ミニフォーラム  今 わたし達にできること 〜学校教育とボランティア〜
                  主催 みやぎの福祉を考える仙台地域塾
      平成15年3月15日(土) 午後1時開催  宮城県仙台合同庁舎 10階 1001会議室
      
            ミニフォーラムでは、パネルディスカッションを行いました。その内容を一部掲載します


[西條塾長]

 本日は足を運んで頂きありがとうございます。私たちみやぎの福祉を考える仙台地域塾というものをやっております。

 この塾は県民から公募で集まって頂いた,福祉のことについていろいろ学んだりそれから施策づくりの提言をしたりするグループです。気仙沼,石巻など各県域に塾がありまして,それぞれの地域の特性を考えた施策づくりについていろいろ勉強しております。

 皆さんの資料の中にいろいろ入っていると思いますが,私たち地域塾では勉強したり,県民から見てわかりやすいパンフレットとして,介護保険のパンフレット,子育てのパンフレットを私たち塾生がみんなで資料を持ち寄って作って県民の皆様に活用してもらっているということをやっております。

 本日のミニフォーラムは,実は私たちは介護保険の問題を学習して,次に子育てについて学習してきました。そして今年ボランティア活動についていろいろと検討を重ねてきております。いろんなボランティア活動を見聞きしていますと,やはり子どもの頃からどの様にボランティア活動について取り組んできたか,又は変わりがあったかというところでちょっと疑問なところがあり,勉強していく中で,実際にそういう学校教育の中でどうなるのか,受け入れる施設の方ではどうなのかということをちょっと皆さんに集まってもらって話を聞こうじゃないかということを考えた訳ですね。そういう話をしているうちに,我々だけ話を聞くのはもったいない。じゃあちょっと県民の皆さんにも参加してもらおうか,ということになりました。ただ私たちはあまり力もないので,あまり大々的なフォーラムをやる自身も無いので,ミニフォーラムという形でアットホーム的にやろうと呼びかけまして,ここに多数の皆さんに集まって頂きました。これから3時30分まで,パネラーの方,コーディネートしてもらう阿部先生。阿部先生には当塾のコーディネーターとして毎回指導を頂いていますけれども,いろいろ参考になるお話を聞けると思います。私たちは今日出た話をまた論議をして県の方に施策,学校教育,ボランティアについて何か提言できればいいのかな,と思っておりますのでもし何か実れば非常に今日の集まりがいっそう有意義な物になると思います。それでは2時間よろしくお願いします。

 

[渡辺副塾長]

 今日のコーディネーターである阿部先生のご紹介をしたいと思います。

 阿部先生は東北学院大学経済学部の助教授です。

 福祉の心というものを,宮沢賢治的な言い方でさせて頂きますと,「ボランティアとは,まあよくやるね。」って皆さんもボランティアをやって分かると思うんですが,「よくやるね。好きだよね。そんなことやって何になるの。」って言われますよね。それでも宮沢賢治みたいに言うと「みんなに何と言われても,止められなくてもいつかは表彰されるんじゃないかとは期待しない。そんな人に私はなりたい。的な先生のコーディネーターでパネルディスカッションをやっていきたいと思います。

[阿部コーディネーター]

 今日,パネルディスカッションのコーディネーターを努めさせて頂きます。改めてよろしくお願いします。

 パネルディスカッションを始めるにあたって,お手元にある「今私たちにできること」というパンフレットをお開き頂いて表紙の裏のページのところをご覧頂きながら,パネルディスカッションに入らせて頂きたいと思います。その前に私の方から2つほどお話をさせて頂きたいと考えております。その1つは,皆さんの前にすでにお座りになられてる4人のパネリストのご紹介をさせていただきたいということです。その上で,今日のパネルディスカッションの開催次第では1時50分から,で10分早く始まっていますが,3時30分までということになっていますが,パネルディスカッションそのものは3時30分まで予定しておりませんので,どの様に進めるのかというのを最初にお話したいと思います。

