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宮城県知事記者会見(平成27年3月9日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年3月10日更新

知事定例記者会見

東日本大震災後4年を迎えるに当たって

 あさって11日に震災後4年を迎えるに当たって、知事の今の率直な気持ちを伺う。

村井知事

 4年という歳月は非常に長いようで短かったと思います。全世界から、また全国からご支援をいただきながら、懸命に復旧・復興に取り組んでまいりました。成果がはっきりと見えているものもあれば、いまだ十分でない部分もございます。(震災)復興(計画)は10年でございますけれども、やはり被災者目線で考えますと10年という時間は大変長いものだと思います。一日でも早く県民の皆さま、特に被災者の皆さまが安心した生活を送れるようにしてまいらなければならないと、あらためて意を強くしているところでございます。

 震災後5年目に向けての一番の課題をどのように考えているか。

村井知事

 やはり何といいましても、平成29年度までかかると言われております災害公営住宅の整備が最大の課題だと思います。そのためには土地の造成が必要でございます。防災集団移転促進事業については、全ての事業に着手いたしました。しかし、土地区画整理事業については、いまだ着手していないものがございます。土地ができなければ建物はできません。27年度、28年度とどんどん災害公営住宅が建ってまいりますけれども、最後、残りの1割程度は土地が造成できなければ間に合わないということで、29年度までかかってしまうということになってございます。土地ができなければ29年度を超えてしまう可能性もあるわけでありますので、やはり一刻も早く土地の造成が完了するように、そして人手が無い中、資材が無い中でありますけれども、建物を早く建てていきたいと思っています。
 併せて二つ目ですが、建物ができたといたしましても、そこに働く場所がなければ残念ながら住み続けることはできません。働きたいと思っておられる方がしっかりと働ける場所が見つかるような、そういうお手伝いもしていかなければならないと思っています。
 大きく分けて二つ、住まいと雇用です。

 来年度(平成27年度)で期限を迎える集中復興期間について、政府は国が全額負担する現在の枠組みの延長については否定的な考えを示した。あらためて知事の復興財源についての考え方と、今後どのように国に要望活動を行っていくのかを伺う。

村井知事

 宮城県は、県と市町村の事業を合わせまして、28年度以降の5年で2兆5千億円必要だと見ております。この財源は今ある事業をそのまましっかりと完了させるために必要なものでありまして、目新しいものを積み上げたものでは決してないということでございますから、この財源は何としても確保していただかなければならないと思います。
 昨日(8日)、実はテレビ出演いたしました折に、(竹下亘 復興)大臣と一緒でございましたからその場でこの話をいたしましたところ、大臣からは「基幹事業については100%国で面倒を見たい。それ以外については、よく話をしながら詰めていきたい」という話でございました。その基幹事業というのが、復興交付金は1階部分が基幹事業で、その上に効果促進事業というのが乗っているのですが、その1階部分の基幹事業という意味でおっしゃったのか、基本的にやらなければならないと思っている全ての事業を総じて基幹とおっしゃったのかということは分かりません。それをさらに追求して聞きたいと思ったのですが、残念ながら時間切れで聞くことができませんでした。その後、福島県の(内堀雅雄)知事さんが出番でしたので、そこで帰ってまいりました。従って、何らかの考えをお持ちだということは分かりました。しかし、全て地元負担ということではないということも分かったわけであります。
 そこで今後は来月(4月)になろうかと思いますけれども、3県の知事で共同で政府要望をしてまいりたいと思っていますし、県内の被災した市や町の首長さん方と一緒に要望活動をするということも検討しております。また、県議会の皆さまとも歩調を合わせるということも重要だと思います。これは3県全て共通する課題でございますので、できるだけ情報共有をしながら3県足並みをそろえて行動を共にしてまいりたいと思っております。
 具体的なやり方、日程等についてはこれからということであります。

 要望活動というのは、あくまでも集中復興期間の延長を求めるという要望なのか、それともその中身についてまた新しい要望をするという意味か。

村井知事

 それも含めてこれから検討します。現時点においては、かなり情報が錯綜(さくそう)していまして、漠とした情報しかありません。従って、もう少し復興庁の考え方というのをよく精査をして調べた上で、要望する内容というものを詰めていきたいと思います。各県それぞれ考え方があろうかと思いますので、その擦り合わせも必要だと思います。

 基本的には、その財源を確保してくださいというスタンスは変わらないのか。

村井知事

 当然そうですね。財源と、特例的な財政制度ですよね。今は結果的にはほとんど地元負担ゼロでいろいろな事業をやっておりますので、いくらたくさん財源を確保しても、そこに地元負担が出てくるとわれわれの負担が非常に重くなってしまいます。宮城県も大変なのですけれども、特に市や町の小さな自治体ほど大きな影響が出てまいりますので、その辺をよく調べてみないと分からないということであります。額の大きさだけではなくて、特例的な制度を維持するということも重要だと思います。

