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意見書 平成27年6月定例会

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年7月8日更新

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学校教育の充実に向けた教職員定数の改善等を求める意見書

 教育は「国家百年の大計」と言われており、国の発展にとって最も力を注いで取り組むべき課題である。とりわけ、少子化が進行している我が国においては、これからの社会を支え、発展を担っていく子どもたちに対し、一人ひとりの能力を最大限に伸ばすためのきめ細かな教育を提供していくことが不可欠である。
 しかし、5月11日に開催された財政制度等審議会の財政制度分科会において、今後の少子化の進行に伴い、小中学校の教職員を平成36年度までに約4万2,000人削減できるとの試算が示されたが、学校現場では、教員の勤務時間は長く、その一方で、子どもと向き合う時間が少ない状況であることから、教職員の削減を進めることは、真に子どもたちの能力を引き出す教育の実現に逆行するものである。
 また、国は、義務教育費無償の原則にのっとり、義務教育費国庫負担金制度を創設し、教育の機会均等とその水準の維持向上及び地方財政の安定のため必要な財源を保障してきた。この制度は、経済状況を初めとする家庭環境による教育格差を生じさせないようにするものであり、これまで義務教育の水準の維持向上に大きな役割を果たしてきている。
 よって、国においては、教職員の質と数を一体的に強化し、きめ細かな指導を可能とする学校体制の実現に向けて、次の措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 少人数教育によるきめ細かな指導が全ての学級で展開できるよう、指導方法工夫改善加配を拡充すること。
  2. いじめや不登校、特別支援教育等の学校が抱える課題に組織的に取り組むことができるよう、児童生徒支援加配及び特別支援教育等に係る加配を拡充すること。
  3. 学校を取り巻く環境が複雑化・困難化し、学校に様々な教育課題への対応が求められていることから、教員に加えて多様な専門スタッフの加配を拡充すること。
  4. 各都道府県の教育委員会が、ふるさとの将来を支える人材を育てようとする志の高い教員を計画的に採用・配置することができるよう、教育環境充実のための教職員定数改善計画を早期に策定すること。
  5. 自治体の裁量権を維持しつつ、地方自治体の財政力によって教育水準に格差が生じないよう、今後とも義務教育費国庫負担金制度を堅持すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣

 

地方財政の充実・強化を求める意見書

 地方自治体は、被災地の復興、子育て支援、医療、介護などの社会保障、地域交通の維持など、果たすべき役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定など、新たな政策課題に直面している。また、これらの新たなニーズに対応するための人材確保が急務となっており、これに見合う地方財政の確立を目指す必要がある。
 現在、経済財政諮問会議においては、平成32年度のプライマリーバランスの黒字化を図るため、地方行政と社会保障を二大ターゲットとし、歳出削減に向けた議論が進められている。
 本来、必要な公共サービスを提供するため、財源面でサポートするのが財政の役割であるにもかかわらず、財政再建目標を達成するためだけに、不可欠な公共サービスが削減されれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかである。
 よって、国においては、平成28年度の国の予算、地方財政の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立及び社会保障予算の充実に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 被災地復興、地域交通対策、人口減対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。特に、今後、策定する財政再建計画において、地方一般財源総額の現行水準の維持・確保を明確にすること。
  2. 子ども・子育て支援新制度、地域医療構想の策定、地域包括ケアシステム、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保と地方財政措置を的確に行うこと。
  3. 法人実効税率の見直し、自動車取得税の廃止など各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保を初め、財政運営に支障が生じることがないよう対応を図ること。また、償却資産にかかる固定資産税やゴルフ場利用税については、市町村の財政運営に不可欠な税であるため、現行制度を堅持すること。
  4. 地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」及び「まち・ひと・しごと創生事業費」のうち、一部は恒久財源化したものもあるが、これらの財源措置は自治体の財政運営に不可欠なものとなっていることから、現行水準を確保し、臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換を図ること。
  5. 地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化を図り、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。また、平成27年度の国勢調査を踏まえ、人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税算定のあり方を検討すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)
経済産業大臣
地方創生担当大臣

 

