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掲載日:2018年10月18日

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意見書(平成30年9月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

私学助成の充実強化に関する意見書

 本県の私立高等学校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園及び特別支援学校(以下「私立学校等」という。)は、建学の精神に基づき、特色ある教育を積極的に展開し、我が国の公教育の発展に大きな役割を果たしている。
 2030年ごろには、人工知能等を初めとする技術革新やグローバル化の一層の進展、人口構造の変化や女性・高齢者等の活躍の進展、雇用環境の変化等が予想されており、このような状況の中にあって、私立学校等が、我が国の将来を担う人材を育成するためには、迅速かつ確実に国の進める教育改革を実行していくことが重要である。教育改革を実行していくためには、これまでより多くの費用が必要となるが、教育負担における公私間格差や少子化等の影響もあり、公立の高等学校を初めとする公立学校に比べてはるかに財政的基盤の脆弱な私立学校等の経営は、一層厳しさを増している。
 我が国の公教育の将来を考えた場合、公立の学校だけでなく私立学校等が併存する教育体制が維持されてこそ、公教育が健全に発展することが可能となり、その結果、自己肯定感を高め、みずからの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現という時代の要請にも応え得るものとなる。
 そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と生徒等の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校等の経営の健全性を高めていくことが不可欠である。
 よって、国においては、私立学校等の教育の重要性を認識し、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持し、一層の充実を図るよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

学校における空調設置の促進に関する意見書

 本県では、今年の夏の最高気温が観測史上最高となる37・3度を仙台市で記録するなど、猛暑に見舞われ、児童生徒、保護者及び学校関係者等から、子どもたちの命と安全を守るために空調を設置することを求める切実な声が相次いだ。平成26年から平成30年における、本県の3月から7月までの平均気温は、21世紀初頭(平成13年から平成17年まで)の同じ時期の平均気温よりも1度以上高くなっており、気温の高い時期が長期化する傾向にある。国はことし4月、学校環境衛生基準を改正し、教室等の温度について、「17度以上、28度以下であることが望ましい」としているが、従前どおりの対策では、新しい学校環境衛生基準を満たす適切な教育環境を確保することが困難になっている。
 国は、空調を設置する自治体に対し、学校施設環境改善交付金を、補助率を3分の1として交付しているが、空調の設置、稼働、設備の維持管理などに多大な費用を要することから、自治体の財政負担は非常に厳しいものになると考えられる。
 よって、国においては、児童生徒の安全と適切な教育環境を確保するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 自治体が、支援を必要とする子どもたちの学校など緊急性の高い施設を優先して空調を設置できるよう、必要な支援を実施すること。

2 学校施設環境改善交付金等の財源確保に努め、学校における空調設置を確実に実施するために必要な措置を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

児童虐待防止対策のさらなる強化を求める意見書

 今年3月、東京都目黒区で両親から虐待を受け女児が死亡するという痛ましい事件が発生した。このような虐待事件は、近年増加しており、平成29年度に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待相談の対応件数は、速報値で13万件を超え、5年前と比べると2倍以上の増加となっている。
 こうした事態を重く受け止め、国は平成28年と平成29年に相次いで児童福祉法等を改正し、児童虐待防止対策を強化してきた。しかし、今回東京都目黒区で発生した事件は、児童相談所が関与していたにもかかわらず、両親の虐待から女児を救うことができなかった。
 虐待から子どもの命を守るためには、子どもの異変に早期に気づき、虐待の芽を摘むことが何よりも重要であり、そのためには児童相談所のみならず関係機関や民間団体等が連携し、虐待の防止に取り組むことが必要である。
 よって、国においては、子どもが虐待を受けて死亡するという痛ましい事件が二度と繰り返されないために、児童虐待防止対策のさらなる強化に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 国が策定した児童相談所強化プランを拡充し、市町村における児童虐待防止体制の強化などを踏まえたプランを新たに策定するとともに、地方交付税による措置を含めた必要な財源を速やかに確保すること。

2 児童相談所と市町村の役割分担を明確にするとともに、民間の児童養護施設やNPO法人、関係行政機関との連携を強化し、行政と民間の役割分担と協働を加速させることにより、子どもに関する問題を児童相談所が一極集中で対応している現状を改めること。

3 複数の児童相談所間または児童相談所と市町村の情報共有については、虐待を受けている児童が転居した場合でも、危機感や支援状況が確実かつ迅速に引き継げるよう、全国共通のルールを定めるとともに、全国の児童相談所等から虐待を受けている児童の情報等にアクセスできるシステムを整備すること。また、児童相談所と警察との情報共有については、必要な情報が適切かつ効果的に情報共有できるシステムを新たに構築すること。

4 児童相談所全国共通ダイヤル「189番」を児童虐待の通告に限定し、相談窓口への接続率が、「189番」の運用開始から今年8月までの各月でいずれも3割未満となっている実態を速やかに検証・分析し、その結果を踏まえ、全国共通ダイヤルの無料化の検討を含め、運用の改善に努めること。

5 保育所や学校と情報共有を図り、いじめ防止対策と同様、小中学校の校務分掌に虐待への対応を位置づけ、対応する組織を明確化するとともに、スクールソーシャルワーカーを中心とした学校における虐待に対応するための体制を整備すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
国家公安委員会委員長 あて

