第3回障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)検討会議事要旨 確定稿 日時:令和元年10月18日(金)午後1時30分から午後5時18分まで 場所:仙台市福祉プラザ 第一研修室  1.開 会 ○司会 ただいまから第3回障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)検討会を開催いたします。   なお,本日,熊沢治夫様,今野恵利子様,高橋久様,最上陽子様,以上4名の方からは御欠席との連絡を受けております。それから,笠原副座長におかれましては,所用のため遅れての参加になることを御連絡いただいております。   本日は,次第にありますとおり,まず報告事項として,「第2回検討会の議論について」を報告させていただきます。その後,議題の検討をお願いいたします。本日の議題でございますが,「障害を理由とする差別の禁止について」「合理的配慮の提供義務について」の2つについて御議論をいただきたいと思います。   では,これより議事進行を阿部座長にお願いいたします。阿部座長,よろしくお願いいたします。 ○座長 座長の阿部です。本日もよろしくお願いいたします。   今,事務局からお話がありましたが,休憩についてですけれども,報告事項が終わってからと,議題1が終わってからの計2回,休憩を入れさせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。   2.報告事項 ○座長 それでは,早速ですけれども,次第の2番,報告事項の「第2回検討会の議題について」,事務局から説明お願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原です。   それでは,第2回検討会の議論について,事務局より御報告いたします。   お手元の資料2を御覧ください。   まず,前回の検討会では,議題の1として,「条例に規定する定義について」御議論いただきました。事務局から提示させていただいた内容については,四角の枠の中に記載しております。箱枠の下になりますが,いただいた主な御意見をまとめております。   次に,1枚めくっていただきまして,前回の議題2,「関係者の役割・責務について」ですが,こちらにつきましても,提示させていただいた内容については四角の枠の中に記載しております。また,この議題についても,いただいた主な御意見をまとめさせていただいておりますので,御覧ください。   その中で,若干参考まで補足説明させていただきます。1枚めくっていただきまして,3ページ目の真ん中あたり,「C財政上の措置について」を御覧ください。前回の検討会で,財政上の措置として「講ずるよう努めるものとする」ではなく「講ずるものとする」と規定してはどうかとの御意見がございました。御意見として受けとめておりますが,予算については地方自治法上,議会の議決事項となっておりますことについてもお含みおきください。   次に,1枚めくっていただきまして,4ページ目となりますが,その他の事項についていただいた主な御意見をまとめております。その中で,イの「条例に前文を設けたほうがよいのではないか」との御意見がございました。前文は,各条項の解釈の基準を示す意義・効力を有するものです。そのため,法律が制定されていない分野について条例を制定した場合などには前文を置き,各条項の解釈の基準を示すこともあります。本検討会で議論している「障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)」ですが,障害者差別解消法を補完するためのものであり,各条項の解釈に疑義が生じた場合は,同法や障害者基本法にのっとり解釈することができるということもありますので,その点も御承知おきください。   次に,「障害者への虐待防止についても規定してはどうか」との御意見がございました。虐待防止も非常に重要な「権利擁護」の一つですが,本検討会で議論いただいている「障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)」は,「差別解消」と「情報保障」この2つの柱で条例を制定することとしておりますので,この点についても御承知おきください。   なお,虐待の防止や禁止に関しましては,御存じのとおり,いわゆる障害者虐待防止法が平成23年6月に制定され,平成24年10月1日に施行されています。同法では,「何人も」虐待を禁止するとともに,虐待の定義が定められ,虐待発見時の発見者による通報義務,市町村障害者虐待防止センター及び都道府県権利擁護センターの設置義務,行政機関の適切な権限行使などが定められているなど,障害者差別解消法よりも具体的な内容となっております。   次に,1枚めくっていただきまして,5ページを御覧ください。災害時の対応について規定してはどうかとの御意見がございました。こちらについて確認したところ,県が制定しております「だれもが住みよい福祉のまちづくり条例」において,既に防災上の配慮について規定されておりましたので,この点についてもお含みおきください。   第2回検討会の議論についての御報告は以上となります。   なお,皆様には今回配付した資料とは別に,前回の議事録案,未定稿のものを配付しております。議事録案には,前回第2回検討会で出された御意見も詳細に記載されておりますので,後ほど内容を御確認ください。なお,議事録案についてお気づきの点等あれば,10月25日までに別途事務局にお申し出ください。お申し出方法は,メール,電話等,ファクス,一番御自身で利用しやすい手段で構いませんので,よろしくお願いいたします。   事務局からの説明は以上となります。 ○座長 座長の阿部です。   事務局からただいま説明がございました。何か確認したい事項があれば挙手でお願いしたいと思います。先ほど事務局からのお願いでもございましたが,発言に当たってどなたが発言されているか確認できるように,最初に団体名,お名前を述べてから発言するようにお願いいたします。発言の際は,大きな声でゆっくりめにお話しいただければと思います。   それでは,御意見のある方,挙手をお願いいたします。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   今回,検討会の事前に及川智構成員と事前意見交換がありましたことを,まず表明いたしますとともに,今回配付されました及川構成員の御意見書,こちらは検討会の内容に関する大切な御意見であり,尊重されるべきと考えます。よって,構成員全員の意思と賛同のもとに,及川構成員の御意見書を適宜読み上げていただくことを提案いたします。 ○座長 座長の阿部です。御意見ありがとうございます。   今,木村委員さんから,提案がありましたけれども,いかがいたしましょうか。事前にいただいている資料を確認するということでよろしいですか。(「お願いします」の声あり)はい。それでは,及川委員のほうから,端的にお願いできればと思うんですが。 ○及川(智) 端的に言うと,まずは前回の議論の内容についてお話をさせていただきます。   まず,一つは前回の議論において「県民の役割・責務」という中で,障害者が社会的障壁の除去を求める発信について,条例に明記するという御意見があったんですけれども,改めてこれには反対をしたいと。これは,障害者が発信することが重要だということは,私自身も十分に承知していて,日常的にやっていることであります。ただ,こういう活動とか発信が役割とか責務というふうに言われることに対する強い違和感があります。要は,障害者が差別を受ける大きな原因の一つに,意思を十分に読み取ってもらえないということがあります。その状況を何も検討せずに,障害者に発信してくださいというのは,意見書には不条理だと書いたんですけれども,望ましくないというふうに思います。   もう一つは,事前に県からの資料をいただいたときにびっくりしたことがあって,前回の議論で条例の構成において前文を設けたほうがいいという意見提起をしました。その中で,構成員の皆さんからも賛同を受けたわけですけれども,県の説明としては,設けない方向で考えているというような説明がなされています。これは,検討会の議論に当たって,あまり望ましくないことだと思っています。我々は,少なくとも私はこれから制定されるという条例を,とにかくいいものにしようと,障害者だけではなくて県民全体が差別に立ち向かっていけるようなものにしていこうという思いで検討しているわけです。特に,前文などは各地の状況も踏まえて,現状を評価して,今後宮城県だったら宮城県としてどうやって差別に向き合っていくかということを表明する大事なものだと思っておりますので,改めて前文を設けるべきだという意見を表明したいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   今,及川智委員のほうから,前回第2回の検討会のまとめに対しての御意見というか,そういうものを頂戴いたしました。2つあったわけですが,1つは県民の役割・責務の中で,障害者の役割・責務,発信するという文言については反対という,そういう御意見と,2つ目の御意見としては,前文に関する,入れるべきだと,前文をつくるべきだと,そういう御意見等がございました。   いかがしましょう。最初の障害者の役割・責務,発信するという文言に関して,今回第3回目の議論がメインなんですが,今御意見もちょっとありましたので,ちょっと前にさかのぼる形での議論になってしまうかもしれませんけれども,このことに関しては反対であると,そういう御意見がありましたが,その点に関してどなたか,また補足やら御意見等ございますか。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   障害者の役割・責務についてなんですけれども,及川さんの御意見を受けまして,障害者が自らの障害について発信することを責務とするのは確かに過重であると思いました。代案と言えるかは分かりませんが,障害の理解への普及活動に関して,現在活動されている個人または団体及び新たに同じ趣旨の事業展開をすることを希望される方々に対し,本人たちの要請があった場合は,行政が支援をする仕組みがあればよいと考えます。個人または少人数でできる発信やその手段は限られており,また障害者は社会に対してマイナスイメージから始めなくてはならないことから,行政の継続的支援があることはメリットが大きいと考えます。相互理解や啓発に当たり,県民の役割としては,努力義務でよいと思いますので,条例には記載をしていただきたいです。   もう一つよろしいでしょうか。前文についてなんですけれども,私も前文の必要性を改めて主張いたします。事務局さん側の前文に対する説明で,障害者差別解消法にのっとり,宮城県の条例も解釈することができるといった旨がありますけれども,障害者差別解消法を知らないままでいらっしゃる方々にはどういった説明をされるのでしょうか。また,条例を県民全員で考えるに当たり,最も重要なのは,なぜこの条例が必要とされ制定されたのか,その共通認識を持つことであると考えます。仮に,障害者差別解消法などを知らず,前文がないために,なぜ宮城県で条例が制定されたのかわからないままで来ますことは,逆に社会的障壁を厚くしてしまう原因になると考えます。 ○座長 座長の阿部です。はい,小山委員さん。 ○小山 みやぎ盲ろう児・者友の会の小山賢一です。団体名は長いので,今後「盲ろう友の会」と言いたいと思います。   まず,及川さんより御意見がありました,条例の中に当事者の役割・責務というところで,当事者の障害を除去するための発信することを盛り込むかどうかについて,私も前回もお話しさせていただきましたが,発信できない,障害があるゆえに発信できない立場の障害者も多数おられます。盲ろう者もその1人です。また,その発信する機会を,その場に行くためにも,自力ではそこまで行けない,そこにはバリアがあったり支援が必要という方々も多数おられますし,それからまた,その自分自身から障害のことや発信することで,発信したくないプライベートな,プライバシーにかかわったりする部分に関して発信したくないという障害者もおられると思います。これを当事者の役割・責務として明記されるのは,私もいかがなものかと。それを規定するのであれば,それよりもその発信するための支援なり,その機会を社会や行政と県民がつくっていくべきだと,そのことも補足するべきだと思います。この件に関しては,私はもう少し議論をする必要があると思っております。共通理解も必要だと思っております。   前文についてですが,これも私もやはり県民全体で共通の意識を持って,よりよい,その宮城の現状を踏まえて,条例だからこそ分かりやすく説明していく必要があると思います。やはり,法律について御存じない方も,わざわざ法律を読んで理解される方も,県民の中では少ないと思われますので,あえてこの条例に明記するのもありだと私は思います。以上です。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   今御意見等いただいていますけれども,他ございますか。それでは及川篤生委員。 ○及川(篤) 宮城県視覚障害者福祉協会,及川です。   先月くらいから,及川智委員とメールでいろいろ意見交換していますので,名前同じ及川なんですが,彼と僕とでは障害の状況が全然違うということが意見交換をしていて分かって,先月の段階では,僕は自分自身の経験からしたら,やったほうがいいんじゃないかという意見ではあったんです。でも,彼とこの1カ月何回かメールでやりとりをしたりしているうちに,その障害のあり方というのは非常に多様で癖も違うということを考えると,僕の意見はあくまで僕の意見に限られたものだったなというのを確認しまして,ちょっと街なかを歩いてみる中で,もし自分が車椅子だったらというのを想像して,ああここ車椅子だと行けないなというところを避けて回ったりしたら,やっぱり非常に,ああ違うもんだなと思ったんです。   