社会福祉施設等施設整備費補助金に係る国庫補助協議案件に対する補助金の確実な交付を求める意見書

 平成27年度から平成29年度を計画期間とする第4期障害福祉計画策定に係る国の基本指針において、障害者の地域生活移行を更に推進し、そのための体制整備を行うこととされ、本県においても支援体制を充実していくこととする計画を策定したが、近年は社会福祉施設等施設整備費補助金の国庫負担分が減少し、国庫補助協議において都道府県からの要望の多くが採択されない事態となっている。
 本県内において、障害者の地域生活等を支援する基盤が不足していることから、障害者の親を中心とする関係者からサービスの充実についての要望が多数寄せられており、これに対応して施設整備補助金に対する要望も増加している。
 こういった現状から、本県では平成27年度の整備計画において、市町村との協議が調った32案件を審査し、そのうちの14件について国庫補助協議を行ったが、補助金は極めて少額となる見込みである。
 このような状況は、国の基本方針に沿った県の計画に基づく障害者の地域生活移行の推進の取組等の停滞を招きかねない。
 よって、国においては、次の事項について確実に実施するよう、強く要望する。

  1. 市町村と協議が調い、更に都道府県の審査を経て国庫補助協議した案件に対して補助金を交付すること。
  2. 平成28年度以降について、都道府県から協議した案件が補助されるよう、十分な予算を確保すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣

 

認知症への取り組みの充実・強化に関する意見書

 今日、認知症は世界規模で取り組むべき課題であり、本年開催されたWHO認知症閣僚級会議では、各国が認知症対策への政策的優先度をより高位に位置付けるべきとの考えが確認された。
 世界最速で高齢化が進むと言われている我が国では、団塊の世代が75歳以上となる平成37年には、認知症高齢者数は約700万人にも達すると推計されており、日本の認知症に対する今後の取り組みが注目されている。
 政府は今年1月、認知症対策を国家的課題として位置付け、認知症施策推進総合戦略、いわゆる「新オレンジプラン」を策定し、認知症高齢者が、住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会、「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」を目指すこととした。
 しかし、今後の認知症高齢者の増加等を考えれば、認知症への理解の一層の促進、当事者や家族の生活を支える体制の整備、予防・治療法の確立など、総合的な取り組みが必要である。
 よって、国においては次の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 認知症の方々の尊厳、意思、プライバシー等が尊重される社会の構築を目指し、学校教育などにより認知症への理解を一層促進するとともに、認知症の予防・治療法確立、ケアやサービスなど認知症に対する総合的な施策について、具体的な計画を策定することを定めた「認知症の人と家族を支えるための基本法(仮称)」を早期に制定すること。
  2. 認知症に見られる不安、抑うつ、妄想など心理行動症状の発症・悪化を防ぐため、訪問型の医療や看護サービスなどの普及促進を地域包括ケアシステムの中に適切に組み入れること。
  3. 自治体などの取り組みについて家族介護、老老介護、独居認知症高齢者など、より配慮を要する方々へのサービスの好事例(サロン設置、買物弱者への支援等)を広く周知すること。
  4. 「新オレンジプラン」については、当事者や介護者の視点を入れた点検・評価を適切に行い、その結果を施策に反映させること。また、「認知症高齢者等にやさしい地域づくり」の理念に沿うよう精神科病院の関与の強化については見直しを行うこと。
  5. 公益社団法人認知症の人と家族の会などの支援組織への一層の支援も含めて、新たな相談窓口の開設などアクセスポイントの増加を図ること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣

 

農林水産物及び食品の輸出促進に向けた施策の拡充を求める意見書

 少子高齢社会の到来により、農林水産物及び食品(以下「農林水産物等」という。)の国内市場は縮小する見込みにある一方、海外には、世界的な日本食ブームの広がりやアジア諸国等における経済発展に伴う富裕層の増加、人口増加等により、今後拡大が見込まれる有望な市場が存在する。
 農林水産物等の輸出促進は、新たな販路の開拓や所得の向上、国内価格の下落に対するリスクの軽減、国内ブランド価値の向上や経営に対する意識改革などにつながるとともに、輸出量の増加による輸出入バランスの改善や日本食文化の海外への普及だけでなく、生産量増加による食料自給率の向上も期待できるなど幅広いメリットが考えられる。
 国は、昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略」において、輸出環境を整備するとともに、海外市場で選ばれる商品へと体制を整えることにより、平成32年における農林水産物等の輸出額の目標を1兆円と定めており、近年、円高や東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)の影響などにより、落ち込みが生じていた農林水産物等の輸出額は、平成26年には過去最高の6,117億円となった。
 よって、国においては、官民一体による一層の取り組みにより、農林水産物の輸出拡大を図るため、次の事項を実現するよう強く要望する。

