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意見書 平成30年2月定例会

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年3月16日更新

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所有者不明土地の利用等を求める意見書

 平成28年度の地籍調査において、不動産登記簿等の所有者台帳により、所有者が直ちに判明しない、または判明しても所有者に連絡がつかない土地(以下「所有者不明土地」という。)の割合は、約20%に上ることが明らかにされた。また、平成29年12月、一般財団法人国土計画協会の所有者不明土地問題研究会は最終報告を取りまとめ、2040年には、ほぼ北海道の面積に相当する約720万ヘクタールの所有者不明土地が発生すると想定している。
 現行制度における対応策としては、土地収用法における不明裁決制度があり、起業者が土地所有者等の氏名または住所を過失なくして知ることができない場合、調査内容を記載した書類を添付するのみで収用裁決を申請することができるが、所有者探索など裁決の手続に多大な時間と労力を要している。また、民法上の不在者財産管理制度等もあるが、地方自治体がどのような場合に申し立てできるかが不明確な上、不在者1人につき管理人1人を選任するため、不在者が多数に上る場合は手続に膨大な時間と労力がかかるなど、所有者不明土地の利用に関して、明確な反対者がいないにもかかわらず、利用するためには非常に多くの時間と費用を要しているという現状がある。特に、東日本大震災からの復旧・復興の加速の支障となる事態の改善は、緊急を要している。
 よって、国においては、次の事項について実施するよう強く要望する。
1 所有者不明土地の発生を予防する仕組みを整備するとともに、土地所有権の放棄の可否や土地の管理責任の所在など、土地所有のあり方について検討を行うこと。
2 所有者探索の円滑化のため、聞き取り調査の範囲の合理化及び所有者の特定に繋がる有益な情報源へのアクセスを可能とする制度の整備を行うこと。
3 所有者不明土地の利用を促進するため、土地の収用手続の合理化及び円滑化を図るとともに、収用制度の対象とならない所有者不明土地について、私有財産権を侵害しないよう調整を図りつつ、公共的事業への利用を可能とする仕組みを検討すること。
4 東日本大震災の復旧・復興事業における所有者不明土地については、早急に特例措置を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣      あて
法務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
復興大臣

学校における働き方改革実現のため、計画的な教職員の定数改善を求める意見書

 今日、我が国の教員の勤務実態は看過できない深刻な状況にある。とりわけ1日平均12時間近い長時間過密労働の是正は、教員の命と健康だけでなく、子どもの教育のためにも喫緊の課題となっている。
 この問題の解決には、中央教育審議会などで検討されているように教員が負担している業務内容の大幅な見直しが必要である。本県を初め各地において、創意あふれる授業と子どもの生活指導のための時間を確保しつつ、教員らの意見を反映させた形で、それ以外の業務の見直しを進めていかなければならない。
 平成28年10月及び11月に文部科学省が実施した教員勤務実態調査によると、小学校教諭は1日平均4時間25分の授業を行っているが、政府は、国会で、「教職員定数を積算する場合、1時間の授業について1時間程度は授業の準備が必要だと考えている」と答弁しているほか、新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の要請により、教員に対し、従来以上の授業準備を求めている。加えて、子どもの貧困、いじめや校内暴力、不登校の増加、外国人や発達障害等の児童生徒の増加など学校現場が抱える課題への対応は、教員の業務をさらにふやしている。
 授業は教員以外に担えない業務であることから、このままでは教員が担っている業務を勤務時間内に終わらせることは不可能であり、教員1人当たりの担当授業時数を適正な水準まで引き下げることが必要である。
 よって、国においては、学校における働き方改革実現に向け、次の事項を実現するよう強く要望する。
1 小学校の授業時数の増加に対応した専科指導や中学校の生徒指導体制の強化及び学力課題の解消等に必要な教職員定数の確保を図ること。
2 教職員の適正な勤務時間管理や業務の効率化を図り、長時間労働を是正すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あて
文部科学大臣