まず最初に4人のパネリストの皆さんのご紹介をしたいと思います。私のすぐそばにお座り頂いているパネリストの方からご紹介したいと思います。今日は私を含め,お互いに「誰々さん」と言うことでお呼びしようということにしていますので,中村有紀さんからご紹介したいと思います。中村有紀さんは宮城第三女子高校を今卒業式を終えたばかりで,4月から予定では東北福祉大学の総合福祉学部社会教育学科に進学されることになっています。高校時代を通じて積極的にボランティア活動に関わってきたとのことです。

 それでは次に,中村さんのお隣にお座りになられているパネリスト,加藤佳織さんです。加藤さんは宮城大学の看護学部の2年生でいらっしゃいます。ボランティアサークル「マクギル」のメンバーであります。このマクギルというボランティアサークルの名前の由来は今日のお話の中に出るか分かりませんが,このマクギルというボランティアサークルにおいて,筋萎縮性側索硬化症あるいはパーキンソン病といわれるような難病の支援を中心としたボランティア活動を展開されているサークルに所属されている。積極的に大学生活・勉学の傍ら,ボランティア活動に参加されているということです。

 続きまして,加藤さんのお隣にお座りになられているパネリスト,蘇武やすしさん。高校生のパネリスト,大学生のパネリストとご紹介してきました。蘇武さんは宮城県松島高等学校の先生でいらっしゃいます。ボランティア部の顧問をなさっています。ボランティア部の顧問をなさりながら,松島高校の高校生の皆さんと一緒に地域密着型のボランティア活動を展開されている。で,地元ボランティアサークルとの共同と言うのですか,一緒にいろいろなことをしている活動も多いと伺っています。今回のお話もそのような活動を通してのお話を聞かせていただけるのではないかというふうに考えています。

 最後になりましたが,蘇武さんのお隣に座られているパネリストの太宰カンさん。太宰さんは社会福祉法人東北福祉会,せんだんの杜の地域福祉部地域福祉課にお勤めになられています。この東北福祉会という社会福祉法人は,市民ボランティア活動の講演センターもお作り上げられている。そこでの活動。それから,今日太宰さんにパネリストとしてここに来てお話を伺おうと思いましたのは,高校生あるいは大学生のボランティアを受け入れる側のお話を聞かせて頂こうというふうに考えております。

 4人の紹介をこれでとりあえず終わりにさせて頂きます。もう一つの方のお話をさせていただいてから,本来のパネルディスカッションに入らせて頂きたいと思います。もう一つのお話は,今日これからの時間,パネルディスカッションをどう進めていくかということについてです。これから4人のパネリストの皆さんに順次お話を聞かせて頂きますが,おおよそ1人10分ぐらいの時間をメドに4人で40分前後ぐらいのお話を伺わせて頂きたいと考えています。先ほどのパネリストの紹介のところでお話がありましたように,高校生の立場,大学生の立場,高校の先生としてボランティア部の活動に関わっている立場,そして高校生や大学生を施設で受け入れる立場という4つの立場から学校教育,ボランティア活動について語って頂こうと考えています。

 残された時間,私たちの予定では3時15分まで大体30分から40分ぐらいなんですが,残された時間を今日この会場にご参加になった皆さんからパネリストの皆さんのお話を聞いて,もう少しこんなところを聞いてみたい,確かめてみたいというのがございましたらさらにお話を聞く時間にしたいと思います。また,時間があったら,パネリスト同士の間でどんなふうにお互いの話を聞いたか,というようなことについても皆さんと一緒にパネリストのお話をもう一度確かめてみたいと考えています。3時15分ぐらいから3時25分ぐらいまでを今日のパネルディスカッションを聞かせて頂いてのコーディネーターとして,簡単なまとめをさせて頂きたいと考えています。

 大体このような内容で1時間半過ごさせていただければと考えています。

 ・・・・・・参加して頂いてなおかつトップバッターでありますので,司会の渡辺さんもアットホームな感じでとおっしゃっていたので,皆さんが緊張しますと中村さんの方がもっと緊張しますので,温かく少し緩やかな表情で中村さんのことをお迎えいただければと思います。では,中村さんよろしくお願いします。

[中村有紀さん]

 私は3月1日に高校を卒業したばかりの中村有紀と申します。私は中学,高校と部活部活の生活をずっと送ってきたのでボランティア経験がありません。それで,ボランティアセンターで少しの間お手伝いをした体験と私が日ごろ考えている福祉やボランティアに対する考えを述べたいと思います。

