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宮城県知事臨時記者会見(平成23年2月7日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

【発表項目】平成23年度宮城県当初予算(案)について

村井知事

 2月14日に招集する県議会に提案をいたします、平成23年度当初予算案について、その概要をご説明申し上げます。

 私にとって6度目の当初予算編成となりました。経済基盤を充実させ、富の循環により、豊かさと幸せを実感できる郷土の実現を目指す「富県宮城」の取り組みは、自動車や高度電子機械産業などの着実な集積という大きな成果が出てきております。本年4月からは、みやぎ環境税がスタートいたしますが、厳しい経済状況のもと、県民の皆さんにご負担をいただくという重みをしっかりと受け止め、実効性のある施策を展開できるよう、私が先頭に立ち、県庁一丸となって取り組んでまいります。

 それでは、記者発表資料に基づき当初予算案の概要についてご説明します。

 国内経済は、一部持ち直しの兆しが見られたものの、足踏み状態が続いております。本県においても、企業生産は引き続き横ばいで、有効求人倍率は回復の兆しはありますが全国平均を下回るなど、雇用経済環境は依然として厳しい状況が続いております。

 歳入面では、法人関係税の持ち直しなどにより、県税は前年度に比べて増収と見込んではいるものの、リーマンショック以前の水準には回復しておりません。また、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は、税収増に伴って減少する見込みですが、臨時財政対策債の発行は依然として高水準のままであり、後年度の財政負担が懸念されております。

 一方、歳出面では、県民生活に必須の行政サービスを安定的に供給しつつ自律的な県政運営を継続するために、短期的な経済変動に左右されない財政構造の確立が急務であると考えております。このため、予算編成前に策定した「政策財政運営の基本方針」に基づき、主要政策や政策課題に重点的に予算配分を行うとともに、財政再生団体への転落回避を達成しつつ将来負担の軽減にも努めるなど、持続可能な財政運営を念頭に編成をしております。

 具体的には、歳入では、将来負担の軽減のため、これまでやむを得ず発行してきた退職手当債の計上を取りやめ、財政調整基金の取り崩しで財源を確保いたしました。ちなみに、今年度は85億円ほど計上しておりました。

 歳出では、社会保障関係費が増大する中、「政策財政運営の基本方針」に基づく四つの主要政策と、その政策課題に対応した取り組みに重点的に予算措置を行いました。

 また、公共事業につきましては、国の2年連続の縮減により国直轄事業や補助公共事業が大きく減少いたしましたが、国からの交付金で造成した各種基金を活用した介護基盤や医療施設等の整備とともに、地方単独事業を可能な限り計上して投資的経費の落ち込みを最大限抑制しております。

 次に、平成23年度の主な事業についてご説明いたします。
 (配付資料の)2ページをご覧ください。ここでは、先ほどご説明いたしました、「政策財政運営の基本方針」に基づく4つの主要政策と宮城の将来ビジョンの推進に資する主な施策を掲載しておりますので、これに沿って説明いたします。

 まず、1の「県民生活を支える雇用の創出」のため、特に力を入れる施策についてご説明いたします。始めに、(1)多様な雇用対策についてですが、自動車関連産業特別支援費は、セントラル自動車やトヨタ紡織東北などの操業開始を受け、県内企業に対し誘致企業とのマッチングや技術力の向上を支援していくものであります。企業立地促進奨励費は、県内に工場を新増設した企業への奨励金です。この奨励金は操業開始の翌年から交付いたしますので、昨年操業を始めた16社への交付となります。

 次に、新規高卒者の就職支援では、就職指導システム改善モデル事業費を計上し、県立高校10校に就職支援推進員を配置して新たな就職指導システムを開発するとともに、新規高卒者就職総合支援費を計上し、県内外企業の求人開拓や企業情報の収集・提供などを行ってまいります。学卒未就職者支援費は、3年以内の既卒者も含めた新規卒業者に短期的な雇用の場を用意し、職場での実務を経験しながらスキルを高めるとともに、その後の定着を図ろうとするものです。介護分野緊急雇用創出費は、介護現場での短期的な雇用の場を用意し、介護人材の不足解消とともにその後の定着を図ろうとするものです。

