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意見書 平成20年11月定例会

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

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雇用・能力開発機構のあり方についての意見書

 平成19年12月に「独立行政法人整理合理化計画」が閣議決定され、独立行政法人雇用・能力開発機構(以下「機構」という。)は、職業能力開発施設の設置、運営業務について評価を行い、法人の存廃について一年をめどに検討を行うこととされている。
 機構が運営する施設として、本県には東北職業能力開発大学校及び宮城職業能力開発促進センターが設置されている。東北職業能力開発大学校は、実践的な教育訓練システムのもとで知識と技能能力を併せ持つ実践技術者や生産現場でのリーダーとなる人材を輩出することにより、本県及び東北地域のものづくり産業の活性化に大きく寄与している。また、宮城職業能力開発促進センターは、雇用のセーフティーネットである離転職者の早期就職を図るための職業訓練や、民間では実施していない在職者向けの職業訓練を実施し、再就職促進や高度人材の育成など、地域に大きく貢献している。
 本県においては、県内の産業構造を第三次産業から、ものづくりの第二次産業を中心とした構造への転換を目指しており、その成果として、自動車関連企業等の進出が相次ぎ、「ものづくり人材」の育成が急務となっている。高度な技能及び技術を有した人材を輩出できるこれらの施設が本県に存在していることの意義は、今後ますます大きくなるものと考えられる。
 よって、国においては、機構の今後のあり方の検討に当たり、地方における人材の確保、人材育成の必要性を考慮し、次の事項について十分に配慮するよう強く要望する。

  1. 職業訓練や能力開発における国の責任及び役割を維持し、現在の厳しい経済・雇用情勢のもと、非正規労働者や中小零細企業で働く労働者など、職業訓練の機会に恵まれない者に対する施策を充実すること。
  2. 機構のあり方については、地方における人材の確保、人材育成の必要性を考慮し、国と地方の役割分担、財源移譲も含めた制度設計などについて十分な検討を行うこと。
  3. 機構の職業訓練関係業務の民間及び地方への移管は、職業訓練・能力開発機能の水準低下や都道府県の財政力の違いによる訓練格差が生じることが懸念されるため、東北各地から生徒を受け入れている東北職業能力開発大学校については、今後も国の責任で運営すること。
  4. 地域の求職者や在職者の職業訓練を担っている職業能力開発センターが実施する職業能力開発機能が地方自治体に移管される場合は、あわせて十分な財源の移管を行うこと。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
行政改革担当大臣

 

食料供給体制の強化に向けた、優良農地の確保と有効利用の促進を求める意見書

  農地は国民の共有財産であり、食料自給率の向上や食料の安定供給、農業者の経営基盤として大きな役割を果たしている。農林水産省は、平成19年に農地政策の見直しの基本的方向として「農地政策の展開方向について」を取りまとめ、農地制度の抜本的な改革を検討しているところであるが、これに挙げられた改革のうち、所有から利用への転換による農地の有効利用の促進については慎重な対応が求められる。
 農地の利用に関する規制を緩和することにより、農業生産法人以外の法人による農業参入が広がれば、耕作放棄や農業以外の利用も懸念され、不法投棄や不耕作による土壌の劣化など環境破壊が進むおそれがある。また、食料安全保障や食料生産の強化が重要な課題となっている中で、農業生産法人以外の法人による農業参入が、食料生産の基盤である農地の所有権に及ばないよう万全の制度的措置を講ずる必要がある。
よって、国においては、農地政策の見直しに当たり、次の事項に配慮するよう強く要望する。

  1. 農業生産法人による農業参入要件については厳しく監視し、これを維持すること。また、耕作放棄地解消のため、農地の集落利用、農地情報管理システムを確立すること。
  2. 農地転用許可制度や農業振興地域制度を厳格化し、転用許可については国による関与を高め、是正指導や罰則強化などの措置を講ずること。
  3. 農地の所有者や利用者の責務、国や地方公共団体の役割、機能を明確に規定するとともに、耕作放棄地の解消、不作付地の有効利用に関する総合的かつ具体的な支援策を講ずること。
  4. 食料自給率の向上及び農地の総量確保を図るため、優良農地の確保、NPOや市民による農業参入や農地保全管理への支援及び予算措置を拡充すること。
  5. 農地に係る相続税納税猶予制度等関連税制については、農地の有効利用の促進及び担い手の農業経営の円滑な継承を推進する観点に立って見直すこと。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣

 

WTO農業交渉及び日豪EPA交渉に関する意見書

 WTO農業交渉(ドーハ・ラウンド)は、市場原理による食のグローバル化を目指し、鉱工業製品と同様に農産物の保護削減の基準を定め自由貿易を進めるものであり、本年七月の交渉では、米国とインド・中国の対立により交渉が決裂したが、金融サミットでは自由貿易体制の重要性が強調され、ドーハ・ラウンドの年内大枠合意に努力する決意が示されるなど、農産物の関税削減に対する国民や農業者の不安が高まっている。
 また、日豪EPA(経済連携協定)交渉は、豪州の主な輸出農産物が日本の重要品目である牛肉、小麦、砂糖、及び乳製品と競合しており、仮にこれらの関税が撤廃されれば、豪州から大量に農産物が輸入され、重要品目の農業生産額は減少し、国内農業に甚大な影響を与え、地域の経済・社会の崩壊につながりかねない。
よって、国においては、各国の多様な農業の共存と食料自給率向上が可能な貿易ルールの確立を図るため、次の事項に取り組むよう強く要望する。