健やかに働くことができる労働制度「働き方改革」の実現を求める意見書

 政府は、高度プロフェッショナル制度の創設や罰則つきの残業時間の上限規制の法制化などを盛り込んだ「働き方改革」関連法案の可決、成立を目指している。
 しかし、労働時間、休日、深夜の割り増し賃金等に係る規制の適用を除外する高度プロフェッショナル制度は、8時間労働制が適用されず、時間外労働や休日労働に対する手当てが出ない。
 また、残業時間の上限規制の法制化は、現行の月45時間、年間360時間を原則としつつ、繁忙期には特例で年間720時間の残業を認めるとしている。
 「働き方改革」関連法案は、労働基準法、労働安全衛生法、じん肺法、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律、労働契約法、雇用対策法など法案ごとに丁寧に審議するべきである。労働者の長時間・過密労働を抑制し、生活時間をどう確保するかという視点が大切であり、労働時間は働く者にとって最も基本的な労働条件であることから、労働者の健康と安全を確保するための最低限のルールである労働条件に係る規制を揺るがすことは断じて許されない。
 痛ましい過労死や過労自死が相次ぎ、重大な社会問題となっている我が国においては、全ての労働者が、健康とワーク・ライフ・バランスを確保しながら、健やかに働き続けられるよう、誰もが能力を発揮できる労働制度への改革が求められる。
 よって、国においては、長時間労働を解消し、子育てや介護などさまざまな事情を抱えていても意欲的に働くことができる「働き方改革」実現のため、次の事項について誠実に対応するよう強く要望する。
1 全ての労働者を対象に勤務間インターバル制度の普及に努めること。
2 数多くの論点を内包した複数の法案について、丁寧に審議すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あて
厚生労働大臣

津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金制度を被災地の実情に合わせて改善することを求める意見書

 平成25年度に創設された津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金制度は、東日本大震災により被害を受けた津波浸水地域等を対象に、工場等の新増設を行う企業を支援し、雇用の創出を通じて地域経済の活性化を図るものである。平成28年には、申請期間及び運用期間についてそれぞれ3年間延長され、申請期間は平成30年度末まで、運用期間は平成32年度末までとされている。
 県内の沿岸被災地においては、事業所数及び従業員数が大幅に減少し、震災前の水準にはほど遠い現状であるほか、事業再開後も販路が回復しないなど事業者は多くの課題を抱えている。このような中で、同補助金は、沿岸被災地の産業復興に極めて効果的であるとともに、その果たす役割は非常に大きい。
 しかしながら、気仙沼市や石巻市などでは、応急仮設住宅の集約による産業用地の回復や土地区画整理事業による産業用地の整備を進めているものの、平成32年度末の本補助金制度の運用期間終了までに制度を活用しきれないという懸念が生じている。
 また、本県では、平成29年2月の7次公募までに194件の申請が採択されたが、そのうち102件が採択後に辞退している。辞退した事業者からは、「採択されたが補助率が低く、資金繰りや事業計画の見込みが立たなくなった」、「被災地は人手不足。補助金制度上の雇用要件の緩和が必要」などの声が寄せられている。
 よって、国においては、東日本大震災被災地の産業復興のため、次の事項を実現するよう強く要望する。
1 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の基金積み増しを行うとともに、復興の進捗状況に十分に配慮し、申請期間及び運用期間の見直しを図ること。
2 沿岸被災地の中小企業の多くが本補助金制度を活用できるよう、被災地の実情に合わせて、雇用要件の緩和を含め、審査基準の見直しなど柔軟な運用へ改善を図ること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あて
経済産業大臣