 ボランティアの紹介はボランティアセンターや学校の方で私が考えていたよりもたくさんあったのですが,その募集している時間や活動時間を見てみると,私たち学生が学校で過ごしている間に活動されるボランティアばかり多くて,やりたいなと思っている人でも,参加できない状況の方が多くありました。私の友達でボランティアをやっている人でもほとんど文化部の人ばかりで,休みの日や学校が終わってすぐにやるような状況でした。私のような運動部に所属している人は,ボランティアに興味があったとしても,興味があるだけで終わって,部活にしか力を注げない状況です。私を含め今の高校生は自分から何かをする積極性がどんどん低下してきていると思います。学校で積極性やボランティアに対する気持ちを深めてあげる機会を作ってあげるのもいい方法かと思いますが,そうすると用意されたレールを歩むことになるので,やはり積極性がというのが失われるような気がします。でも最初は学校や社会や大人たちが私達学生にこういうのがあるんだよというのをわかりやすく,身近に感じられるような紹介方法をしていただければ,最初は不安とかあるかも知れませんが,参加していってどんどんそれに興味を持っていくことによって自分から何か探して自分の興味のあることをもっとやってみようかな,というふうに考えるようになるとおもうのでまずは,学校か社会が私達にそういう機会を作って頂きたいと思っています。

 ボランティアという言葉があるのですが,調べるのを忘れたのでボランティアという意味が分からないのですが,私の周りでも受験シーズンになると点数稼ぎの為にボランティアをやる人が増えてくるんですね。点数稼ぎというのは,一般受験の人はおいて推薦入試・AO入試を受ける人たちは内申書の点数を上げるために,そのためだけにボランティアをやる人もいるし,そうではなくて部活や時間が出来たのでボランティアをしてみようかなという人がいるというそういう2つのパターンがある人がいて,私はそれがすごく残念だと思います。誰かのためにやるとか,人のために何か自分が出来ることは無いかと思ってやっている人はとてもいいことだと思うのですが,自分のためだけにこういう事をすれば大学の人達がその目を見て,この人はどういう人なんだと思ってくれるように想像しながらやっているような人がいて,それはボランティアというよりも,何かやってあげてる人にとても失礼だと思うんですよね。7月ぐらいの部活が一区切り終えた時期になると,ボランティアを探す人が私の周りでも増えてきて,何でやるのとときどき友達に聞いてみると,その中で,点数稼ぎなんだと答える人もいて,私はその人に点数稼ぎのためだけじゃなくて,人のために何かやる気持ちを持ってやる方がいいんじゃないと言ってみたんですが,その人は何か言葉を詰まらせるだけで自分のためにと思っている人が非常に残念で,そうふうに思うような環境を作っている自分たちや今の社会,そういうものをいけないんじゃないかと思って,社会や教育がそういうふうに分けないで社会も教育も福祉も全部含めて私は考えていきたいと思います。

 若い人達の間で,身体障害者のことを身障・身障と呼んで差別の目で見る人がいるんですね。どういう差別かというと,今流行っているプリクラとかそういうところで,すごく変な格好,だらしない格好をして,写真の横に身障風とか書いたりして,すごく差別の目で見る人がいるんですね。身体障害者という言葉と健常者という言葉で分けること自体が差別かも知れないが,自分と少しでも違うところであれは身障だよとかいう言葉を聞くと,私は心が痛んで,やめなよとか注意をするんですが,その人達の目は変わらなくて,身体障害者の人達に見る目を自分たちとは違う人種だというふうに感じている人がいるのは残念だと思います。こういう人達の気持ちとかを私達と同じ人間だとわからせるような解決方法は分からないのですが,みんなで思っていることを,私達同じ人間だと教えるような機会があればいいなと思います。

私の部活の中で,大会とかがあると,役員の方おじいちゃんおばあちゃんたち以外の中でも,私達選手が大会を運営していくという機会があるんですね。その時でも,自分の役割の中でも積極的に自分からやる人と,少しでも軽い仕事を探してやろうとしている人達がいて,そういう人達を見るとこの人たちは本当に何で陸上をやっているんだろうと思うし,一人一人考えが違うのはあるんですけど,やっぱり今の教育の中でボランティアや福祉に対する目を向ける時間がほとんどないことがこういう事を生み出したのではないのかなと思うので,ゆとり教育とかそういうことも大事だと思うんですが,その中でも福祉やもっと社会に目を向けられるような時間を取って頂きたいと私は思っています。