その中で,障害に関することを啓蒙するのは,やっぱり障害者が一番やれる部分だと思うので,やったほうがいいというのは多分皆さんコンセンサスは得ていると思うんですが,先ほど小山委員が言ったように,やれる人とやれない人がいる,その中でなるべくだったら可能な限りやったほうがいいというのはあると思うので,どうしてもこの議論,いろんな障害を持った方が集まってくる中で,1つの統一したルールをつくろうと思うと,その障害の多様性,いろんな特性,考え方もいろいろある,そういったことに配慮しなきゃならないとは間違いなくあると思うんです。その中で,啓蒙というか知らせることをやっていくということを考えていくと,僕も今の考え方としては,その条例に明記する,やらなければいけないという縛りはちょっと「きついな」と。でも,その中でも「やったほうがいいな」とは皆さん思っていると思います。だから,それぞれの状況に合わせた中でやっていくような努力義務,義務って言っちゃうとまた縛りになるのかなと思うんですが,何というか,そういうふうにやっていくことをそれぞれの立場で推奨するような形にできればいいのかなというふうに思いました。   あと,もう一つ前文について,これは僕としてシンプルな意見なんですが,今回いろんな障害当事者が集まってこういう話をしていく中で出た意見が,ちょっと前文をやろう,つけたほうがいいんじゃないかって,多分ほぼそれに関してはこの中でコンセンサス取れて,やろうってなったと思うんです。そのことを考えると,やっぱり障害者のことをルールとして決めるために障害者を集めて話をした,その中で出た意見なので,過去の前例というか,その障害者基本法に前文とかあるとは思うんですが,もう少しその僕らの意見から出た意見だということを尊重して,ちょっともう少しここに関しては決めないで,もう少し時間を取れたらいいんじゃないかと思います。 ○座長 ありがとうございます。じゃあ,神田委員さん。 ○神田 神田と申します。私の,障害者が発信する義務があるか,あるいは努力義務があるかということについての考えを述べさせていただきます。   私の考え方といたしましては,義務あるいは努力義務という形にしてしまいますと,どうしてもやらなければならないという形で,少し言葉がきつくなるような気がいたしますので,私個人の考え方といたしましては,当事者が社会的障壁の除去を求める発信をする権利を有するとして,義務の反対の権利になります。有することを前提とし,県民には最大限その権利を擁護・保障する義務がある。そのような形にしていけば,当事者は権利を有する,そして発信する権利に基づいて発信したい,そういう当事者の方が,県民の義務により発信する権利が保障されることによって発信できる,そのような形になりますので,私はまず当事者は発信する権利を有している,そして県民にはその権利を擁護・保障する義務がある,そのような形で文言を整理していけばよろしいのではないかと考えております。 ○座長 ありがとうございます。では,木村委員さん。 ○木村(香) 社会福祉士会の木村です。前回,関係者の役割・責務の中で,障害当事者についての役割を盛り込んではどうかという発言をいたしました。その内容についてですけれども,この関係者役割の中に障害当事者という言葉が抜けていたところにこの発言をしたんですけれども,障害当事者にその役割・責務,そして資料の群馬県の例のようにとお伝えしましたけれども,それをそのまま用いて障害者の役割を,責務を求めるという意味ではなくて,障害者をその関係者で取り巻くような図式ではなくて,関係者と一緒に,当事者も含めて共生社会の実現につなげていけたらどうかという思いでお伝えいたしました。 ○座長 座長の阿部です。   さまざまな御意見,今頂戴していますけれども,前回の議論の補足的な議論になっているとは思うんですが,よろしいでしょうか。はい,じゃあ細川委員さん。 ○細川 一般社団法人聴覚障害者福祉会の細川と申します。   皆さんの議論を聞いていて,当事者を見つめるということ,つまり支援を欲しい,求めたいというようなこと,その聴覚障害者への合理的配慮とは,というこの本があるんですけれども,そのろうあ者の生活での合理的配慮を求めることについてまとめてある本なんです。多分皆さんの団体でも,このような本があるのではないのかなと思うんですけれども,いろいろまとめて書いてあります。例えば,視覚障害の方たちとかのその団体のほうでもあるのかどうかわからないですけれども,これによって行政,このこういう本を参考にすることによって,それを行政の方々にもやっぱり読んでもらうと,もっと議論のほうが進んでいくのではないかと思います。視覚障害者協会の方からや,他の方々からいろいろ意見をもらいましたが,やはりその生活というのはそれぞれ違いますね。ですから,その障害ということを一くくりにするのはやっぱり難しいので,ほかの団体も私たちのようなこのような本があれば,それを参考にしていったらいいのではないかと思っています。   すみません,少し横に逸れてしまいましたが,以上です。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございました。よろしいでしょうか。   今,皆さんからいろんな御意見頂戴していて,当事者の方々の役割・責務に関しては,例えば障害も非常に多様性に富んでいるということで,なかなか一つのくくりとしてのまとめ方って難しいんじゃないか,ある意味で非常にデリケートな部分なんだろうと思います。あとは,権利ということで位置づければいいのではないかと,そういう御意見も頂戴しました。   もう一つは,前文の取り扱いとして,皆様の御意見としては,やっぱり前文は入れるべきであると。この条例がどういう位置づけになっているかとか,どういう流れの中でこの条例が出てきたかとか,そういうことを含めた前文の必要性が,多分皆さんの中で結構合意されている内容なのかなと思います。これが前文なのか,あるいは例えば,目的規定の部分を膨らませてそこに入れるのか,ちょっと私もわからないところですが,ただ皆さんの御意見としては前文を入れていくという御意見があったということで,前回の第2回の検討会の内容に対しての補足的な意見ということで,これで2番目としての報告事項を締めさせていただいてよろしいでしょうか。ほかにどなたか補足的な御意見等ありますか。よろしいでしょうか。   事務局から何か補足とかよろしいですか。 ○事務局 特にはないです。 ○座長 それでは,最初に事務局から,あるいは私からの私からのお話でもありましたけれども,一旦休憩に入らせていただきます。検討会は10分後ということで,ちょっと中途半端になりますので,20分からですかね,2時20分から次の議題に入らせていただきます。   それでは,一旦休憩に入ります。お疲れさまです。      〔休 憩〕 ○座長 皆様お席につかれているようなので。座長の阿部です。   それでは,検討会を再開したいと思います。   今日は,次第にありますように,本日の議題は2点になっております。1点目が「障害を理由とする差別の禁止について」,2点目が「合理的配慮の提供義務について」の2つになっております。先ほどと同じように,皆様には可能な限り多くの御意見を頂戴したいと思っておりますので,どうぞ円滑な議事進行に御協力いただきますようよろしくお願いいたします。   3.議 題   (1)障害を理由とする差別の禁止について ○座長 それでは,議題(1)障害を理由とする差別の禁止について,事務局から説明お願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原から御説明させていただきます。   それでは,本日の議題1「障害を理由とする差別の禁止について」御説明いたします。   まず,お手元の参考資料を御覧ください。条例の骨子(案)です。   前回,前々回は,骨子(案)の左側上のちょっと太字になっている「1 目的や理念等」の部分を議論してきましたが,今回と次回の検討会では,その下のやはり太字になっております「2 障害を理由とする差別の解消に関すること」この部分について議論をしていきたいと考えております。   本日の議題1は「障害を理由とする差別の禁止」,議題2は「合理的配慮の提供義務」となっております。   それでは,お手元の資料3−1を御覧ください。   障害を理由とする差別の禁止については,条例の骨子(案)に基づき,次のとおり規定することを想定しております。「何人も,障害を理由として,障害のない人と不当な差別的取扱いをすることにより,障害のある人の権利利益を侵害してはならない」と。このことについて,皆様から御意見をいただきたいと考えております。   補足説明ですが,2点ございます。   まず,@ですが,障害を理由とする差別の禁止を義務づける範囲について,こちらは「何人も」としたいと考えております。障害者差別解消法では,「行政機関等」と「事業者」については差別禁止の規定があるものの,「国民」については規定されていないことから,そういう見方とすると「拡大」となりますが,障害者基本法では「何人も」と規定されて,差別が禁止されております。   次に,Aですが,障害を理由とする差別の禁止について,「不当な差別的取扱い」の具体例を個々に記載するのではなく,包括的に規定したいと考えております。その上で,何が差別に当たるかについてはガイドライン等を策定し,「不当な差別的取扱い」の具体的事例を示したいと考えております。   これは,何が差別に当たるかは様々であり,これらを全て条例上網羅することは困難であるとともに,現在想定されていないような新たな差別が問題となった場合に,柔軟かつ機動的に条例改正を行うということが困難であること,また,何が差別に当たるかについてはガイドライン等を策定し,それにより差別の具体的事例を広く県民に周知する方が理解が得られやすいと考えるからです。   次に,資料3−2を御覧ください。   議論の参考として,法律や他の都道府県条例における障害を理由とする差別の禁止についてまとめております。   障害を理由とする差別の禁止を義務づける範囲についてですが,(1)に障害者差別解消法の規定を,(2)に障害者基本法の規定をそれぞれ参考として掲載しております。また,(3)に他の都道府県条例の状況をまとめておりますが,障害を理由とする差別の禁止を義務づける範囲については「何人も」または「すべての県民」としている県が多く,22ございます。それ以外では,「都道府県及び事業者」としているのが7つ,「事業者」としているのが1つとなっております。   次のページを御覧ください。   障害を理由とする差別の禁止の規定の仕方についてですが,「不当な差別的取扱い」について,具体的な例を記載することなく包括的に記載している都道府県は17であり,具体例を個々に記載しているのは13となっております。差別の禁止について包括的に規定している他の都道府県条例の例として,福島県の例を参考掲載しております。また,差別の禁止について「不当な差別的取扱い」の具体例を個々記載している他の都道府県条例の例として,宮崎県の例を参考掲載しております。   事務局からの説明は以上です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございました。   ただいま事務局のほうから説明がありました,「障害を理由とする差別の禁止について」,これから議論していきたいと思います。先ほどと同じように,最初に団体名とお名前を述べてから,大きめの声でゆっくりとお話しいただければと思います。   それでは,御意見等ある方,挙手でお願いいたします。はい,細川委員さん。 ○細川 一般社団法人宮城県聴覚障害者福祉会,細川です。   @についてです。「何人」という言葉がありますが,これは日本中誰でもという意味でしょうか。やはりこの言葉を見ると,私はちょっとよく分かりません。例えば,県民の皆さんが,やっぱりその言葉を見て分かりやすいという,例えば「全ての人」というような言葉にかえたほうがいいのではないかと思います。その「何人」という中で,法律に合った文章ですけれども,一般の市民が,県民がそれを見たときに,やっぱりわかるようにするという意味で,「全ての人」というふうな言葉にかえたほうがいいのではないかというのが福祉会の意見です。以上です。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございます。   「何人も」というよりは「全ての人」とか,あるいはほかの県であるケースでは「全ての県民」とか,そういう言い方もほかの県ではされているそうですけれども,そういう御意見が今ございました。それ含めてで結構ですけれども,そのほか何か御意見等ございますでしょうか。はい,和田委員さんお願いします。 ○和田 宮城県サルコイドーシス友の会の和田と申します。よろしくお願いします。   今のお言葉の続きになるんですけれども,その文面の続きに「障害を理由として,障害のない人と不当な差別的」という言葉が入ってくるんですが,障害を理由としてというふうに書いてあることは,もう既に障害者ということをうたっているわけですね。それで改めて「障害のない人」ともう一度言い返すことは,あえてここで障害ということの,障害を持っている人たちに対する,それこそ差別のような気がしてならないので,ほかの県の中には,障害のある人に対して障害を理由としてどうのこうのという問題はありますけれども,障害のない人と比べるということ自体に多少違和感を感じました。この文面について,私はとても違和感を感じたので意見を言わせていただきます。 ○座長 ありがとうございました。障害がある人,あるいは障害のない人という区分というか,そういうのがちょっと見てとれるのではないかと,そういう御意見でした。   あといかがでしょうか。はい,小山委員さん。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   県の担当者に御質問です,確認です。