  1. WTO農業交渉に当たっては、関税の大幅な削減から除外できるコメなどの重要品目の十分な数を断固確保するとともに、食料輸出国による関税の上限設定を阻止し、低関税輸入枠の拡大は認めないこと。 また、食料自給率の向上や農業の担い手育成のため国内支持の柔軟な取り扱いを確保するとともに、汚染米の原因となったミニマム・アクセス米は「義務的輸入」とする政府統一見解とWTO農業協定との関係について検証し、ミニマム・アクセス米の取り扱いを抜本的に見直すとともに、食料輸入国の対抗手段である特別セーフガード(緊急輸入制限措置)を維持・拡大すること。 さらに、行き過ぎた貿易市場主義が輸入国や途上国の食料安全保障や一次産業を衰退させ、貧困化を招き、環境負荷を高めていることなどを考慮し、食料増産や各国の農業基盤の強化、環境保全、食の安全など農業の価値を高める公正かつ新たな貿易ルールの確立を求めること。
  2. 日豪EPA交渉に当たっては、国民の基礎的食料である牛肉、小麦、砂糖及び乳製品などの重要品目は関税撤廃の除外扱いとすること。重要品目の柔軟な取り扱いについて十分な配慮が得られるよう、断固たる態度で臨むこと。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣

 

障害者福祉基盤としての障害者自立支援法の見直しを求める意見書

  障害者に対する施策は、平成18年4月に支援費制度から障害者自立支援法へと変わり、身体・知的・精神の3障害の福祉施策の一元化が図られるなど、一定の前進が見られた。
 一方、法の施行により新たに導入された障害福祉サービスの利用に係る原則一割の「定率負担」に対しては、障害者本人とその家族、支援者らの大きな懸念を招き、報酬の日割り計算化は事業者の減収を招いており、これまでに二度の特別対策が実施されている。
 また、発達障害を初めとする障害者の範囲や障害程度区分認定の見直しの声が寄せられるとともに、これまでの取り組みにより拡充されてきた自立生活の状況の低下が懸念されている。
 そのため、法の施行後3年をめどに行われる障害者自立支援法の見直しに当たっては、重度障害者の負担・低所得者に対するより一層の配慮と、障害者の就労支援施策のさらなる充実、事業者の経営基盤の強化、障害者の範囲や障害程度区分認定の見直し、地域生活支援事業などに対する適切な財政措置等に十分留意する必要がある。
よって、国においては、障害者等の声に真摯に耳を傾け、障害者の地域生活の実情を踏まえ、障害者自立支援法について実態を踏まえた見直しを行うことを強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣

 

地方にとって必要な道路整備と財源の確保を求める意見書

 道路は、県民生活や経済・社会活動を支える最も根幹的な社会資本であり、地域の自立や活性化を図る上で必要不可欠なものである。
 しかしながら、まだネットワーク化されていない高速道路や未整備の生活幹線道路も多く、渋滞対策、橋りょうの長寿命化など多くの課題を抱えている。
 本県においても道路整備は十分とは言えず、県民からは幹線道路網の整備、歩道設置等の身近な道路整備やその維持管理など多くの要望が寄せられており、今後とも、豊かな県民生活の基盤を確立し、次世代に引き継ぐことのできる県土を形成するために、県民共通の資産である道路を計画的かつ着実に整備することが重要である。
 今般、国においては、国民生活と日本経済を守るための新たな経済対策を発表したところであるが、その中には、道路特定財源の一般財源化に伴う地方財源の充実のための地方公共団体への支援策も盛り込まれている。
 よって、国においては、安全で安心できる暮らしの実現、地域格差の解消及び地域の自立・活性化の観点から、国が整備する主要幹線道路並びに県道及び市町村道によるバランスのとれた道路ネットワークの整備を計画的かつ着実に推進するために必要な道路予算を確保するとともに、地方の財源の確保・拡充が図られるよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

 

協同労働の協同組合法(仮称)の速やかな制定を求める意見書

 我が国の少子高齢化が急速に進む中で、年金、医療及び福祉などの社会制度、とりわけ労働環境が大きく変化し、働くことに困難を抱える人々の増大が社会問題となっている。ワーキングプア、ネットカフェ難民、偽装請負など、新たな貧困と労働の商品化が広がり、障害を抱える人々や社会とのつながりがつくれない若者など、働きたくても働けない人々の増大は、日本全体を覆う共通した地域課題となっている。
 こうした課題を解決するために、市民自身が協同で地域に必要な仕事を自ら起こし、社会に貢献する喜びや尊厳を大切にして働き、人と人とのつながりとコミュニティーの再生を目指す新しい働き方である協同労働が注目されているが、現在この協同労働の団体には法的根拠がないため、社会の理解が不十分であり、団体として入札や契約ができない、社会保障の負担が働く個人にかかるなどの問題を抱えている。
欧米では、既に法制度が整備され、失業や社会的排除、貧困に苦しむ市民や仕事を求めている人々にとって、仕事起こしや地域の再生を図る有効な制度となっている。
 だれもが希望と誇りを持ち、仕事を通じて安心と豊かさを実感できるコミュニティーをつくり、人や社会とのつながりを感じることができる協同労働は、市民主体のまちづくりを創造するものであり、働くことに困難を抱える人々自身が、社会連帯の中で仕事を起こし、社会に参加する道を開くものである。
よって、国においては、協同労働が新たな労働のあり方や就労の創出、地域の再生に資するものであり、少子高齢化に対応する有効な制度であることを踏まえ、協同労働の団体に法人格を付与し、その振興を図る「協同労働の協同組合法」を速やかに制定するよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年12月15日

宮城県議会議長 高橋 長偉

衆議院議長 あて
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