 次に、(2)農林水産業の競争力強化についてですが、3ページをご覧ください。
 宮城米広報宣伝費は、宮城米のテレビCMや出版物等を使っての宣伝強化や首都圏等の大消費地へのセールスを行うもので、私も積極的にセールスに行くつもりです。みやぎの茂洋(しげひろ)普及拡大推進費は、本県の基幹種雄牛「茂洋号」の産子を活用して畜産農家の経営強化を支援するものであります。アグリビジネス新展開支援費は、アグリビジネス経営への支援でありますが、経営基盤強化のための施設整備への補助に園芸枠を追加するものであります。養殖振興プラン推進費は、高品質なカキを提供するための出荷技術の確立や、ホヤ被のう軟化症、いわゆるフニャフニャ病への対策により、健全なホヤ種苗の安定供給を図るものであります。

 次に、(3)観光による交流人口の拡大についてでありますが、外国人観光客誘致促進費は、東アジアを対象にしたプロモーションや旅行商品造成の支援を行い、外国人観光客の誘客を促進するものであります。外国人観光客誘客モデル事業費は、福島県と連携して海外の教育関係者や旅行エージェントの教育旅行担当者を招請するモニターツアーを実施するものであります。外国人観光客受入体制整備促進費は、通訳ガイドの育成や銀聯(ぎんれん)カードの利用可能店舗の拡大のための支援により、県内での外国人観光客の受け入れ体制を整備するものであります。4ページをご覧ください。観光プロモーションツール拡充事業費は、緊急雇用基金を活用し、観光写真や映像のデジタル化、PR用DVDの作成、パンフレットの拡充など国内外への観光情報発信機能を強化するものであります。

 次に、2の次世代の育成のため、特に力を入れる施策についてご説明いたします。始めに、(1)子育て支援についてでありますが、少子高齢化が進展する中、安心と希望を持って子育てができる地域社会を実現するため、子どもと家庭を支援する施策に重点的に配分しております。子育て支援県民運動推進費は、安心子ども基金を活用し、みやぎっこ応援隊を中心として子育て支援を進める県民運動を行っていこうとするものです。この県民運動のさまざまな場面で、先月名前が決定いたしましたシンボルキャラクターの「すくすくエールズ」が活躍する予定となっております。また、待機児童解消推進費は、保育所入所待機児童の解消が急務であることから、待機児童ゼロを実現するため保育所の新増設を集中的に進めることとしております。これにより1,365人の定員増を見込んでおります。

 次に、(2)学力の向上についてであります。「学ぶ土台づくり」普及啓発費は、就学前の児童が健全な生活態度や学ぶ姿勢を確実に身につけることができるよう、幼稚園や保育所と連携し環境整備に取り組むものであります。幼・保・小連携推進費は、モデル地域において、子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼稚園、保育所、小学校の連携や交流を促進するものです。発達障害早期支援費は、モデル地域での発達障害のある児童の早期発見と関係機関の情報共有により、保護者への支援体制を構築するものであります。

 次に、5ページをご覧ください。
 3の「安心できる生活環境の確保」のため、特に力を入れる施策についてご説明いたします。始めに、(1)地域医療の充実についてですが、さまざまな地域医療の課題解決に向け、地域医療再生基金などを活用し、医師や看護師など医療従事者の確保、周産期医療の充実や救急医療体制の強化などに取り組むこととしております。医療従事者の確保策として、明日(8日)設立をされます「宮城県医師育成機構」の運営費を計上し、東北大学医学部や県医師会などと一体となって医師の育成と県内定着に取り組むとともに、看護師確保総合対策費を計上し、看護職員養成に対する助成により看護職員の確保に取り組んでまいります。明日(8日)、「宮城県医師育成機構」の開所式がありますので、皆さんぜひ来てください。また、救急医療体制の強化策として、受入困難事案患者受入医療機関支援費を計上し、救急搬送時に受け入れ先選定が困難な事案を受け入れた医療機関の支援に取り組むともとに、救急患者退院コーディネーター費を計上し、退院調整を行うコーディネーターを配置した救急医療機関の支援に取り組んでまいります。