この条例「障害のある人もない人も共生する社会づくり条例」は,対象者は県民なんでしょうか,または宮城県に入られる方,他県,全国のいろいろな方が宮城に来られると思いますが,そういった方々も対象になるのでしょうか。それによって言葉が変わってくるのかなと思いました。もし,県民だけが対象であれば,「全ての県民」とかになると分かりやすいと思いますが,県民以外も対象になるのであれば,もっと分かりやすく,あるいは「何人も」という言葉も出てくるのかなとちょっと思いました。以上です。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございました。   今のは事務局への御質問ということで,「何人も」の守備範囲というか意味するところですね。はい,お願いします。 ○事務局 事務局の日野原からお答えいたします。   まず,宮城県の条例の対象についてですが,これは行政区域としての宮城県内に入ってきた人であれば,その方全てが対象になります。例えば東京都の方が宮城県内に入れば,そこは宮城県の条例が適用されるということになります。逆に,宮城県の方が県外に出て,例えば沖縄県に行ったといった場合には,原則的に宮城県の条例が沖縄にいる間に適用されるということはありません。あくまで行政区域としての宮城県の中ですべからく全ての人に対して効力を発するというところございまして,そのためちょっと法令用語では全ての宮城県の行政区域に入ってきた人は,県民だけじゃなくて誰であれ全ての人がという意味だったので,こちら「何人も」という言葉を使わせていただいているというところでございました。   私からの説明は以上です。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございました。   今の事務局の御説明でよろしいでしょうか。(「はい,小山OKです」の声あり)はい。   とすると,「全ての県民」という言い方もちょっと違ってくるとか,「何人」あるいは「全ての人」,どちらがいいかわからないですけれども,そういう意味では結構広い考え方になってくるかなと思います。   あといかがでしょうか,皆様のほうから御意見。 ○及川(智) みやぎアピール大行動実行委員会の及川智です。   いくつかあるんですけれども,まず資料3−1の県から提案があった文案について,単純に読みにくいのかなと。要は,「障害を理由として,障害のない人と不当な差別的取扱い」というふうに続くんですけれども,もう少し言葉を足してほしいと思います。要は読み取りにくいんです。今ぱっと具体的な文案が出ないのでもどかしいんですけれども,まずそれが1点です。   もう一つは,私が提出した意見書でも述べているんですけれども,県の説明で言うところの具体的事例を,条文の本文にも設けるべきだというふうに思っています。これは,第1回検討会から言っていることなんですけれども,要は条例はどんなことが差別に当たるのかということを県民に示して,「こういう差別をなくしていこうね」と表明する意味もあると思っています。そういう意味でいくと,障害者を差別してはいけないということは誰しもが知っているんですよ,でも差別は一向になくならないんですね。それは,どういう状況が差別を生むんだということをもう少し具体的に示していく必要があるんですね。そういう意味でいうと,条例によっては,私の意見書のほうで,12の分野について具体的に規定するべきだというふうに意見を書きましたけれども,要は場面ごとによってどのような差別があるかということをはっきりと本文で示すことが非常に大事だと思っています。   もう一つ,先ほどの県の前回の検討会の報告の中で,虐待について,この条例では設けることは考えていないということがあったんですけれども,これは改めて設けるべきだと提起したいと思っています。この間,河北新報にも出たように,宮城県でも虐待が起こっています。確かに,虐待防止法はあるんですが,前回も指摘したとおり,不十分な部分があると。具体的には,通報義務の問題ですね。その点について,県の条例で規定するということを提案します。実際に,さいたま市の条例を参考にしているんですけれども,こういうことを具体的に示すということを提案したいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   ただいま及川委員さんの御意見,文章そのものが読み取りにくいと,すっと入ってこないというのが1点。もう一つは,具体的に障害を理由とする差別の内容,これを列記すべきである。お手元にある資料のとおりに12の区分わけがありますが,そういうふうに分けるべきであると,それが2点目。もう1点目が,虐待の内容をやはり入れるべきであると,そういうような内容等の御意見等ございました。   それに関連する,あるいはそれ以外でも何か御意見あれば。はい,木村綾子委員お願いします。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子と申します。3点意見を申し上げます。   1つ目は,@の補足説明につきまして,文面をより分かりやすくしたほうがよいという意見に賛成をいたします。私も,ぱっと全ての文面を今思いつかないんですけれども,文面の中に,人が人を差別するということは,人が人の命を軽視していることにほかならないという趣旨の補足を入れていただきたいと考えます。差別の根絶に当たっては,徹底して決してあってはならないことであるということを強調したほうがよいという意見です。   2つ目は,Aに関してなんですけれども,差別的取り扱いの具体例はガイドラインに記載をするという,事務局さんの柔軟に対応するという方向に賛同いたします。その上で,ガイドラインには障害者全般における具体例と,障害別の具体例,そしてその差別例に対してどのような年齢層であるのかを記載する方法を提案いたします。ガイドラインは,より実際的でなければ実用性に乏しくなってしまいますし,現実問題としてどういった年齢層でどのような差別があるのかも入れることによって,時代背景とあわせて考えることができると考えます。   3つ目は,及川智さんの意見書にある医療の提供についてです。私は,概ね及川さんの意見に賛同いたします。ですが,気がかりな点もあります。強制入院や問答無用の身体拘束などにつきましては,私も基本的に反対です。例えば,本人が自身について十分な説明を行える状態であるにもかかわらず,拷問のように行われる。それは完全な人権侵害であると考えます。一方で,私が知る限りなのですが,何らかの障害が疑われ,本来通院や入院措置が必要なのではないかという状態であるにもかかわらず,本人がそれを自覚していないために,本人のみならず自分の子供に対しても傷害その他の虐待を思わせる行為に及んでいる現実,また,これは慎重に考えなければならない問題ですが,本人のみならず,周囲に何らかの傷害を与えてしまうかも,将来的に与えてしまうかもしれない発言を繰り返す方がいらっしゃる現実に対しまして,何ら手段を講じることができなくなるという御提案でもありますので,まず根本であります適切な医療とは何かということから議論し直すべき重要な課題であると考えます。 ○座長 座長の阿部です。   今,さまざまな御意見頂戴して,文面を分かりやすく,あるいは命のかかわる重要な問題であることがもうちょっと明記されればいいのではないかという点。もう一つは,ガイドラインのほうで個別具体例が出てきたほうがいいのではないかと,その際に障害全体という部分と,個別的な部分というふうに分けて書けば分かりやすいのではないかと。もう一つは,医療に関して,これも非常に難しいところありますけれども,適正な医療とは何ぞやと,そういうものを前提として考える必要があるんじゃないかと。多様な御意見,今頂戴いたしました。   他にどなたか。はい,じゃあ神田委員さん。 ○神田 ここねっとの神田と申します。   まず,ここでの条例の骨子(案)に関しまして,4点私の意見を申し上げたいと思います。   まず1つ目,「差別的取扱い」とありますけれども,「取扱い」という言葉を申しますと,障害当事者は「物」なのかということを私としては強く感じます。ですから,「取り扱い」ではなく,「行為」というふうに改めていただきたいと考えております。理由といたしましては,もちろん「取扱い」という言葉が障害当事者が「物」であるということを連想させるということもあるのですけれども,では何か「取扱い」といいますと,当事者に対して働きかけるという行為が出てくると思います。でもその場合ですと,今日の及川智さんが出されました意見書の中の3ページ目に,まさにハラスメントで,言葉や体の動きをまねされるというあざけりは,「取り扱いじゃないからいいんだ」というふうに取れますので,私としてはこれは強く申し上げたいと思います。   そして2点目,もう1つが,ここでは文面どおり「取扱い」という言葉を使わせていただきますけれども,「不当な差別的取扱いや不当な差別的な取扱いと同等と認められる作為,不作為」という形としていただきたいと思います。不作為によって差別が助長されるということは,ここに並んでいらっしゃる全ての当事者の方が経験されたのではないかと考えております。ですから,ここでは特に「不作為」ということを強く推したいと考えております。   そして3つ目,「をすること」の前に「意識的または無意識ですること」ということをまた強く入れたいと思います。なぜかと申しますと,差別が無意識になされるということは,多くの事例で経験されていることです。例といたしましては,例えば「ブラックジャックによろしく」という漫画があるんですけれども,これのたしか3巻だと思うんですけど,差別や悪意はないといって,たしか私の記憶なんですけど,かなり前に読んだ漫画なので,点字ブロックの上にまさに無意識に自転車が不法駐輪されている,そのために障害当事者が立ち往生しているという場面が見開きページで描かれておりまして,まさに無意識のうちの差別ということに考えておりますので,私はここは「意識的かつ無意識に」ということを入れたいと思います。   そして,4点目といたしまして,「障害のある人の権利・利益や尊厳を侵害してはならない」ということも文言として追加していただきたいと考えております。なぜならば,これは先ほど申し上げました及川智さんが提出された意見書のまさに先ほどの3枚目のページにある「言葉や体の動きをまねされる」というあたりを入れるには,「権利・利益」では不十分だと考えております。例えば,これだけでは,まねされたことによって,あなたの権利・利益は害していない,だから条例違反ではないと言われてしまうと,私としてはもう反論ができませんので。そして,当事者の「尊厳」を害するというのは,まさに私も特性上かなり言葉遣い独特であったりすることが学生時代に特にありまして,それを散々クラスメイトや,時には先生達からも物まねをされて,クラス中から大笑いをされたということも何度もあります。そして,何かちょっと抗議すると,「だったらおまえも言い返せ」みたいなことを言われて,言い返せないようなことをわざわざ言い返せということによって尊厳を傷つけらたということが無数にありましたので,そしてそれは何十年経っても,今でも心の傷が残っておりますので,ここは障害のある人の「権利・利益や尊厳を侵害してはならない」という文言を加えるべきだと考えております。 ○座長 座長の阿部です。   「取扱い」という言葉の問題,あるいは「不作為」,あるいは「無意識」,文言の中に尊厳を侵害してはならないということで,「尊厳」という文言を入れるべきではないかという御意見を頂戴いたしました。   それでは,小山委員さんお願いします。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   先ほど構成員の神田さん,木村さん,及川さん等から出された意見については,私も全面的に支持,賛同いたします。   その上で,県の方に確認,質問です。ガイドラインのほうで,具体的な障害者差別事例等を載せる方向で提案されておりますが,このガイドラインというものはどういったものでしょうか。条例と一緒に,条例を読めばガイドラインを一緒に読めるものなのか,連動性がちょっと分かりません。説明をお願いします。   それから,それによっては,やはり条例にある程度,全てを提示するのは難しいと思いますが,ある程度の項目なりで示す方法も,県民にとってはあるいは皆さんにとって分かりやすい条例になるのではないかなと思っております。そのガイドラインについての説明をお願いします。 ○座長 座長の阿部です。   今の御質問,条例とガイドラインの関係性,あるいはどうやって県民に示していくのかと,そういう御質問かなと思います。事務局,よろしくお願いします。 ○事務局 事務局の日野原からお答えいたします。   条例とガイドラインですけれども,まずガイドラインというのは,条例の内容をもう少し分かりやすくかみ砕いた言葉で解説するようなものだというふうに御理解いただければと思います。条例もやはり一種の法令,国の中の法令の体系に位置づけられているので,そこで用いられる用語というのはある程度ルール,規則があって,なかなか分かり易いかみ砕いた言葉を使用できないという部分が,どうしても制約がありますので,そういった部分を補って,より平易な形で解説できるものといったことを想定しております。条例の施行日と同じようなタイミングで,ガイドラインについてホームページに掲載したりですとか,あるいは冊子などを作成して要望のある方には配布するというような形で普及啓発を図っていきたいと考えております。   当然,ガイドラインにつきましては,条例の内容を書いているものなんですけれども,新たに差別的な事例ですとかそういったものが集積されてくれば,適宜そちらの内容を拡充していくといった形で,県民の方に分かりやすくお伝えしていきたいと考えておりますので,条例の改正というと,やはり議会の議決が必要になってまいりますので,機動的に素早く直すということがどうしても不向きなところがあります。