中小河川の河道掘削に係る予算の確保等を求める意見書

 近年、地方における中小河川の災害発生状況としては、平成28年8月の北海道・東北地方を襲った一連の台風及び平成29年7月の九州北部豪雨などにおいて、土砂の流出に伴う河床上昇や、橋梁部分に大量の流木等が滞留したことによって河道埋塞が発生したところである。特に、地方における中小河川の洪水発生原因の1つとされているのが、河床の上昇であると言われている。
 しかし、これまで都道府県及び市町村が管理する河川の流量確保のための河道掘削については、維持補修の範囲として、地方単独事業で行われており、遅々として進んでいないのが実情である。
 そのような中、国土交通省は、平成29年12月、中小河川の豪雨対策を強化するため、全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ、中小河川緊急治水対策プロジェクト(以下「緊急治水対策プロジェクト」という。)を取りまとめ、再度の氾濫防止対策の1つとして河道掘削等を盛り込んでいる。
 しかし、この緊急治水対策プロジェクトは、おおむね3カ年の時限的措置であり、河道掘削の対策箇所についても「重要水防区間のうち、近年、洪水により被災した履歴があり、再度の氾濫により多数の家屋や重要な施設(要配慮者利用施設・市役所・役場等)の浸水被害が想定される区間」に限られている。
 よって、国においては、緊急治水対策プロジェクトが、中小河川を管理する地方自治体にとって真に活用しやすい施策となるよう、次の事項について取り組むことを強く要望する。
1 中小河川緊急治水対策プロジェクトについては、平成29年度補正予算で約1300億円が計上されているが、次年度以降についても、地方自治体の要望を踏まえ、十分な予算を確保すること。
2 緊急治水対策プロジェクトの河道掘削の対策箇所について、今後は、地方自治体がより柔軟な対応ができるよう、対策箇所の拡大を検討すること。また、国直轄河川の河道掘削についても、周辺自治体の要望を踏まえ、必要な対策を行うこと。
3 社会資本総合整備事業のうち防災・安全交付金を活用した中小河川の河道掘削について、恒久的な制度となるよう検討を行うこと。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あて
国土交通大臣

旧優生保護法下における優生手術の被害者に対する補償及び救済等の実施による早期解決を求める意見書

 昭和23年に制定された旧優生保護法は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的としていた。
 そのため、平成8年に同法が母体保護法に改正されるまでの半世紀近くにわたり、遺伝性精神疾患や知的障害などを理由に、本人の同意のない強制不妊手術を含む優生手術が、国の通知、都道府県の行政措置のもと、数多く実施されてきた。
 旧厚生省の衛生年報等によれば、旧優生保護法に基づき全国で優生手術を受けた約2万5,000名のうち、強制不妊手術の被害者は6割を超える約1万6,500名に達し、本県においては全国で2番目に多い約1,400名であったことが判明している。
 本年1月、旧優生保護法下で遺伝性精神薄弱と診断され、中学3年生のときに優生手術を強制された本県の60代の女性が、子どもを産み育てる基本的な権利を奪われ、また、被害者救済制度をつくってこなかったとして、国に対し、国家賠償法による損害賠償の訴えを仙台地方裁判所に起こした。旧優生保護法に係る訴訟は初めてであるが、これまで国は、平成10年の国連の自由権規約委員会や、平成28年の国連の女子差別撤廃委員会からの優生手術の被害者に対する補償措置等を求める勧告に対して、何ら対応をしていない。
 しかし、かつてのハンセン病患者の救済に鑑みても、誤った優生思想によって国民が著しい人権侵害を受けたと認められる事態の解明と被害者の救済は、もはや放置できないことは明白であり、過去の反省に立って、1日も早く政治的及び行政的責任に基づく解決策を実現すべきである。
 よって、国においては、優生手術の被害者が既に高齢化し、また、全国における優生手術の実態解明が時間的経過とともにますます困難になることから、優生手術に関する被害者の実態の速やかな調査及び記録の適正な保存を行うとともに、被害者に対する補償及び救済等の実施による早期解決を強く求める。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成30年3月16日

                                               宮城県議会議長 中 島 源 陽

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   あて
厚生労働大臣