 次に、(2)犯罪のない安全・安心なまちづくりについてであります。安全安心まちづくり対策費は、県民へのさまざまな情報提供や防犯ボランティア団体の活動支援等により、安全・安心なまちづくりを県民運動として推進してまいります。DV(ドメスティック・バイオレンス)対策として、ストーカー・DV相談体制整備費を計上し、専門アドバイザーを配置して相談体制を強化するとともに、DV被害者支援費を計上し、DV被害者の自立支援や、中高生や県民に対しDV防止を啓発してまいります。6ページをご覧ください。次に、(3)介護基盤の整備についてであります。特別養護老人ホーム建設費には、優先的入所待機者の解消を図るため、8億円を計上するとともに、介護基盤緊急整備特別対策費には今年度の2倍以上となる53億円を計上し、小規模の特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど、地域介護拠点施設の整備を進めます。来年度の特別養護老人ホームの整備は、小規模と合わせて930床程度を見込んでおります。また、介護基盤緊急整備特別対策費では、認知症高齢者グループホームのスプリンクラー整備等も進めてまいります。

 次に、4の「持続的な社会の基盤づくり」のため、特に力を入れる施策についてご説明いたします。始めに、(1)経済・社会の持続的発展と環境保全の両立についてですが、環境創造基金造成費は、来年度から導入する「みやぎ環境税」の基金への積み立てであります。みやぎ環境税は、宮城の豊かな環境を適切に保全し、次の世代へ引き継いでいくための大切な財源となることから、基金として他の財源と区分して管理し、必要な事業に活用してまいります。次に、みやぎ環境税を活用した事業ですが、みやぎEV・PHV普及促進費は、電気自動車やプラグインハイブリッド車でのカーシェアリングの実施や、県民への電気自動車等の購入補助、一般開放用充電器の設置補助などにより、電気自動車等の普及促進に取り組むものであります。住宅用太陽光発電普及促進費は、住宅用太陽光発電システムを設置した県民に補助し、自然エネルギーの導入を促進するものであります。県産材利用エコ住宅普及促進費は、県産材を一定以上使用した新築住宅の建築に補助し、県産材の消費拡大を図ろうとするものであります。温暖化防止間伐推進費は、二酸化炭素吸収能力の高い、植栽後11年から25年の若齢林の初回間伐等と作業道の整備に補助し、人工林等の初回間伐を加速化させるものであります。環境林型県有林造成費は、保安林等の公益的機能が高い森林を新型県行造林として再造林し、森林の多面的機能の向上を図るものであります。7ページをご覧ください。野生鳥獣適正保護管理費は、ニホンジカとイノシシの個体数調整や生息状況調査等により、地域の生態系の保全を図り、適正な個体数を維持するものであります。また、みやぎ環境税市町村支援費は、みやぎ環境税の一部を市町村に交付し、地域での環境課題解決に向けた取り組みを支援するものであります。ここまでがみやぎ環境税を活用した事業となります。

 次に、(2)震災対策についてであります。木造住宅等震災対策費は、木造住宅の耐震改修工事に助成するものでありますが、来年度からは新たに、住宅リフォームと合わせて行う場合の助成を増額しております。

 ここからは「ビジョンの着実な推進に資する主な施策」についてご説明いたします。構造改革特区関連調査費は、みやぎ45フィートコンテナ物流特区の認定を踏まえて、仙台港と仙台北部中核工業団地、石巻トゥモロービジネスタウン間の道路調査を行うものであります。港湾計画調査費は、仙台塩釜港、石巻港、松島港の3港一体化に向けた長期構想と港湾計画の素案策定費であります。大島架橋整備費は、気仙沼大島架橋関連の現地調査測量・設計費でございます。8ページをご覧ください。拓桃医療療育センター・拓桃支援学校整備費は、県立こども病院隣接地への移転改築に向けた基本・実施設計費であります。

 以上、平成23年度当初予算の概要について簡単にご説明させていただきました。予算の詳細については、後ほど総務部長より説明をいたします。

Q

 今回の予算の特徴を一言で言うといかがか。

村井知事

 今言ったことがすべて特徴ということになりますけれども、特に大きく今までと違っているのは、やはり環境税が新たに導入されました。環境税事業が今までの分に大きく上に乗ってきたというのが最大の特徴と思っております。