あと,先ほど申し上げた,法令の用語というのは分かりにくい部分はどうしてもございますので,そういったものを補うものといった位置づけで,ガイドラインでは素早く改正もできますし,平易な言葉,場合によってはイラストですとか,そういったものも,もちろんカラーで入れたりですとか,そういった図を入れたりといったことも可能なので,より分かりやすくなるのではと考えております。   私からの説明は以上となります。 ○座長 じゃあ,小山委員さん,よろしくお願いします。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。日野原さん,御説明ありがとうございました。   ガイドラインについては,より分かりやすく掲載ができるということでしたが,やはり条例のほうも法律用語で難しさが多少あっても,修正等も,条例の改正等も時間がかかる,県議会の承認が必要,そういうことも考えると,やはり条例の条文もこの検討会も含めて,一番最初の出だしできちんと議論した内容も踏まえて出す必要があると私は思っております。 ○座長 座長の阿部です。   じゃあ,和田委員さんからお願いします。 ○和田 宮城県サルコイドーシス友の会の和田でございます。   今の話の中なんですが,条例を確かに改正というのは大変難しいことになるんです。それでは改めて,「別途定める」というような文言を入れることによって,条例を補足できるような形にするという方法だってあるのではないかと思うので,その「別途定める」という文言を入れるというものはどのようなものなのでしょうか。事務局の方にお伺いします。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございます。   これは事務局への御質問ということですか。お願いします。 ○事務局 事務局の日野原からお答えいたします。   「別途定める」といった場合ですと,比較的多いのが,県でつくる条例ではなくて規則という,それは知事の権限で制定できる地方自治体の法令があるんですけれども,そういったものに委任するようなときに使われる単語でして,当然その,もちろんちょっと法令上の言い回しはすぐ出てこないですけれども,そういった形でつくって,規則のほうに細かいことを委ねて,そこで定めた内容を一緒にその条例の内容として読み込むといった手法は,実際法制執務という法律上のその事務手続のやり方のルールの中でございます。ちょっと質問にちゃんと答えられているかどうかわからないんですけれども,一旦私からの回答はこのような形でしたいと思います。 ○座長 座長の阿部です。ありがとうございます。 ○和田 そうすれば,今皆さんの御意見がいろいろ出ているものを,改めて条例として1点,1つでつくるんじゃなく,この後もまだ検討していけるという形をとれるのであれば,そういうことも必要かなと思いました。 ○座長 座長の阿部です。今1つ御提案を頂戴したと思います。   じゃあ,及川篤生さん,お願いします。 ○及川(篤) 視覚障害者福祉協会,及川です。   ちょっと話が変わってしまうんですが,僕ら視覚障害者の仲間に,盲導犬を使っている方たちが,宮城県だと多分20人ちょっとくらいいると思うんです。盲導犬に関しては,介助犬法だったかな,というのが,要は結局介助犬を使っている人に対する合理的配慮を求めるみたいな内容です,それは。多分皆さん御存じだとは思うんですけれども,やはり盲導犬,公的なところに関しては受け入れ義務があるので,それは大体行われていると思うんですが,民間に関しては,盲導犬ユーザーの方の話を聞くと,なかなか受け入れてもらえないところが多くて,嫌な思いするのが多いみたいなことがあって,民間に関しては,受け入れ努力義務だったかな,何も罰則がないということで,僕が盲導犬ユーザーの方から聞いていると,受け入れ努力義務というには,もう実質その介助犬法のその飲食店なんかの盲導犬の受け入れ,実質もう受け入れ側にほぼ選択権がある,実質骨抜きになっているようなところがあるなとか感じていて,今回の差別の問題に関しても,「障害がある人もない人も共生できる」という言葉を使って,多分社会がもうその差別をしない,合理的配慮を提供するということもあるんですが,多分障害者側も社会に対して,合理的配慮を提供してもらうための障害者側からの合理的配慮というのは必要だとは思うんですが,例えば僕,ちょっとほかの障害者の方たちともいろいろ話をしている中で,ホルモンの病気で低身長の方っていますよね。ちょっと話していたら,俺ジェットコースター乗ったことないんだよって。分かりますか。あれ,身長110センチ以下の方は乗れませんって。これ多分どうなんだろう,多分社会の認識として,これは差別だと思っている人はあんまりいないと思うんですよ。そういうものだなというので通用しちゃっているんだけど,その当事者から見ればこれ多分差別というか,仕方がないなと思っちゃっている部分もあるんですけれども,と思うんですが,そういったことで,その差別ということをしっかり定義しないと,またこれ僕ちょっと非常にまた,せっかくこの場で来て言うのあれなんですけど,この障害による差別禁止何たらかんたらも骨抜きになるんじゃないかと。だから,その共生していく社会の中で,例えば身長110センチ以上じゃないと乗れないという状況を解決するために,身長110センチ以下の人でも乗れるジェットコースターをつくれというのはとても無理な話だとは思うんですけれども,だから僕としてはちょっと今回の条例をつくるに当たって,見てきた中で,せっかくルールとしてはあるけれども,実際の運用の中でそれが骨抜きになってしまうというのは非常に怖いなというか,まるでここで皆さん集まってやっている意味がないなと思うんですけれども,ちょっと県の方にこれすごく,非常に難しい質問で要求だと思うんですが,そのルールを運用していく中で,それがきちっと回るような工夫というのをちょっと考えてほしいなというふうに思います。 ○座長 座長の阿部です。   今のは御意見あるいは御質問。 ○及川(篤) もし何か対応を考えているというのか,お答えいただければ。 ○座長 はい。事務局いかがでしょうか。お願いします。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   ただいまのお話でございますが,おっしゃるとおりだと思います。先行して条例を制定している都道府県の状況ということもありますし,当然法律で,禁止になっているにもかかわらず,差別が一切なくなっているわけではないという現実があると思います。   ただ,やはりそうは言っても,こういう取り組みをして条例を制定して,あるいは先ほど御紹介させていただいたガイドラインなどを作成しながら普及していく,啓発していくというのが非常に大事だと思っておりまして,そういう意味でもそのガイドラインというものを作成し,先ほども御紹介させいただいたとおり,少し概要版のような形で,カラーですとかイラストの入ったものを作成して広く県民の皆さんなり,「何人も」という言い方になるかもしれないんですが,広めていくというところから,少しずつでも進めていければなというふうに,今の時点で考えております。 ○座長 座長の阿部です。   よろしいでしょうか。そのほかございますか。じゃあ,及川智委員さん。 ○及川(智) 先ほど神田さんからも言及されたんですけれども,私の意見書,私自身が経験した事例をいくつか載せました。例えば,お店に入れないとか,バスに乗れない,アパートを借りられないとか,話を聞いてもらえない,言葉や動きをまねされるということを書いたんですけれども,これはある程度選んで載せました。それは,やはり障害者だから受けることなんです。差別解消というのは,よく他のものとの平等と言いますけれども,他のものというのは障害がない人のことをここでは言いますが,ほぼ経験しないことなんですね。こういう経験をしない,あるいは健常者だと同じことができる環境をつくることが差別解消だというふうに思っています。その上で,生活の場面において,障害を持っているとどんな差別とか不利益な扱いを受けるのかということを,やはり条例で規定しないと意味がないんですね。事務的な話にもなってきますけれども,県民もそうだし,議会においてもそれはやはり理解していただきたいと思うので,そういう意味でも,あともう一つは,具体的な差別を受けたときのこの経験は何とかしてくれるんだろうかと思ったときに,法律とか条例を見るわけです。それで,そのときに同じような事例とか分野が書いてあると,ああこれは相談しようと,相談してみようと思えるわけです。県の説明で,具体的な事例,文言はありますけれども,分野別の規定は具体的な事例ではないんです。要は,状況を示したもので,ある程度障害者差別が起こりやすい生活の分野について規定していくことが多いと思います。   長くなったんですけれども,もう一つだけ僕の意見書のほうに,3ページの(10)性別的な違い,家族形成というふうにありますけれども,女性障害者の問題,女性障害者は女性であることに加えて,障害者であると,それによって二重に差別を受けるわけです。簡単に言うと,女性としての役割を求められてしまう,もう一つは,逆に女性としては扱われないというか,見られないということが多くの実例から分かってきています。こういう分野というのは,本当に新しい,今まで分かっていなかった部分なんですね。そういうことも踏まえて,繰り返しになりますけれども,どういうことが差別なんだということを明記するということは非常に大事だと思っております。ここが本当に条例の肝となる部分だと思っています。 ○座長 座長の阿部です。   今の御発言は,差別の具体例,生活の分野別だろうと思うんですけれども,そういう部分に関してやっぱり条例の本体に盛り込むべきだろうと,それが肝であるという御発言と,もう一つは,その中で障害のある女性への配慮,そういう項目も重要であると,やっぱり新しい問題であると,そういうような御指摘あるいは御提案をいただきました。ありがとうございました。   今さまざまな御意見いただいていますが,すいません,じゃあ細川委員さん。 ○細川 聴覚障害者福祉会の細川です。   意見書のことを,具体的に本当に細かく詳しく書かれていますけれども,県の場合は大枠な概要を出していただいて,ガイドラインを後でつけるということですけれども,そのガイドラインは今ないですよね。今欲しいんです。なので,今ないので,これを議論できないんですね。それが,ガイドラインがどのような内容なのかということも理解できませんし,見本とか参考例とかというのがあれば,分かりやすくて議論も進みやすいと思うんですけれども,今それがないので,それを準備してほしいんですが,どうでしょうか,それがないのはなぜなんでしょうか。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   今のは御質問になるんだろうと思いますが,事務局さんいかがでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原のほうからお答えいたします。   まず,本県のガイドラインは,条例の制定に合わせてつくっていくといったところで考えておりましたので,現在ガイドラインはありません。他県では,ガイドライン作成をしているところもございますので,発行元の自治体の了解を得た上で,サンプルを御覧になっていただけるように配付するということはできるかと思います。他県のガイドラインについては検討させていただければと思います。 ○座長 座長の阿部です。   細川委員さん,よろしいでしょうか。 ○細川 では,第4回の検討会のときにはぜひ参考に配付していただければと思います。よろしくお願いします。 ○座長 ありがとうございます。それでは,小山委員さん。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   先ほど及川智さんより,この個別の事例についてお話がありました。私もその事例をガイドラインのほうに載せる,載せて詳しく分かりやすく伝えられるという部分と,それから条例がやはり障害者が生活していく,一緒に共生していく,社会で生きていく場合に,条例のほうでも,その及川さんが具体的に示してくださったので,こういうことも差別に当たるんだとか,そういうことも分かります。それがなければ,そのないものから考える,訴えるということもなかなか難しいので,具体的に出せるところは出していったほうが,項目でも構いませんし,そのほうが分かりやすい条例になるのではないかなと思いました。以上です。   もう1点。あと,まだ皆さんと議論できていませんが,それぞれの立場,行政とか事業者,そして県民等の義務,努力義務など,どのようにするか,こちらも意見交換をできればと思っております。よろしくお願いします。 ○座長 座長の阿部です。   今後半の部分は,この次の議題になりますので,そのときに議論していただければと思います。   それでは,木村綾子委員さん。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   及川智さんもおっしゃいました,性別の違いによって起こる差別につきまして,女性だから起こってしまう差別というのものは確かに存在をすると思います。低年齢や独身であるからこそ起こることもあれば,結婚をしていたり母親であるからこその違いも出てくるはずだと考えます。こちらも,ガイドラインに具体例として記載をしてほしいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   今障害を持った女性の方への配慮をきちんとガイドライン等のほうに記載していただきたいと,そういう御意見をいただきました。   他にございますでしょうか。及川智委員さん。 ○及川(智) ガイドラインの話になったので,一言言いたいと思います。具体的な内容はガイドラインに書き込むというお話はわかるんですが,一つ大きな懸念としては,私たちはこうやって条例について議論をして,内容について議論をしているということがあるんですけれども,本当にその話をされたそれが反映されたガイドラインになってほしいと思っているんです。そういう意味では,条例では大枠を決めてガイドラインで細かくするということは,個人的には非常に怖いです。