 土地の造成がこれから重要になってくるということだが、今、土地の造成の中で一番問題になっているのはどこだと考えるか。

村井知事

 やはり権利関係ですね。土地区画整理事業ですから、今まで住んでいたところに基本的には土を盛って減歩をしながら、道路を造って、公園を造ってという形になってまいります。そこでいろいろな方がそれぞれ自分の今まで住んでいた土地に対する思い入れというものがございますから、そこの協議というものがスムーズにいかないということですね。

 それに関して、法改正や制度改正は必要であるとお考えか。

村井知事

 もう既に相当柔軟に対応できるようにしてくれています。従って、相当前には進んでいるのです。もう少しというところに今来ておりまして、ここであらためて法改正等は必要ないと思います。ただ、粘り強くやっていかなければならないのと、やはりそこには一人一人個別に当たっていかなければいけませんから、人手が必要になってまいります。そういった支援の継続というものをお願いしていかなければならないと思います。

 支援というのは自治体の職員のことか。

村井知事

 そういうことです。

 やはり足りないということか。

村井知事

 足りないですね。全く足りないです。

 知事の言う「特例的な財政制度」というのは、復興特別交付税のことか。それともそれ以外も含めているのか。

村井知事

 復興交付金も含めてですね。

 基幹事業は国が全額負担するという話があったが、その幅が分からないということで、県としてはどれぐらいの基幹事業がどの幅で必要だと考えているか。

村井知事

 もう今やっている事業は全て対象だと思っています。それぞれの市や町が復興計画を立ててもう進めておりますので、県も含めて描いた絵は全て実現をしなければ、復興を成し遂げたということにはなりません。これから新たに何か絵を描き出そうというものについては、それぞれ個別に調整をされてもいいかと思いますけれども、もう既に絵を描いてスタートしているものは、この制度を前提として出来上がっておりますので、このスキームを崩すということになりますと、もう一度復興計画の見直しということにもなりかねません。そこで足踏みをしてしまいますから、私が言いたいことは、復興計画に書いているものについて既に動いているものについては全て、その対象にしていただきたいということであります。

 ということは、ハード面もソフト面も両方ということか。

村井知事

 そうですね。被災者の皆さまのいろいろなソフト面のケアがございますよね。こういったようなものもこの財源を充てておりますので、しっかりと対応していただきたいと思います。
 昨日番組の中で、大臣が阪神・淡路(大震災)の例もお話しになりました。われわれ被災地が自立をしなければならないということをお話しになりましたけれども、十分それは分かっておりまして、被災者の皆さんが自立するようなお手伝いをしている、自立するために必要な財源だということであります。この財源を確保することが自立を遅らせることには決してつながらない。役所の人たちの言い分に、大臣がやや耳を傾けておられ過ぎるのではないかなという印象を受けました。
 財務官僚のほうではなくて、被災地のほうを向いていただきたいですね。

国連防災世界会議について

 今週末(14日)から、いよいよ国連防災世界会議が開催される。宮城県も、防災産業展やシンポジウム、スタディツアーの開催で参加するが、あらためて世界に何を訴えていきたいのか、知事の意気込みを伺う。

村井知事

 訴えていきたいことは四つです。
 一つ目、東日本大震災に際しまして、全世界から(支援を)受けましたことについて、われわれがいかに感謝しているのかということを発信したいと思います。
 二つ目、われわれが現在取り組んでおります復興の姿を実際に見ていただきたいと思います。
 三つ目は、震災の風化防止、それから原発事故による風評の払拭。宮城県は安全なところだと、東北は安全なところだと、福島も安全なところだということをじかに体感していただきたい。そこに住んでいる人たちは、何も心配なく安心して生活しているのだということを見ていただきたいと思います。
 四つ目は、宮城県、東北は非常にいいところだということで、また来ていただきたい。観光ですね。誘客の促進を図りたいと思います。
 この四つが私の訴えたいこと、狙っていることであります。

 誘客の促進を図りたいという部分は、具体的にどういう方向でというのはあるか。

村井知事

 (本体会議者向けの)エクスカーション(魅力発信型ツアー)またスタディツアー(被災地公式視察)をやります。会議でずっと議論だけしているのではなくて、そういう場でいろいろなところを巡っていただいて、風光明媚(めいび)なところ、またおいしいものを食べていただくというような経験をしていただくことによって、非常にいいところだなということを実際味わっていただき、ぜひ次回はご家族でお越しくださいということをお伝えできればなと思います。