Q

 そういった意味では、経済・社会の持続的発展と環境保全の両立ではなく、持続的な社会基盤づくりが一番重点ということか。

村井知事

 どこが重点かと言われるとみんな重点なんですけれども、みんな自信を持って一生懸命考えて作ったものですから、特にこれが重点というのはなかなか言いにくいです。今までの予算と違って特徴があるものというと、先ほど紹介いたしました6ページ、7ページに載っていた環境税関連の事業ということになろうかと思います。

Q

 毎年度伺っているが、今回の予算を命名するとどうなるか。

村井知事

 皆さんお楽しみの今年の予算でございますけれども、特徴を捉えまして「みやぎグリーン推進予算」と命名したいと思います。理由の一つは、まずは環境税関連の事業がスタートしたということ。二つ目は、食と農の県民条例第2期基本計画が4月からスタートいたします。そういった意味から農業というものにもいろいろ力を入れていきたいという思いを持っておりまして、ほかにもいろいろやりたいことはあるんですけれども、「環境税」と「農」という部分を特に強調した予算にしたという意味で、「みやぎグリーン推進予算」と命名したいと思います。

Q

 「みやぎ」は漢字か平仮名か。

村井知事

 平仮名でも漢字でも結構でございますが、平仮名にいたしましょうか。

Q

 これも毎年聞いているが、予算配分についての自己採点を伺いたい。

村井知事

 なかなか点数というのはつけづらいんですけれども、私は合格点であろうと思っています。厳しい状況の中でやりくりをいたしまして、知事に就任してこの5年間ちょっと、いろいろな行革(行政改革)に取り組んで、できるだけ無駄なものをなくし。一つにできるものは一つにすると(いうことを行ってまいりました)。また、職員定数も、定員管理計画どおり削減をすることによって頑張ってきた結果が出てきて、それを使っていろいろな事業をやっていきます。また、新たに県民の皆さまにお願いをして導入いたします環境税も新たな事業としてスタートすることができるということでありますので、自分としてはよく頑張ったなと思っております。

Q

 知事からもあったが、(予算案の)中身を見ると、農林水産分野への投資率が結構大きい。みやぎ食と農の県民条例もあると思うが、重点配分した理由、狙いは何か。

村井知事

 実は予算額だけを見ると、平成22年度と平成23年度を比較いたしますと、国営土地改良事業一括償還金、それから国営土地改良事業償還助成金というものが今回なくなっておりますので、予算全体から見ると農林水産予算というのは大きく減っているんですね。どれぐらい減っているかといいますと、117億円ほど減っているんです。これは、その大部分が今言ったような理由で減っているということでございます。

 しかし、新たな事業で環境税を使った事業なども農林水産予算に入れておりまして、そういった意味では、9月議会でも11月議会でも、議会で議員の皆さんから、農に対してまだまだ施策が足りないというご指摘もございましたので、限られた予算ではありますけれども、少しでも農家に明かりが見えるような施策を進めていきたいという思いを込めて予算編成をしたということでございます。

 特に、先ほどご紹介したようにみやぎ食と農の県民条例第2期基本計画が4月からスタートいたしますので、そのスタートの年になりますから、スタートが順調にいくように、しっかりと農業関係者の皆さまとも意見交換をしながら前に進んでいきたいと思っております。

Q

 環境税だが、資料を見る限り助成という項目が多く、一部ではばらまきだという批判もあるようだが、どのように考えるか。

村井知事

 意図的に助成事業を多くしました。つまり、環境政策というのは本当に幅広くて、われわれが呼吸していても二酸化炭素が出ているわけでありますので、非常に幅が広い(わけであります)。従って、まずは先進的なものをいろいろな方で同時にスタートしていただきたいと思っておりまして、それを後押しする(ということです)。そして、それで(県民の)皆さんがずっと前に進んでいくようになって、県の後押しがなくても前に進むようになってくると、また別のところを後押しし、少しずつ後押しをすることによって、全体の環境をよくしていきたい、宮城の環境をよくしていきたいと考えているということでございます。そういう思いから後押しをするということで、助成事業を多くしたということであります。

 2年前にはハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車、こういったものに助成をいたしましたけれども、もうハイブリッド車は十分普及をしたと(いうことであります)。われわれが後押しをしなくても、ハイブリッド車は恐らくこのまま普及し続けるだろうと考えましたので、そこでハイブリッド車への助成はやめました。そして、今度新たな電気自動車、プラグインハイブリッド車、こういったものへの助成をしていく(ということであります)。それがまたずっと普及してくれば、また次のものに助成をしていくということでありますので、そういった意味で決してばらまきという目的でやっているわけではございません。先進的な施策を前に進めるための取り組みだと評価をしていただきたいと思います。