怖いというのは,検討会で議論をして条例となったものをもとにしてガイドラインをつくるわけですので,条例に書かないということは非常に不安が残ります。気持ちとしては,ガイドラインも含めて検討会で議論したいというふうに思っています。以上です。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   今の御意見は,大枠は条例で,細かなところ,具体的にはガイドラインと,そういうのも理解はできるけれども,ちゃんと議論された内容が反映できるかどうかが不安が残ると,そういう御意見。ガイドラインを含めた議論ということを御希望されていますけれども,これはどうなんでしょう。とりあえずこの検討会としては,条例に向けての検討会になっていますので,そこまではちょっと厳しいのかなと,思いはとてもよく分かりますけれども。事務局いかがでしょう。 ○事務局 障害福祉課長の小松です。   基本的には,今年この検討会では,条例にどういったものを規定するのかということで御意見をいただいているということになりまして,来年度以降さまざまガイドラインづくりですとか,あるいは素案,一次案というふうな流れになってまいりますので,ガイドラインをつくるということになれば,こうした会を開くのか,いろいろ団体の方から御意見をいただくのかということはこれからになりますけれども,そうした手続,ステップが必要になってくるんだというふうには考えています。 ○座長 という位置づけになっている,いかがですか。 ○及川(智) もう少し踏み込んで話をしますと,恐らく私のイメージだと,私が提案した12項目ありますけれども,こういうことがガイドラインに載って,その下に代表的な事例が載ってくるというものが,いわゆるガイドラインになると思うんです。であれば,条例に載せるべきだというのが私の意見です。 ○座長 ありがとうございます。はい,じゃあ木村さん。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   障害を理由とする差別の禁止について,ガイドラインで具体的な例を記載するべきだと主張している身としましては,そのガイドラインの内容はまた別に考えていこうというのは,ちょっと今やっていることの意味が随分変わってくると思うんですね。差別に関して話しているはずなのに,その肝心の差別の内容はまた別となりますと,今やっていることは何なのかという話になってくるかと思いますけれども,いかがでしょうか。事務局よろしくお願いいたします。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。事務局からありますか。 ○事務局 障害福祉課長の小松です。   条例とは別にガイドラインを作成することになりますが,当然ガイドラインの策定ということになればですが,今回及川智さんからいただきました意見の部分ですとか,あるいは今回資料の3−2で提案をいたしました宮崎県の例ですとか,こうしたところなどを参考にしながら,どういうものを載せていくのかということは考えるということになると思いますので,今日いただいた様々な御意見も踏まえた上で,ガイドラインのほうに落とし込むということになろうかと思います。 ○座長 ありがとうございます。 ○副座長 副座長の笠原です。遅れて来てすみませんでした。   話の途中からだったんですけれども,差別禁止に当たる事項を条例に盛り込むか,ガイドラインに落とすかというような経緯かと思うんですけれども,及川智さんのほうから出していただいたペーパーでは,この及川智さんの挙げていただいた項目は,条例に載せてくる内容なのかなと思っていまして,今回挙がっている宮崎の例の条項があるんですけれども,こんなイメージで,ある程度抽象化した場面において,ある程度抽象化した禁止事項を条例に載せて,もっと具体化したものをガイドラインに落としていくというようなイメージで考えていたんですけれども,そんなイメージでよろしいですか。 ○及川(智) 私のイメージは,今副座長がおっしゃったイメージです。そのとおりです。 ○副座長 ありがとうございます。私が来る前に話が出たかもしれないんですけど,そもそもこの例示を載せないという選択もあって,それをとっている県もあるかと思うんですね。そうだとすると,その義務を課される県民の方とか事業者とかそういった方からすると,何が禁止事項に当たるかという予測可能性が取れないので,ある程度の例示は挙げたほうがいいというような,その条例の役割としての意味合いもあるのかなと思って,及川さんのペーパーは見ていました。   それと,条例のその設け方にもよるんですけど,例示を挙げたときに,それが「例示列挙」と「限定列挙」という言い方をするんですけれども,これがここに挙げたことが例示であって,一つの例であって,それ以外の差別禁止に当たる行為をしたことが禁止事項に当たらないというような捉え方を……ごめんなさい,ちょっともう1回整理しますね。限定列挙ですと,そこに書かれたこと以外はやってもセーフだということになってしまって,例示だと例を挙げた上で,その他不利益な取扱いに準ずることなどという文言も設けて,対象行為を広く取っていくということになるんですけれども,結構その書きぶりによって法技術的な部分もあって,この条例を見た県民の方がそれをどう捉えるか,「これ書いてないんだからやってもいいでしょう」と,極端な話そういう方も出てくるのかな,なんていう懸念もあるんですけれども,そういう意味ではガイドラインを設けて,啓蒙とガイドラインって一体になってくるんじゃないのかなと思うんですけれども,具体的にこういうことが典型的な差別行為に当たりますよということをガイドラインに設けて,それを啓蒙していくということでやっていく必要があるのかなというふうに思っていまして,ちょっとすいません,木村さんの話からあまりかみ合っていないところもあるんですけれども,条例の位置づけとガイドラインの位置づけ,それをどう図るかということと,あと,先ほどガイドラインの内容を検討会で決めていくかどうかという話もありましたけれども,私もちょっとこの条例の制定の仕組みについて,はっきりと明確に理解していない部分もあるかと思うんですけれども,推進協議会というのがもともとその条例の中身について検討している協議会が別途あって,そこに意見を上げる,我々は知事に意見を上げるんですけれども,そこの推進協議会のほうでもガイドラインの中身については検討するということになるんでしょうか。事務局への質問になりますけれども。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   基本的には,その施策推進協議会のほうは,条例の本体部分を御審議いただくことになるかと思いますが,当然今回のガイドラインについては,この条例とセットで整備していこうと思っておりますので,施策推進協議会のほうにもお示ししながら固めていくということになろうかと考えています。以上です。 ○座長 じゃあ,木村委員さん。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   すいません,ちょっと理解が不足している部分もあると思うんですけれども,条例に対して差別の記載のイメージとしまして,ある程度の例示を載せて,それとガイドラインを連動させる文言を設けると考えてよろしいでしょうか。   すみません,あともう1点なんですが,ガイドラインの役割というものを改めて明確にしたほうがよいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   今のは事務局への質問ですね。事務局いかがでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原のほうでお答えいたします。   現在事務局のほうで考えていたのは,条例については包括的な,資料3−1に記載させていただいたように,包括的に「あらゆるその差別については誰であってもしてはいけない」といった形で規定させていただいた上で,細かいその具体的な場面ですとか障害の特性に応じたものについてのその差別の事例などについては,ガイドラインのほうで具体的なものを記載して普及啓発を図っていくといったような形で考えておりました。   ガイドラインの役割というところは,条例の内容その趣旨とか意図,そういった心は何なのかということを県民の方に分かりやすく伝えるものといったところで考えておりましたので,やはりその部分は条例とある意味セットで制定してつくっていくといった形で考えております。以上となります。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   じゃあ,小山委員さんお願いします。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   まず,条例については,私も及川智さん,それから笠原さんより御説明があったとおり,条例の中である程度明記していくイメージで私は考えておりました。そのほうが分かりやすく,伝わるものがあると私は理解しております。   それで,県の担当者に質問ですが,この私たち検討会の委員と県のほうの考えとでギャップを感じることがあります。今回,私たちが検討会でいろいろ議論,意見交換等しておりますが,報告はあくまでもこの検討会の内容を報告することになるんでしょうか,それとも,それを県のほうの意見なり目指す方向性みたいなものも組み込まれて議会のほうに出されるのでしょうか。それによって,この検討会の持つ意味がちょっと変わってくるので,そこを確認したいです。以上です。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。いかがでしょうか。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   今お話いただきましたとおり,この検討会では最終的に報告書というのを取りまとめをいただくことで考えております。その報告書につきましては,この検討会において行われたさまざまな御意見を,できるだけたくさん載せたいと思っておりまして,その内容についてまとめたものを報告書という形にしたいというふうに考えています。以上です。 ○座長 座長の阿部です。   小山委員,よろしいでしょうか。 ○小山 はい,内容については分かりました。 ○座長 ありがとうございます。あといかがでしょうか,よろしいですか。   それでは,ただいまは議題の(1)になりますが,「障害を理由とする差別の禁止について」,いろんな御意見等を頂戴しました。「何人も」という言葉,どういう守備範囲を持っているかとか,あるいは今条例とガイドライン等の関係性とか,その持つ意味とか,そういう御議論,あるいは差別的取扱いとか,いろんな意味でその言葉の使い方の問題,あるいは尊厳の侵害と,ただ尊厳という言葉の重要性,入れる必要があるのではないかと,そういう考え方,あるいは条例の中で具体列記していく,あるいはもっとより細かな部分としてガイドラインのほうで事例等を挙げていくと,そういうようなさまざまな御意見等いただきました。最終的には,皆さんの根底にある考え方としては,多分条例をつくったとしても,これが県民に周知されないとか,あるいは県民の理解が得られないとか,あるいはなされないとか,そういうことのないような条例であってほしいと。   あとは,ここの議論をぜひガイドラインのほうにもつないでほしいと,そういうことは共通の認識というか思いだったのではないかなと思っております。   それでは,議題の(1)についての検討はこれで終了させていただきます。   一旦休憩をとらせていただいて,ちょっと区切りのいいところとして,4時から次の検討会に入ります。どうもお疲れさまでした。      〔休 憩〕 ○座長 座長の阿部です。   それでは,時間ですので,検討会を再開したいと思います。   すみません,予定の時間よりも少し長くなってしまって大変申しわけありませんけれども,どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。   (2)合理的配慮の提供義務について ○座長 続きまして,議題の(2)になります。「合理的配慮の提供義務について」,事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原から御説明いたします。   それでは,議題2「合理的配慮の提供義務について」,事務局から御説明いたします。   お手元の資料4−1と参考資料を御覧ください。   条例の骨子(案)に基づき,合理的配慮の提供義務について,次のとおり規定することを想定しています。   まず,県の責務としては,「県は,その事務又は事業を行うに当たり,障害のある人から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明(障害のある人がその意思の表明を行うことが困難である場合には,その家族,介助者等が本人を補佐して行う意思の表明を含む。)があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害のある人の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害のある人の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」   次に,事業者の義務として,「事業者は,その事業を行うに当たり,障害のある人から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明(障害のある人がその意思の表明を行うことが困難である場合には,その家族,介助者等が本人を補佐して行う意思の表明を含む。)があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害のある人の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害のある人の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない」と。   このことについて,皆様から御意見をいただきたいと考えております。   補足説明ですが,合理的な配慮の提供を義務づける範囲について,障害のある人と相手方の関係は具体的な場面によってさまざまであり,それによって求める配慮の内容や程度も多種多様であることから,「事業者」に関しては努力義務とし,「県民」については特に規定しない方向で考えております。   なお,議論の参考として,法律や他の都道府県条例における合理的配慮の提供義務について,資料4−2にまとめておりますので御覧ください。   まず,1,合理的な配慮の提供が求められる場合と提供に当たって留意すべき事項についてですが,合理的な配慮の提供が求められる場合について,障害者差別解消法では,個々の障害者から現に社会的障壁の除去を必要とする旨の「意思の表明」があった場合と規定しております。また,配慮が求められる側の負担も考慮し,「その実施に伴う負担が加重でないとき」としております。   合理的な配慮の提供に当たって留意すべき事項については,障害者差別解消法では,合理的な配慮の提供に当たっては,「当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて」必要かつ合理的な配慮をしなければ ならないと規定しております。   障害者差別解消法の規定を,四角の枠の中に記載しておりますので御確認ください。   1枚めくっていただきまして,次に2「合理的な配慮の提供を義務づける範囲について」ですが,障害者差別解消法では,「行政機関等」には合理的配慮の提供義務を課す(しなければならない)というような規定の仕方をしております。その一方で,「事業者」に関しては努力義務(努めなければならない)にとどめております。また,「国民」については,特に規定されておりません。   この理由について,令和元年度版の障害者白書では,「これは,障害者差別解消法の対象範囲が幅広く,障害者と事業者との関係は具体的な場面などによって様々であり,それによって求められる配慮の内容や程度も多種多様であることを踏まえたものである」と,こちら20ページの記載の引用ですけれども,そのように解説しております。   他の都道府県条例の状況につきましては,表にまとめておりますので御確認ください。   事務局からの説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。 ○座長 座長の阿部です。   今,事務局から説明がありました「合理的配慮の提供義務について」,骨子の(案)に基づいて,今のようにということですね,@,Aとそういう規定を想定していますと,それについて皆さんから御意見を頂戴したいと思います。同じように,御意見がありましたら挙手でお願いいたします。じゃあ,神田委員さん。 ○神田 ここねっとの神田と申します。   まず,この条例の骨子(案)につきまして,私の考える意見が4つあります。   まず1つは,@,Aでも共通ですけれども,便宜上@の2行目の「意思の表明」とありますけれども,ここはまず「意思の表明か,意思の表明と同等に認められる発信その他の行為や現象」という文言を加えるべきと考えています。なぜかと申しますと,場合によっては何かパワーハラスメントや虐待などによって,「意思の表明」さえも押さえ付けられる場合というのもあり得ると思います,虐待の現場においては。それでしたら,本当に「意思の表明」がなければ合理的配慮をしなくてもいいという形で,まさに先ほどの障害当事者が義務を負わなければならないのかという形になりますので,私はそれと同等と認められる発信その他の行為の中に,例えば学校で言えば,いじめによる不登校も含まれると考えますし,あるいは「現象」と入れたのは,少し先ほどの当事者を物扱いか,というようなものと少しかぶってくるので,少し私としてもいいことがもっと浮かべばよかったんですけど,ここでは例えば体に著しい虐待の跡が認められる場合にも合理的配慮を行うことができるという意味で,「現象」という言葉をつけ加えさせていただきましたし,そうあるべきだと考えております。   そして,2つ目といたしましては,4行目に「があった場合において」とありますけれども,これは「あった」というのは客観的事実に基づくものだと考えますので,それこそ合理的配慮の開始が遅くなる可能性が出てくると思います。それこそ「意思の表明」があった場合であっても,客観的事実として確認できませんので支援が開始できませんという,よく,あえて言いますけど児童相談所さんが,何か虐待死をもたらしてしまって,もう確認しているうちに手遅れになって尊い命が失われてしまった,そういった事態を招くおそれがあると考えますので,私はここは「あった」ではなしに「確認された」あるいは「あると認められた」場合においてとすべきと考えております。これでしたら,まさしく宮城県さんなり事業所さんなりが,著しい虐待の跡があった場合にも動くことができると考えられるからです。   そして,3つ目といたしましては,まず@の下から2行目「性別」とありますけれども,これは恐らくセクシャリティーに基づく性別なのではないかと考えます。つまり,生物学的なフィジカルによる男性・女性の区別ということで,これに基づいて性別という言葉を使っていらっしゃるのかもしれませんけれども,現在ではLGBTという言葉がもう普及しておりますとおり,性別というものは男性と女性という2分には分けられない,もっと多様なものだということは共通の認識と考えますので,私はここは当該障害のある人の「自認する性別」あたりの文言にすべきかと考えております。もちろん,この自認するだけでも十分ではないかもしれませんけれども,まずはどちらかといえば条例の骨子ということですので,自認する性別という少し抽象的な文言を使うこともお許しいただきたいと考えます。   そして,最後4つ目なんですけれども,4行目から5行目にかけて「その実施に伴う負担が過重でないときは」,この文言が私にとってはとても気になりました。これでは,原則規定と例外規定が逆になっているのではないかなということを考えます。つまり,「過重でないときには合理的配慮をしてやるよ」というものを私はここに読み取ります。ですから,私はここは,「その実施に伴う負担が過重である場合を除き」,つまりこうすると合理的配慮をする場合が原則になって,どうしても過重なのでできない場合を例外とすることができると考えます。そして,「過重である場合を除き」に加えて,もう少し踏み込むのであれば,「その実施に伴う負担が過重であり,かつ社会通念上実施が極めて困難であると認められる場合を除き」とまで踏み込むべきと考えます。なぜならば,過重であれば,もう合理的配慮はしなくていい,何もしなくていいというように読み取れる可能性もありますので,過重であってもできるときにはやるべきだと私は考えます,合理的配慮のことです。ですから,ここは繰り返しますけれども,「過重であり,かつ社会通念上実施が極めて困難であると認められる場合を除き」という形で,合理的配慮をする場合というものを原則として,どうしてもできないというときを例外規定とするという文言に改めるべきと考えます。 ○座長 座長の阿部です。   今さまざまなこの想定される条文に対しての御意見,「表明」よりももう少し範囲を広めて,「現象あるいは行為」とか,あるいは「あった」ということじゃなくて「あると認められた」,あるいはLGBTに言われるように,もうちょっとここを緩やかにすべきであろうと。あるいは,「過重でないとき」というものが,原則,例外,これがひっくり返っているんじゃないかと,そういう御指摘等ございました。これに関連する,あるいはそれ以外でも結構ですけれども,何か皆さん御意見ございますか。じゃあ,すみません,小山さんのほうから。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   神田構成員の提案に,当事者として全面的に賛同,支持いたします。   それで,盲ろう者は目と耳の両方が不自由な障害があるために,それぞれ盲ろう者1人1人その抱える困難も,必要な配慮も支援も違ってきます。その上で,盲ろう者として合理的配慮をより必要とする障害であること,そのために行政については義務,そして県民については努力義務とありますが,皆さんの中で,障害者差別解消法が施行されてからどれくらいこの努力義務というところで,事業者が努力義務というところで合理的配慮がなされてきたか,理解が広まってきたか,このことも踏まえてどこまで規定するかを考えていただきたいという思いはあります。義務まで求めるかどうかというのが,義務まで求めてもできるかどうか,それにも神田さんの言う文言が非常に有効に働いてくるのではないかなと思っております。   それから,県民については規定はなしということですが,県民といえば私たち障害者も県民の1人です。それで,私たち障害者もそれぞれの多様性を認め合い,そして相互理解のもとで相手の障害者が必要とする合理的配慮をする必要も出てくるかと思います。それを過度のとか,過重な負担にならない範囲でというようなこともありましたが,この文面を神田さんの御提案された内容で私はよいのではないかなと考えております。   皆さんにお聞きしたいのが,障害者差別解消法が施行されてどれだけ変わったかというのも,実感もお聞きしてみたいです。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見は,神田委員さんの御意見に賛同するという御意見と,差別解消法が施行されて以降変わったか,変わっていないかということに関して皆さんの御意見もお聞きしたいというふうなことですけれども,いかがですか。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   神田さん,小山さん両名の御意見に,私も全面的に賛同をいたします。加えまして,まず合理的配慮の提供義務の前提として,本人の意思の「表明」が必要とありますが,そもそも社会的弱者として,本来負う必要のない負い目や傷などを深く抱えている多数の当事者が,声を大にして意思の表明ができるとは私は考えておりません。家族や介助者の補佐を受けられない人や,自らの意思をしっかりと伝えることが困難である方々は,どこにどのように頼ればよいのか条例には含まれておりません。そこが,既に合理的配慮がないと言えると思います。   もう1点は,合理的配慮の提供とは,やってもらうだけではなく,障害者と健常者双方がまず何をどこまでならできるのかを話し合い,双方の理解,受諾の上で成り立つものだと考えます。障害を直接見せることができない精神障害にとりましても,それが重要ですし,社会的障壁を取り除くために必要なものは,何よりもお互いが理解し合い,認識を持つことから始めなくては,特に事業者の方々にとって,ただ設備投資や提供サービスに負担が増えるだけの義務だと捉えられてしまう危険性があり,結果として社会的障壁が厚くなってしまうおそれがあると考えます。   最後に,小山さんの差別解消法が制定されてどれだけ変わったかという御質問ですけれども,私としましては,差別解消法が広く皆さんに認識されているとは全く思っておらず,むしろその逆です。何か変わったかと言われますと,何も変わっていないというのが私の印象です。 ○座長 座長の阿部です。   基本的に,今までの御意見に賛同されるということと,その前提として双方の理解あるいは承認ですか,そういうものが前提となるのではないかと。あとは,差別解消法以降変わったかという御質問に関しては,変わっていないと,そういう実感をお持ちだと,そういう御意見あるいは御感想をいただきました。   いかがでしょうか,関連すること,はい,細川委員さんお願いします。 ○細川 一般社団法人聴覚障害者福祉会の細川です。   いろいろな議論の中で,その文章にこだわりがちょっと私のほうにもありまして,事業者の努力義務と書いてありますけれども,何かが起こった場合,義務違反がもし起こった場合,行政のほうで,いや,機関のほうで苦情を申し立てるということができるのかどうかを聞きたいです。対応していただける場合,その行政の場の窓口ですね,それをきちんと準備していただけるのかということをお聞きしたいです。   それから,また努力義務だけでは,やはりちょっと物足りない気がしています。努力義務だけではなくて,配慮義務というのはどうでしょうか。それを,その文言も入れていただきたいです。努力義務の場合は,その自分の範囲だけで,自分の考えだけでの努力というイメージがあります。配慮義務の場合は,周りも見て,周りであのような配慮をしている,では私もこのようにできるのではないかと考えることができると思います。なので,配慮義務という言葉も入れていただければと思います。   今事業者のほうも,例えばバリアフリーですとか合理的配慮というこの2つの区別がはっきりしていないのではないかと思います。できれば,そのバリアフリーと合理的配慮の2つのことを勉強する場が欲しいなと思います。そういうことを事業者のほうにも啓発していただければと思います。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見に関して,窓口というか苦情とか相談とか,そういう窓口の問題,あるいは努力義務のほかに配慮義務が必要なのではないか,あるいは何が合理的配慮なのか等含めて学習の場というものが必要なのではないかと,さまざまな御意見いただきましたが,一番最初の苦情・相談の窓口等をどう考えるかに関しては,多分というか次回の検討課題にも入っているのかなと思います。ので,細かくは次回になると思いますけれども,すみません,その点に関しては事務局さんいかがでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原からお答えいたします。   