私は先ほど紹介されたとおりこの4月から東北福祉大学の社会教育学科に進学する予定なのですが,その中で私は学校福祉というよりも,教育の方に興味がありまして,学校教育と社会教育という2つの立場から福祉や他の経済や社会のいろいろな方に目を向けて考えていきたいと思っていますので,今は全然そういう知識がないのであまり大したことがいえないのですが壁を作らずにいろいろな方向の面から福祉やボランティアなどの今後のあり方を考えていきたいと思います。ありがとうございました。

 

[阿部先生]

 今中村さんの最後の結びで,この4月から大学生になってもボランティア活動を続けたい。それ以前のところでボランティアを巡っていろいろなことを考えさせられた。そういって,ボランティア活動をさらに学ぶためにも,ボランティア活動を大学生成生活の中で活かしていきたいというお話で中村さんのお話が結ばれました。

 そこで今度は今大学生としてボランティア活動を積極的に関わられている,中村さんにとってはお姉さんみたいな加藤さんから続いてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

 

[加藤佳織さん]

 宮城大学看護学部2年の加藤佳織です。よろしくお願いします。

 宮城大学ボランティアサークルマクギルでは約50名ほどの学生が在籍し,事業構想学部,看護学部それぞれの特質を活かしたさまざまなボランティア活動が行われています。活動内容の主な物として例をあげてみますと,日本ALS協会宮城県支部の会報であるJALSAみやぎ,日本ALS協会宮城県支部だよりの編集や障害を持つ子ども達の生活支援として,子ども達の遊び相手や外来診察の付き添いまたは,病院や施設・大学内で行われている,自閉症やダウン症の子どもパーキンソン病や神経難病の患者さんの為の音楽療法のボランティア活動などがあります。この他にも長期の休みを利用して,難病子ども支援全国ネットワーク主催のキャンプへの参加や農村における収穫祭を通しての地域コミュニケーション形成活動ボランティア。また青葉まつりでのボランティア活動やALSの方々とは,会報の発行だけではなく,大学のグランドで仙台市天文台の方々の協力を得て秋の夜空の星を観察するというイベントを開催し,そのボランティア活動を行ったりもしています。

 私自身もこのサークルに加入してから,難病や障害のある子ども達やその家族の方々とのキャンプ,大学内で行われているパーキンソン病の患者さんの為の音楽療法,ALSの患者さんとの星を観察するイベントなどのボランティア活動に参加させて頂きましたがボランティア活動を行うことはもちろん,その活動から大学の講義では学ぶことの出来ないことや,そのボランティア活動を通して自分自身の心に目を向けることで,自己の存在を見つめ直すきっかけにもなり,人の為だけではなく自分のためになっている。と感じる機会が数多くあります。

現在私は看護学部の2年に在籍していますが,看護実習以外で例えば,ALSの方々とふれあう機会を持つということは,看護学生の私達にとっては患者さんや家族の方々からリアルな話を聞かせて頂く機会が増えたことで,講義を受けていたときとは違った視点から問題点などを感じることが出来たり,また患者さんや家族の方だけではなく医療関係者や患者会など様々な人々と出会うことが増えることで視野が広がり,様々な可能性を持った新たな自分と出会うことが出来ます。このような状況において,大学がボランティア活動に取り組む意味について考えていますと,教室を地域社会に広げることで実際に生きた学問を学べ,学生に理解度を高めることが出来るということ,社会の様々な人々と多様な社会問題の解決のために共に行動することで,社会への自覚と責任を持った市民性,社会性をはぐくむ事ができるということ,学生が教室で学んだ学問を広く地域で活用することで,学生の学問への興味や関心を高め,学ぶ意欲を高めることができるということ,大学や地域社会の課題を提起し様々な組織,団体など連携していくことで社会への認知が高まること,学生のマンパワーのみならず,学生や大学の持つ専門的知識や技術,問題解決能力や人的資源などを社会問題の解決に結びつけていくことができるということなどが考えられるのではないかと思います。