Q

 条例の検討等を行っている性犯罪などの(犯罪のない)安全・安心(なまちづくり)の絡みで、今回の予算案ではDV対策等できるものからやると言っていた割にはあまりたくさん出てきていないようだけれども、その辺が今回の予算に間に合わなかった理由、背景を伺う。

村井知事

 表に出す施策だけではなくて、DVの被害を受けた女性の方の駆け込み寺的な施設もございます。これは住所を明らかにしておりませんので、あまり細かいことは申し上げられませんけれども、駆け込み寺的な施設もあります。そういったところをさらに充実させるということも当然していくわけでありますが、新たな施策としてこういったことを掲げさせていただいたということでございます。また、警察は警察で既存の予算をやりくりしながら、また別途別の施策もやっております。決してここに掲げたものだけでDV(対策)を前に進め、性犯罪被害等の(ない)安全・安心なまちづくりを進めていこうということでは決してないとご理解いただければと思います。

Q

 今、さまざまな施策を検討中だと思うが、ここで固まった方策、取り組みは、今後さらに来年度の補正(予算)でいろいろ出てくるということか。

村井知事

 可能性はあります。ただ、それはまだ何とも申し上げられないです。

Q

 国との関係で、この予算案の中で子ども手当が入っているが、53億円を負担することについて伺う。

村井知事

 子ども手当を県費として計上しない自治体が増えているのは、私もよく理解をしております。しかし、私たちが国に要求をする、またはお願いをするということもたくさんあるわけでございまして、国がどうしてもこれは譲れないという部分については、われわれも譲歩するという姿勢があっていいのではないかと考えたということであります。もちろん、私はこれは国が責任を持って、われわれに負担なく国のお金だけでやるべき施策だとは考えております。(全国)知事会でもそう発言はしておりますけれども、しかし、今年度はぜひ協力をしてくれと言っている以上、これに対してこぶしを挙げるというのは、私は同じこの国に住む者としてあまり好ましい姿ではないと考えたということであります。協調すべきところは協調をし、また言うべきことは言う、決まったら協力をし従っていくということも時には必要だと思っております。

Q

 今回の予算は歳入で県税収入が大幅に増えた。今回の予算では奨励金など歳出面が目立ったが、今後企業進出が相次ぐ中で、県税収入の見通しについて、歳入面で増収が期待できるのはいつごろになるか、その見通しを伺う。

村井知事

 大きな企業が今続々と来ておりますけれども、市町村は大きな企業が来て、大きな工場が建てば固定資産税がドーンと上がりますので、目に見えて市町村税というのは上がるんですね。ところが、われわれ県税というのは、法人事業税、あと法人県民税がメーンとなってまいりますので、企業の業績によって全く結果が変わってくるんです。業績がよくなると一気によくなり、悪くなると一気に下がってしまうということがあります。従って、順調にいけば、だんだん企業は大きくなっていきますから、今より下がることはないとは思います。しかし、固定資産税のように、そろばん勘定ですぐ計算できるというものではないということであります。しかし、固定資産税が増えることによって市町村が豊かになれば、その分市町村に対する県の負担が軽くなるという考え方もできると私は思っております。そのお金を直接県民の皆さんに対して行う施策に回し、(例えば)先ほど言った助成金といったような予算に回すこともこれから可能になってくると思っております。長い目で見ると県の負担は大きく軽くなっていくと、税収が増えたのと同じ結果になっていくのではないかと私は思います。

Q

 予算規模が8,400億円ということで、ここ10年で見ると一番大きくなった。財政が逼迫(ひっぱく)する中でこれだけの額になったということについて、知事の考えを伺う。

村井知事

 決して無理をして膨らませたわけではないんですが、社会保障費が伸びております。また、国が行っております各種の事業、こういったようなものも足並みをそろえて協力しながらやっているということがありまして、結果的にこの規模になったということでございます。予算規模が増えれば何もかもいいということでは決してないと思いますが、決められた予算(のうちで)、議会で認められたらしっかりと効果のある予算の使い方をしてまいりたいと思っています。