  1. 原発事故に伴う放射性物質の影響により、農林水産物等の輸入規制を行っている国や地域に対し、科学的根拠に基づき判断するよう多国間協議の場で要請するなど、輸入規制撤廃に向けた働きかけを行うこと。
  2. 日本貿易振興機構(JETRO)等と一体となった支援により、ブランドの確立や産地間の連携を図るとともに、諸外国の輸入規制情報の提供や関連する相談窓口の設置、諸外国から要求される証明書の国による一元的な発行など、国内輸出事業者への支援策を行うこと。
  3. 輸出先となる国や事業者から求められるHACCPやハラール等の認証取得を促進するとともに、国際的な取引にも通用する、HACCPをベースとした食品安全管理に関する規格・認証の仕組みや、GAPに関する規格・認証の仕組みの構築を推進すること。
  4. 国内外における商談会の開催や輸出に必要な情報の提供、輸出相談体制の充実、トップセールスによる支援など、日本食文化・産業の一体的な海外展開を一層推進すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣

 

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉に関する意見書

 東日本大震災から4年3カ月が経過し、本県においては、農業を初めとする第一次産業の復旧・復興に向け、農林水産業者及び行政関係者などによる懸命な取り組みが続いているが、大津波などによる甚大な被害、さらには東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染と風評被害がいまだ解決されておらず、復旧・復興には相当の時間を要する状況にある。
 このような状況の中、環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉について、各参加国は厳密な秘密保持契約に同意していることから、その内容は明らかにされていないが、我が国の国益が損なわれるような交渉結果となった場合、国民生活に大きな影響を与えるだけでなく、米や畜産、水産を主軸とする本県の農林水産業の復興に甚大な影響が及ぶことになる。
 安倍首相、甘利特命担当大臣は、米国上院本会議が6月24日、TPPの合意に不可欠な「大統領貿易促進権限(TPA)法案」を賛成多数で可決したことに関し、「大きな前進」と発言しているが、国は、平成25年4月の衆参両院の農林水産委員会における「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に関する決議」に基づく交渉姿勢を堅持し、断固として貫く必要がある。
 よって、国においては、TPP交渉に当たっては、衆参両院の農林水産委員会の決議を遵守し、我が国の国益を守り抜くよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年7月3日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

 

東日本大震災に関する特例的な財政支援の継続を求める意見書

 東日本大震災により被災した自治体の多くがいまだその復興途上にあり、本県議会は、平成27年3月18日に「東日本大震災の集中復興期間の延長と特例的な財政支援の継続を求める意見書」を議決するなど、国に対し、集中復興期間の延長と特例的な財政支援を繰り返し強く求めてきた。
 しかし、国は、平成27年5月12日、集中復興期間後の復興事業について被災自治体に事業費の一部負担を求める方針を示し、さらに6月3日に、その負担を導入する対象事業及び水準を明らかにした。被災自治体の財源負担は、これまで各被災自治体が求めてきた全額国費負担とは異なり、国の支援の枠組みを大きく後退させるもので極めて遺憾である。
 このように被災自治体に財源負担が生じることは、ようやく本格化し始めた復興への歩みを著しく減速させるだけでなく、多数の犠牲者が発生した津波対策として、住民の命を守るため建設される防潮堤事業や避難道路などにも被災自治体の負担が生じるなど、より被害が甚大で、復興に長い期間を要する被災自治体ほど、その影響は非常に大きなものとなる。
 よって、国においては、次の事項について実現するよう強く要望する。

  1. 現在検討している復興事業に関する財源について、全額国費負担を原則とし、復興事業が滞りなく、円滑に進められるよう、平成28年度以降においても、特例的な財政支援を継続すること。
  2. 例外的に、自治体負担を導入する対象事業については、その自治体の財政状況に十分配慮するとともに、事業の内容を精査し、自治体との協議により、合意した上で決定すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成27年6月15日

宮城県議会議長 安藤 俊威

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
復興大臣