 日本全体ではインバウンド(訪日外国人)は伸びているが、東北は一人負け感が強い。これを起爆剤にというのは分かるが、そもそもインバウンドを増やすために、東北全体でどういうところが今足りなくて、今後どういうところが必要だと考えるか。

村井知事

 われわれが一番問題にしておりますのは、やはり風評ですよね。「原発事故があった。危険ではないか」と思われていると思いますね。いろいろな海外の方、メディアの方にもお話を聞きますと、やはりそういったようなものが流布されたままになっておりまして、危険であったということは伝わったのですけれども、安全であるという情報が全然伝わっていない。いまだに危険であるという情報を発信し続けているわけではないのです。それは全然発信されていないのですけれども、一旦発信されたものが、そうでないという情報が流れていないものであり、そこで止まってしまった。ですから、一度はああいう状況になりましたけれども、今はもう非常に安定していて安全であって、食べる物も何も問題ないのだということを伝えていくということが重要だと思っています。
 国連の(潘基文(パン・ギムン))事務総長もお越しですしね、(安倍晋三)総理もお越しですし、(天皇皇后)両陛下もお越しになりますし、大変すごいイベントになるのではないでしょうか。

LCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションの仙台空港拠点化発表について

 LCCのピーチが仙台空港を拠点化ということで、2017年夏までに国際線などの就航を狙った拠点化を発表したが、どう受け止めるか。

村井知事

 私は、本当の話、土曜日(7日)に新聞を見て初めて知りまして、慌てて確認をいたしました。教えていただきまして、どうもありがとうございました。
 早速確認いたしましたら、土木部にまでその情報は伝わっていたようでありますが、仙台空港を拠点化することを実際お考えであるようであります。(仙台空港の)民営化をする最大の目的は、何度も言っていますが、利用者を増やして、できましたら(年)600万人ということを目標にしております。その要になりますのがやはりLCCでございます。民営化の前、事業者が決まる前に、ピーチが拠点化をするということを表明してくれたということは、非常に大きいと思います。民営化に弾みがつくのではないでしょうか。
 拠点化ということは、今のところ1機だそうで、必ず1機を夜間駐機するということですね。1機は仙台空港に駐機をしているということでございますので、これが2機、3機と将来的に増えていきましたならば、いろいろな活用方法が出てくるそうです。できれば2機、3機と増やしていけるように、われわれも運営権者任せではなくて、空港の整備も含めてお手伝いをしていきたいと思います。ピーチの井上(慎一)社長とはいつも、卵が先か鶏が先かの話をするのですが、われわれはやはり貴重な税金を目的なく使うわけにいきませんので、飛行機が来てくれるということが分かってくれば、それに応じてどんどんいろいろな支援、運用時間の延長も含めて支援というものを考えていけます。やはり使う利用者、航空会社さんあっての仙台空港でありますから、利用者さんのニーズを聞きながら、そのニーズに合わせるように運営権者さんと一緒になって最大限のお手伝いをしていきたいと思います。
 そういった意味では、ピーチさんのご英断に心から感謝申し上げたいと思います。

 運営時間の延長に関して、24時間化について前向きなのかどうか、今の認識はいかがか。

村井知事

 まだ白紙です。あくまでもやはり使う航空会社さんがどういう運用をしたいのか、飛行機をどういう運用をしたいのかということを聞かないと、意味がないと思います。従って、そこからスタートですね。一気に24時間化というわけにはいかないと思いますので、やはり運用時間をどのような形で少しずつ延長していくのかということを考えていきます。当然これは宮城県だけの問題ではなくて、国土交通省航空局との調整も必要になってまいりますので、県が間に入ってできるだけ柔軟な対応ができるように汗を流していきたいと思います。
 やはり一番ネックになるのは、住民の皆さまのご理解を得られるかどうかということ。それから、運用時間の延長になりますと、人件費が当然かかってまいりますので、そういったものの負担を誰がするのかという問題が出てまいりますので、その辺をよく加味し、検討しながら前向きに事業を進めるようにしていきたいと思います。

 一昨年のシンポジウムでは、井上社長に直接、空港を拠点化してくれるなら24時間化をしますと明言されているが、そのお気持ちはまだ変わらないか。

村井知事

 つまりピーチに限らずLCC側がこういう運用をしたい、例えば、今は国内線だけですけれども、海外からこういった形で持ってくるためには、運用時間の延長が必要なのだと、24時間化が必要なのだということがしっかりと理論立てていれば、そこに汗をかくことはやぶさかではないということですね。最初から24時間ありきではないということです。飛行機が来なければ、人件費が無駄になってしまいますからね。