参考資料を御覧になっていただけますでしょうか。こちらに,左側の太字の2番,障害を理由とする差別の解消に関することで,「合理的配慮の提供義務」の下に,「相談体制,助言あっせん,勧告・公表,調整委員会」とございますが,こちらがまさに細川構成員からお話があった部分についての項目となりまして,次回議論させていただければと思います。   私からの説明は以上です。 ○座長 座長の阿部です。よろしいでしょうか。 ○細川 2番目のその努力義務と配慮義務のことについても,ちょっと意見をお聞きしたいです。 ○座長 努力義務・配慮義務に関しては,事務局への御質問ですか,それとも皆さんへの意見。 ○細川 できれば皆さんにもお聞きしたいです。 ○座長 はい。配慮義務ということも必要なのではないかと,そういうお話,御意見ですけれども,いかがでしょうか,皆様。はい,じゃあ小山委員さん。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   まず,細川さんからいただいた,新しく配慮義務という御提案がありました。私も,皆さんが懸念されているように,障害者が発信できない,発信しないことを理由として仕方がないとか,わからない,対応しない,できないというふうにならないようにしてほしいと思っています。これは,行政はもちろんですが,事業者もそうだと思います。そして,その配慮義務というその上で,努力義務・配慮義務というところで,配慮義務という言葉がフィットしてくるんじゃないかなと,合うのではないかなと私は考えました。以上です。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   配慮義務という言葉に関して賛同するという,そういう御意見です。あとよろしいですか。 ○谷津 宮城県宅建協会の谷津と申します。よろしくお願いします。   一応事業者としての意見を言ったほうがいいのかなと思って,まずさっき神田さんのおっしゃっていたことについては,なるほどなと,分かりやすいなというふうには感じました。それで,事業者としては努力義務というところであるならば,県民にも努力義務というのが必要なんじゃないのかなというのが,宅建業,不動産業をやってる立場からの一応意見ですね。というのは,我々部屋を仲介することが多いんですけれども,答えが用意されていないことというのが多いわけなんですね。その答えを用意するために努力義務が発生してくると思うんですけれども,その部屋を貸してくれる方というのが一般の方が多いわけなんですよ,大家さん。その大家さんを,やっぱり我々説得するんですけれども,そこで断られるというケースが非常に多いんですね。ですので,大家さん,一般の方もそういった努力義務があるんですよというふうになれば,我々の業界としても,事業として努力義務を果たしやすいのかな,答えを用意しやすいのかなと思いまして,その県民の役割,理解促進,施策協力というのを上に書いてあるので,そういった施策協力という意味では,事業者共々努力義務になっていないと片手落ちなんじゃないのかなと感じました。我々が努力したところで,大家さんからだめだと言われちゃうと,だめなものはだめになっちゃうんですね。ですので,そこら辺のところも啓蒙を我々やる必要があるんだろうなということは,業界の中ではいろいろ勉強会重ねておりますけれども,大家さんをどうやってそういうところに目を向けてもらえるかが必要なのかなと思っています。   あと,蛇足かもしれませんが,我々の業界,公益社団法人ですので,苦情相談窓口というのを用意しています。そこで弁護士の方,顧問弁護士の方,税理士の方,そういった専門家が,そういった不動産に関する苦情の相談窓口は用意できているという状況になっています。 ○座長 座長の阿部です。   今事業者の立場からということで,大家さんの事例が出てきましたけれども,それを考えたときには,やっぱり県民にも義務というものがあっていいのではないかと,努力義務ですかね,それがいいのではないかと,そういう御意見を頂戴しました。ありがとうございます。   じゃあ,及川篤生さん。 ○及川(篤) 視覚障害者福祉協会,及川です。   前のテーマで話させていただいたときにも努力義務ということが出てきて,僕ちょっとこれ不安だなと。努力義務というのは,これまでの流れを見ると,言い逃れに使われるんじゃないかと,正直言って。先ほどあった,その宅建業界の方のように真剣に考えている方もいる一方で,いや努力義務だから,うちは努力しているよって言われちゃうなっていうのが,一つ懸念としてあります。   あと,配慮義務という話が出ました。これに関して僕は,当然配慮義務というのも設けたほうがいいと思うんですけど,それでは障害当事者側からも社会に対する配慮義務,必要かなって思います。障害がある人もない人も共生できるということをキーワードにやっているわけですから,何度も言うように,障害の状況いろいろ多様なので,その配慮の,障害者側から社会に対する配慮という形はいろいろですけれども,それがあってもいいんじゃないかということ。   あと,過重にならない範囲でと,なるべくやったほう,合理的配慮を求める,提供すべきだというのあるんですが,現実的な問題として,障害者とか障害のある方に対するその配慮なんかを提供するための社会資源というのが無限ではない。当然,民間なんかのその障害者を受け入れるほうも,状況は多様であるということも考える必要があると思います。   1つ僕が思っていたのが,合理的配慮を求める中で,その配慮のラインがインフレするのがちょっと懸念としてあるんです。障害いろいろ多様だから,人によってその合理的配慮のあり方は違って当然なんですけれども,これ言いたくないんですけれども,自分でやれることをやらないで,それをやってくれっていう合理的配慮は,合理的配慮ではなくて,はっきり言って僕はわがままだと思う。やっぱりだから,当然社会の側の合理的配慮,当事者側からの合理的配慮,それが組み合わさって初めてその共生社会における合理的配慮のあり方になるんじゃないかというふうに考えます。 ○座長 座長の阿部です。   努力義務という言葉に関しては,少し不安を感ずるということと,もう一つは社会資源が有限であって,それを考えたときに懸念材料としては「配慮のインフレ」という表現がありましたけれども,その懸念もあるのではないか。あるいは,配慮ということに関しては,社会的な配慮プラス障害を持った方々からの配慮とか,両方からの側面というものが必要なのではないかと,そういう御意見をいただきました。ありがとうございます。   あといかがですか。じゃあ,及川智さん。 ○及川(智) 及川智です。   合理的配慮の提供義務については,これも意見書として提出していますが,私は民間事業者においても義務としていいのではないかというふうに思います。その上で,冒頭神田さんが文章を整理してくださったので,あの整理は非常によいと僕も思っています。文言の上で,過重な負担ということが出ていますが,それは実際に配慮を求められたときに検討されるべきことでもあると思っていて,そうすると事業者においてもそれを義務として考えてもいいんじゃないかと思います。   先ほどのもう一つの谷津さんの案件で,なるほどなと思ったのは,大家さんのケースとして県民という場合もあるなと思った次第です。   合理的配慮について言うと,僕は今までの一方的な関係性を改善する大きな考え方だと思っていて,障害者差別を考える上で建設的な対話というキーワードがあります。これは,僕は個人的にとても好きな言葉で,やっぱりお互いに意見を交換して状況を説明して納得すれば,状況が万が一改善されなかったとしても,そういう過程があれば関係性は大分変わってくると思うんです。なので,そういう意味で,お互いに話し合うというか,何を求めて何を求められているのかということを話し合う一つの大きな考え方だと思っていまして,もう一つ,障害を持っていると,動き方だったり考えることがちょっと時間がかかったりということがあります。それは,社会的に考えると「遅い」とかというふうになって,置いていかれたりすることが多々あります。社会的な動き方でいうと,それはある意味で仕方ない部分もあるという考え方もあるんですけれども,スピードとか社会状況に入れない人間を作っているということに目を向けないと,この問題はいつまでたっても解決はできなくて,解決,大きなポイントが合理的配慮という考え方なんだと,自分で理解をしています。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見は,今まで出ていた御意見に賛同するということと,もう一つは民間事業所に関しては義務がよいのではないかと,そういう御意見。あるいは,一方的な関係性からお互いの話し合いあるいは説明・納得と,そういうプロセスが非常に大事なのではないかと。あるいは合理的配慮の前提,あるいはこれを進める上でも,社会の動きが全てではなくて,よく昔,高度経済成長のときに「バスに乗りおくれるな」とか,そういう表現もありましたけれども,そういう社会の動きに乗れないというか逸脱している場合にそれを排除すると,そういうような例えば社会の風潮であれば,合理的配慮というものもなかなか進まないんじゃないかと,根っこはそういうところにあるのではないかと,そういう部分の御意見だったかなと思います。ありがとうございます。   いかがでしょうか。はい。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   谷津さん,細川さん,及川さんのお話は,本当にそのとおりだと深く納得をさせられました。そして,及川智さんがおっしゃいます建設的な会話,これを行うために,合理的配慮も含め宮城県民全員に努力義務があるというお話だと思いますので,まず義務も確かに必要ですが,そればかりではなく,障害者にも健常者にも障害の知識や専門用語などについて学べる場,これがあるとさらに建設的な会話というものがはかどると考えます。 ○座長 座長の阿部です。   県民のほうにも努力義務というものを課すと,そういうことに関しては賛同するということで,そのためにも県民の方の意識であったり,そういう啓蒙活動というものが大事なのではないかと,そういう御指摘いただきました。ありがとうございます。   そのほかよろしいですか。じゃあ,小山さん。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   私も谷津構成員さんの意見を聞いて,なるほどと思いました。及川篤生さんのほうから,当事者にもその一方的に合理的配慮を求めるだけではなく,当事者側にも義務があるという御意見もありました。その中で,私は「わがまま」という言葉を使われましたが,例えば障害者が必要として求める合理的配慮を求める場合,やはり必要だから求めるのであって,その前提として,障害者が社会に関してのモラル,マナー,そういったところの理解はもちろん必要だと思いますが,そのあたりが一方的に誤解を与えないようにするべきだと私は思います。そのために,木村綾子構成員からも御意見がありましたが,私もお互いに建設的に理解を深めていくというところで,相互理解,これは私もとても好きな言葉です。障害があってもなくても,立場が違っても,相互理解というところで初めてこの障害の理解と,それから配慮なり,配慮と言わなくても社会が自然に必要なことができる,そんな社会になってほしいなと私は思っておりますので,願っておりますので,今回御提案された県民にも,私たちも県民の1人ですので,及川篤生さんのおっしゃった御意見も,県民の1人として努力義務という言葉に,文言になれば,それも含めて考えられるのではないかなと思いました。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見は,全体的に賛同されているというお話と,もう一つは改めて相互理解の重要性というものが強調されていたことと,もう一つは1人1人県民の義務というものをやはり規定すべきではないかと,そういうようなお話だったと思います。ありがとうございます。   あとございますか,よろしいでしょうか。じゃあ,はい。 ○副座長 副座長の笠原です。   今日,実は事業者の方の意見をいろいろ聞きたいなと思ったんですけれども,事業者の方で出席されているのが谷津さんぐらいしかいらっしゃらなかったので,努力義務なのか法的義務なのかというところで,事業者の方と話をしていると,法的義務ですと,合理的配慮を欠けば即違法で,場合によっては損害賠償請求ですとかそういう話にもつながりかねないですね。努力義務ですと,努力義務なので即違法にはならずに,先ほどどなたか言った努力義務なので違法ではないというふうな判断に流れることがあると。過重な負担の部分と,努力義務にするのか法的義務にするのかというのは,私としてはちょっとリンクする,関わるところがあるのかなと思っていまして,事業者も大小いろいろありまして,過重な負担というのが,その人的な部分なのか予算的な部分なのか,そういったこともあると思うんですね。例えば,この皆さんの感覚も聞いてみたいなと思うんですけれども,そうですね,商業施設に,商業施設だとごめんなさい,これ法的な規制があるのかな。お店をやっている個人の方が,個人のお店に段差がありますと,段差があってそこ行けませんといったとき,一体その段差解消してくださいって言って,いやいやちょっとうちの今の売り上げじゃあ,なかなかそれできないんだよねという話になったら,それってどうですか,その事業者にとっては過重な負担なのか,いやそんなの過重な負担じゃないだろうという感覚なのか,その辺ちょっとお聞きしたいなと思ったんですけれども,どなたか。今ぱっと感覚でいいんですけど,及川さん,どうですか。 ○及川(智) 僕もよく経験する事例でして,実際にお店の人にお願いをしてお話をしたこともあって,断られるケースが多いです。ただ,2回ほど実際に階段がスロープになったりということもありました。笠原さんのおっしゃるように,どっちかという判断をする非常に難しい部分があるんですけれども,さっき僕が言ったのは,お店ができないよと,改善できないよと,当然こっちは何でだというふうになるわけです。