が出ようと出なかろうと,飴とムチを示した途端に,子どもたちの学力はどんどん下がっているのです!
 内発的意欲を高めやすい環境にするには,上記のとおり,「家族揃って毎日朝ご飯を食べる」ことが,一番の影響となります。
 ついつい「飴とムチ」を使ってしまいがちですが,できるだけ使わないようご注意下さい。

2.パネルディスカッション 「地域全体で広げよう!子育て支援の輪」
  コーディネーター:川島 隆太氏
  パネリスト:のびすく仙台館長           伊藤 千佐子氏
         仙台放送アナウンサー          佐藤 拓雄氏
         宮城県気仙沼向洋高等学校校長 千田 健一氏

 パネルディスカッションのテーマや自分の経験から子育てについて思うことなど

 一日に約75~100組ほどの親子が遊びに来るのびすく仙台の伊藤館長は,たくさんの親子と触れ合った経験から,「お母さんたちが育児に手間取っているのは,知識や経験を知らないから。知識や経験を伝えてあげれば,きちんとできます。何故できないのか?という厳しい目で見るのではなく,おせっかいおばさん・おじさんとして優しく見守りながら,知識や経験を少しずつ伝えていってあげることが,一番の子育て支援になると思います。」とのこと。
 ただ,「こんな事も知らないの?仕方ないから教えてあげる!」という具合では,親御さん達も反発してしまいます。無駄話や世間話ができる間柄になったときに「自分の時は,こうすると楽だったよ。今の時代の子育てとは合っていないかもしれないけれど,良かったら試してみて」などと伝えられると良いようです。

 仙台放送の佐藤アナウンサーは男性の育児休暇を取得されました。50日の育児休暇中は家事に専念され,特に心を砕いたのは,お子さんと授乳中の奥さんのために,栄養バランスの良い食事と,おかずを一つでも多く作ること,そして清潔な衣服を準備すること。
 育児に積極的に関わったことにより,お子さんが大きくなり育児に悩みが出ても,「俺はおまえのうんちを素手で受け止めたんだぞ!」と,お子さんに対して余裕が持てるそうです。また,育児休暇以前は奥さんが全て家事をやってらっしゃったので,特に何もしなかったけれど,育児休暇を取得してからは,「やれる人がやれるときにやれば良い」との考えに変わりました。
 ただ「個人事業主や非正規労働者の方が増えている中,育児休暇の取得が困難になっているので,取得率を上げても意味が無いと思います。休みを取ろうが取らまいが,男女関係なく,親がすべきことをすると言うことに尽きると思います」との御意見でした。佐藤さんの場合,育児休暇の取得に驚きはあっても,反対はなかったこと,また,復帰後にも元のポストに戻していただいた,会社の配慮に感謝していらっしゃるそうです。もちろん,部下の方から育児休暇の取得について相談があったら,「いろんな経験も必要なので,ぜひ休んでほしい」とのこと。

 宮城県気仙沼向洋高等学校の千田校長先生は,息子の千田健太選手だけでなく,ご自身がフェンシングの有名選手でいらっしゃいました。息子さんがフェンシングを始めれば「千田の息子」という目で見られることは想像に易く,そのため,息子さんが自ら「フェンシングをやる」というまで待ち,決して勧めなかったそうです。自分で決めたなら,自分で納得して責任を取るだろうと,ずっと我慢をなさっていたとのこと。息子さんがフェンシングを始めるとおっしゃったときは,思わずガッツポーズをされたとか。
 千田校長先生は,子育てには我慢が必要であると考えていらっしゃいます。
 「親は子どものすることが心配だったり,期待してすぐ口を出したくなるけれど,そこをグッと我慢する必要があります。そして,子どもが一生懸命話をしていたり,要望を伝えようとしているとき,遮ってしまいがちですが,そこも我慢して,話を最後までじっくり聞き,話をして,お互いに会話をすることが大事です。ただ,我慢は辛いことなので,苦しいときに他の方にどう助けていただけるか,その応援団をぜひ,沢山作っていただきたい。また,PTAや子供会といった機会を最大限利用して,悩みを相談したり,いろんな事を勉強するのに活用して下さい」

川島教授からのお題
「仕事と関係なく,個人であるご自身は社会全体で子育て支援をするために何ができますか?」

 伊藤館長は,「仕事上,皆を平等に支援しなければなりません。もちろん,それも大事ですが,個人としてでしたら,目の前にいるお母さん・お父さんのことだけを考えて,全力で味方になることが私にできることでしょうか。皆さんが,それぞれ目の前に居る人を全力で考えて,味方になってあげれば,世の中ちょっと良くなるのではないかな,と思います。」とのこと。

 佐藤アナウンサーも同様で,「天台宗開祖である最澄の一隅を照らすという言葉を座右の銘にしているのですが,その言葉どおり,自分たちそれぞれが責任をしっかり果たすこと,それが集合になれば社会全体が良くなると思います。」との回答です。

 千田校長先生は「川島先生のお話を聞いて,当たり前の事を当たり前にできることが大事だと感じました。私も含め,当たり前の価値眼がずれていきている部分がありますが,基本的生活習慣などを大人が当たり前にやることで,子どもたちに示すことができれば一番良いと考えます。」と答えていらっしゃいました。

 なお,川島教授の答えは「私自身は,実は引っ込み思案なのですが,地域で出会った人には,必ず目を見て挨拶をします。頑張って,自分でできることから始めています。」というものでした。

 4.シンポジウムの様子

 シンポジウム開始前の会場の様子 開催者挨拶の様子

講演の様子 パネルディスカッションの様子