東日本大震災被災地の子どもを支援する事業の充実を求める意見書

 東日本大震災から7年7カ月が経過したが、震災により心に深い傷を負った被災地の児童生徒の中には、依然、精神面が不安定な児童生徒も見受けられることから、継続的な心のケアやきめ細かな教育的支援が必要となっている。
 被災地の学校においては、児童生徒の心のケアや教職員・保護者等への助言、福祉関係機関等との連絡調整等、様々な課題に対応するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを初め、心のケアが必要な被災児童生徒に対する学習支援等を行うための教職員の適正配置についても、今後も継続的な対応を行うことが必要である。今後は、不登校等の児童生徒への対応やきめ細やかな教育の充実を図ることが求められる。
 さらに、被災により就学困難となった幼児、児童及び生徒の就学支援について国は、被災児童生徒就学支援等事業を実施しており、平成31年度予算の概算要求にも盛り込んでいるが、就学困難な児童生徒が引き続き見込まれることから、事業の継続が必要である。
 よって、国においては、被災地の子どもを支援するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 被災地の児童生徒に対する学習支援等を含む心のケアを支援するため、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーを含む教職員の適正配置と財政的支援を講ずること。

2 被災児童生徒就学支援等事業を必要とする児童生徒が見込まれる場合は、継続して支援を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
復興大臣   あて

東日本大震災の被災者の心のケア対策の継続的な財政支援を求める意見書

 東日本大震災の発生から7年7カ月が経過したが、みやぎ心のケアセンター(仙台市にある基幹センター、石巻地域センター及び気仙沼地域センターで構成)では地域住民支援として、メンタルヘルスの改善を目的とした相談などが、年間延べ7千件前後寄せられており、中でも気仙沼地域センターの相談件数は年々増加している。被災者が仮設住宅から災害公営住宅へ転居したことに伴う孤立やアルコール依存症の問題、子どもの引きこもりや不登校の問題などに対する継続的な支援が求められている。また、市町職員や社会福祉協議会職員など被災者を支えてきた支援者について、ストレスを抱えてしまう人や抑うつ状態等の症状を訴える人も出てきており、支援者に対する心のケア対策の継続も重要となっている。
 みやぎ心のケアセンターでは、精神科医や精神保健福祉士、心理職、保健師、看護師等合わせて61人の職員(平成30年4月1日現在)が活動しているが、人件費については、年度ごとに予算措置する必要があるため複数年にわたる継続的な雇用が困難であり、専門職の人材の確保にも苦労している。
 よって、国においては、東日本大震災被災地の心のケア対策の継続のため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 被災者の心のケア対策が今後、必要な期間十分に実施されるよう、財源を確保すること。

2 専門職の職員の安定的な確保を図るため、専門職の職員の人件費については、予算措置を講ずること。

 右、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
復興大臣   あて

地域住民の安心・安全を確保する交番施設等のセキュリティー対策強化に関する意見書

 本年9月19日の早朝、仙台市内の交番で、警察官が刃物で襲われ、刺殺されるという大変痛ましい事件が発生した。本年6月には富山市内の交番においても警察官が刺殺されて拳銃を奪われ、その拳銃によって交番付近の小学校の警備員が射殺された事件も発生している。治安と地域住民の安心・安全のために、昼夜を分かたず様々な事件や事故等に即応する警察官が、地域住民の心のよりどころともいえる交番内で殉職する事態はあってはならない。
 今回の仙台市で発生した警察官の刺殺事件を受け、宮城県警察はプロジェクトチームを編成し、交番施設や警察官の装備等のハード面と、人員の配置や教養訓練等に関するソフト面の両面からセキュリティー対策を強化する方針であるが、平成30年9月現在、県内には237カ所の交番や駐在所などが設置されており、県の財政負担だけでは、対策を実施することは困難である。
 よって、国においては、現場の第一線で勤務する警察官が、地域住民との触れ合いや親和性を損なわず、安全な環境のもとで職務を全うできるよう、交番等施設の安全確保や警察官の装備の改善を加速させるなど、セキュリティー対策の強化に関する財政措置を講じるよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
国家公安委員会委員長 あて

主要農作物の種子の安定供給・品質確保に関する意見書

 稲・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を各都道府県に義務づける主要農作物種子法(以下、「種子法」という。)は昭和27年の制定以来、都道府県が開発した優秀な種を「奨励品種」と定め生産者に提供することで、国民への安定的な食料の供給に大きな役割を果たしてきた。
 しかしながら、種子法の廃止により、特定の事業者による種子の独占や、種子の価格の高騰、地方への財政支援の打ち切りなどが生じるおそれが指摘されていることから、都道府県による稲や麦、大豆の種子の研究開発をさらに強化し、種子の安定供給を図っていく必要がある。
 よって、国においては、種子の安定供給・品質確保を図るため、積極的に次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 種苗の生産を業とする者や種苗業者等が、種子の品質の低下を防ぐために、必要な措置を講ずること。

2 種苗法と国会の附帯決議に基づき、地方交付税等による財政措置を確実に実施すること。

3 都道府県や民間との連携強化を図り、稲や麦、大豆の種子開発・供給と、日本の農業の国際競争力を高めるとともに、種子の国外流出や特定の事業者への独占を防ぐために必要な措置を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年10月18日

宮城県議会議長 中島 源陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣 あて

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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