そこで,ある程度やりとりができれば,大分変わってくるというふうに,具体的には改善できなくても,実際に当事者としては印象は全く異なるというふうに思っています。義務にしたから,その罰則とかペナルティーという話の前に,前段階があるんだと思っています。答えになっているかわからないですが,そんな感じです。 ○副座長 ありがとうございます。   多分,及川智さんの今の話でいくと,努力義務であっても,その努力義務に反しているから改善してくれと言って,次回検討することになるかもしれないあっせんですとか,そういったところも含めて話し合いの場が可能になるのかなと思うんですけれども,事業者の方はやっぱりこのペナルティー,その罰則ではないんですけれども,自分が対応できないことが法に反することだということに,すごく萎縮しているというか,私が話する方々なんかは,できれば車椅子の方ですとか体が不自由な方であってもお店を利用していただきたいとか,そういう方も結構いるんですけれども,それが法的義務とかになってしまって,自分がそれに対応できなかったときに,損害賠償にしろペナルティーなのかもしれないですけれども,そうなる恐れを感じているところがあるので,その事業者側からすると,その過重な負担でなければというところと,努力義務なのか法的義務なのかということについては,結構敏感になっている部分があるんだなというのが,すみません,私の聞いた限りでの話なので,本当は当事者の方から御意見いただければなとは思っていたんですけれども,そういう声もありますよという紹介にとどまってしまいますけれども。 ○座長 じゃあ,及川篤生さん。 ○及川(篤) 視覚障害者福祉協会,及川です。   前に,同じ及川なんだけど違うと言いましたが,段差に関しても智さんと僕は全然違って,僕みたいに杖で歩いている人間は,段差は逆に目印なんですよ。だから,点字ブロックは智さんには邪魔だけど,点字ブロックは僕はないと困るっていう,その障害の特性によってすごい逆なところがあって,一概に何とも言えない。白杖で歩いている僕にとっては,その段差が店の入り口だったり,そういうので発見する道具になるので,本当これ,障害の状況によって違うなと思います。   それで,もうちょっと亡くなってしまったんですが,僕の友達で視覚障害者で車椅子の人がいました。その人とも当然一緒に飲みに行ったり,いろんなところに行ったりしていたわけです。そうすると,当然彼と一緒に移動するから,そのときはやはり智さんと同じように,その段差というのが僕らにとっても邪魔というかバリアだったんですけれども,僕がさっき言った,そのお互いに配慮,社会の側も配慮,当事者側も配慮ということでいうと,その彼と2階にあるテナントに行ったんですけれども,僕らほぼ見えない集団で歩いているので,どうにか頑張れば彼の車椅子を担いで上がることも可能といえば可能なんですが,危険なのでやれない。であるから,やっぱりこれマンパワーでどうにかなるんですよ。だから,店の方にちょっと力を貸してもらえばいけるんですよ。だから,そのためにどうするかというと,僕が言いたいのが,社会の側もそういう人を助けてくれる配慮と,そういうふうにちょっと助けてくれっていうときの配慮も,いきなり行って,こういう状況だから上げてくれというのは,僕はちょっとそれはこっち側の配慮が足りないなと思っているから,そういう状況が予想されるときは,常にやっぱり店に「こういう状況なのでよろしく頼む」っていうふうに入れているんですよ。だから,その段差という物理的な,そのコストがかかるようなバリアというのは,なかなか改善できないとは思うんですけれども,本当にそのお互いにちょっと気を遣うだけで,そのマンパワーでいけるところは相当いけるんじゃないかというのが僕の考えです。 ○座長 ありがとうございます。 ○木村(香) 社会福祉士会の木村です。   今障害者権利条約についてというパンフレットが手元にあるんですけれども,その中で合理的配慮について定義づけられているので,ちょっと答えになるかはわからないのですが,読み上げたいと思います。   障害のある方から,何らかの配慮を求める意思表示があった場合,求められた側は過度な負担とならない範囲で社会的障壁を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことが求められるというふうになっております。先ほどの例で申しますと,お店の例えば段差があるといった場合に,お店の方が配慮するとなると,バリアフリーにするというのにはちょっと時間もコストもかかるということであれば,店の外に例えば商品を持っていって,欲しい商品を提案するですとか,当事者の方もどのようにお店の人に商品を持ってきてもらえれば買うことができるということをお店の人に伝えるというような,お互いにそのできる範囲の中で配慮をしていって,それぞれ求められていること,できることを提供し合うというのが合理的配慮には必要なのではないかなというふうに感じました。以上です。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   今定義づけの話から,具体的な事例を通じて,お互いにできる範囲はお互いに話し合いながらということが前提でしょうけれども,そのお話をいただきました。ありがとうございます。   じゃあ,すみません,小山委員さん。 ○小山 盲ろう友の会の小山です。   私も友人の盲ろう者から聞いた事例を挙げながら話したいと思います。   全盲ろう,全く聞こえず見えない全盲ろうで,電動車椅子を利用していて,それから酸素ボンベも使っているその盲ろう者が,段差のあるお店に行きました。すると,もちろんそこでは電動車椅子はそのままでは入れません。ですが,そこでお店の方が出てきて,その重い電動車椅子を4〜5人ぐらいで持ち上げて中に入れてくれた,そういった事例もあります。   私が申し上げたいのは,その段差がバリアにはなるけれども,お店の方,事業者さんがどれだけ最大限その入店をしていただく努力をしていただけるかどうか,そしてできること,できないこと,もちろんあると思います。その中で話し合いをしたり,納得,理解のできる説明であれば,当事者も不快な思いはせず納得できる部分もありますし,そこで相互理解が生まれると私は思っております。例えば,段差については,今すぐでなくても,その段差を大がかりな工事をしなくても簡易的にスロープを手作りしたり,そういったことも配慮の一つだと思います。   それから,及川篤生さんほかの皆さんもお話しされていましたが,人の理解と力でできることもあると思います。そういった意味で,義務にするかどうかというところで,努力義務のほうが事業者も話し合いやすいのではないかなと,お互いが理解し合えるんじゃないかなとちょっと思いました。 ○座長 ありがとうございました。今緊急メールが,音がなりましたけれども,今のお話は,具体的な事例を通じて,先ほど木村委員さんからの話ありましたけれども,お互いできる範囲,それは話し合いを通じてとか,相互理解を通じてとか,そういうものが前提になるのではないかと。もう一つは,事業者の方々にとっては,努力義務のほうがお互いに話し合う,あるいは相互理解しやすいのではないかと,そういうような御意見あるいは御感想をいただきました。ありがとうございます。   すみません,じゃあ木村さん。 ○木村(綾) 仙台スピーカーズビューローの木村綾子です。   精神疾患当事者としましては,そもそも合理的配慮をお願いすることに非常に萎縮してしまう方が多いのが実情です。例えば「障害により体調がすぐれないので,仕事で長期休暇を取らせてほしい」や,就労に当たり,その条件を事業者の方と話し合い,交渉をするといったこと自体ができない場合が多く,結果として合理的配慮を求められない方が多数であることを知っていただきたく思います。 ○座長 座長の阿部です。   交渉するという,そこまでいかない方々もいるということを御理解いただきたいと,そういうお話をいただきました。ありがとうございます。   じゃあ,細川委員さんお願いします。 ○細川 一般社団法人宮城県聴覚障害者福祉会の細川です。   先ほど及川さんのほうから,そのお店に行ったときの段差で,スロープで対応してもらったとかという,そのお客様のほうの希望に合わせて店側のほうがやってくれるということ,それも努力義務ではなくて,それは配慮義務だと私は考えます。努力義務ではなく配慮義務ではないでしょうか。なので,私は配慮義務というのを提案したいと思います。 ○座長 ありがとうございます。   配慮義務のほうを,努力義務ではなく,事例を解釈すると努力義務ではなくて配慮義務と言われるのではないかと,そういうお話でした。 ○副座長 副座長の笠原です。   細川さんがおっしゃっている配慮義務というのは,私の理解で,整理ですと,配慮義務の中に努力義務と法的義務があるという整理になっているんですけれども,またその配慮義務と努力義務が並列になっているのかどうか,その辺の整理がちょっと,私の理解とずれているかなと思うんですけど,説明いただければ。お願いします。 ○細川 福祉会の細川です。   例えば,配慮義務の場合は,現場で起きたときにやるのではなくて,事前にもうやってもらえるというのが……すみません,言い直します。配慮義務の場合は,現場で起きたとき,それに合わせてすぐ準備をしなければならないのが配慮義務。努力義務というのは,できる,できないという判断が,起きた後の結果です。配慮義務の場合は,現場で起きたことに対して,それに合わせて配慮をするという意味です。私はそういうふうに解釈しています。もし,間違いがありましたら申しわけありません。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。いかがでしょうか。 ○副座長 先ほどの例で,及川篤生さんの例で,事前に電話をしてお店に行くという話がありましたけれども,それに対応するのは配慮義務ですか。 ○細川 はい,そうです。 ○副座長 事前に連絡をしないでお店に行って,階段上れないので運んでくださいとかいうような場合は,これは配慮義務ではないんですか。 ○細川 細川です。   現場で判断ができる配慮義務も含めています。すみません,現場で判断できる配慮義務も含めたいというのが私の考えです。 ○副座長 それも含めて努力義務じゃなくするという整理ですか。 ○細川 細川です。   努力義務と配慮義務,並列でお願い,というのがちょっと私の考えです。 ○副座長 ちょっと僕のイメージとなかなかしっくり来ないなというところがあるので,ほかの方に聞いても。 ○座長 じゃあ,佐藤委員さん。 ○佐藤 名取市役所の佐藤と申します。   私は行政の者ですし,県民の1人としてもちょっと考えをお伝えできればとは思うんですけれども,先ほど笠原副座長さんのほうから,例として小さなお店というか商店に来た場合,障害の,ちょっと段差が上れない方が来た場合にという例があったと思うんですけれども,私そのときに思ったのは,やはり少しでもお店の方とか通りを歩いている方が協力をして,お店の中に入れるぐらいの段差であれば手を貸すとか,あとはちょっと何段もあるようなところだったら,御希望の商品を何点か持ってきて,そこから選択してもらって,ちょっと代金もそこで頂戴してみたいなことかなって思ったんですけど,それは配慮義務になる,でも努力もしているのかなと思うのでどちらも入る,配慮が先なのかなって何となく思うんですけれども,はい。   私もちょっとかかわっていました対象者の障害のある方も,お一人で住まれていて,なかなか買い物に行くのが大変だったんですけど,タクシーの運転手さんの方が迎えに来てくださって,お家からタクシーに乗るのも不自由だったので,そこの手を貸してくださったり,コンビニに行ってもなかなか1人で買い物できないので,タクシーの運転手の方とコンビニの店員さんとが協力して買い物もさせてくださっていたりがあったので,それが事業者としての,なかなかそのハード面をすぐに変えるというのはちょっと難しいところもあるので,その辺が事業者として努力していただける最初のスタートのところなのかなと思います。 ○座長 ありがとうございます。   まだまだ議論があるのかもしれませんが。じゃあ,及川さんで最後ということにしましょうか。 ○及川(智) 僕も議論はしたいんですけれども,先ほど避難準備命令が入ったので,判断をどうしましょう。 ○座長 ありがとうございます。   今お話ありましたし,緊急情報が入っていますので,今言葉の説明として,配慮義務あるいは努力義務と,その関係性等々の,ちょっと宿題というか,それが議論の途中ですけれども,ちょっとここで結論出る話でもないのかなと思います。少し中で引き続き御議論いただければと思います。   すみません,時間がとても長くなってしまって,大変申しわけありませんでした。   それでは,ここで議事を打ち切ってよろしいでしょうか,終了させていただいて。はい,ありがとうございます。   それでは,今緊急情報も入っていますので,どうぞお帰りの際はお気を付けてお帰りいただければと思います。本日は,長時間にわたりましてありがとうございます。   あと,議事進行は事務局にお返しします。   4.閉 会 ○司会 皆様,大変お疲れさまでございました。阿部座長,お疲れさまでございました。   ここで,本来ですと御質問とか連絡事項をいただきたいところなんですけれども,大分当初予定しておった時間も超過しておりますので,御意見等ございましたならば,改めて別途何かこちらのほうに一報いただければと思います。   簡単に次回の御案内させていただきます。次回,令和元年11月14日開催予定です。場所それから開催時間等については,改めて事務局のほうから御案内を差し上げます。御了承願います。   それでは,本日の検討会,大変長時間にわたりお疲れさまでございました。外は大分暗くなっておりますので,お気を付けてお帰りください。   これで終了したいと思います。ありがとうございました。 (第3回議事要旨終わり)