Q

 一つの特徴として、県債を抑える、退職手当を基金から取り崩して出すということ(のようだが)、借金を少なくしていくという考えはこれからも継続していくのか。

村井知事

 当然ですね。退職手当債は、後年度交付税措置されないんですね。もう純粋に県の借金なんです。逆に言うと、臨時財政対策債は、後で国が全部100%面倒を見ますという借金なんですね。同じ借金で、県債として、全く同じように積み上がっていくんですが、退職手当債と例えば臨時財政対策債というのは全く性格が違う(ということになります)。100%違うわけですね。従って、今回の退職手当債の発行をやめたということは、完全に県民に対してだけの負担をなくしてしまったということでございますので、非常に望ましい姿だと考えています。できるだけ県債の発行は抑えるように努力をしてまいりたいと思います。また、発行を抑えられたのは、やはり税収が増えたということが非常に大きい理由だったと思います。

Q

 再来年度以降の見通しはどうか。

村井知事

 このまま順調に景気が回復していくのではないかと期待を持っておりまして、そうなればさらに発行を抑えることができるのではないかと思います。

Q

 税収の面だが、今回企業業績の回復もあって法人税収が上がっているが、誘致した企業の部分も反映してこの結果という認識か。

財政課

 先ほど知事からご説明があったように、誘致した企業の(法人税収の)分がドンと増えているという状況ではまだないと(いうことです)。

村井知事

 当然多少増えていると思います。これは税務課に聞いてもらえないですか。税収は去年の実績でしょう。

総務部長

 一般論で言えば、全国的な傾向として企業業績がいくらか戻してきたということを反映して、本県だけではなくて全国的に税収がよくなりました。

村井知事

 平成23年度の税収というのは、平成22年の収益に対してだから、セントラル自動車(の稼働)は1月からですし、東京エレクトロン(東北の稼働)はこの4月からですから、平成23年度の税収にはほとんど入ってこない(ということになります)。当然社員の人たちが物を買ってくれたりしますので、地方消費税等でも入ってきますけれども、基本的には今回立ち上がった企業によっての税収増が期待できるのは、もう1年後と認識していただければと思います。

Q

 企業誘致の効果で税収が上がっているというところまでは、まだ来ていないということか。

村井知事

 そうですね。まだそんなに、企業誘致ですぐに税収が上がっているという形ではないということですね。

Q

 一括交付金について、今回の予算にどのように出されているか。

財政課

 一括交付金なんですけれども、配分方法などの詳細は、国の予算関連法案が成立後に通知される予定でありますから、県の今回の当初予算には反映されておりません。従来の補助金、交付金というふうな財源として扱っております。従いまして、国から制度や配分方法などの詳細が示されてから、補正予算で行う予定としております。

Q

 借金である県債の発行をかなり大幅に抑制して、財政調整基金を取り崩して不足を補ったということだが、これは将来に対する負担を減らすことと、基金、財政に余力が出てきたということを示す結果の対応と言えるのか。

村井知事

 今の見通しでは、今の経済状況が続き、そして国の地方財政計画がそのまま継続され、国の支援も全く今と同じであるということを前提に考えますと、あと2年ぐらいは基金を取り崩して何とかなるのではないかと(考えています)。ただ、その後はだんだん基金が目減りをしてくる可能性があるというふうに、われわれは認識しております。だから借金をどんどんして、とにかく基金を残しておけばいいということでもなくて、起債をすればするほど金利負担が増えてくるわけでありますので、後世の人たちに負担を押しつけることになります。従って、やはり少しでも基金に余裕があるならば、その分は借金を減らす方向に回すべきだと考えて、後世の人への負担を少しでも減らしたいと考えたということでございます。おかげさまで宮城県は、臨時財政対策債を除けば、借金と借金の返済額を見ると、借金の返済額の方が大きい状態(です)。つまり、借金が少しずつ減っているような状態になってきておりまして、それをさらに進めたいと考えたということであります。

Q

 県債の残高は今幾らなのか。

財政課

 一般会計ベースでございますけれども、平成23年度末の県債残高は、1兆5,792億円になる見込みでございます。

村井知事

 臨時財政対策債はどれだけ入っていますか。

財政課

 臨時財政対策債がそのうち4,066億円でございます。

Q

 単純に県民1人当たりに割り返すと60万を超えるくらい(のようだ)。これはやはりまだあるという形だと思うがいかがか。

財政課

 県民1人当たりで67万7千円です。

Q

 (県民1人当たりの県債残高が67万7千円もある)という実情がある中で、今、予算編成の話を伺って厳しさが伝わってこないが、その点どのようにお考えか。

村井知事

 いや、相当厳しいですよ。ぎりぎり削れるものは削って、ここに来るまで何度も会議をして、上げてきたものをもう1回下ろさせて検討させてというようなことを繰り返しやりまして、何とかここまで来たということでございます。相当厳しく査定をいたしました。私のところで100万単位まで見ながら査定したものもございます。従って、決してそんな余裕のある構想ではないととらえていただければと思います。

Q

 今年度までやってきている職員給与のカットはとりやめるというのを、はたから見ると余裕が出てきているように見えるが、この点についてと、一方で今後何をしていくべきか。

村井知事

 何度も言っているように、給与というのは労働対価ですので、これはしっかりと出せるときには出していくというのが大前提だと私は考えております。その上で給料以上の仕事をしてもらうように、厳しく叱咤激励をするというのが私のポリシーであります。基金が積み上がってきている中において、さらに基金を上積みするために職員給与をカットするというのは、やはり職員の皆さんの理解を得られないと考えました。従って、今回は(給与を)カットしません。管理職と特別職だけカットしますということにいたしましたけれども、今後はまた何年か先に厳しい状況に陥ることは今の段階から予測されていますので、そのときにはまた職員にお願いすることも十分あり得るだろうと思っております。

Q

 今年度(の予算)は教育、福祉ということで、今回(の予算)は農業、環境ということだが、毎年のように変えているというのは意識的に変えているのか。

村井知事

 はい、意識的に変えております。

Q

 その狙い、優先順位はどういうところからきているのか。

村井知事

 それは私の場合、経済政策中心で「富県宮城」ということをよく言われます。実際、今日も環境、農政と言いますけれども、農業は経済にもかかわってきますが、富県宮城に、富県政策に軸足を置いているのは変わりないんです。従って、軸足はあくまでも富県政策であります。これはぶれるつもりはないんですね。ただ、毎年そこだけを言っていてもなかなか県民の皆さんに特色が分からないと思いますので、そうであったとしても、その中で今年はこういうものにカラーを出していきたいという工夫をしておりまして、昨年は福祉というものを特に強調しました。福祉施策は特に予算を減らしておりません。引き続きやります。今年は特に新しく環境というもの、農業というものが出てきたので、そういったものを前に出したいと考えたということでございます。従って、意図的にそういうふうにカラーを変えているということです。

Q

 環境税の導入でCO2はどのくらい減るか。

村井知事

 ほぼ施策が固まりましたので、これによってどれくらい減るだろうということを今詳細に作っております。もう間もなく出せると思いますので、もうしばらくお時間をください。

Q

 年度内には出るか。

村井知事

 年度内には当然出します。

Q

 財政調整基金等4基金の残高が平成23年度末で289億円という数字が出ているが、この289億円という数字が一般的には健全な財政規模の中でどういう位置づけに当たるのか。

総務部長

 標準財政規模の1割ぐらいは欲しいと思ってやっております。そうすると、本県の場合は400億から500億ぐらいの間で、この4基金の残高を持ちたいんですけれども、現実にはなかなかそこのレベルにいかないと(いうことです)。

Q

 でも、決して足りない数字ではないということか。

総務部長

 リーマンショックの後、だいぶ基金の残高が減ってきた水準に比べれば、多少戻せたのかなと(いうことです)。

村井知事

 昨年度あたりは、何があるか分かりませんので、借金をして基金を積み上げると(いうことをやってきました)。起債もいつでもできるわけではなくて、今年はこの起債はここまでできます、これがここまでできますというふうになっておりますので、目いっぱい借金をして、それを貯金の方に積み上げた(ということです)。銀行からローンで借りて、それを普通預金に入れるというようなことをしていたんですけれども、今年はそういった無理なことをしないでも何とかやりくりができたというふうに解釈していただければと思います。そういった意味では、比較的健全な財政運営が来年度はできそうだと、そうとらえていただければと思います。